SCP-7868

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アイテム番号: 7868
レベル3
収容クラス:
euclid
副次クラス:
none
撹乱クラス:
vlam
リスククラス:
notice

特別収容プロトコル: SCP-7868はサイト-228の大型格納庫に収容されます。SCP-7868のタンクには毎週A型血液を補充する必要があります1。各補充の前に、SCP-7868の構造的完全性を確認するための定期保守点検を行わなければいけません。SCP-7868へのアクセスはレベル3以上の職員に制限されており、対象とのいかなる交流も文書記録に残し、サイト管理官の承認を得る必要があります。

説明: SCP-7868は全体がヒトの身体組織で構築された旅客機です。その構造的な枠組みの大部分は、胴体を形作っている相互連結された骨と、軟骨で作られた両翼・尾翼から成っています。機内の座席には、防腐処理された様々な人間の皮膚層がクッションとして張られています。

SCP-7868の両翼に位置する特殊な燃料タンクは血液で満たされており、SCP-7868はこれを異常な生物学的手段で代謝して推進力を生成します。このプロセスの正確な仕組みは未だ不明です。

SCP-7868の操縦室には、6個の人間の脳と、相互接続された多種多様な神経系があり、コンピュータシステムとして機能しています。これらの神経組織は限定的な知覚力を示しており、情報を処理し、飛行システムを制御し、外部刺激に反応できます。

SCP-7868は商用旅客機に匹敵する水準の飛行が可能で、飛行中の速度はボーイング737のそれに相当します。SCP-7868は人間の関与無しに離陸、空中航行、着陸をこなすことができます。

発見: SCP-7868は、商業目的で死霊術を行使する奇跡術師の組織として知られていた知名度の低い要注意団体、“骨の兄弟団”ブラザーズ・オブ・ボーンによって製作されました。

2019/11/06、“コンラッド”と自称する正体不明の人物が財団に接触しました。彼はブラザーズ・オブ・ボーンの関係者であると名乗り、ハンガリーのリスト・フェレンツ国際空港に程近い格納庫の座標を提供しました。

MTF-ミュー-11 (“ネクロ・ネックスナッパーズ”) が現地に派遣され、各種内臓の大きな山と共にSCP-7868を発見しました。SCP-7868の近くのテーブルの上には、以下の伝言を封入した封筒が置かれていました。

財団の皆様へ

ブラザーズ・オブ・ボーンと私があなた方に連絡を取ることにしたのは、ボーネッタの新しい住まいを見つける必要が生じたためです。そう、それが彼女の名です。あなた方の中に彼女をボーネッタと呼ぶ人はいないでしょうし、どうせ何か適当な数字を割り振られるのでしょうが、彼女を丁重に扱おうとする者がいた場合に備えて、知っておいていただきたい。私は重苦しい思いで、ボーネッタに別れを告げなければなりませんでした。ブラザーズ・オブ・ボーンには私の失敗作の面倒を見ている暇などなく、悲しいかな私にも彼女に割ける時間はありません。あなた方ならば彼女を安全に匿ってくださると分かっています。他の者たちは彼女を破壊するか、兵器化するか、或いは単純に売り飛ばして儲けようとするでしょう。彼女にはそれよりも相応しい場所があり、私よりも相応しい人がいます。私は彼女を守れなかった。

彼女は今でも非常に俊敏で、私が夢想していた通りに飛ぶことができます。ボーネッタは元々、ブラザーズ・オブ・ボーンが出資した正式な奇跡術航空会社の最初の旅客機になるはずでしたが、残念ながらその航空会社は (駄洒落を許してください) 軌道に乗りもしないうちから評判が失墜しました。しかも驚くべきことに、それは旅客機が人間の身体部位で出来ていることとは無関係でした。

彼女は食欲旺盛なので、定期的な給餌が必要です! 特に調子が良かった時は、O型血液をおやつにあげると喜んでくれます。あなた方のために、交換部品を幾つか格納庫の隅に置いていくことにしました。あなた方の実績から考えると、きっと大量に持ち合わせているでしょうが、私にできるのはこの程度です。

彼女をあなた方に預けるのが正しい選択だったことを願っています。まぁ、少なくとも事業名を“ボーン・エアー”Bone Air2などとするよりはマシでしょう。

敬具、

コンラッド

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