SCP-7861


評価: +6+x

特別収容プロトコル

財団ウェブクローラ I/O METATRON は、SCP-7861についてのインターネット上の議論に、フロンティスピースから派生したミームトリガーを埋め込み、要注意団体、財団、ヴェールへの直接的な言及を曖昧化します。この措置は、一般社会における超常現象の否定によって更に補強されるため、ヴェールの保全に十分有効です。1


説明

SCP-7861は再発する一連の侵入思考という形式を取るコマーシャルです。

SCP-7861は強迫観念を伴なう不安障害、最も一般的にはOCDの患者にのみ発生します。2'3 ウィリアム・ウェトル博士を唯一の例外として、被影響者は必ず次の基準を満たしています。

  • 強迫的な思考パターンを示している。
  • 自らの思考パターンに苦痛を感じている。
  • 自分に不安障害があることを自覚している。4'5
  • アメリカ合衆国ミシガン州在住である。

SCP-7861は感受性のある人々の約15%に発生し、被影響者は一見したところ無作為に選ばれています。SCP-7861は非影響者の非異常な強迫パターンに統合され、一般的・超常的な治療手段に対して異常なほど強い耐性を示します。6 このため、SCP-7861はメンタルヘルスの低下と直接的な相関関係を持ちます。7'8'9'10

被影響者ごとに若干の違いはあるものの、SCP-7861を構成する侵入性の心象風景と付随するナレーションには一貫性があり、順序は決して変動しないので、本来のコマーシャルの大まかな書き起こしを再構成することが可能です。ミーム・対抗ミームセクションが担当した再構築の結果は次の通りです。

心象風景 ナレーション
被影響者が抱く“健全な家族”のイメージが公園の回転遊具で遊び、笑顔を浮かべている。被影響者はこの心象風景が“間違って”おり“気持ち悪い”と述べ、その認知的不協和を認識している。61.4%の被影響者は激しい、威圧的な、または不吉な音楽がこの場面に伴っていると主張し、37.6%は音楽が“苛立たしいほど企業っぽい”ものだと主張する。 幸せな家族からそれほど傷付けられ [ ていません / ずに済んでいます ] か?
次のいずれか1つ:
* 職務を笑顔で遂行している被影響者。
* 職務にしたいと望んでいることを笑顔で遂行している被影響者。
* 執筆、絵画、園芸などの、被影響者の趣味を実行している他の人々。
全ての事例で、被影響者は後から考えた時点で初めて登場人物が自分であることを認識し、特に促されずとも、“他の人々”の幸福度と技術の双方を自分よりも高く評価する。
自分のやっていることが大好き過ぎて、大きなプロジェクトを先延ばしにする機会を永久に妨げられていませんか?
遊んでいる子供たち。場所や遊びの種類は多種多様である。自分が子供に危害を加えるという考えに苛まれていたある被影響者は、子供たちが鎚矛でお互いを“ペラペラに叩き潰し”11、自分自身も“大喜びで”参加したと報告した。被影響者の記憶処理要請は拒否された — この種の思考はOCD患者にとって特異なものではない。 この自転する岩の上で認識を抱き続けることに、歓喜し、陶酔し、心から熱中してはいませんか?
3人の笑顔の人間が、一斉に、そして“耐え難いほど”ゆっくりと被影響者に顔を向ける。この心象風景の持続時間が31秒を下回ることは決してなく、最長234秒間にわたって、一貫して被影響者の意識の前面に留まり続ける。彼らの表情は多くの場合、被影響者に対する批判や憎悪を隠すための偽りだと認識される。約23.4%の事例で、顔の1つに最近泣いた形跡が見られる。 完全な無音。被影響者は自分の思考を聞き取ることができない。
顔は完全に被影響者に向き直る。 そんなあなたのために、私たちが足止めをご用意しました!
1体のヒト型実体、以下“鳥飼い”が現れる。鳥飼いはほぼ常に2つ以上の目を有している。これらの目は時折、鳥飼い自身を包む厚い白色のボディアーマー/養蜂用防護服/昆虫めいた外骨格に付着している場合もある。鳥飼いは1羽の鮮やかな赤色のオウム、以下SCP-7861-Aを見せる。この場面の音楽はジャズ調になるか、もしくは以前と同じ“むやみに企業っぽい”単調な曲調が続く。 OCDをご紹介します! あなたのあらゆる解決策に対するお悩み!
被影響者はSCP-7861-Aをあらゆる角度から視認する。これには心象風景が“撮影”されている“建物”の外部からの視点や、SCP-7861-Aの体内空洞 (胸腔、心室、脳と頭蓋骨の隙間など) の内部からの視点が含まれる。 たった一歩の間違いが身の破滅D-O-O-Mという文字を綴る神秘の地からやって来たこの小鳥さんは、アレックス・ [ 自閉症オーティズム神経多様性ニューロダイバージェンスのCEO / (サーレイ? 理論セオリー反省ソーリー?) ] と、皆さんにハンセン病をもたらしたスタジオの一大コラボレーションです!
テーブルの上に立ったSCP-7861-Aが、何らかの“脅威”に向かって大声で鳴きながら羽ばたく。被影響者はこの脅威を認識して恐れるが、それを説明できず、脅威が存在したことや自分がそれに反応したことを後から思い出せない。 [ SCP財団に収容されている多数の生体被験者から導出された全く新しい神経技術を用いて、 ]12 このおチビさんはあなたの危険察知本能を内側に向け、どこにでも脅威を見つけさせます! その通り、どこにでもです!
1人の人間が自宅の洗面所を出て、笑顔で [ 一日を乗り切ろう / 特別な人に会おう / 眠ろう ] とする。 トイレに行くのが早すぎる?
前述の人間に、鳥飼いが近寄って声を掛け、鳥を振り回しながら何らかの売り込みや申し出を行う。 OCDは、実在するもの、架空のもの、些細なもの、無関係なものに関わらず、ありとあらゆる細菌をありとあらゆる表面から検出し、特許取得済みのSQUAWKテクノロジーによって、あなたの手に即時の除染が必要であることを警告いたします! 何度でも!
人間が感情の激しさを増しながら申し出を繰り返し拒絶し、やがて“私の家から出ていけ! 私の家から出ていけ!”と叫び始めるにつれて、心象風景が断片的になり始める。鳥飼いの態度が変化したと報告する被影響者は0.04%未満。 何度でも!
人間は泣き始めるか、目を潤ませるか、口が乾く。鳥飼いは人間を落ち着かせようと試み、バッグの中に身を屈めて鳥を出そうとする。人間は鳥を見て悲鳴を上げ、逃げようとするか、鳥飼いを攻撃して商品実演を阻止しようとする。人間は例外なく失敗する。 何度でも!
録音が破損し始めたかのように声が歪む。
鳥が人間の耳を通して頭蓋内に押し込まれる。鳥飼いの態度が変化したと報告する被影響者は0.04%未満。 N/A。
手を洗っている人間のクローズアップ。手を洗っている人間のクローズアップ。手を洗っている人間のクローズアップ。手を洗っている人間のクローズアップ。手を洗っている人間のクローズアップ。手を洗っている人間のクローズアップ。13 完全な無音。10秒間。
一人きりの人影が、磁器の祭壇に彫刻されたSCP-7861-Aの姿を拝んでいる。歯車と鎖で構成された複雑な機械が、人影の手足を引き寄せ、祈りの姿勢を取らせている。光と笑い声が海青色の寺院の窓から差し込んで来る。 終わってほしいだけなんです。
被影響者の心象風景は、SCP-7861-Aの大群に埋め尽くされる。ナレーションは耳障りな鳴き声で聞き取れない。時折、群れの隙間から人間の死体が見える。死体の肉は複数箇所が欠けており、顔は背けられている。2.4%の事例で、被影響者は1羽のSCP-7861-A個体が死体の肉をついばむ様子を視認できる。 こんなのは嫌です。
明確な特徴を持たない1人の人間が、被影響者が住みたいと望む類の、装飾が行き届いた部屋に座っている。SCP-7861-Aの群れが“痛い”音量で鳴きながら舞い降り、嘴を使って小さな物品や装飾を全て取り除く。 やめろ。
住人は箒でSCP-7861-A個体群を叩き、止めようとするが、目に見える効果は無い。箒がSCP-7861-A個体にぶつかって折れ、その破片もSCP-7861-A個体に変化する。 やめろ!
SCP-7861-A個体群は、重厚な家具類や、被影響者と親しい人物の額装写真以外のあらゆる物を部屋から除去する。部屋の住人は額装写真をじっくりと見つめる。 やめろ!
額装写真もやはりSCP-7861-Aに変化し、住人は驚いて飛び退く。重厚な家具類もSCP-7861-Aに変化して飛び去る。 やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。
ツーピーススーツ以外の明確な特徴を持たない1人の人間が、被影響者を虚ろな目つきで凝視する。人間が座っている金属製の椅子は著しく錆びており、脚のうち1本は完全に腐食している。この椅子は汚いコンクリート造りの部屋にある唯一の家具である。天井のランプから電球が配線1本でぶら下がり、人間の頭上で大きなバズ音を立てている。電球のバズ音は、全ての壁沿いに並べられた籠の中のSCP-7861-A個体群が騒々しく鳴き喚き、籠を揺らす物音をかき消すほど大きくはない。23.4%の事例で、籠の1つが倒れ、その上下の籠がそれに続く。SCP-7861-Aの挙動は妨げられずに続く。 N/A。
人間は口を開けて発声しようとするが、恐らくは喉の大部分が裂けているため、不可能である。人間は頭を下げ、顔が見えなくなる。ズボンの脚部分が落下する。人間の下腿の大部分は削ぎ落とされ、SCP-7861-Aの雛が営巣する空間が設けられている。雛は即座に鳴き始める。 N/A。
人間は頭を膝に伏せる。人間は死亡する。SCP-7861-Aの雛は死亡する。籠の中のSCP-7861-A個体群は死亡する。無数の死んだSCP-7861-A個体が天井から落下する。 もし、あなたやあなたの愛する人がOCDと診断されたなら、あなたにはOCDに奪われた時間の補償を受ける権利があります。
このナレーションには心象風景が付随しない。 “侵入性美術広告活動アートバタイジング”。作者: W・ホー=ユア・コップ。CC-BY-SA-NC 3.0で公開。
このナレーションには心象風景が付随しないが、GoI-5889のロゴが被影響者の視界に重ね掛けされる。 これまでとは異なる、より陽気なナレーターが、1990年代初頭のアメリカのコマーシャルを思わせる口調と音質で語る。
ヴィキャンデル=ニードの提供でお送りいたしました! そして、あなたもまた、 █-███-███-████14にお電話して、あなたの脳みそに棲みついた真新しい虫けらについて担当者と話し合えば、あなたのメディアを人々の心にお届けできるのであります! ヴィキャンデル=ニード・テクニカル・メディア。より良い明日™15のために。

補遺1:
SCP-7861は内容が不穏であり、かつ外部起源ゆえに通常の対処法への耐性を示すことから、全ての被影響者にほぼ例外なく悪影響を及ぼしています。被影響財団職員には、長期的な効果を緩和するための記憶処理治療が施されますが、これは民間人を治療する際の選択肢としては現実的でないため、SCP-7861はCernunnosに再分類されました。また、SCP-7861で具体的に言及される強迫観念は不潔恐怖だけであり、これはよく知られた否定的ステレオタイプです。

補遺2:
SCP-7861ファイルに補遺1が付記されてから3営業日後、“O5-14、ヴィキャンデル=ニードの専有知的財産™”という実在しないSCiPnetアカウントが、当ファイルに補遺Vを付記しました (下記参照) 。補遺Vは、GoI-5889の名称の書き起こしにしばしば付随する商標と同じく、削除への耐性を示しています。

補遺V:
先進的メディア業界を牽引する先駆者として、ヴィキャンデル=ニード・テクニカル・メディア™は、より単純なメディア業界を統べる鈍重な巨人たちとは違って、自社が責任を担っていることを信じています。そこで、私たちからお伝えすべきメッセージがあります: 私たちはしくじりました。この広告を公開したがために、あなたの明日をより悪くTMしてしまい、申し訳ございません。また、私たちの匿名クライアントであるW・ホー=ユア・コップ氏からも、お伝えすべきメッセージがあります。

やがて鳥絞め屋としての出世街道を歩むことになる対象者が、ウォルマートのビニール袋から解放される。対象者の身長は6インチである。対象者はテーブルからつまみ上げられ、マイクの上に置かれ、そこでこう語る:
「私はW・ホー=ユア・コップです、私がオリジナルのコマーシャルを作りました、私はVKTMにその公開を持ちかけました、そして私は申し訳なく思っております。 …もう帰っていいかな?」
いいえ、対象者。いいえ、ダメです。

被影響者の皆さん、今後数日間で思考が変化することをご期待ください!

補遺3: 補遺V以降、SCP-7861の内容は変化しています。心象風景は表出しなくなり、被影響者は代わりに“あなたならできます”、“あなたの文章は良いですね”、“皆が皆あなたを密かに憎んでいるわけじゃありません”、“あなたは世界規模の闇の秘密結社から他の人々以上に監視されてはいません”などの肯定的な言葉を聞き取るようになりました。この新たな内容はさほど不穏でない反面、不随意的で、外部に由来し、しばしばタイミングが不適切であるという性質上、やはり侵入思考と見做されるものであり、依然として負の影響をもたらします。

補遺4: 補遺3が付記されてから3営業日後、既知の全ての被影響者がSCP-7861を経験しなくなりました。その後7日間、新たな発生は確認されていません。Neutralizedへの再分類は保留されています。

評価: +6+x


特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。