SCP-7980
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SCP-7980

SCP-7980、発見時に撮影されたもの。

アイテム番号: SCP-7980

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-7980は、物理的な大きさや輸送に必要な解体・再構築の影響も考えられるため、現地に収容される予定です。常に内部の監視は維持されます。外周部は標準的な大規模サイトのプロトコル(LSS-A4)で監視され、すべての試験および探査イベント中はアクティブプロトコル(LSS-A1)に移行されます。職員が24時間を超えてSCP-7980内に留まることは許可されません。標準的な構成とサイクルから外れたすべてのイベントや構造はログに記録され、サイト管理官の審査と承認後にのみ直接的な措置が取られます。標準的サイクルから逸脱していると見なされた異常放送や通信異常が発生した場合、即座に12時間のロックダウンが発動されます。異常が12時間を過ぎても継続している場合、職員の退避及び交代が、可能であれば更にロックダウンの延長が必要になります。

SCP-7980の収容サイトの周囲には5マイル以上の保安境界線が維持されます。この線を越える個人や集団は監視されます。サイトから3マイル以内に接近する集団や個人は、阻止して方向転換させ、抵抗する場合は勾留されます。1マイル以内に接近する個人または集団は終了されます。

構造上の損傷や崩壊はサイト監督官1の承認下でのみ修復されます。非致死性の損傷や腐敗は、発見次第、直ちに記録されます。傷、出血、感染、SCP-7980の有機物の病的成長は直ちに記録され、評価が下されるまで、その場にいるスタッフはその場から退去しなければなりません。脈拍や血圧が標準値(文書PUL-NUM190を参照)を超えて1時間以上上昇した場合、全職員に対して内部区画からの避難が発動され、最低2時間は数値が標準地に戻るまで無人化を維持しなければなりません。

生物学的な女性は、1時間を超えてSCP-7980の内部部に留まることは許可されず、常に最低でも6名のセキュリティ担当者が同行している必要があります。 SCP-7980が女性職員との接触や捕獲を試みた場合、即座に前述の職員のサイトから避難と48時間の隔離措置が発動されます。SCP-7980の感染症状が確認された女性職員は終了されます。いかなる機能性組織、有機体、もしくは構造物の成長による侵入、退出、または感染した職員に接触した者は、生死を問わず、即座に終了され、遺体は可能であれば調査及び焼却のために回収されます。試料は48時間を超えて保持しないようにしてください。

男性職員が突然の発症及び/もしくは攻撃的な振る舞いをした場合は排除・隔離されます。SCP-7980による人体への感染症状が現れた男性職員は終了されます。

説明: SCP-7980はジッグラトに類似した外観の建築物です。建築様式は既知のいかなる文明と一致しないものの、相当初期のメソポタミアの建築物と類似しています。上部の内部構造が宗教儀式と関連しているように見える一方で、施設の大半は機械的かつ有機的構造のネットワークから成り立っています。これらの構造物は相当な距離の拡張が行われており、現時点で32km以上のエリアが地図化されているものの、一部区域の変動性と不定期の敵対的性質が原因で、一貫したデータの収集や推定が困難です。施設の年代測定も同様に困難ですが、外周部は紀元前1万年から8000年の間と暫定的に年代が割り当てられています。特に有機的区画においては顕著ですが、内部及び下部領域では大変荒廃が激しいため、SCP-7980は何世紀にも渡って発見、居住、放棄を経験してきたと理論付けられています。

現在、SCP-7980のジッグラトは地下に球状に近いネットワークが広がっている下層部を有する、[データ削除済]国の2番目に狭い洞窟網からアクセス可能です。地質データはSCP-7980が一時的に地表に位置していた可能性を示していますが、地震現象及び気候変動により、部分的に埋没した可能性があります。また、SCP-7980が何度も発掘と再埋没を繰り返されてきた事を示す証拠もあります。近隣の人口密集地から得られた情報では、この地域全体が「呪われている」とされ、様々なモンスターや悪魔の住処となっているとされています。SCP-7980遺跡についての情報を詳しく調べようとすると抵抗や、場合によっては敵意を見せてきたものの、これら住民がSCP-7980やその目的について噂や地元の伝説以上の事を知っている兆候はありませんでした。

SCP-7980の下部は、部分的に機械的、部分的に有機的な施設であり、推定年代としては極めて高度な構造と精細さを示します。祭儀や様々な儀式に捧げられたと思われる区画が存在し、純粋に機能的で産業的な区画も存在します。これらの区画の多くは未だに活動していますが、その目的の多くは未だ不明です。これらは、常に成長し、損傷し、また転換し合っている有機的及び機械的な物質群が、互いに「侵食」しているように見えるため、さらに複雑になっています。大まかに、施設は循環器系、呼吸器系、消化器系、生殖器系、加熱、冷却、鍛造、組立など、様々な生体・産業システムを模倣しています。これらのシステムはまた、様々な損傷または破壊の度合いをがあるように思われ、また、これらのシステムの多くは様々な度合いの損傷や障害を抱えているように見え、修復の試みは非常に限定的な成功に終わったようです。 水力、運動力、電力、温度サイクルの面で注目に値するものの、これらシステムへの原料や動力の供給手段も不明です。

SCP-7980は、侵入した対象がSCP-7980と直接接触せず、かつ男性であれば、特に上層部では、概ね受動的です。SCP-7980構造物と女性との接触は敵対的反応の増加を招き、極端な事例では構築物の形成を引き起こします。SCP-7980では様々な神経構造や処理構造が見つかっているものの、意志や思考を有しているようには見えないため、現時点ではSCP-7980との対話は行われていません。様々な場所から回収されたデータ [DOC ARC-269-AC 銘板転写を参照してください] [DOC ARC-334-BH 照合済みピクトグラムを参照してください] によると、SCP-7980が一時的に直接通信可能であった可能性がありますが、方法は未だ不明です。反応は免疫反応と類似のパターンに従っており、更に鋭敏かつ深層部の区画においては一層俊敏かつ攻撃的な反応が発生します。

SCP-7980の詳細や目的は不明ですが、SCP-7980の主要な機能の1つは、様々な形態の生命の創造と組み立てであるようです。犬、牛、コウモリ、ヘビ、ネズミ、魚などのように、いくつか現在確認されている生命体と同じものもあり、その形態は無限にあるように見えます。表面上は一般的な生命体のように見えても、完全に、あるいは全体的に非有機的な部位から構成されている個体もいれば、内部と外部の有機物が不規則かつ一見無意味に配置されていたり、様々な組み合わせでできている個体もいます。また、生物学と物理学両方の既知の法則や機能から外れた機能を持つものもあります。これらの構築物は、ほとんど必ず、時には互いに敵対し、意味のある方法でコミュニケーションをとることはありません。通常、構築物は侵入者を激しく攻撃し、生死を問わず身体を回収して最深部の「中心」区画へ移送します。構築物は、SCP-7980が積極的に防御しない場合は、日常的に分解、再吸収、再利用されます。

SCP-7980は頻繁に侵入者の捕獲を試みます。対象は通常、SCP-7980の全体的な構造と統合、または機械的・生物学的な手段で改造され、構築物となります。この行動は、捕獲した男性や、SCP-7980内で「侵入」イベントに巻き込まれた人に最もよく見られます。女性の対象は、ほぼ必ず中心部に引き込まれ、統合され、肉体が劣化するまで様々な構築物やシステムの組み立てや出産媒体として機能します。通常、数ヶ月から5年程度続きますが、数十年続く例も観測されています。消費された女性はSCP-7980によって「処理」され、その遺体は中心区画の現時点で未発見の区画に引き込まれます。興味深いことに、観測ロボットや監視システムなどの純粋な機械系は、SCP-7980によって女性の被験者として同様に扱われます。

最も深い部分は、中心、または子宮区画と呼称されます。 SCP-7980の最も活発なエリアであり、施設の他の大部分はこの機能に費やされているようです。この区画で最も重要だと思われるのは、有機物と機械物質の両方からなる2つの巨大な球状構造物であり、1つはかなりの物理的損傷を示しています。SCP-7980はこのエリアへの侵入者に対して極端に敵対的な反応を示すため、テストやデータは限られていますが、これらの物体は妊娠及び/もしくは組み立て用構造物として機能すると理論付けられています。これらの構造物から何が生産されるのかは不明であり、破損したユニットは故障しているか、収容されていたものが既に解放されているように見えます。ユニットが数メガトンの質量を支えることが可能であり、もう片方の無傷のユニットは現在でも機能しているように見える以上、上記の事態は区画において進行中の懸念事項です。中身の組成決定または性質決定の試みは、SCP-7980の最も過激かつ敵対的な反応に直面しますが、パルスと電気振動の形状が短時間観測されたことがあります。2つ目の構造物から出現した場合の何かを特定する試みは[データ削除済]

SCP-7980に関する情報統制は最重要事項とされます。SCP-7980はその孤立した性質上、気軽に観察したり接触したりすることは制限されていますが、情報漏洩があった場合は直ちに最優先で対処することになっています。また、要注意団体、特に[GOI - 01]と[GOI - 07]と関係した情報漏洩は、最優先事項として扱われ、必要に応じてあらゆるレベルでのやり取りが完全に白紙化されます。


DOC ARC-269-AC - 銘板転写:

注:文書はシュメール語と推定される、まだ未確認の初期のもので、極めて初期のミノア語や上古中国語の要素も見られます。翻訳は現在も進行中であり、写本は最良推定値の翻訳です。銘板本体は、長さ1.8m、幅0.9m、厚さ0.3mの大きな直方体の板です。素材は、黒くくすんだ組成不明の金属と見られ、表面のどこにも切断痕はありません。象形文字は長期に渡って表面に刻まれたと見られ、くすんだ朱色に見えます。人間の血液を利用し、数百年の歳月をかけて表面を腐食させたと検査で判明しています。

遥か昔、開闢以前である
古き神々である造り手の父にして
塵芥の根源を生みたる者が火を灯し
生命は造られた

柔らかく然して硬く、湿り然して乾燥す
其は土と石より造られた
其は原初の祖に歓喜した
束の間のことである

男と女、太陽と月も同様だった
怒りと血が世界を蝕んだ
しばらくして、大いなる眼と雷が現れ、憎悪した
それらは世界を喰らい尽くした

海は血と死に満たされ、空は煙と毒に覆われた
死は咲き乱れ、全てを呑み込んだ
静寂が、地を、海を、空を支配した
然れども生命は生き永らえた

我等は汝に告げる、子等は去るであろうと
我等は理解している、此処に真実は存在せず、神は偽りであると
あらゆる現在、過去、若しくはこれからも、並べて蛆の上にある
死したる神の上にある

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