アイテム番号: SCP-815-JP-HW1
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-815-JP-HWは湿度管理された収容倉庫内に保管します。SCP-815-JP-HWを用いた実験はレベル3以上の職員の許可が必要であり、実験終了後は可能な限りすべてのSCP-815-JP-HWを回収してください。
説明: SCP-815-JP-HWは杉材で構成された割り箸です。製造当初は100膳が存在していたものと思われますが、発見時点で81膳、現在は72膳が残存しています。SCP-815-JP-HWはその組成に微量の亜鉛、銅、[データ削除]を含んでおり、食用に用いるには不適です。またSCP-815-JP-HWの容器に貼られたシールの印刷内容から、要注意団体との関連が示されています。シールの印刷内容を次に示します。
SRU脚部ユニット 100個入り
©東弊重工
SCP-815-JP-HWの特異性は、4つに分割して野菜や果物などに突き刺すことで発生します。突き刺された物体及びSCP-815-JP-HW(以後これらを総合してSRUと呼称)は、本来の物体に比べてはるかに柔軟な弾力性と、自律行動能力、小型哺乳類と同等の知能を得ます。知能は突き刺した物体の大きさに比例しますが、最高でも大型犬程度の知能までであることが確認されています。SRUは胴体部の切断やSCP-815-JP-HWを引き抜くなどして、SCP-815-JP-HWの接続数が4本未満になった場合に不活性化します。活性化中のSRUは未知の方法でSCP-815-JP-HWを把持しており、通常の動作でSCP-815-JP-HWが抜けることはありません。実験により胴体部を固定し██Nの力をかけることにより、SCP-815-JP-HWを引き抜くことが可能であることが判明しています。不活性化したSRUからはSCP-815-JP-HWを回収し再利用可能です。再利用したSRU個体には、前回利用時のSRUの個性および記憶は継続されません。5本以上のSCP-815-JP-HWを刺した場合であっても、特異性が発現するのは4本目までであり、5本目以降は性質変化および把持は発生しません。
SRUは割り箸部分を足として歩行し、胴体部の片方の端を頭部のように用い、においをかぐ、周囲を警戒するなどの動作を行います。SRUは人間およびその他の動物に対して友好的です。特に近親者を亡くした人物によく懐く傾向があります。またSRUは対象を見分ける能力がある様子を見せており、自身に攻撃を加えた人物を警戒、攻撃します。
ある物体にSCP-815-JP-HWを刺すことでSRUとして活性化するかどうかには何らかの条件があることが判明していますが、現在まで明確な条件は判明していません。次に実験による活性化の可否の一覧を示します。強度的に直接刺せない物品に対しては、ドリルなどで穿孔の後にSCP-815-JP-HWを挿入しています。
実験記録 活性化する物体一覧:
キュウリ、ナス、ダイコン、白菜、ネギ、バナナ、リンゴ、グレープフルーツ、キャベツ、芽キャベツ、メロン、イチゴ、スイカ、エリンギ、冬虫夏草、[データ削除]
実験記録 活性化しない物体一覧:
小松菜、レンコン、マイタケ、イチジクの実、ガジュマルの木、輪切りにしたダイコン、半分に切ったリンゴ、スポンジケーキ、岩塩、鉄、ぬいぐるみ、豚肉の塊、ヒト(成人女性、死後6時間)、ヒト(成人男性、健康体)、ヒト(1歳女子、脳死状態)
実験記録 815-JP-HW-1:
対象: 巨大カボチャ(平均直径95cm、高さ85cm)
方法: SCP-815-JP-HWを刺し知能の程度と運動能力を測定(特記事項がなければ以後の実験も同方法とする)
結果: 自立することができず、数日後に腐敗ののち不活性化した。
分析: 自重が重すぎると足で体を支えられず、立ち上がれない模様。
実験記録 815-JP-HW-2:
対象: 中をくり抜きジャック・オ・ランタンの顔を刻んだカボチャ
結果: 問題なくSRU化。ただし予測に反し、顔の右側面が頭部になった。
分析: キュウリのような明らかに一方向に長い物品でなければ、どこが頭部になるかは予測が難しい。
実験記録 815-JP-HW-3:
対象: 茹でた大根
結果: SRU化したが立ち上がった際に中心から二つに折れ不活性化。
分析: 弾力は得ることができるが、強度は補強できない模様。
実験記録 815-JP-HW-7:
対象: キュウリを素体としたSRUとダイコンを素体としたSRU
方法: 2体を接触させる
結果: 互いのにおいをかぎあったあと、じゃれて遊ぶ様子を見せた。
分析: SRU同士でも友好的な態度を見せる模様。
実験記録 815-JP-HW-8:
対象: バナナを素体としたSRUとキュウリを素体としたSRU
方法: 2体を接触させる
結果: バナナが不活性化するまで互いに攻撃しあった。
分析: 野菜と果物のSRUは敵対している様子がある。
実験記録 815-JP-HW-9:
対象: キュウリ、ダイコン、ナス、イチゴ、メロン、バナナ、リンゴ、グレープフルーツ各3個ずつで構成したSRU群
方法: それぞれを個別に隔離した状態から、一斉にゲートを開けて接触させる
結果: 野菜群と果物群が互いに攻撃しあった。メロンとイチゴは野菜群に分類されていた。最終的にダイコン2体、ナス1体、メロン2体以外が不活性化。
分析: 映像記録の閲覧を希望する職員は虎屋博士に申請書を提出してください。