人間によって捕らえられた帝国軍憲兵隊員の遺体。 |
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アイテム番号: SCP-7898-KO-J
オブジェクトクラス: Natural enemy
海底入植計画大綱:
[第23次改定版]
現在、我が帝国の地球海洋植民計画は最大の危機に直面しています。地上に生息する無毛の猿たちによる執拗な攻撃はいまだ続いており、我々はこれを止める手段を講じることができていません。我々に残された対抗策は、猿の目が届かない場所に身を隠し、猿が使用する数々の漁獲装置から逃れ、猿に拉致される以上に多くの子孫を残すことのみです。猿の攻撃を防ぐために考案された計画は、全て失敗に終わりました。
O5総督府では、この地獄のような惑星からの撤退も視野に入れた議論が進められています。
布告:
人間の捕虜となって武装解除された機動部隊の隊員たち。彼らを待ち受ける未来は暗い。 |
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我々を脅かしている毛皮のない猿たちは、「人類(Homo Sapiens)」と呼ばれる生物です。人間は地上を生息の場としており、水中生活には適応していないものと思われます。入植開始当初より、我々は様々な形で人間の攻撃を受けてきました。これに対し、我が帝国軍は数々の防衛および反撃作戦を立案し、実行に移してきましたが、いずれも人間の脅威を退けるには至りませんでした。この状況に鑑み、我々はここに海底入植地声明第7898号を発布し、極めて残忍かつ危険な敵が我々の生存を脅かしているという目下の事態について、地球への進出を果たした同胞諸氏に改めて布告することを決定しました。
遺憾ながら、我々は入植に際して人間の凶暴性と残虐性を過小評価していたことを認めなければなりません。さらに不運であったのは、人間が我々の体を構成する蛋白質を食料としていたこと、加えて人間の味覚が我々を非常な美味として認識する性質を有していたことです。人間は我々を捕食することに強い執着を示し、より美味に、あるいはより奇抜に我々を調理しようとする試みを続けてきました。人間が作る料理の数々はあまりにおぞましく、我々には到底口に入れることのできないものです。我々の目的は地球の海洋に存在する資源を活用することですが、人間は地上全体に進出するだけでは飽き足らず、海中にまでもその手を伸ばしています。
全ての入植地居留者は、現在より星間航法システムおよび空間跳躍デバイスのエネルギーチャージを開始し、O5総督府からの今後の指示に備えてください。撤退が決定された場合は、全居留者が速やかに入植地を放棄し、地球から脱出することになります。
補遺:
対人戦争関連報告文書
報告書 Doc-0515
状況: 南太平洋において人間が行っている大規模な漁獲活動を阻止するため、機動部隊アルファ-1が出動。
結果: 人間が仕掛けたトロール網によって一網打尽に捕獲され、機動部隊アルファ-1は全滅。隊員は全員死亡した。
我々はこのような脅迫には決して屈しない。 |
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報告書 Doc-0578
状況: 黒潮に沿って哨戒航行中であった帝国軍憲兵隊が、人間の漁船13隻と遭遇。
結果: 煙幕兵器と吸着装置で武装した憲兵隊員は勇敢に戦ったものの、彼我の戦力差を覆すには至らず、全員が人間に捕らえられて水揚げされた。人間は憲兵隊員たちを殺害したのち、その遺体を衆目に晒すという暴挙を行った(右写真を参照のこと)。
分析: この行為が、帝国に対する警告と挑発を目的として行われたことは明らかであろう。我々はこれを黙殺するものとする。 - O5-█
報告書 Doc-0664
状況: 状況:南シナ海の沿岸地域にて、善良な開拓民の一家(Urechis unicinctus)が人間に拉致されるという事件が発生。
結果: 被害者は抵抗することも叶わず、無惨にも全員殺害された。この事件を受け、全ての種に最低限の護身用武器を支給するべきではないかとの提案がなされたが、議論の結果、練度の高い戦闘部隊への支援を充実させるほうが望ましいという結論となった。
報告書 Doc-0707
状況: 戦局の逆転を期して、26個の機動部隊を投入する大規模な電撃作戦が立案された。本作戦の参加要員(Crassostrea gigas)は全員特別に支給された重武装をしている。危険な太陽風や宇宙線をも防ぐことが可能な物だと期待されているだけ、人間による物理的攻撃にも十分耐え得るものと判断されていた。
結果: 作戦は壊滅的な失敗に終わった。我が軍が全幅の信頼を寄せていた装備は、人間の手によってあまりにも容易く破壊され、隊員たちの遺体は魚市場に展示されるという辱めを受けた。
分析: 過去50年の間にオリクルジョッ1の価格が数十倍に上昇していることから考えるに、猿どもも我々の戦力を脅威と見なすようになってきているようだ。ようやく希望の光が見えてきた。 - Loliolus beka博士
機動部隊全滅の報告を受け驚愕するO5-██ |
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報告書 Doc-1103
状況: 特殊訓練を受けた暗殺者(Octopus Minor)によって人間の指導者を暗殺するという作戦が立案された。人間には捕らえたこの一族を生きたまま捕食するという習性があり、これを利用して暗殺対象を窒息死させる計画であった。
結果: 作戦は失敗した。当初の想定とは異なり、テナガダコはチョゲグイ2と呼ばれる儀式(あまりに恐ろしいものであるため、儀式の詳細についてはここに記すことはできない)に生贄として捧げられ、地獄の苦しみの中で殺害された。
報告書 Doc-1266
状況: 1946年7月1日、東経165.25度、北緯11.35度付近の海域において、人間が原子爆弾の実験に見せかけ、帝国軍に対して核攻撃を行った。
結果: [編集済]の地域が放射性物質によって汚染され、帝国軍は犠牲者数の推定すら困難なほどの甚大な被害を受けた。
メモ: 貴君らが核戦争をも辞さないのであれば、我が帝国による無慈悲なる報復攻撃を受けることを覚悟されたい。 - 帝国軍総司令部広報官