SCP-800-JP-J
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発見当時のSCP-800-JP-J。両腕の骨格のみ実体化している

いただきます
このオブジェクトはジョークオブジェクトです。実際のSCP財団、または財団が保有するオブジェクトには一切の関わりがありません。

アイテム番号: SCP-800-JP-J

オブジェクトクラス: Keter Neutralized

特別収容プロトコル: このオブジェクトは既に無力化されています。無力化前の特別収容プロトコルを閲覧する場合は、以下のアーカイブを参照して下さい。

説明: SCP-800-JP-Jは、不可視の部位を持つ恐竜に近い生命体です。SCP-800-JP-Jは、成長するに従い巨大化並びに実体化される部位が増えていき、最終的に全体が実体化するようになると考えられますが、後述する特異性により完全な実体化はできる限り阻止されます。SCP-800-JP-Jの実体化が一部のみであっても、SCP-800-JP-Jの実体化していない部位は物理的な干渉を引き起こしませんが、実体化している部位は既存の物理法則を無視して、全体が実体化している状態と同じように行動します。
SCP-800-JP-Jの各部位は、確認しうる限り全て違う恐竜の部位で構成されています。具体的な各部位の構成は後述の記録を参照して下さい。また、SCP-800-JP-Jが実体化される場合は、骨格が最優先され、その後に内臓、皮膚と可視化される順序がある程度決まっています。
SCP-800-JP-Jの特異性は、文章/音声/画像/映像による「虚偽」を捕食し成長することです。SCP-800-JP-Jに捕食された虚偽は虚偽としての一切の効力を失うように現実改変が発生します。この改変に規則性は無く、記述が白紙になる、反ミーム効果が発生し認識できなくなる、虚偽が撤回される、正しく訂正される等、多岐に渡ります。SCP-800-JP-Jが捕食した虚偽の規模が大きいほど大きく実体化が進行し、成長するほどより大きな規模の虚偽を捕食する傾向にあります。

SCP-800-JP-Jを中心とした同心円状の範囲内は、SCP-800-JP-Jが捕食したことのある虚偽が発生しなくなり、同条件の虚偽が範囲内に含まれた場合、即座に捕食された場合と同様に無力化されます。これは細かい内容が違っていても無力化され、実体化が進むほどより広い範囲で効力を発揮します。ただし、これは捕食ではなくこの特異性によって無力化された場合でも実体化の進行は発生しません。

記録/800-JP-J

日付20██/11/20 17:34
██県██市████博物館において、「デイノケイルスの腕の化石が動いている」と通報が入る。即座に機動部隊が駆けつけ鎮圧、硬質ワイヤーを用いSCP-800-JP-Jの捕縛に成功するが、直後に流布されたカバーストーリー「ボヤ騒ぎ」をSCP-800-JP-Jが捕食。機動部隊員全員がカバーストーリーを撤回し、機動部隊への真相を求める声が殺到する。この時、複数の機動部隊員が見物客をなだめる為に発した嘘をSCP-800-JP-Jが捕食し、SCP-800-JP-Jの巨大化に伴い拘束ワイヤーが外れ、SCP-800-JP-Jにトリケラトプスの頭部骨格が出現する。この時点でSCP-800-JP-Jの全高は約5メートルであった。

日付20██/11/20 18:17
捕縛が解かれたSCP-800-JP-Jに対し機動部隊の発砲許可が降りるも発砲による鎮圧効果は見られず、博物館を脱出し市街地へと侵入。近隣の書店にSCP-800-JP-Jが頭部を突っ込ませた後、SCP-800-JP-Jにディノニクスのものと思われる脚部骨格と、スピノサウルスの胴体骨格が出現。全高約15メートルに巨大化する。また、襲撃された書店に保管されていた書物の█割が白紙に改変された。これらは一部を除き創作上のものであると確認され、捕食された同書物は、確認しうる限りSCP-800-JP-Jを中心とした半径5キロメートル内に存在するもの全てが同様の改変を受けていた。

日付20██/11/20 18:42
SCP-800-JP-Jが南下を開始。この段階で財団はSCP-800-JP-Jの異常性を断定。目撃者多数により情報統制を用いた収容はほぼ不可能とされ、財団は近隣住民に緊急警報を発令、避難誘導を開始する。財団本部へSCP-800-JP-Jの無力化作戦を提出、認証待ちとなる。

日付20██/11/20 19:07
SCP-800-JP-Jは南下を継続し、██府██市に侵入。この時点でSCP-800-JP-Jはアンキロサウルスの尾部骨格が出現し、全高30メートルにまで巨大化。この段階から歩行するだけで物理的被害が多数発生し始める。半径25キロメートル内で放送されていたドラマやテレビアニメ番組が視聴できなくなった他、ニュース番組の放送局に抗議の電話が殺到していたことが報告された。

日付20██/11/20 20:12
財団本部より、無力化作戦が認可され、機動部隊う-0"天邪鬼"が編成。作戦を開始する。
しかし、SCP-800-JP-Jが機動部隊の抵抗を振り切りSCP-███-JPの収容区画に侵入。同時にSCP-███-JPに流布されていたカバーストーリーが捕食・無力化され、SCP-███-JPの収容違反が発生。財団職員を含む[削除済]名の死傷者が出た。SCP-800-JP-Jの背部からプテラノドンの翼部骨格一対が出現し、全高50メートルを記録する。

日付20██/11/20 21:46
SCP-800-JP-Jが山口県下関市に到達。道中に所在していた複数の財団研究施設に流布されていたカバーストーリーを捕食、██件のオブジェクトが収容違反する。
SCP-800-JP-Jの全高が70メートルを突破し、全身に筋繊維のような肉が出現。海上部隊と陸上部隊による一斉攻撃を加えるが、SCP-800-JP-Jは翼を用いて飛行を開始し逃走、九州地方に侵入する。

日付20██/11/20 21:53
SCP-800-JP-Jは全高100メートルを突破。頭部に眼が出現。SCP-800-JP-Jの特異性が日本全土に及び、インターネット上の情報が多数捕食・改変を受けていた他、全国各地でSCPオブジェクトの収容違反の報告が相次ぐ。

日付20██/11/20 22:20
SCP-800-JP-Jが全高150メートルに到達。同時に、熊本県██市で進行を停止。SCP-800-JP-Jは暫く周囲や上空を見渡す等、今までには見せなかった不可解な行動を取る。

日付20██/11/20 22:31
SCP-800-JP-Jが咆哮を行う。声帯が実体化したためと思われる。直後、周囲を破壊するように暴れ始める。近隣住民の避難が完了。財団は日本各地で収容違反したオブジェクトの収容にあたり、SCP-800-JP-Jの無力化が最優先と判断し、自衛隊と共同で総攻撃が開始される。

日付20██/11/20 22:46
SCP-800-JP-Jを金色の皮膚と鱗が覆い始め、全高が約200メートルに到達。この段階で、物理的な攻撃が使用不能になる。検証班の報告によると、重火器や機関銃による弾丸が着弾した瞬間消滅していたことが判明。SCP-800-JP-Jの特異性が現実の弾丸に及んでいる可能性有り。また、破壊された建築物から、不自然に塗りつぶされたり白紙になっていたりと、中身の確認できない書物が大量に確認される。これらの書物には日記や帳簿など、明らかに虚偽を記していないものも含まれていた。

日付20██/11/20 23:07
SCP-800-JP-Jが進行を再開。鹿児島県██市に所在する財団研究施設が襲撃される。同時に、SCP-800-JP-Jが消滅。SCP-800-JP-J出現時から発生した被害全てが元通りに修復され、収容違反したオブジェクトも全て再収容された。

日付20██/11/21 6:00
SCP-800-JP-Jの無力化が確認され、オブジェクトクラスがNeutralizedに再分類された。

補遺: SCP-800-JP-Jは最大で日本全土に特異性を発揮していましたが、海外への影響は確認されませんでした。

██博士の見解

SCP-800-JP-Jが最後に襲撃した鹿児島の財団施設には、書き上げられたばかりのこの報告書が存在していました。SCP-800-JP-Jは恐らくこの報告書を捕食し、自身の存在をジョークオブジェクト、つまり架空の存在にしてしまったのでしょう。架空の存在が起こした一連の出来事も架空の事案となり、全てが嘘だったかのように元通りになりました。しかし、ここで矛盾が発生します。当オブジェクトの特異性は虚偽の無力化であり、報告書には特に事実と異なった記述はされていないにも関わらず、何故SCP-800-JP-Jはこの報告書を捕食できたのか、そしてその特異性と真逆とも言える現象が何故発生したのか?という点です。
ここで一つ思い出して頂きたいのが、SCP-800-JP-Jは捕食が進むにつれてより強大に成長していくという特性です。そして、SCP-800-JP-Jは最終的に虚偽ではない情報や事象すら捕食するようになっていました。これはまだ仮説の段階ですが、SCP-800-JP-Jは虚偽の捕食を繰り返し進化したことで、虚偽以外の概念も捕食できるようになっていたのではないでしょうか?もしあのまま捕食が進めば、この地球丸ごと無に帰していた可能性すら考えられます。自身の特異性による自滅だったとはいえ、無力化できたことは幸運だったと言っていいでしょう。

 
 
 
 

メッセージ受信中・・・

 
 
 

財団本部より通達が来ています。

 
 

ごちそうさまでした

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