SCP-7779

scp_trans.png


特別収容プロトコル: 別のSCP-7779イベントが発生する可能性を財団が確定できるまで、SCP-7779のオブジェクトクラスはNeutralizedに更新されません。SCP-7779の調査を担う研究チームは、アノマリーの本質を示す決定的な証拠を例外なく隠蔽しています。

map.png

SCP-7779以降の西ヨーロッパの更新版地図。地質学的事象から新たに形成され、国連の統治下にある領土は灰色で示されている。

説明: SCP-7779は2009年8月23日、グリニッジ標準時10時30分に発生した異常事象です。この日時、フランス共和国の一部として法律上認識されていた全ての地理的領域が突如として消失しました。この現象は、深さ約2.5 kmの陸塊の他、航空機や人工衛星といったフランス国内の全ての人工物にも及びました。

フランス領の突然の消失により、広範囲に及ぶ真空空間が発生し、空気や海水がその空間に向かって急速に流入しました。真空で生じた爆発の影響で、西ヨーロッパ中に強風が吹き荒れました。海上に大気圧が掛からないため、SCP-7779と接触した液体は沸点が低くなり、その結果として沸騰した高波が連続で発生し、ヨーロッパ、北アフリカ、中東の主要地域を浸水させました。この高波はその後24時間以内に南アフリカとアメリカの沿岸地域にも及び、インフラストラクチャーへの多大な損害や人命の喪失を招きました。

同時に、大陸の突然の縮小により、かつてフランス領が存在した場所に向かってユーラシアプレートの一部が移動したため、地震が連続して発生しました。規模は小さいものの、同様の地震は世界中で記録されました。また、真空を原因とする地質学的不安定化により、ピレネー山脈やアルプス山脈を始めとする大陸が崩壊し、フランス沿岸へと流出して新たな土地が形成されました。かつてフランスと隣接していた国々の発議者は、自国政府に領有権の主張と領土の併合を求めていますが、現在これらの領土は国際連合が統治下に置いています。

早期評価から、犠牲者数は12億人前後、復興に費やされる費用は55兆ドルと判明しました。

SCP-7779の発生から1週間のうちに、世界規模で株式市場が崩壊しました。フランスの輸出市場が突如として消失したことに伴い、フランスの医薬品や各種食料品に依存していた数ヶ国が非常事態の宣言を余儀なくされ、社会不安によって事態はさらに深刻化しました。恐慌からの買い占めが横行し、ヨーロッパのサプライチェーンがほぼ完全に崩壊したことから、世界市場で大規模な供給不足が発生し始めました。

これまでに数百万の人々が略奪や暴動に及び始めています。海面が約3.8 m下降した結果として世界規模の海運ネットワークが遮断され、この状況は悪化の一途をたどりました。この突然の下降は旧フランス領での海水の貯留が原因であり、ほとんどの港が使用不能となった他、海底 (特にボスポラス海峡やマラッカ海峡) の露出によっていくつかの海運ルートが寸断されました。

SCP-7779が海洋生物にどれほどの影響を及ぼしたのかは不明ですが、完全に絶滅してはいなくとも、多くの種の個体数が激減したと考えられています。数百頭の大型海洋哺乳類や数百万匹の魚が打ち上げられ、グレート・バリア・リーフ、シャアブ・アブ・ヌハス、ダーウィンマウンドなどの有名なサンゴ礁の数が大幅に減少しました。これらの個体群は、最低でも200年の猶予期間を経て自然に回復すると考えられています。

conference.jpeg

アメリカ合衆国、シチュエーションルームにおけるバラク・オバマ大統領と生き残りの108評議員。

108評議員の大多数はSCP-7779から生き延びることができなかったため、世界オカルト連合 (GOC) はクラス-Δ "全面解散" シナリオの発令を余儀なくされました。加えて、GOCの活動に必要な中央司令部や全ての法的措置が事実上効力を失ったために、現存する資産に対する目的に見合った指揮はもはや実行不可能な状態にありました。SCP財団は残存するGOCの資源とスタッフを全て引き受けました。

英国オカルト局 (MI666) も同様の影響を受けました。当該組織もまた、自治を維持できない場合、もしくは主となる目標の達成に失敗した場合には管理権限をGOCに移譲する方針を掲げており、のちに財団に委託される運びとなりました。

これらの資源を獲得したことにより、財団フランス支部の喪失に伴う出資や他国の施設への被害は大幅に軽減されました。しかし、重大かつ機密指定を受けた異常物体や異常実体、O5-8、数名のO4評議員、その他高価値資産の喪失は、財団の運営に多大ながらも対処可能な影響を及ぼしました。

財団は今後、主に利他的行為の追及に専念することを決議しました。SCP-7779が引き起こしたヴェールの大規模崩壊により、人類の大多数が異常の存在を半ば認知し、結果として財団は、SCP-7779の被害を受けた人物に対して平凡でありながらも有益なアノマリーを提供できるようになりました。新入職員を迎え入れた財団は、これまで人手が不足していたか、無視されていた場所への人員の配置が可能となりました。

財団は反エントロピーアノマリーをいくつか活用し、7億個以上のフィールドユニット (良質な医療用品キットをそれぞれ内包した財団標準パッケージ)、臨時シェルター、高度な配給食料品、サバイバルツール、無線機を提供しました。北アメリカで実施される士気高揚イベントは、化粧品や余剰分の衣類といった雑貨とともにフィールドユニットの補給を推し進めています。

財団は長期間に及ぶ一連の議論の末、多数の宗教団体の協力を得ることに成功しました。協力の主な一環として、異常性を有する構成員をSCP-7779被災地へ派遣させています。これらの人員は財団の活動を追加で支援しており、その例として、機能的な類似品での失われた四肢の代用、到達困難な地域へのフィールドユニットの配給、平和維持隊の活動許可、精神的なアドバイスの提供などが挙げられます。

SCP-7779はまた、フランス生まれであるか、かつてフランスで生活した経験のある人物に影響を及ぼす精神的要素 (以下SCP-7779-1と表記) も有しています。SCP-7779-1は無意識下、特に夢の中で発現し、必ずネガティブなものとして受け止められます。SCP-7779-1はとりわけ精神的ショックを及ぼすものであるように思われ、パラノイア、虚無主義、終末妄想、忘却恐怖症、反社会的自衛本能、再定住の強迫観念化、サバイバーズギルト、自責の念を誘発します。

被影響者はSCP-7779-1について、精巧かつ不穏な事象を前兆とする、別種のSCP-7779イベントであると報告しています。事象の例として、人々が "固い地表へと沈んでミミズに分解される"、 気温が "口蓋垂が凍結して破砕する" までに低下する、消失した陸塊が未知の場所へと連れられる、といったものが挙げられており、3つ目に関しては "理解が及ばないほど恐ろしい" と形容されています。加えて、被影響者は上方から合唱に似た歌声が聞こえたと報告しています。


補遺7779-1:

更新記録 — 2010.03.01




SCP-7779-1影響者との相当数のインタビューを経て、以下のメッセージが再構成されました。このメッセージの含意は不明です。





評価: +40+x
特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。