SCP-786-JP
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アイテム番号: SCP-786-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-786-JPの持つ異常性のため、SCP-786-JPの情報を完全に他者に伝達する行為は、管理責任者・副管理責任者以外は実験時を除き許可されていません。SCP-786-JP管理責任者はサイト-8175へ新職員が赴任する際にSCP-786-JPの詳細な説明を行ってください。この説明には完全な特別収容プロトコルも含まれます。ただし、この説明が行われるのは防音かつ室内に記録機器がないことを確認された室内である必要があります。説明を受けていない職員、何らかの理由で説明の内容を忘却した職員はSCP-786-JP管理責任者と連絡をとり、直ちに説明を受けてください。

以下の特別収容プロトコルは不完全な物です。注意してください。

SCP-786-JPは、サイト-8175内の大型一般収容房02に収容されます。大型一般収容房02の出入口には施錠可能な不透明な二重ドアが使用され、2名以上の武装した警備員を配置する必要があります。SCP-786-JPについての外見に関する情報の記録、収容房内への監視カメラやレコーダーなどの記録機器の持ち込みは禁止されています。

SCP-786-JP副管理責任者はSCP-786-JP管理責任者がSCP-786-JPに関する記憶を喪失した場合、管理責任者にその情報を還元しなくてはなりません。これ以外の形式ではSCP-786-JPのいかなる収容・実験にも関わることは禁止されています。201█年10月現在、SCP-786-JPの管理責任者は空木博士、副管理責任者は御堂博士です。

SCP-786-JPの実験時にはセキュリティクリアランス3以上の職員2名の許可が必要です。また、未収容のSCP-786-JPが存在する可能性があるため、山間部において目立った外傷無く失明を引き起こす事故が発生した場合は、SCP-786-JPについての知識を持つ人間で構成された機動部隊により調査を行ってください。

説明: SCP-786-JPは大きく分けて2つの異常性を有しています。1つ目の異常性は、自身に関する情報(SCP-786-JP-1)の秘匿性です。以下の2点がSCP-786-JP-1です。

SCP-786-JP-1:
・SCP-786-JPについての外観や大きさ、色などについての具体的な外見は、直接口伝することでのみ伝達することが可能です。
・それ以外の情報伝達手段においてSCP-786-JPについての具体的な外見について言及したり、記録しようとした際、情報保持者は軽度の混乱症状を引き起こしたうえでSCP-786-JPに関する全ての情報を喪失します。

2つ目の異常性は、SCP-786-JPの持つ情報災害性です。SCP-786-JP-1の情報の未保持者がSCP-786-JPを視認した際、視認者は即座に視力を失います。この視認という行為には直接的なものに加えて、写真・動画等の記録媒体を用いた間接的なものも含まれます。単純な物理的接触のみ行った場合などについてはこの効果は発揮されません。また、この現象は不可逆のものであり、失われた視力を回復する方法は発見されていません。

上述の情報の秘匿性から、SCP-786-JPに関する具体的な外見、またはそれを示唆するような記録を行うことは不可能です。SCP-786-JPは日本中部地方の山林に普遍的に存在しているある一般的な存在(以下では便宜上SCP-786-JP-2と表記する)に極似した外見をしており、現収容時点ではSCP-786-JP-2と異なった挙動は見られません。しかしその組成成分の█.██%には、本来SCP-786-JP-2に含まれない未知の蛋白質が含まれていることが確認されています。
現在、財団では8のSCP-786-JPを収容しており、便宜的にSCP-786-JP-aからSCP-786-JP-hまでの番号が振り当てられています。

196█年9月27日、長野県と岐阜県の境界線上に位置する█████山周辺に存在し、古来より妖怪伝説の知られている████沢周辺にて、██大学山岳部に所属する学生16名が視力を失う事故が発生しました。学生たちによる財団の保有する医療機関に通報があり、財団にその存在を予想されました。録音機器を利用して学生たちにインタビューを行ったところ、前述の異常性から有効な回答は得られませんでした。学生の内の1人のインタビュー記録についての詳細はインタビュー記録SCP-786-JP-Aを参照してください。その後学生の内の別の1人に対して、録音機器のスイッチを入れ忘れて行ったインタビューから偶然SCP-786-JPの外見の情報を入手しました。このことを通して異常性が解明され、この事故の原因となったと考えられるSCP-786-JPを8収容することができました。

実験記録001 - 日付199█/11/02

対象: D-786-01

実施方法: 対象に事前にSCP-786-JP-1を全く与えず、拘束した状態でSCP-786-JPを直接目視させた。

結果: 対象は問題無く失明した。

実験記録002 - 日付199█/11/02

対象: D-786-02

実施方法: SCP-786-JP-1のうち、「SCP-786-JPについての外観や大きさ、色などについての具体的な特徴は、直接口伝することでのみ伝達することが可能である」という部分的なものを事前に対象に与え、対象を拘束した状態でSCP-786-JPを直接目視させた。

結果: 対象は問題なく失明した。

分析: 部分的な情報を保持しているだけでは失明は免れないようだ。

実験記録003 - 日付199█/11/02

対象: D-786-02

実施方法: 失明状態にある対象にSCP-786-JP-1を完全に与えた。

結果: 対象の失明は回復せず、特に変化は起こらなかった。

実験記録004 - 日付199█/11/02

対象: D-786-02

実施方法: 対象にSCP-786-JPの外見的特徴を筆記するよう指示する。

結果: 軽度の混乱症状を起こし、SCP-786-JP-1についての記録を行うことができなかった。また先の実験を含むSCP-786-JPに関する情報を忘却していることが確認された。

補遺: SCP-786-JP-1の秘匿性は非常に精度が高いです。例えば人に直接話すつもりでも、同じ部屋に盗聴器1つでもあればたちまち混乱症状を引き起こしてその情報を喪失しますし、収容房の内装はおろかその大きさすら記すことはできません。全く忌々しいことに、我々はSCP-786-JPの外見の情報源となりうる助詞1つ報告書に記すことはかなわないのです。この報告書の執筆に当たり、私自身23回もSCP-786-JPについての情報を確認する必要がありました。――███研究員

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