SCP-7936

評価: +7+x

アイテム番号: 7936
レベル3
収容クラス:
keter
副次クラス:
{$secondary-class}
撹乱クラス:
ekhi
リスククラス:
danger

特別収容プロトコル: SCP-7936実例を既存の天体とみなす偽情報や、その特異な色彩を説明するための捏造研究が作成・流布されています。実例を地球上での収容下に移す試みが進行中です。

説明: SCP-7936は、2029年12月3日に自然発生した地球低軌道上の352体の人間の死体です。SCP-7936実例の大半は海における死亡(大部分が溺死)を裏付ける死亡証明書と関連しています。各実例は腐敗が進行していますが、地球低軌道で酸素への曝露が減少したことにより腐敗が停止したことを示しています。

各実例は、発光器によって通常よりも光度の高い生物発光を放っているStauroteuthis syrtensis(ヒカリジュウモンジダコ)の異常個体を保持して、あるいは付着させています。それぞれのタコが持つ見かけの等級は最大で2.456にも達し、各標本は地球上の大部分の地点において夜空に視認することが可能です。各実例は青緑の色彩と、死体の四肢が時折作る影を除けば非異常の星と見分けることができません。

SCP-7936実例が本来存在すると考えられていた埋葬地の発掘が実施されましたが、人間の痕跡は発見されませんでした。個人記録の調査では異常はみられませんでしたが、運転免許証が回収できた場合には、星の絵文字が臓器提供マーカーの隣、あるいはマーカーの代わりに存在していました。



補遺7936.1

ヴェール失敗


SCP-7936実例を地球低軌道から地球上での収容下に移す試みは5回成功しましたが、問題が発生しプロジェクトは完了されませんでした。以下のログは2029年12月13日の地球低軌道上からのSCP-7936実例"ナディア・ホヴァニシアン"の回収失敗に関するものです。

<CONTAINMENT_LOG.7936>

日付: 2029/12/13 | 03:12 - 03:30

関連人物: マリア・ランバート博士、カッサンドラ・アレクサンダー博士、ティムール・アクター博士、SCPSサラの初期搭載AI

場所: 軌道船SCPSサラ

目的: SCP-7936実例"ナディア・ホヴァニシアン"およびそれに付着しているStauroteuthis syrtensis標本の地球低軌道上からの回収。SCP-7936の極めて強い発光による眼の損傷リスクを最小限に抑えるため、サラの乗組員は全盲のオペレーターによって構成されていた。


<記録開始>


[03:12] サラの乗組員は実例の存在する地点に到達し、医務室と改造された動物収容ユニットを準備する。

[03:17] ランバートはサラの外付け機械装置を利用して実例を回収する。

[03:18] アクターは船の医務室にて死体の衛生管理を開始する。ナディア・ホヴァニシアンは死亡が確認される。syrtensis標本は生存していること、非協力的であることが確認される。

[03:20] 標本は収容ユニットに閉じ込められると生物発光を停止する。サラの搭載AIは乗組員にこの出来事を知らせる。

[03:21] 標本は不規則に休止を挟みながらも発光器から光を放ち始める。アレクサンダーはモールス信号のメッセージの可能性について意見を述べ、一連の発光の解読を試み始める。

[03:22] サラの搭載AIが標本の一連の発光をアレクサンダーに中継すると、アクターはナディア・ホヴァニシアンの検死を開始する。

[03:23] 一連の点滅は正確に繰り返される。アレクサンダーは点滅がモールス信号に適合しないと不満を述べる。アクターはメッセージが暗号化、あるいは難解にされている可能性を推測する。

[03:29] メッセージを解読するアレクサンダーの試みは成果を上げられずにいる。一連の発光が4周期繰り返すと、彼女は手を伸ばして収容ユニットの格子をつかむ。アクターは補助のために検死の途中で台を離れ、前に出る。

[03:30] アクターとアレクサンダーが会話をしていると、ナディア・ホヴァニシアンの死体が動き出す。死体は台上から2人を見つめ、死体が頭部を持ち上げていることに2人が気付くとサラの全電灯が切れる。不明な人物が、搭載機器で検出可能な声量で「静かに」と発言する。同時に地球上の収容施設であるサイト-24、サイト-47、エリア-89、サイト-107の全電源が消灯する。


<記録終了>


全事例において、SCP-7936実例の影響を受けた電気機器の修理は効果を上げず、その多くを新たに交換する必要がありました。SCP-7936実例を地球低軌道上から移動させる試みは、新たな収容プロトコルが起草されるまで保留されます。

SCP-7936の影響を受けた大西洋深部に存在する暫定施設のエリア-89では非異常のStauroteuthis syrtensisの局地的な活動の増加が報告されていますが、その生物発光、すなわち個体数は、以前はエリアの発する光により隠されていたという提言がスタッフによりなされています。大西洋表面に派遣された職員は、夜空が以前よりも暗く見え、星がより明瞭に見えるようになったと報告しています。


特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。