アイテム番号: SCP-787-JP
オブジェクトクラス: None
特別収容プロトコル: SCP-787-JPの収容は、主にSCP-787-JPの財団による発見、またSCP-787-JP-1の制御に重点を置きます。SCP-787-JPは財団に発見されておらず、オブジェクトクラスの制定は保留されています。
SCP-787-JP-1はインターネット上での活動を通じて、現在稼働していると予測される財団webクローラに発見される努力を続けます。インターネット上で報告される異常現象を捜索し続け、必要であればその報告に便乗してwebクローラの注意を引き、有意義と思われる事象は当ディレクトリに記録してください。機動部隊オメガ-0の情報実体編集ツールにより、現在のSCP-787-JP-1はこの行動を強制され、SCP-787-JPによる精神影響下にありながら任務を遂行しています。
説明セクション及び収容プロトコルの改訂は既に不可能な要請です1。
説明: SCP-787-JPは2013/██/██以降の研究サイト-8194地下三階の一室であり、内部に26台の財団規格コンピュータを含みます。このコンピュータは不定期に財団内における普遍的な最新規格と思われるものへと更新されます。電気系統は常に維持されているようです。SCP-787-JP内部からは、特殊な暗号化がなされていないインターネット回線を通じてのみ2外部と情報をやり取りすることができます。それ以外の連絡による情報は、反ミーム的な認識阻害効果を受けます。この事実は機動部隊オメガ-0("アラ・オルン")との交信によって明らかになりました。
SCP-787-JP内部の人間をSCP-787-JP-13に指定します。SCP-787-JP-1は一切の生理的な欲求を失っており、また、SCP-787-JP外部へ脱出することはできません。そのような試みは、耐えがたい意識の混迷4と無意識下の出口から離れようとする移動によって阻まれています。
SCP-787-JP-1の持つ財団ネットワークへのアクセス権限は、SCP-787-JP-aに限定されています。SCP-787-JP-aは財団データベースのSCP-787-JPエントリ、つまりこの報告書の存在するエントリです。前述の通り、公開されたインターネットを通じていない連絡は認識阻害効果を受けるため、SCP-787-JP-aは財団からのいかなる介入も受けておらず、SCP-787-JPは財団に発見されていません。
よって、現在このエントリ5はSCP-787-JP-1によってのみ編集されています。
SCP-787-JP-1は特異な能力として、機器の使用を経ずに直接電子的な情報を操作する6能力を得ています。これはキーボードやマウスなどの入力デバイスを必要とせず、コンピュータの目の前に立つだけで利用でき、また画像や音声などの電子的なデータを非常に高い精度で新たに作成できることを意味します。この能力について、オメガ-0からはSCP-787-JP-1が電子的な情報実体としての側面を持つという仮説が提示されました。
SCP-787-JP-1がSCP-787-JP内部のコンピュータでインターネット回線を利用する度に、その肉体は外観としては徐々に消失していく7ように観測されます。消失現象において、SCP-787-JP-1はその脳8や感覚器官9、四肢の欠如10にも関わらず出血したり、生命維持能力や移動能力を失うことはありません。消失現象はSCP-787-JP-1がインターネット回線を連続で300秒程利用すると、SCP-787-JP-1が頭蓋骨下端部・脊椎・脊髄・骨盤11程度を残すのみの実体になり、収束します。
SCP-787-JP-1は、インターネットを利用しながら肉体を消失していくごとに、急速に自らの現在の境遇に関する記憶を消失し、インターネット上で他人とコミュニケーションを取ることへ集中し始めます。その際、SCP-787-JP-1は自分と部分的に境遇の異なる架空の個人12や、既に死亡した個人13を模倣して、何らかのアカウントを必要とするオンラインコミュニティ14上で活動しようとします。消失現象が収束した後のSCP-787-JP-1は、その電子情報を操作する能力を用いて必要な写真・音声・閲覧者へ架空の記憶を生成させるミーメティック図画像などを制作し、本来の人物像と大きく異なる人柄や文体のコンテンツを投稿して、コミュニティ上でほぼ完全に当該人物を再現15します。この精神影響は、SCP-787-JP-1による収容に向けての努力を大きく妨げていますいました16。
補遺-1:
補遺-2: 2016/04/18、現行収容プロトコル下で活動するSCP-787-JP-1が操作しているSNSアカウントの一部に、複数の特定のアカウントより個人的なメッセージが相次ぎました。SCP-787-JP-1によるアカウント情報の捜査及びSCP-787-JP内に保存されたデータベースとの照合により、当該アカウントはSCP-171517のものであると推定されました。その後のSCP-787-JP-1によるコミュニケーション要望にSCP-1715は応答しませんでした。
SCP-1715から受信されたメッセージは一律して誕生日を祝う内容であり、それぞれのアカウントの言語圏に合わせた言語で作成されていました。
Happy Birthday to You! :)18