アイテム番号: SCP-8000-JP-J
オブジェクトクラス: Keter Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-8000-JP-Jは特に発見次第確保、収容しSK-クラス:支配シフトシナリオを未然に防ぐべきです。誰でも良い、まだ正常な人間が一人でも残っているのならば、それを実行してほしい。遥か以前から、既に人類は侵蝕されていたんだ。
SCP-8000-JP-Jの特異性についての主張は撤回済です。
説明: SCP-8000-JP-Jは不明な構造学的理由によりSCP-8000-JP-J-AとSCP-8000-JP-J-Bの片方かもしくは両方を実行する機能を有した、ヒトに類似する霊長動物です。彼らはそれらの実行が如何に運動生理学的、医学的、物理学的に不可解な現象であったとしても、それについて疑問に感じる事はありません。それが如何に優秀な知能を有した個体であっても例外ではありません。
SCP-8000-JP-Jは更に無意識的に、SCP-8000-JP-J-AまたはSCP-8000-JP-J-Bを実行する能力を有さない正常な人類に対し「こんな簡単なのになあ」「あ、出来ないんだ」等の消極的排斥を行い、個体数の増加、または既存の正常人類に対する同化を図ります。
SCP-8000-JP-Jと正常人類との間に表面的な特筆すべき差異は発見されていません。現在、SCP-8000-JP-J-AかSCP-8000-JP-J-Bの実行能力の有無のみによって判別が可能です。
SCP-8000-JP-Jが既存の正常人類に対して同化を実行するプロセスは解明されておらず、またその徴候も科学的には解明されていませんが、「レッスン」と称して正常人類に対し機能の改変を行おうとします。
これらの性質によるSCP-8000-JP-Jの個体数の増加は今や計上不可能なほどであり、既に大部分の正常人類が同化されているものと見られます。SCP-8000-JP-JによるSK-クラス:支配シフトシナリオは、既に遥か以前より進行していたと金岩博士によって考えられていますした。
SCP-8000-JP-J-Aは人差し指または中指の先端で親指の先端を圧迫した後に、素早くすれ違わせる事によって発生する音です。SCP-8000-JP-Jは「親指の付け根をぱちんと叩くんだよ」と証言しましたが、これらの音は人間の皮膚の弾性と張力を考慮すれば不可思議な程の高音域です。
実際の所、正常人類であるDクラス職員による実験では、74度の試行にも関わらず「ブンッ」という極僅かな音声のみが記録されました。
当Dクラス職員は75度目の試行によりSCP-8000-JP-Jへ変異したと見られたため終了されました。 終了措置は中断されました。 ──サイト-8181管理官
財団上層部にも奴らは既に食い込んでいるって言うのか! ──金岩博士
SCP-8000-JP-J-Bは口をすぼめた状態で息を吹き出すという何の変哲も無い動作によって生じるには余りにも不自然である高音域の音声です。
SCP-8000-JP-Jの一部にはその音声域の高低をも調節可能な個体が存在し、それらは積極的に他の個体の前で自慢げに高低差の激しい複雑な演奏を実行する事から、SCP-8000-JP-J個体群の中でも上位に存在する個体であると思われます。
SCP-8000-JP-J-AとSCP-8000-JP-J-Bは明らかに不可解であり、その存在は科学的に証明出来ない。それらの実行は通常の構造であれば不可能と断定するしか無いんだ。SCP-8000-JP-Jは確かに存在するんだ! ──金岩博士
あなたは「正常でないという証明」をなさろうとしていらっしゃるようですが、我々が異常認定するに必要とするのは「異常であるという証明」です。しかも証明自体も、現在まで正当とは認定し難いものばかりです。 ──██博士
言いたい事は分かるがこれはやり過ぎだろう。もう片方はともかく指パッチンは科学的にも正常だと思うぞ。もう片方はともかくな。 ──エージェント・█
本報告書には明らかに客観性を欠いた表現が複数認められるため、改訂を推奨します。 ──██博士
人類はもう終わりだ! ──金岩博士
補遺: SCP-8000-JP-J無力化のために、金岩博士と合同でSCP-8000-JP-J-A、SCP-8000-JP-J-Bの検証が実施されました。検証は串間保育士とエージェント・那澤の両名の協力の下で行われました。
その結果SCP-8000-JP-Jには異常性が存在しない事が金岩博士によって確認され、同氏による異常性消失が宣言されました。SCP-8000-JP-JのExplainedへの再分類については善処が検討されています。
なんで処分どころか良い思いしてるんだアイツは。 ──エージェント・█