[記録開始]
SCP-8112-A: モンスターはマジでいるん?
警備員: ん。
SCP-8112-A: ふーん…… 幽霊は?
警備員: 知らん。クリアランスを超えてる。
SCP-8112-A: ふーん…… ほーん…… じゃミイラは?
警備員: [ため息] [囁き声で] 何で最後の仕事ってのはこうめんどいんだ。
[SCP-8112-AはSCP-8112を着てベッドに座っている。SCP-8112の矢印は身体から伸びて、扉の下を出入りし、SCP-8112-Aの足に戻る。SCP-8112はニヤニヤと笑い、ベッドから起き上がって乱暴に足を横に出す。矢印の先端はちょうど彼の位置に移動する。警備員はそれを強制的にベッドに戻す。]
警備員: 椅子から動くときはどうしろと言った?
SCP-8112-A: ベッドじゃん!
警備員: 椅子。ベッド。どっちでもい—
[警備員は話すのをやめ、うんざりして左のこめかみを擦る。]
SCP-8112-A: おいおい! じゃあどうしろってんだよ!
警備員: 何もするな。
SCP-8112-A: プフー。ちっちゃい頃から刑務所は悪いもんだと思ってたけどさ。にしてもミランダ権利くらいは—
警備員: ボビー。心からの頼みなんだが。喋るのを。やめろ…… 頼むから。
SCP-8112-A: ……でもマジな話さ。何に手間取ってるわけ? あの科学者が今ここにいるはずじゃないん? 腹減ってきた。
警備員: さっき言ったが、こっちは知らん。だが間違いなくちゃんと理由があんだろ。
[2分遅れて、扉が開く。カービー博士は、認可された服装とサーカスのピエロの衣装を組み合わせた服を着て、布をかけたカートを収容房に押し込む。SCP-8112-Aと警備員は衝撃を受ける。]
警備員: [囁き声で] 何だぁ? カービー博士あなた何を—
[カービー博士は警備員を厳しく黙らせ、急いで扉を閉める。警備員が沈黙している間、SCP-8112-Aは長く口笛を吹く。カービー博士はテーブルクロスをどける。カートは、SCP-8112が以前に反応した全てのアイテムで飾られている。]
[カービー博士はラジカセの上に指をかざす。カービー博士は不愉快そうにしながらも、再生ボタンを押して複数のアイテムをカートから掴む。]
[ティン・パン・アレーの楽曲"Hello! Ma Baby"が流れる。カービー博士は、起動したくすぐりエルモ人形を右足で踏みつけつつ、左足で風船をジャグリングしつつ、左手で三目並べをしつつ、右手でカラフルなスリンキーを振り回しつつ、風船ガムを噛む。]
[警備員はヘルメットを外し、首を横に振る。SCP-8112-Aは忍び笑いする。警備員はSCP-8112-Aを肘で小突く — 後者は静かにする。]
[『グースバンプス』テレビシリーズ(1995)のテーマソングが流れる。カービー博士は持っていたものを落とし、次のアイテムに手を伸ばす。カービー博士は、マヨネーズの入ったボウルを右足で踏みつけつつ、曲のビートに合わせて左足を踏み鳴らしつつ、左手で拳を作って中指だけを立てつつ、ハーモニカを演奏する。カービー博士は再びカートに向かって右手を伸ばす。]
[SCP-8112-Aの笑いは、突然パイが彼の顔にぶつかったことで止まる。警備員の手からヘルメットが滑り落ちる。警備員はカービー博士はを見つめながら、左の瞼を引きつらせている。]
[ワイルド・チェリーの楽曲"Play That Funky Music"が流れる。カービー博士は持っていたものを落とし、次のアイテムに手を伸ばす。しかしカービー博士は誤って自分の足を踏みつけ、カートに衝突する。カートの中身がこぼれる。ラジカセは落下時に壊れる。カービー博士は痛みで縮こまる。]
カービー博士: あぁクソが! こん…… クソが。
[カービー博士は顔のメイクを拭き取り、未使用のタバコとライターを取り出す。彼は煙草に火を点け、その煙を吸う。警備員は鼻筋を擦る。]
[警備員は極めてゆっくりと頷く。SCP-8112-Aはパイをどけて目元を拭う。]
警備員: サー、お言葉ながら。気を違えましたか?
カービー博士: それは…… 後で折り返し。
警備員: そうですか…… それで、アレは何ですか?
[警備員は身振りでカートを指す。カービー博士はピエロのかつらを脱ぐ。]
カービー博士: ……個別には試した。上手くいかなかった。だから一緒にやってみた。最終手段。
警備員: ……何故です?
カービー博士: 俺は本当にこの仕事が好きだからだ。
警備員: な- 何のことだか—
[大きなピシャリという音が警備員を遮る。彼はSCP-8112-Aの方を向く。SCP-8112-Aは顔からパイの板を外して中身を食べている。SCP-8112-Aは困惑した様子の警備員の方を見る。]
SCP-8112-A: 何だ? タダで食えんのか。
カービー博士: [強張った囁き声で] ふん。なんでお前が選ばれたのかと思ってたところだった。
[カービー博士は突然立ち上がり、唸り声と呻き声の中間の声を漏らす。彼は自分の髪を強く掴む。]
カービー博士: もういい。もういい。ちゃんとさせるにはまだ時間がいる。もっと時間がいるんだ。もっと時間が…… それと…… そ-それから…… あ?
[カービー博士はSCP-8112の矢印がSCP-8112-Aではなく自分を指していることに気付く。カービー博士は硬直し、移動してSCP-8112をSCP-8112-Aから脱がす。]
カービー博士: そこに立ってろ。
SCP-8112-A: なあ! 一体どうしたってん—
カービー博士: いいからそこに立ってろ!
[カービー博士はコートを脱ぎ、アンダーシャツの上からSCP-8112を着用する。下を見ると、SCP-8112の矢印は床からなくなっている。SCP-8112の矢印は通常の位置に戻っているが、カービー博士の頭部を指している。SCP-8112の文言は「わたしはバカです(I'M STUPID)」になっている。]
[部屋の3名全員がSCP-8112を見つめる。27秒が経過した後、SCP-8112-Aが沈黙を破る。]
SCP-8112-A: おぉ、そのシャツすげぇ似合ってるぜ。
[記録終了]
SCP-8112の性質は、SCP-8112-Aが自身から完全にそれを除去した際に発現します。SCP-8112の矢印は異常な方法でそれがプリントされた布地から伸長し、SCP-8112-Aと物理的に接触します。SCP-8112-AがSCP-8112の文言を覆おうとする試みも同様の結果をもたらします。SCP-8112の矢印は常に最も広範囲で、冗長で、非論理的な経路を通ってSCP-8112-Aに到達するため、接触が直線的になることはありません。この効果は、SCP-8112-AがSCP-8112を再着用すると即座に無効化されます。
SCP-8112-Aは当初、SCP-8112との異常な関係を有していませんでした。しかし、SCP-8112に対して行われた恣意的かつ不必要な実験の余波で、当該アノマリーは当初のSCP-8112-Aから対象に注意を向け直しました。収容プロトコルが適切に順守されている限りはSCP-8112はSCP-8112-Aの任務を妨げないため、対象は監督下ではあるものの、財団での雇用継続を許可されています。
SCP-8112-Aは、SCP-8112が個人的なライフスタイルを著しく妨害していると訴えました。SCP-8112を着用したまま洗うことを強制されていることに加え、対象は職員がそれを見つめたり、SCP-8112-Aの状況を見てコメントをしたりしていると主張しています。これによりSCP-8112-Aの評判は著しく低下しました。そのため、SCP-8112-Aは当面は自身のオフィスで仕事をさせるよう要求しました。