SCP-814-JP
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侵入したドローンによって撮影されたSCP-814-JP-A
撮影時、降灰は観測されていなかった

アイテム番号: SCP-814-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-814-JPはその入り口となる廃トンネルを老朽化に伴う工事中として偽装したうえに鉄柵で囲い、常に二人以上で監視を行います。SCP-814-JP内に侵入する一般人を発見した場合は即座に捕縛し、Aクラスの記憶処理を行ってください。侵入を許してしまった場合は、自力で脱出するまで救出を禁止します。脱出後、消失者以外にはAクラスの記憶処理を行い、消失者については行方不明のカバーストーリーを流布してください。SCP-814-JP-A内の調査はセキュリティクリアランス3以上の職員による認可が下りない限り全長1m以上の無人ドローンを使用してください。

説明: SCP-814-JPは長崎県██市の山中に放棄された廃トンネル内に存在する扉です。SCP-814-JPを通過することによってSCP-814-JPの内部は異空間(以下、SCP-814-JP-Aと表記)に繋がります。この通過対象は生物、非生物を問いませんが、1m以上の全長を持つことが必要です。

SCP-814-JP-Aは調査の結果、第一次世界大戦以降の時間軸に存在した戦場の一場面1を再現しているものと思われます。これらの空間は侵入ごとに変化し、現在時点において同一のものが発生した事例はありません。また空間内の特徴として本来存在しうる生物あるいは武器及び兵器が存在しない、不定期に灰が降っている、様々な種類の人形2が本来人物が存在したであろう場所に散乱している、といった点があげられます。

内部に存在する物体は持ち帰ることが可能ですが、上述の灰は地表に到達すると同時に消滅します。また、調査の結果人灰であることが判明しましたが、不特定多数の個人のもので構成されており、特定個人の追跡は不可能です。また、人形も大量生産されたものであり特定には至りませんでした。

SCP-814-JP-A内に侵入した人間は、SCP-814-JP-A内に存在する扉から脱出が可能です。ただし、単独、複数人に関わらず人間が侵入した場合、侵入した人物のうち一人が脱出時に消失することが判明しています。この現象は人間以外の生物、無機物には発生しません。消失する対象に規則性は見られませんが、現時点の調査結果から、殺人、過失致死など誰かを殺害した人物は対象に選ばれないことが判明しています。ただしこれは複数の侵入者のうち、殺人の前歴がない人物が存在する場合においてのみであり、単独での侵入、もしくは全員が殺人の前歴を持つ場合は条件を満たしている人物においても消失対象となりえます。

侵入させた無人ドローンによる記録映像から、消失対象は脱出の際扉をくぐると同時にSCP-814-JP-A内のランダムな位置に転移することが判明しています。この際、消失対象は手を合わせる、十字を切る、平伏するなど多種多様な祈りと思われる行動をとっており、同時に発声を行っています。現在時点で対象が発声している言語は地球上の言語体系いずれとも一致しないものだと確認されています。その後、侵入した人物が全員扉を抜けた時点で扉は消失し、同時にSCP-814-JP-A空間も収縮し消滅します。GPSなどの位置把握システムはこの時点で断絶します。

補遺1: これまでの実験で消失した空間が再現していた戦場の位置を特定、調査した結果、SCP-814-JP-A内において、消失現象が発生した地点を中心とした半径5mの地点と該当する位置に本来自生しないワスレナグサの花畑が確認されました。これらの植物自体には異常な特性は見られなかったものの、生息する土壌は強いアルカリ性を示しており、土壌からその原因となる物質は確認できませんでした。本来なら枯死する環境下でこれらの植物が何故自生できているかについては調査中です。

補遺2: 補遺1の結果をふまえ判別可能であった該当地域を調査したところ、殺人の前歴がある対象が消失した地域においては、前述の花畑は確認されませんでした。また、土中検査の結果████人以上の判別不可能な人骨、及び破損した音楽再生機器が発見されました。この機器は判別不能な女性が以下の一節を唱える声のみが録音されており、その再生以外の指示は受け付けませんでした。

Kyrie eleison. Oro supplex et acclinis, cor contritum quasi cinis: gere curam mei finis.

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