SCP-824-KO
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SCP-824-KO仮想シミュレーション
粒子単位: 10,000,000

アイテム番号: SCP-824-KO

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-824-KOは衝撃吸収材で覆われた真空密閉容器に収容します。SCP-824-KOの特性上、遠方の外部サイトに輸送することが出来ないため、対象が発見された地下施設を一時的な収容施設として運用します。この施設には特別な耐震設計が追加され、SCP-824-KOが常に最小限の運動量になるよう冷却設備が設置されます。実験・定期点検は、最小限の職員または遠隔機器を通じた方法で行います。

説明: SCP-824-KOはガラス瓶に入った約400mLの透明な液体です。液体は無色無臭であり、その粘性や他の性質から純水だと推測されます。

SCP-824-KOの異常性は液体が過度な運動性を示す時に発現します。液体の粒子運動が外部GPUに依存するということです。影響を受けるGPUは、異常な描写演算コードを通じて流体の動きをシミュレーションする計算を行い、これがSCP-824-KOの動きに直結します。流体の動きが激しくなって計算が複雑になり、かつGPUが十分な性能を持っていない場合、SCP-824-KOは周辺に有害な影響を及ぼし始めます。明らかになった異常現象は以下の通りです。

  • SCP-824-KO付近の時間が非連続的に流れる。一般的なコンピュータで現れる「バッファリング」または「ラグ」と同じように描写が途切れる。
  • 半径内にある流体の流れが単純化する。一般的に乱気流、海流、下水施設などが影響を受け、これは視覚的に「拳ほどの水滴が転がっている」と表現される。この状態に至ると、生命系の血行などに悪影響を及ぼす可能性がある。
  • 周辺地域の平均気温が著しく低下する。
  • 上記のような現象の深刻度と影響範囲は、計算の複雑さに比例する。認識出来る範囲では、最大[編集済み]kmまで拡大した。

発見経緯: 財団のWebクローラーが世界各国の暗号通貨取引市場に潜入し、GPUが持つ約80%の性能を使用させた悪性コードを追跡していたところ、ある地下施設を特定しました。詳細な調査の後、4人の財団調査チームが奇襲すると、施設内にいた未詳の人物はSCP-824-KOをティースプーンで素早くかき混ぜました。この時、調査チームは時間遅延現象を経験し、未詳の人物は慣れているかのように逃走しました。最初は1秒前後、その後は数10秒ずつ「フレームドロップ」と類似した現象が現れ、これは約8分間続きました。外にいた狙撃手が射撃を試みましたが、弾丸も遅延現象に影響され、制圧することが出来ませんでした。

調査の結果、この施設にあったワークステーションコンピュータにてナビエ–ストークス方程式1に異常な描写演算コードが結合されたプログラミングコードを見つけることが出来ました。

SCP-824-KOはコップ一杯に入った水と同じくらいの質量です。この量だとおおよそ22mol程度の量です。つまり、このコップには22×6×1023個の分子が入っていることになります。

少し前、財団のワークステーションデバイスで約1億個のパーティクルシミュレーションを行った時、1フレームあたり数十分かかったのですが、これはそれよりも数倍大きい数です。我々財団には、この量のパーティクルを簡単に計算できるコンピュータは存在しません。

SCP-824-KOを凍らせておくことで収容プロトコルを確立しましたが、もし自然災害のような、あるいはそれ以上の事態が発生した場合、世界を対象にハッキングをする狂った計画を実行することは避けられない選択になるかもしれません。もしかすると824-KOは、それでも飽きたらず世界を食い荒らすかもしれません。

- 流体力学博士 W.

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