クレジット
翻訳責任者: Tetsu1
翻訳年: 2024
著作権者: ParallelPotatoes
原題: Ship of Theseus (But It's Bones!)
作成年: 2024
初訳時参照リビジョン: 6
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-8093
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特別収容プロトコル: 一般人がSCP-8093の効果を発見して利用する可能性は極めて低いため、その存在の不明瞭化は不要です。代わりに、「骨を全て交換する」ことに関する噂はインターネット上のユーモアとして通用させます。標準スケルトン誤情報慣行が実施されています。
説明: SCP-8093は、全ての骨が他の人や物の骨で置き換えられた場合に異なるアイデンティティを有しているように思われる現象です。対象自身もこの現象の影響を受け、多くの場合、自己の存在が根本的に変化した感覚を報告します。
SCP-8093の影響を受ける前後のスケルトン736。見ての通り、完全に認識不可能となっている。
発見: SCP-8093は2018年に知性を有するスケルトンによる共同体であるGOI-9873: "骨官僚機構"によって発見されました。定期的な骨交換1の際、スケルトン27が最後の本来の骨を交換したことで、集会にいた他のスケルトンは彼女を認識できなくなりました。これを受けて集会は直ちに中止され、警備員が呼ばれてスケルトン27の武器化可能な骨を押収しました。誤解が解消した後、財団は連絡を受け、報告されました。この出来事の後、スケルトン27は以前の名前はもはや適切でないと感じ、スケルトン28に名前を変更しました。
補遺1: SCP-8093の発見後、財団のスケルトン・エージェントの多くが潜入任務の補助のためにその利用を試みました。これは大きな成功を収め、財団との関わりで知られるスケルトンが認識されることなく多数の要注意団体に潜入できました。現在、全ての主要な異常組織の上層には財団と提携したスケルトンが在籍しています。骨官僚機構は、SCP-8093の発見以降骨振動や木琴テストなどの厳密な識別手段を実施しており、この方法で潜入できなかった唯一の要注意団体です。
SCP-8093の利用の初期の成功後、スケルトンでないエージェントが外科的に骨を交換して要注意団体への潜入を試みました。この試みは予想通り失敗に終わりました。
補遺2: SCP-8093の影響を受けたスケルトンの多くは、新たなアイデンティティが以前のものと一致しないことに「ガタガタ」感じると報告しています。彼らはしばしば、その趣味を学んだ際と同じ骨をもはや有していないため、興味や趣味が自身に合っていないと報告しています。スケルトンの一部は、自身にとっての新たなアイデンティティを築くのに役立つ、日焼け、ボディビルディング、食事、テニスなどの「肉体的な趣味」に参加することを検討しています。しかしながら、より大多数のスケルトンはこれらの行為に極めて消極的です。社会的不名誉のために、影響を受けたスケルトンは新たなアイデンティティに葛藤を覚えています。更に、親であるスケルトンは、幼い子供が彼らを認識できないために困難を経験しており、子供が毎年の家族でのカルシウム摂取を拒否することに繋がっています。一部のスケルトンはSCP-8093の結果としてアイデンティティを喪失することを恐れ、その多くは骨交換を断念しており、肉体的・精神的健康の懸念を引き起こしています。
補遺3: 骨官僚機構は悪影響を受けたスケルトンを支援するため、援助プログラムを開始しました。このプログラムではセラピー、授業、ボーン・ショー・アンド・テル、整形外科医によるワークショップ等のサービスを提供しています。援助プログラムに参加しているスケルトンの大部分は、自分の骨がより良い場所にあること2に安心感を覚えると述べ、生活が充実していると報告しています。骨官僚機構は、スケルトンが新たなスタートとしてSCP-8093を利用できるよう、骨寄進プログラムの立ち上げを検討しています。人気の授業名としては、『テセウスの骨: パラドックスが船だけの話じゃない理由!』3等があります。歴史上のテセウス、現幽霊は財団に雇用されていますが、この授業についてはコメントを拒否しています。