SCP-795-JP
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アイテム番号: SCP-795-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: その性質上SCP-795-JPの完全な収容は困難です。SCP-795-JPの出現範囲及び周辺地域に財団の警備員4名を住人として常駐させ、平常時は率先して当該地域内の住人の防犯意識の強化、児童・青少年のモラル向上の為の活動等を行いSCP-795-JPの出現を抑えるようにしてください。SCP-795-JPの出現が確認された場合は直ちに対象者や目撃者への聞き取り調査を行った後、彼等にクラスD記憶処理を施してください。SCP-795-JPによる実験を行う場合、レベル3以上の職員の許可を得てください。収容及び実験の過程において財団職員がSCP-795-JPによる被害を受けた場合、当該職員にクラスC記憶処理を施してください。なお、全ての記憶処理はSCP-795-JPの出現範囲外で行ってください。

説明: SCP-795-JPは██県██市██地区のある民家を中心とした半径25mの範囲内に出現する、半透明で痩せこけた人間の右手です。SCP-795-JPは常に拳を握った状態で出現し、一度に複数のSCP-795-JPが出現する事も確認されており、その形状は全て同一です。SCP-795-JPは実体を持たず、接触しようとする試みはこれまで失敗しています。また、映像・写真による記録の試みも失敗しています。

SCP-795-JPはその出現範囲内において、一般的に犯罪・非道徳的と呼ばれる行為を行おうとする人間(以下対象者と表記)の頭上約3mの地点に、指側を下にして出現します。犯罪・非道徳的とされる行為についてはこれまで確認されているケースとして痴漢・引ったくり・不法侵入・詐欺紛いの訪問販売・公然でのわいせつな行為1のような刑事法・軽犯罪法に抵触するものから中学生によるいじめ行為、子供の度の過ぎた悪戯など多岐に渡り、その明確な基準は不明です。

出現したSCP-795-JPは対象者の移動に合わせてその頭上を移動し、対象者がどれだけ高速で移動しても出現範囲内であれば追跡し頭上に留まり続けます。壁や天井が存在する場合でもSCP-795-JPはそれらの物体をすり抜けて移動します。対象者が出現範囲外に移動した場合SCP-795-JPは消失します。

対象者が行為を実行しようとする瞬間、SCP-795-JPは対象者の頭に向けて高速で落下、対象者の頭部と接触した際に対象者に物理的な衝撃を与えた後消失します。この際に生じる衝撃は対象者の実行しようとした行為が実際に行われた場合に周囲に与える被害・影響が大きいほど強いと推測され、気絶するほどの衝撃を受けたケースも確認されています。また、SCP-795-JPによって衝撃を受けた対象者の殆どが自分が行おうとした行為に対して罪悪感や強い後悔を抱くようになった事も確認されています。なお、クラスC記憶処理を行う事によってSCP-795-JPがもたらす罪悪感や後悔を除去できる事が判明しています。

SCP-795-JPは2016年1月頃から上記地区内で誰も居ない筈なのに何者かに頭を殴られた、人間の手の幽霊を見た、という報告を受け調査した結果SCP-795-JPの存在と特性・出現範囲を確認しました。

補遺1: SCP-795-JPの出現範囲の中心となっている民家は2016年現在空き家となっています。家主だった男性は2015/██/██に89歳で病死しており、家族や親族は居ない事が確認されています。男性のSCP-795-JPとの関係は現在調査中です。

補遺2: 当初SCP-795-JPの特別収容プロトコルとして、SCP-795-JPの出現範囲の地区にカバーストーリー「██市の都市再開発計画」を流布した後、当該地域の住人を移転させた上で土地の整備を行いSCP-795-JPの収容区画を設定する予定でした。しかし、住人との交渉の為に赴いた財団職員に対してSCP-795-JPが出現、一部の者がその被害を受けました。また、補遺1に記した男性の住んでいた民家への立ち入り調査の際にもSCP-795-JPが出現しました。こちらのケースに関しては当該男性の世話をしていた訪問介護員を同行させる事でSCP-795-JPの出現を防ぐ事ができました。

SCP-795-JPからすれば、住人を騙して土地と家を奪おうとする地上げ屋や泥棒に見えたのかも知れんねぇ……。 -白金博士

これらの報告を受け検討した結果、現状ではSCP-795-JPの完全な収容は困難であるとして現在の特別収容プロトコルを適用しながら実験・観察を継続する形となっています。

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