試験#: 01
対象: 木板。
結果: 小さな木板が2枚生成された。両方の木板は完全に同一で、同じ髄線までも有していた。鋸で切断されたにも拘らず、どちらの木板にも切られた形跡は確認されなかった。
注記: N/A
試験#: 04
対象: 鋼鉄の立方体。
結果: 小さな同一の鋼鉄の立方体が2個生成された。SCP-8277は肉体的負担をほとんど伴なわずに試験対象を切断できた。
注記: N/A
試験#: 11
対象: 合わせガラス板。
結果: 小さな同一のガラス板2枚。切断時にかなりの負荷が掛かったにも拘らず、試験対象は割れなかった。
注記: N/A
試験#: 25
対象: 花崗岩のテーブル天板。
結果: N/A。当該試験はハンター博士によって却下された。
注記: どうしてダメなんだ? — クルーズ博士
木材。金属。石。ガラス。氷。どうせ今回も2分割されるだけだろう。区別にならない。軌道修正が必要だ。 — ハンター博士
もっと詳しく頼む。 — クルーズ博士
現時点での試験内容は冗長だ。次のアイテムがより複雑であれば、もしかしたら、もっとマシな成果が得られるかもしれない。 — ハンター博士
成程。そうだ、確か今日はここでメイの誕生日パーティーを開いてるよな? — クルーズ博士
ああ。なぜだ? — ハンター博士
試験#: 26
対象: ピンク色の砂糖衣とバースデーキャンドルで飾られた、大きな長方形のバニラケーキ。
結果: ケーキの角の1つが切断された。切り取られた角部分は、試験前とほぼ同じ大きさのケーキに変化したが、大量の砂糖衣で飾られていた。残りのケーキと蝋燭の大きさは著しく縮小し、砂糖衣がほとんど付着していない状態になった。ケーキは依然として人間が消費しても安全だと確認された。
注記: まさに大当たり! お誕生日の主役もきっと大喜びしたはずだぜ。 — クルーズ博士
自分で言っておいてなんだが、まさかこんなことになるとは思わなかった! 信じられない。 — ハンター博士
ちょっと待ってろよ。まだ風船が残ってるはずだ。 — クルーズ博士
試験#: 27
対象: 水風船 (部分的に充填) 。
結果: 試験対象は水と空気の接触点で切断された。完全に充填された水風船1個と、ヘリウムを充填したパーティー用風船1個が生成された。
注記: つまり、あれは1回限りではなかったらしい。間違いなく普通の空気を入れたんだな? — ハンター博士
使ったのは俺の口と洗面台だけさ。ヘリウムタンクは空っぽだった。これが8277が当初の推測よりも強力な変換能力を帯びているのを証明してないなら、何が証明になるのか分からないね。 — クルーズ博士
たった今この試験を再現したが、今回は風船を左右対称に切ってみた。小さなコピーが2つできただけだ。 — ハンター博士
結果が違う? どうして? — クルーズ博士
…どこにも行くなよ。すぐ戻るから。 — ハンター博士
試験#: 29
対象: 大型の振り子時計。
結果: 試験対象は文字盤の直下を切断された。本来の振り子時計よりも背の低いレプリカ1台と、壁掛け時計1台が生成された。
注記: 切断する位置が重要に違いない。それなら理に適っている。 — ハンター博士
そうかな。俺には法則性が見えてこない。 — クルーズ博士
ケーキ、風船、時計。これらは素材試験やその直接的な結果のように均一な物体じゃない… 構造は切断対象そのものの“抽象性”ほどには重視されないのだと思うよ。 — ハンター博士
よく分からん。 — クルーズ博士
試験#: 30
対象: 大型のフォームフィンガー・グローブ。
結果: 人差指の部分が切断された。生成されたグローブの形状は中指を立てたジェスチャーに変化しており、人差指は切断されて包帯を巻かれていた。
注記: よく分かった。 — クルーズ博士
試験#: 31
対象: 長方形の鏡。
結果: 鏡は対角線に沿って斜めに切断された。生成された2枚の鏡はどちらも、映り込む物体の反射像が斜めに切り裂かれ、半分欠けているように見える。両方の鏡が保管庫に収容された。
注記: 何かを掴みかけてる気がする。 — クルーズ博士
試験#: 32-42
対象: 各種コンパクトディスク (音楽、Blu-ray、ビデオゲーム等)
結果: ディスクは複製されたが、それらの内容は元のディスクの半分しか含まれていなかった。
注記: 正直ちょっと… 陳腐だった。もっと刺激的な反応を期待してたよ。 — クルーズ博士
だとしたら、我々は思った以上にパラメータを良く見極められているのかもしれない。この時点であと何回サプライズの余地が残されているかな? — ハンター博士
試験#: 43
対象: 絵画“モナ・リザ”のレプリカ。
結果: 切断したところ、絵画の断面が赤い塗料で覆われた。2つの黒い“X”が女性の目の上に重ね掛けされた。
注記: おぅ… そうだった… まだ人間を主題にした絵を実験に使ってなかった。 — クルーズ博士
この試験を何度か再現してみたが… どれも同じような“結果”になった。 — ハンター博士
まだ“禁止”を宣言するには早いぞ。 — クルーズ博士
試験#: 44
対象: テディベア
結果: 試験対象の詰め物は、遺伝的にハイイログマと一致する縮小サイズの内臓に置換された。テディベアの目は2つの黒い“X”に置換された。
注記: 今回ばかりは昼食抜きで幸いだった。 — ハンター博士
フゥン… 生物に似たものが関わるとこういう反応を示すんだな? — クルーズ博士
試験#: 45
対象: Dクラス職員。
結果: N/A。当該試験は倫理委員会の要求で却下された。
注記: せっかく義肢があるのに使うのを許されないんじゃ、持ってても無意味だろう? — クルーズ博士
もっと証拠があれば説得できるのでは? — ハンター博士
んー… そうかもしれないな。 — クルーズ博士
試験#: 46
対象: 人体切断マジック用の大箱とマネキン。
結果: 箱は典型的な人体切断マジックと全く同じやり方で切断され、マネキンはあらかじめ箱の中に配置されていた。切断した箱の前後を引き離したところ、大量の血液と内臓が床に流出した。箱の中身を調べたところ、マネキンの上半身と下半身は、それぞれ解剖学的・遺伝的にクルーズ博士及びハンター博士と酷似するヒトのものに入れ替わっていた。
注記: やっぱり委員会の裁定に従おうか。 — クルーズ博士
…ああ。良い判断だ。 — ハンター博士
試験#: 47
対象: 様々なアルファベットや数字を象った発泡体。
結果: ほぼ全ての事例でより小さな複製物が生成されたが、例外として、数字の0を模した発泡体はどれだけ力を加えてもSCP-8277で切断できなかった。
注記: 発泡体だけじゃない。色々な物に0を記入したら、8277は全く切り込まなくなった。いったいどうなっている? — ハンター博士
試験#: 52
対象: 値札が付いたままのTシャツ。
結果: シャツの断片はいずれも全く物理的変化を示さなかった。しかしながら、シャツを切断するたびに値札の表示価格が大幅に下落した。
注記: ほう。“値段”まで割引してくれるのか? 面白い。 — クルーズ博士
試験#: 53
対象: 印刷したマクドナルドのファストフードメニュー表。
結果: メニューは切断できなかった。しかしながら、SCP-8277で試験対象に力を加えるたびに、掲載された食品のサイズが目に見えて縮小していった。対照的に、メニューの価格は劇的に上昇した。
注記: なんでどんどん高くなるんだ?! — クルーズ博士
本当になんでだろうなぁ。 — ハンター博士
試験#: 54
対象: 1ドル紙幣。
結果: “1/2ドル”紙幣が2枚生成された。どちらの紙幣にも、ジョージ・ワシントンの代わりにジェームズ・ブキャナンの肖像が描かれていた。
注記: 妙に相応しい感じがする。 — ハンター博士
更新: そろそろまとめに入れとのお達しがあった。どう思う? — クルーズ博士
もう1つだけ試験カテゴリが残っている。大きなものから小さなものへ、というのはどうだ? — ハンター博士
試験#: 55
対象: タクシー。
結果: “タクシー風”の審美的デザインを有するスマートカー2台。
注記: 車そのものは問題なく動くが、どうしてGPSがパリを指し続けているんだ? — ハンター博士
試験#: 66
対象: 真鍮製のチューバ。
結果: 試験対象は物理的に変化しなかったが、未知の理由で両半分が機能を維持し続けている。しかしながら、どちらか片方で演奏された音は半分しか聴取できない。
注記: いいね。次は? — クルーズ博士
試験#: 78
対象: iPad。
結果: iPad mini が2枚生成された。
注記: 予想通り。少なくとも、試験は間もなく完了しそうだ。 — ハンター博士
試験#: 79
対象: 1本の海藻。
結果: 2種類の物質が生成された。片方は海水の溜まり、もう片方は草本植物の小山だった。当該試験中、ハンター博士は試験対象を切断するのが困難であった。
注記: 困難? — クルーズ博士
どう言えばいいのか、切り始めたら物凄い抵抗を感じたんだよ。こんなことは今までなかった。よく分からない。海藻はかなり小さかったのに、何が問題だったんだろう? — ハンター博士
具体的にどのくらい小さかったんだ? — クルーズ博士
試験#: 80
対象: 紫色のブドウ。
結果: 赤と青のブドウが1粒ずつ生成された。クルーズ博士は試験対象を切断するのが困難であった。
注記: 君の言う通りだ。腕が痛くてたまらん。 — クルーズ博士
この2つの試験は、これまでと比べてどう違うんだ? — ハンター博士
試験#: 81
対象: ビー玉 (10mm)
結果: 大きさ5mmのビー玉2粒が生成された。クルーズ博士は試験対象を切断するのが著しく困難であり、ハンター博士の支援を必要とした。
注記: サイズだ! 他全ての試験対象には適切に切断できるだけの寸法や幅があった。8277の鋸刃は手鋸にしては随分と大きい。 — ハンター博士
小さな物体はそう簡単に分割できないってことか? — クルーズ博士
確信は無いが、答えが自ずから明らかになることはないだろう。締切が迫っている。 — ハンター博士
試験#: 82
対象: 1枚の紙。
結果: 試験中止。SCP-8277は紙を切断できなかった。
注記: 中止だって? 紙を切ったことは前にもあったはずだ! — クルーズ博士
ああ、だが今回は紙の端を直接切ろうとした。凹みもしなかったよ。ここからはもっと助力が必要だ。 — ハンター博士
試験#: 83
対象: 後ほど入力
結果: SCP-8277は当該試験を実施する目的で機械装置に取り付けられた。試験対象が紛失され、見つからなかったため、最終的に試験は中止となった。
注記: 俺としたことが、うっかり落としちまった。 — クルーズ博士
流石に8277にとっても小さすぎるかもな。 — ハンター博士
別なのを試すか。ペーパークリップなんてどうだ? — クルーズ博士
良いニュースがある! たった今、試験対象を偶然発見した。もうすぐ完了だから、まだセクターを離れるな。 — ハンター博士
本当に上手くいくかな? — クルーズ博士
最悪の場合でも、全く切れないか、また対象を失くす程度だ。別に害は無いだろう? — ハンター博士
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
事後報告書
ケース#: A878HYG344
日付: 2024/10/10
対象地点: █████、████████、サイト-588。
概要: およそ11時頃、サイト-588とのあらゆる通信が前兆無しに突然断絶した。この出来事と並行して、サイト所在地で“眩い光”が目撃されたという報告があった。警戒措置として、機動部隊ベータ-7 (“マズ帽子店”) が現場に派遣された。
サイト-588の半分近くは完全に蒸発し、施設の残りは甚大かつ不可逆的な被害を受けていた。サイト-588に駐留していた職員はいずれも死亡、または行方不明と確認された。施設に収容されていたアノマリーも大半が喪失した。サイト-588は永久的に使用不可能と判断され、その後の捜査は破壊の原因解明に向けて行われた。
財団の捜査官らは、この破壊が熱核爆発の結果であると速やかに推測した。しかしながら、サイト-588の施設内核弾頭は起爆されておらず、またこの事件に敵対的な要注意団体が関与した説を裏付ける証拠も無いことが判明した。
捜査の途中で、財団職員はSCP-8277を発見した。爆発の中心部から見つかったにも拘らず、SCP-8277は完全に無傷だと確認された。その後間もなく、サイト-588のSCiPNETデータが復元された。システムに記録されたデータの大半は特に事件との関連性が無いと見做されたが、例外として事件直前にアップロードされた最新のエントリが注目された。
対象: 1粒の砂。
SCP-8277の更なる試験は直ちに中止された。当面の間、再開は予定されていない。