
SCP-806、回収時。
アイテム番号: SCP-806
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-806は生物収容サイト66の8番収容ロッカーに収容します。本品の使用を求める研究員はブリッジ博士に連絡して面接を受けてください。
SCP-806-aは研究目的のために確保され、生物収容サイト66において標準的ヒューマノイド収容スイートが与えられます。SCP-806-aにはレベル0クリアランスが付与されています;また、SCP-806-aは常時少なくとも1名のレベル1職員の監督を受けることとします。
SCP-806-1の生成の試みにあたっては、明確な目標が設定されていなければなりません。成功裏に生成されたSCP-806-1実体はそれが必要とされる限りにおいて維持され、必要とされる目標が達成された場合はすみやかに終了されます。
説明: SCP-806は大型の、改造されたフィルム映写機で、1900年頃のものです。このオブジェクトの通常のガラスレンズは数十の研磨された宝石の薄い層で構成されるレンズに置き換えられており、いくつかの層は未知の物質から成っています。また、もともとの映写用電球はLEDアレイに置き換えられています。元来は35ミリフィルム用に製造されたものですが、機械部品の多くが同様の様々な複合合金部品に置き換えられており、ほとんどのサイズのフィルムを再生できるように改造されています。SCP-806の下部に取り付けられた追加機構は非常に長い、もしくは複数のフィルムリールを、中断することなく本品で再生することを可能にしています。
SCP-806はフィルムに記録されている死亡した人物を現実に「投影」することが可能で、スクリーンの前の開けた空間に死者の裸体の「複製」を生成します。このプロセスはそこで使用された最新の記録の状態で対象を実用的に再生成します。描写されている架空のキャラクターは復元されないことに注意してください;そのキャラクターを演じている俳優のみが再生成されます。カートゥーンのフィルムはSCP-806の効果を受けません。SCP-806によって生成された物質の発生源の特定は、現時点では成功していません。
この方法によって生成された「複製」は以降、SCP-806-1と呼称します。SCP-806-1を生成するためには、故人の記録を含むフィルムリールを映写用の銀幕に投影します。物理的実体を生成するためには、重複のない映像を最低でも33時間連続して再生する必要があります;故人の精神的能力の再生成にはおよそ40時間の再生が必要です。この試行の間、少なくとも1名の個人がこのフィルムを座位で意識的に見ていなければならず、さもなければその試行におけるSCP-806-1実体は形成の継続に失敗しグラファイトの塵へと分解します。ただし、この視聴者は投影が行われている間に交代することが可能です;同一の個人がその投影のすべてを見ている必要はありません。SCP-806-1の物理的形成が完了した後かつフィルムの視聴が40時間未満であるときに、SCP-806の投影が中断された場合、もしくは形成された肉体が物理的接触を受けた場合、その肉体は脳死状態に陥ります。
完成したSCP-806-1実体は、もともとの情報源となった素材の質あるいは彩色とは関係なく、モノクロ調のような外見となります。また、過程を完了したSCP-806-1実体はその過去の人生についての記憶をすべて保持しており、初めは自らがオリジナルの当該個人であると信じています。
8088-aおよび発見経緯: SCP-806-aはSCP-806によって再生成された、知られている中で最初の人物です。この人物は22歳の女性で、名前は██████ █████、1930年ごろの生まれです。SCP-806-aは[編集済み]の███████ █████で回収されました。地元警察に潜入していたエージェント・████████は、休日のため閉館していた地元の映画館に不良集団が侵入したという通報についての捜査を行っていました。エージェント・████████はSCP-806-aと会話している男性と遭遇しましたが、男性はすぐに逃走しました。この男性についての正確な情報は得られていません;捜索は継続中です。MTFアルファ-2(「メールマン」)が召集され、SCP-806、SCP-806-a、およびおよそ99時間分のさまざまな形式の、その大半は存命の頃のSCP-806-aを中心としたホーム・ムービーであるフィルムを回収しました。
補遺-806-002: 尋問: 十分な量のフィルムを利用できる場合、尋問の試みを補うためにSCP-806を使用することが可能であると思われます。この件の問い合わせはブリッジ博士に転送されます。
補遺-806-013: 選択: 供給された記録に複数の故人が映っていたような場合、SCP-806にはその試行においてどの対象を意図的に「再生」するか選択する手段は備えられていません。しかしすべての実験において、復活を意図された対象が選択される結果となっており、それは視聴者が本品の性質やどの人物が意図されているか知らされていない場合でも同様でした。このことから、SCP-806-1として意図された対象は投影の開始時に設定されるという説が立てられています;研究は[編集済み]の可能性のために保留されています。