アイテム番号: SCP-817-KO
オブジェクトクラス: Safe Neutralized
特別収容プロトコル: 対象は5mx5mの部屋に収容されます。 対象には基本的な生活のための寝具類と洗面道具が与えられ、これらは3ヶ月ごとに交換されます。対象の部屋に引火性物質を搬入することは禁止されています。 担当職員は別途の制限なくSCP-817-KOに会うことができますが、できるだけ武装をしないこと、対象を刺激する話題(”恋人”,”戦闘”など)に対する話をしないことが推奨されます。SCP-817-KOが統制不能状態になる場合、対象が落ち着くまで部屋の中に閉じ込めてください。 しかし胸部の炎の勢いが激しく、自らに被害をもたらせるほどならば担当職員が直接消化道具を利用して炎の勢いを軽減させてください。この時、完全に消化しないように注意してください。
説明: SCP-817-KOは身長178.2cm、体重73.6kgの二十台後半でがっしりした体型の男性です。 対象はアメリカ、ユタ州、ソルトレイクシティ出身で茶色の瞳、浅い茶色の毛を有しており、頬までのあちこちがひげに覆われています。 対象は財団に収容されることに自ら同意しました。
SCP-817-KOの左側胸部には大きな穴が空いており、心臓がなければならない位置に三本の血管にしがみつくようにオイルライターが存在します。 このような特性にもかかわらず、SCP-817-KOの日常生活には何の支障もありません。ライターは蓋を開けられたまま炎がつき続けている状態であり油を補充する必要はないと思われます。 ライターは対象が激しい運動をするなど通常の人間であれば心臓が早く鼓動する場合である時、炎を大きくするなどして心臓の役割を代行します。 したがって炎が消滅すればSCP-817-KOは死亡すると推測されます。 平常時、炎は心臓と同じような大きさを維持します。
SCP-817-KOの説明によれば対象はベトナム戦争に参戦して戦闘中胸に被弾、気を失い、起きると現在の状態になっていたようです。 当時オイルライターは対象の左上の胸ポケットに入っている状態でありこれがその弾丸を防いだと見られています。 現在もライターに打ち込まれている弾丸を観察することができます。財団でSCP-817-KOの兵役記録を確認し、同じ部隊所属の兵士4名から証言を受けました。 彼らはSCP-817-KOの死亡の有無を肉眼だけで確認して戦場を離脱したと証言しました。
SCP-817-KOのオイルライターは対象の恋人がプレゼントしたものであり、調査の結果、彼女はSCP-817-KOが派兵された後交通事故で死亡したということが判明しました。 オイルライターの奇妙な現象はこれと関連付けることができますが、正確に明らかになってはいません。
上記したことのような理由でSCP-817-KOに恋人や戦闘に対する話をする場合、ライターの炎が大きくなり前後で揺れ動くのでさらなる注意が必要です。SCP-817-KOが見る悪夢や発作などでもこのような現象は起こります。この炎の動きはSCP-817-KOの身体に最大限危害が及ばない方向に動きますが(SCP-817-KOが自らそれの動きを制御できるようには見えません)対象が非常に興奮した場合にはそのような統制能力を失うため担当職員が直接消化させる必要性があります。
付録
SCP-817-KO 精神感情記録 ████/██/██
初期の不安症状はかなり好転したが、相変らずPTSD症状が残っている。現在の対象にとって見慣れない環境の中で効果的な治療は難しく見える。心理的な突破口のために担当職員[編集済み]と非常に近づいたようだ。彼女の存在がSCP-817-KOを扱うのに便利ではあるが、長期的に観察する場合収容の障害要因になる可能性がある。SCP-817-KOは彼女に過度に依存することになる可能性が高い。
- 事態経過を今後観察するように。(サイト管理者)
SCP-817-KO 精神感情記録 ████/██/██
悪夢を見る頻度が高まり、一人でさめざめ泣くことがしばしば捉えられる。PTSD症状は今までと同じだがそれとは別に恋人の不在によって心理的な苦痛を味わっているようだ。恋人の姿を担当職員[編集済み]から探そうとする姿を見せる。妄想症が疑われる。
- 担当職員[編集済み]を他の部署に移動させる。(サイト管理者)
SCP-817-KO 精神感情記録 ████/██/██
SCP-817-KOは[編集済み]職員の転勤を理解して受け入れる姿を見せた。しかし当分は心理的に不安定なため注意が必要だ。現在は大丈夫だがPTSD症状は悪化する恐れがある。統制不能状況に備えるために武装要員1人と周期的に弛緩療法を試みるのを提案する。
- 承認する。(サイト管理者)
SCP-817-KOセキュリティー記録
██/██、04:37 SCP-817-KOがベッドに座っている。胸部の炎が数回大きく燃え上がるとSCP-817-KOが大きく息を吐き出して頷く。この時点からSCP-817-KOの炎の大きさが平常時より半分以上減った状態で維持され始めた。
SCP-817-KO 精神感情記録 ████/██/██
SCP-817-KOが以前の担当要員[編集済み]を探し始める。躁鬱症をはじめとして不安定な姿を見せた今までの行動様式にもかかわらず、以前の依存的な姿は見られないしっかりとした姿勢である。症状の好転が期待されるので彼女に会うようにするのを提案する。
- 検討する。(サイト管理者)
SCP-817-KO 精神感情記録 ████/██/██
数回の鑑定結果を分析してもSCP-817-KOには大きな問題が無いように見えるが胸部の炎の大きさがますます減っている。それの身体の健康にも別に異常がない。措置が必要だ。
- 以前に提案したように[編集済み]職員に会うようにするように。(サイト管理者)
SCP-817-KOセキュリティー記録
██/██、18:55
SCP-817-KOを面談室に移動させる。面談室で待機中だった[編集済み]職員に会う。SCP-817-KOは席に座って彼女を眺める。
██/██、18:57
SCP-817-KOと[編集済み]職員が対話をし始める。
██/██、19:01
SCP-817-KO: 私はもう分かりました。あなたがメリーではないということを。
██/██、19:06
SCP-817-KO: 私は彼女が私を愛して、私を助けているという事実を知りました。ですが、すでに多くの時間が流れました。
██/██、19:07
SCP-817-KO: ……混乱の連続でした。苦痛にもがく渦中に私はあなたに会って、私は……メリーとの誓いが揺れるのを感じました。(SCP-817-KOの炎が明確に揺れ動く)
██/██、19:11
[編集済み]職員: ですが、そうなるとあなたは……。
██/██、19:13
SCP-817-KO: 結末は知っています。メリーはすでに死んだし、私もまた死んだ体です。そしてそのような体でこのような考えを抱いているという事実に私は苦しくて耐えることができないのです。
██/██、19:14
SCP-817-KO: あなたは死後の世界を信じますか?
██/██、19:16
SCP-817-KO: すみません。皆に……あなたも知っていましたね?(SCP-817-KOの炎がピンポン玉程の大きさに減る)
██/██、19:16
SCP-817-KO: 数日幾日か夜中悩みました。このように彼女が私を愛するという証拠がごうごう燃えているに、私が彼女を裏切って捨てることが正しいのか? どのように彼女に対する私の炎を生き返らせることができるのか。
██/██、19:17
SCP-817-KO: 彼女は私から離れるでしょう。傷を受けたままでね。そして私もやはりそうするでしょう。もしかしたら私たち皆傷を受けるかも知れません。
██/██、19:19
SCP-817-KO: そうであるためにも、私の心を率直に告白することが正しいことだと考えています。私のためにも、あなたのためにも、そしてメリーのためにも……これが結局再び炎をつけてくれますから。
██/██、19:20
SCP-817-KO: あなたを愛しています。(SCP-817-KOの炎が震えると完全に消える)
██/██、19:21
SCP-817-KOが机の上に倒れる。警備要員が飛び込んで[編集済み]職員を引き出し、SCP-817-KOに走って行く。