SCP-7751
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アイテム番号: SCP-7751

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-7751-A実例は安全に収容できる反面、SCP-7751の堅実かつ恒久的な収容方法は発見されていません。財団ウェブクローラ 402-OVERFISHING が、全てのアーカイブメディア・ネットワークを監視し、SCP-7751-A実例を検出・除去する任務に就いています。除去されたSCP-7751-A実例はサイト-59のメディア棟に保管されます。

倫理委員会指令に則り、更なるSCP-7751-B個体の調達は、理由の如何を問わず禁止されています。シカゴ・サンタイムズ本社の郵便仕分け室は財団の管理下に置かれています。到着した全ての郵便物は、未開封のまま特殊機器でスキャンされます。SCP-7751-Bの要請が検出された場合、その郵便物は未開封のまま焼却処分されます。

現存する全てのSCP-7751-B個体はサイト-7751で極低温保存されます。個体群の苦痛を軽減するための更なる研究は保留されています。

説明: SCP-7751は意味の不明確な政治的概念です。SCP-7751が今日1の政治情勢において議論されているテーマだという証拠はありません。

SCP-7751は政治関連のメディアを改変し、そこに自らの存在を含めることが可能です。しかしながら、改変の対象となるのは、アーカイブされてから最低5年が経過したメディアのみです。また、英語を主要言語とする国のメディアのみが影響されます。

SCP-7751-Aは上記のように影響されたメディアを指します。発見されたSCP-7751-A実例の約98%は1コマ政治風刺漫画です。漫画では、SCP-7751は最も一般的に“クラームビックス問題”the Clurmbix Question、“CBQ”、もしくは“CB?”と表記された巨大なグリーンモレイ2の姿で描写されます。

SCP-7751によって改変されたコンテンツの存命の作者たちは、質問を受けた際、SCP-7751の存在についていかなる知識も示していません。

収集されたSCP-7751-A実例の一部ログ

番号: SCP-7751-17
日付: 1805年12月12日
種類: 1コマ漫画
原作者: ジェームズ・ギルレイ
タイトル: “自ゆ-あうっ! 平ど-あうっ! 友あ-あうっ!”
説明: 丸太小屋の一室で、ジョン・ブル3がナポレオン・ボナパルトの尻を叩いてお仕置きをしている。窓の向こうには、巨大なSCP-7751が把握力のある舌をロシア正教会の尖塔に巻き付け、大量のよだれを垂らしているのが見える。

番号: SCP-7751-75
日時: 1841年3月25日
種類: 1コマ漫画
原作者: ロバート・N・エルトン
タイトル: “食器棚は空っぽだから、気の毒な犬はなんにも貰えなかったとさ!”
説明: ウィリアム・ヘンリー・ハリソン大統領が乾物屋に扮し、店内でSCP-7751と口論している。ハリソンはこう告げている: 「よく聞きな、クラームビックスさん — 俺の自慢の店じゃあ、“水で戻したファラオ”なんてもんは扱ってないし、今後も絶対に扱わない。どういう意味かさえ分からん! さぁ、あんたの商売は他所でやるこった、そして生きてる限り二度とファラオの件で俺を煩わせるなよ!」
注記: この漫画は、ハリソン大統領が病状の悪化により、4月4日に在任期間僅か31日で死去する前日に出版された。

番号: SCP-7751-280
日付: 1875年5月19日
種類: 1コマ漫画
原作者: トーマス・ナスト
タイトル: “ほら、ささやかなお遊びが何処に私たちを導いたかを見るがいい!”
説明: トラ (“タマニー・ホール”と表記) とロバ (“民主党員”と表記) がそれぞれ縄跳び遊び用の縄の端を口にくわえている。縄はSCP-7751の首に絡み付いている。トラとロバは驚愕と恐怖の表情を浮かべている。SCP-7751は息を詰まらせ、白目を向き、見たところ恍惚とした様子で口角を上げている。

番号: SCP-7751-292
日付: 1889年10月1日
種類: 1コマ漫画
原作者: アンリ・ジュリアン
タイトル: “満杯のグラスを持っている振りをした方が賢明だ”
説明: アンクル・サムに付き添われた17人のカナダ騎馬警察官が、空のワイングラスを緊張した面持ちで掲げている。SCP-7751は彼らを見下ろし、睨み付けている。

番号: SCP-7751-1930
日付: 1999年6月5日
種類: 新聞4コマ漫画
原作者: ギャリー・トゥルードー
タイトル: N/A (シリーズ名: ドゥーンズベリー)
説明: 1コマ目: 擬人化された弾丸が記者に向かって話している: 「安全装置だの、挿弾子の輸入禁止だの、身元調査だの — 俺たちはここじゃ常識に圧倒されてる!」 2コマ目: SCP-7751が読者を見つめている。 3コマ目: 2コマ目と同一。 4コマ目: 2・3コマ目と同一だが、SCP-7751は「僕はハンバーガーが欲しいです」と発言している。

番号: SCP-7751-2030
日付: 2005年1月31日
種類: 1コマ漫画
原作者: ダナ・サマーズ
タイトル: N/A
説明: 擬人化されたゾウとロバがバーに座っている。ゾウはすすり泣きながらロバに懇願している: 「君は分かってないよ! 我々は今すぐにバックギャモンをやる必要があるんだ!」 SCP-7751がゾウの背後に聳え立ち、“バーベキュー用品”と表記された金属製のブリーフケースを歯でくわえている。

番号: SCP-7751-2983
日付: 2009年7月14日
種類: 1コマ漫画
原作者: ゲイリー・マークスタイン
タイトル: N/A
説明: SCP-7751が嘔吐している。バラク・オバマ大統領が緊張した面持ちで拍手している。

番号: SCP-7751-4847
日付: 2013年11月25日
種類: 1コマ漫画
原作者: ベン・ギャリソン
タイトル: “マーノ・エ・マーノ”
説明: SCP-7751が“食物帽子”と表記されたコック帽をかぶり、イタリアンレストランでディナーテーブルを見下ろしている。ジョン・ケリーが大きなカイゼル髭を生やしたイタリア人給仕に扮し、切断された人間の手を盛り付けた大皿をドナルド・トランプに出している。トランプとケリーはどちらも厳粛な受諾の表情を浮かべている。大皿の上に見える手はそれぞれ“切断された人間の手”と表記されている。大皿には“平坦な表面”と表記されている。

番号: SCP-7751-4879
日付: 2014年2月12日
種類: 1コマ漫画
原作者: アンディ・マーレット
タイトル: “そいつを突っ込め”
説明: ミッチ・マコーネル上院議員が緊張した面持ちで脱衣している。SCP-7751は床に置かれたバケツを彼に向かって鼻先で押し出している。バケツからは未知の黒い液体が溢れている。

番号: SCP-7751-4901
日付: 2015年1月9日
種類: ラジオ番組
原作者: ラッシュ・リンボー、et al.
タイトル: “またしても選挙の年”
説明: 放送開始14分時点で、司会者が次の独白を開始する。

<記録開始>

リンボー: …ただ、この話題を深く掘り下げる前に、記録として1つハッキリさせておきたい。オバマケアの導入前、俺たちのマヌケなスルタンが大統領執務室にコソコソ忍び込む前、この国全体がひとまとめに正気を失っちまう前 — この問題が本当のところどれだけ深刻かを思い出さなきゃダメなんだ。

長い血染めの紐を手に取り、ワシントンのありとあらゆる汚職の根源まで、そいつをずうぅっぅっと辿っていく — そして辿り着いたら自問するんだ。クラームビックスをどうする? 誰がクラームビックスの責任を取る?

(書類をめくる音)

いや、聞いてくれ、クラームビックスについて話したいことがある…

(24秒間の沈黙。)

旧き良きクラームビックス。

(リンボーは3分38秒間にわたって荒い息を吐く。)

…いやはや、なんともはや。

(テーブルに拳を3回叩き付ける音に続いて、テーブルがひび割れる音。)

(リンボーは眠たげな声で笑う。)

あぁ…

(彼は27回舌打ちする。)

(6分間の完全な沈黙。)

…ここは一つ、物を壁にぶん投げるようなつもりで例え話をしようか。上手い具合に壁にくっつくか、はたまたゴシゴシ拭き掃除しなきゃいけない汚れが後に残るか。 (全く愉快だな、えぇ?)

頭の中に、1匹のゴキブリを思い描いてほしい。大洋の一番深い所、マリアナ海溝の底にある粋なちっちゃいゴキブリハウスに住んでいる。いや、海底よりもっと下だ。マリアナ地下室。ゴキブリ新聞を読みながら叔母さんが淹れてくれたゴキブリ茶を飲んでいる。ふぅぅぅぅぅぅむ。

こんな深海で暮らすには、ゴキブリくんと彼のザ・ゴッキーハウスは1平方インチあたり“ファッキュー”ポンドの水圧に常に耐えなければいけない。もし、物理法則の気ままな逸脱のせいで、彼がそれでもピンピンしているとしたら、一体全体どんな、どぉんな、どぉのような恐るべき存在であることか。

しかし、ゴキブリくんも海底に四六時中いるわけじゃないんだよ、分かるだろう? 海上の世界にしかフード・ライオンは出店していないし、海の底の何処に行けばケロッグを2割引で買えるっていうんだ?

(彼は号泣する。)

じゃあ、そいつが突然浮上してきたらどうなるか? 減圧のせいで街サイズまで膨れ上がるだろう! いや、大陸サイズ! 国家サイズ! そして万が一、ゴキブリくんがこの第二の物理法則の破綻を生き延びてしまったら、彼にはこの宇宙のありとあらゆるハッピーでささやかな報酬を得る資格があるんじゃないか? それとも“実力主義”という言葉はおばあちゃん家の煙突の内側に焼き付いた薄いシルエットでしかないのか?

(彼は10秒間にわたって金切り声を上げる。)

(12秒間の静かなすすり泣き。)

虫けら。

(彼は含み笑いする。)

(彼は突然落ち着きを取り戻す。)

しかしまぁ、これは俺がそう見ているというだけでね。先に進もう! 何かもっと明るい話をしようじゃないか、警察の残虐行為とか…

<記録終了>

SCP-7751-Bは身長10cmで生物学的に不死の生命体です。あらゆる負傷から最大10秒以内に回復します。採取された組織サンプルからは、ヒト及びグリーンモレイのDNAが検出されています。SCP-7751-Bは大まかにヒト型の体形をしています。視認できる感覚器官は小さなヒト様の口、単一の鼻腔、単一の外耳道のみです。その他の特徴としては、体毛が不規則に点在し、胴体にネクタイの形をしたスキンタッグ4があります。手足には指がありません。

SCP-7751に関する情報の提供を要請する物理的な郵便物が、シカゴ・サンタイムズ宛に送付されると、SCP-7751-Bが生成されます。この現象は他の新聞社に要請を送付しても再現できません。高度尋問技術を用いた場合でも、シカゴ・サンタイムズの職員がSCP-7751-Bについての知識を示したことはありません。

しかしながら、要請がシカゴ・サンタイムズの本社で開封された7日後、ダンボール箱に入ったSCP-7751-B個体が、要請送付者が普段荷物を受け取る場所に出現します。ダンボール箱の返送先住所はシカゴのサンタイムズ社屋とされています。箱の中身は、1体のSCP-7751-B個体が収められ、梱包材として馬糞が充填されたメイソンジャーです。

メイソンジャーに貼られたラベルには、次のような指示が手書きされています。

1. ハンマーでぶっ壊す (フタを開けるな)
2. 距離を取る
3. ヨウ素添加塩を振りかける
4. どーいたしまして、ビッチ

適切な要請を送付してから7日後の2023/10/30、財団サイト-59の受領部門は1体のSCP-7751-B個体、以下SCP-7751-B-1を入手しました。

インタビューログ - SCP-7751-B-1
日付: 2023/10/30
場所: サイト-59 試験室C1

<記録開始>

(SCP-7751-B-1が収められた瓶が、試験室の中央のテーブルに置かれている。ダニエルズ研究員が釘抜きハンマーを持って近付く。ニコルズ博士が彼に付き添っている。)

ダニエルズ: ゴーグル、ヨシ。こちらはいつでもいける。

(ニコルズが頷く。)

(ダニエルズはハンマーで瓶の蓋を軽く叩く。側面にひびが入る。)

ニコルズ: 叩き割れと指示したはずだが。

ダニエルズ: いや、だってそいつを傷付けたくないんだよ! 常識的に考えておかしいだろ。

ニコルズ: 貴重なご意見をありがとう。叩き割れ。

(ダニエルズがハンマーを大きく振りかぶる。)

(突然、瓶の中からくぐもった金切り声が聞こえる。)

(ダニエルズは躊躇する。)

ニコルズ: (溜め息) 生物学的に不死身なんだよ! とっととぶっ壊 —

(瓶が破裂する。)

(ニコルズもダニエルズも床に倒れ込む。両者の身体には幾つかガラス片が食い込んでいる。)

ダニエルズ: があぁっ、ファック!

ニコルズ: これがまさにゴーグルを付けるべき理由なんだ。

(SCP-7751-B-1が甲高い声で叫びながら、飛散しなかった充填材の中で闇雲に手足を振り回している。)

うぅ。塩を取ってくれ、早めに済ませてしまおう。

ダニエルズ: 血管に馬糞が入ったような気がする。

ニコルズ: やる事は一度に一つ! 塩!

(両者ともに立ち上がる。ダニエルズはヨウ素添加塩の小瓶をSCP-7751-B-1の上にまぶす。)

(SCP-7751-B-1は即座に叫ぶのを止め、成人のバリトン声で話し始める。)

SCP-7751-B-1: おぉ、そうだ、これをやるんだった。

(SCP-7751-B-1は直立し、ネクタイのようにスキンタッグの位置を調節する。)

SCP-7751-B-1: 散らかしてすまん。

ニコルズ: 喋れるんだね? …記録のためにまず君の名前を述べてくれ。

SCP-7751-B-1: オーケイ、クラームビックス問題関連のことだけ訊いてくれっかな — 俺の時間はいわば借りもんだし、あんたらも次の隷従開票検査員を注文して同じような後始末をしたくはないだろ? なぁ。

ニコルズ: 隷従開票検査員?

SCP-7751-B-1: あーっ、もう — 分かったよ! サイコーだね! 俺の話をしようや! まるで俺の人生全体の意義がクラームビックス問題についてあんたらに語ることじゃなかったみたいじゃねぇか!

ニコルズ: いや —

SCP-7751-B-1: さて。俺は深妙民主主義の大局的クラームビクションな側面について現在形で語れる数少ない生物の1体として育種された錬金術ホムンクルスだ。そしてあと1分未満で俺の胚腺のアニマ水銀が枯渇して、俺は宇宙が熱的死を迎えるまで続く苦痛に満ちた死の如きトランス状態になるのさ — どうだ、満足か?!

ニコルズ: すまない。

SCP-7751-B-1: うるせぇ、時間が押してる。

ダニエルズ: えぇと、クラームビックス問題は右翼か、それとも左翼か?

SCP-7751-B-1: ありがとよ。これは問題なんだ、分かるな? 問題は中立さ — リベラル、保守、非スナーム、権威主義、リバタリアン、キャベンディッシュ、(解読不能)、類人猿のどれかになるとしたら、それは答えだ。

ニコルズ: では問題とはなんだ? 主流の政治情勢で見かけた覚えは無いんだが —

SCP-7751-B-1: それはさぁ、多分主流じゃないからじゃねぇの? 言わなきゃ分かんねぇか?! いいか、どの政党に加わるかを決める時、見聞の広い有権者は全ての要素を考慮する必要がある。例えそれが時間外、つまりどの時点から見ても5年前にしか存在し得ないようなもんだとしても… おぉーっとここで俺のマイクロパルス終了のお時間だ。グッド・ファッキン・ナイト。

(SCP-7751-B-1が倒れ込み、呼吸困難に陥る。)

ダニエルズ: 大丈夫か?

SCP-7751-B-1: 苦痛に満ちた死の如きトランス状態になるって言ったよな?

ダニエルズ: すまない。

SCP-7751-B-1: ヘッ。少なくとも俺のスケジュールは変わらねぇか。

(SCP-7751-B-1はこれ以降反応しなくなる。)

<記録終了>

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