SCP-8047
評価: +27+x
blank.png
Enchytraeus_albidus.jpg

SCP-8047個体。

アイテム番号: SCP-8047

オブジェクトクラス: Hazardous

特別収容プロトコル: SCP-8047個体のコロニーはサイト-270の生物学研究棟で飼育されます。ソリッド・ボイス指令に従い、サブコロニーが他多数の施設で飼育されます。SCP-8047の実験中、職員は不適切な曝露のリスクを最小限に抑えるため、適切な安全装備を着用する必要があります。この措置が失敗した場合、SCP-8047飼育場のドアは曝露者を室内に留めた状態で封鎖されます。

説明: SCP-8047は口語的に“ヒメミミズ”と呼ばれる enchytraeus albidus に漠然と類似する異常生命体の一種です。SCP-8047の異常性は、個体が生きた人間と接触する時に発現します。SCP-8047は重傷を負った瀕死の人間を明確に好みます。

このような場合、SCP-8047個体は通常隠れている歯を使って対象者の皮膚に潜り込みます。この際、SCP-8047個体は麻酔液を分泌して疼痛反応を妨げます。対象者の体内に侵入すると、SCP-8047個体は血流内を急速に移動し、約32秒後に観察可能な活動を停止します。この段階における悪影響は報告されていません。

体内にSCP-8047が存在する宿主生物は多数の有益かつ異常な影響を受けます。例として以下が挙げられます。

  • 生物学的老化の異常な逆転
  • 急速な身体組織の再生
  • 別種の異常な疾患からの回復
  • 癌細胞増殖率の低下

この異常性に曝露した人物が死亡した例は、それ以前の負傷の程度に関係なく確認されていません。約15~24時間の休眠期間を経て、SCP-8047個体は活動を再開し、宿主の体内を急速に移動しながら膨大な量の卵を産みます。この産卵率もやはり異常だと考えられています。このプロセスを阻止または遅延させる試みは全て失敗に終わっています。

1匹のSCP-8047個体は、16時間以内に62,000個の卵を産むことが可能です。その後、卵は同時に孵化し、SCP-8047の幼体を大量に放出します。これは“プレンティス・イベント”として知られています。これらの幼体は口部から腐食性の液を分泌し、宿主生物の肉体を分解しつつ、栄養分としてそれを摂取します。観察された全ての事例で、プレンティス・イベントは宿主を死亡させています。

発見: SCP-8047は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ライカミング郡にて、民間人 ウィリアム・ベイツが鹿狩り中に弟のヘンリー・ベイツによって誤射された後、奇跡的な回復を果たしたという報告に続いて発見されました。ベイツは財団に拘留され、そこで既知の最初のプレンティス・イベントが観察されました。

自動通達

当ファイルの続きは 4/ソリッド・ボイス クリアランス の職員のみに制限されています。適切な資格情報を伴なわないアクセス試行はクラス-V違反行為と見做され、それに応じた懲戒処分の対象となります。

アクセス承認


補遺 — ソリッド・ボイス提言

2022/3/10、ウィルフレッド・アイゼン博士 (PID-3982MQ) は、SCP-8047の運用に関する提言書を、火急鎮静部門の運営陣に提出しました。彼の提言からの抜粋が以下に添付されています。

[抜粋開始]

様式ID: FSD-048291GRQ

序文: 火急鎮静部門にとって最大の課題の1つに、人命損失を伴なう収容違反が平均的な職員の心理に及ぼす影響が挙げられます。職務遂行中に親しい同僚を喪った職員は、職場への不満、望ましくない精神状態1、生産性の低下といった憂慮すべき傾向を示します。財団施設では平均して年間3.9件の致命的な収容違反が発生し、結果として火急鎮静部門が追求する利益への壊滅的な打撃をもたらします。

残念ながら、この問題の明白な解決策は、いずれも非現実的か、もしくは不十分です。職員への広範な記憶処理は、経費面の問題と決議EC#3948の双方によって実行できません。安全対策を改善して収容違反関連の死亡率を低減する試みには、費用対効果が期待できません。ラッキー・ヘア等の既存プロトコルは複製不可能な異常オブジェクトに依存しているため、不十分です。

SCP-8047は異常なミミズの一種であり、人間に接触すると皮膚に潜り込んで体内に産卵し始めます。この過程で、対象者の肉体は急速に回復します。約2日後、宿主の体内に産み落とされたSCP-8047の卵が一斉に孵化し、宿主は死亡します。

以下に述べる提言は、SCP-8047を利用した、火急鎮静部門が採用する新規プロトコルの概要であり、コードネームを“ソリッド・ボイス”とします。

提言: ソリッド・ボイス・プロトコルは次のような手順から成ります。

  • 特定の収容施設が破壊された場合に異常オブジェクトが喪失するリスクを最小化するという名目で、SCP-8047のコロニーを収容違反率の高い複数の施設で飼育させます。
  • 収容違反後、死亡する可能性が>95%と判断された研究員には、SCP-8047個体を秘密裏に投与します。
  • 対象者に同僚を付き添わせ、“奇跡的に”回復したことを確信させます。
  • 必要に応じて、回復特性を有するThaumielクラスオブジェクトの存在を捏造します。
  • 対象者が同僚と交流・会話する時間を設け、対象者が生き延びたことを、より強く同僚に印象付けます。
  • このような交流の場を作るため、“収容違反解決後”パーティーの伝統の捏造なども考慮すべきです。
  • 産卵フェーズの開始前に、検疫を装って、対象者を改めて拘束します。
  • 実際には、対象者はプレンティス・イベントが終了するまでSCP-8047飼育場の内部に監禁されます。
  • 対象者は機密プロジェクトに配属され、別な施設に異動になったというカバーストーリーを流布します。
  • このプロジェクトは、臨死体験を経たばかりの職員の心理的回復を促す低リスクなものであると説明します。
  • 同僚が電子メールや郵便で故人への連絡を試みた場合、人工知能徴募員 Edison.aic が返答を捏造します。

SCP-8047の個体数が本質的に自己補充性であるため、本プロトコルには極めて高い費用対効果が見込まれます。全体として、ソリッド・ボイス・プロトコルは報告上の死傷者を85%削減し、職場の生産性と財団の目標に多大な利益をもたらすことが期待されます。

[抜粋終了]

本提言はFSD運営陣の投票により、34-11で可決されました。2024/5/12現在、89%の成功率が確認されています。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。