SCP-8285
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アイテム番号: SCP-8285

オブジェクトクラス: Explained

特別収容プロトコル: SCP-8285は異常能力が再発する兆候がないかを監視されます。リスク評価において低脅威度と判断されたことや、コミュニティ内での彼の社会的地位が急激に低下したことを踏まえ、現時点で積極的な収容の取り組みは不要と判断されています。初期収容措置以降、ヴェールを脅かす危険性は無視できる程度です。

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SCP-8285

説明: SCP-8285は87歳のアマチュアボウラー、アール・ロスの指定名称です。SCP-8285は現在、ジョージア州の小さな町、ブレアズヴィルに居住しています。SCP-8285は過去に推定43回のパーフェクトゲームを達成しており、地元のボウリング場には8連続パーフェクトゲームの記録が残っています。1 理論上は非異常な手段でも実現可能ですが、SCP-8285がボウリングのプロ選手を一度も目指しておらず、このような結果が統計的に成立しそうもないことから、SCP-8285は異常な方法を用いてこの業績を成し遂げたと考えられています。

現時点で詳細は不明ですが、SCP-8285は軽微な現実改変能力を帯びていると思われます。この異常性は恐らく、倒れたピンの散り方に干渉し、不正が気付かれるリスクを最小限に留めながら各投球の結果に影響を及ぼしていると推定されます。

補遺SCP-8285-A: 初期調査

SCP-8285の潜在的な異常性は、ジョージア州の様々な郡での定期捜索活動中に発見されました。ボウラー時代のSCP-8285の活動について、多数の町民への聞き込み調査が実施されました。

ブレアズヴィル町内のボウリング場の経営者、ジェイソン・トループはSCP-8285の快挙の経歴を快く共有した。無関係な情報は割愛されている。

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ブレアズヴィル・ボウリング・アレイ

トループ: とんでもねえ男だったぜ、あいつは。まるで時計仕掛けみたいでよ。俺が出勤して、機械を作動させて、レーンにオイルがしっかり塗られたかどうか確認してると、もうドアをノックしてるんだ。

エージェント ベルモンテ: 彼は毎日ボウリング場に来ていたのか? 休みを取ったり、働いたりもせずに?

トループ: まあ、言ってみれば、行方不明の日もあったな。

エージェント ベルモンテ: 行方不明?

トループ: それについて訊ねるのはどうも気が進まなかった。少なくとも何週間か経つまでは。あいつにちょっと健康を害してる節があったのは分かってたから、時々みんな不安になったんだ。

エージェント ベルモンテ: どうやって諸経費を支払っていたんだ? ボウリング代だけでなく、食料品とか光熱費とかも含めてだ。まさかタダじゃないだろう。

トループ: アールはな、バカ相手の賭けで稼いでたんだ。

エージェント ベルモンテ: バカ相手の賭けとは?

トループ: 例えば、バカが1人入店してくるだろ。そいつはレーンに腰を下ろして、アールが次から次へとボールをガターに落としてる様子を見る。そして、バカの関心を十分引き寄せておいてから、アールはちょいと面白い遊びに乗らないかって誘いをかける。そこで俺が出てきてセブンテン・スプリット2とかビッグ・フォー3みたいな並びをお膳立てすると、バカはこりゃ楽勝だってんで自分の娘でも賭けちまう。

エージェント ベルモンテ: で、誰もがそれに引っ掛かったのか?

トループ: あんた、ボウリングやらない人だろ?

エージェント ベルモンテ: 子供の誕生日パーティーの時ぐらいかな。ただ、そんなに大勢の人があっさり賭けに乗ってお金をどんどん掏っていくのは妙な話だと思うよ。

トループ: 成功の望みなんか無いも同然の並びだからな。でも、アールはほぼ毎回倒してのけた。ボロい稼ぎだぜ、本当に。それ目当ての客足が増えることも時々あったからよ、あいつにはタダでボウリングさせても何の不都合も無かったね。凄え奴だった。

エージェント ベルモンテ: 君の店の、その… 名誉の壁だが。ちょっと不公平じゃないか?

トループ: でもなぁ、やっぱり最強のプレイヤーには太刀打ちできねえよ。誰一人として、あいつの足元にも及ばなかった。あの壁で他の誰かを称えるのは、アールに対して失礼だ。それに、断言するが、誰も自分の顔写真があの壁に飾られてるのなんか見たかねえよ。この店のレーンを歩いた最も偉大な男への侮辱になっちまうからな。

その後、SCP-8285はコメントを求められました。年齢と健康上の問題によって、ほぼ隠遁状態に近い生活を送っていたにも拘らず、SCP-8285は自らの過去の業績について熱心に語りました。インタビューが行われた彼の家のリビングルームは、日付順に整然と並べられた盾、トロフィー、賞状で丁寧に装飾されていました。

ロス: さあさあ、入ってくれ。外は暑くて敵わないよ。甘いお茶でもどうだい?

エージェント ベルモンテ: いや、結構だ。しかし、お気遣いありがとう。

ロス: トループから電話があってね、君らが調べものをしていると教えてくれたんだ。ドキュメンタリーの撮影か何かかな?

エージェント ベルモンテ: まあ、似たようなものでね。君の記録を偶然発見して、控えめに言っても、実に興味をそそられた。史上最高のプレイヤーと対面できるのは、やはりいつも特別なことだよ。

ロス: 史上最高? 笑わせないでくれ、俺は誰かと試合で競ったわけじゃないんだから、最高だなんて呼ばれても困る。俺にとってボウリングはただの趣味だよ。結局のところ、似た者同士だがね。

エージェント ベルモンテ: そうかな。はっきり言って、殿堂入りした選手たちの成績でさえ、君のレベルには遠く及んでいない。プロを目指した時期もあったんだろう?

ロス: たかがゲームのプロを目指すだなんてバカバカしいったらない。ボウリングは金やテレビ放送のためにやるもんじゃないし、可愛い女の子たちだって年寄りのボウラーに興味は持たないさ。

ロスは笑った後、息を整える。

ロス: ほらこの通り、俺に配られたカードは人生の初めっからろくなもんじゃなかった。これじゃ勝負を降りるしかないと思うだろう… でも、俺はどうしてもそれに納得できなかったんだ。分かるかい?

エージェント ベルモンテ: トループさんは、君が健康を害していたと話していたが、その話だと取っていいのかな?

ロス: “害していた”ってのは控えめな表現だよ。残された人生を最大限に謳歌したかったし、そのためにわざわざどこぞの洒落た会場でプレイしようなんてことは考えなかったね。俺はただ腰を下ろして、ジェイソンとビールを飲んで、あの古臭いガタガタの店でボウリングができれば十分だった。

エージェント ベルモンテ: でもその店のレーンで大儲けしたそうじゃないか?

ロス: そりゃ、どうにかして生活費は稼がなきゃならないからな。

エージェント ベルモンテ: 実に奇妙な話だね、ロスさん。

ロス: アールと呼んでくれていいんだぜ。

エージェント ベルモンテ: つまり - それだけの才能があって活かそうとしないのは愚かとしか言いようがない。なぜ賭け事だけに留まらず、一歩先に進んでトーナメントに出場したり、国中を旅したりしなかったんだ?

ロス: じゃあ、君から見れば俺は超ド級のマヌケってことだな!

エージェント ベルモンテ: 悪気があって言ったんじゃない。

ロス: 知ったことか。いいか、俺はここで育ったし、父もここで育ったし、父の父もここで育った。ここは俺の町だ。PBA4はRPM5がどうの、“近代的な”分析がこうのと言ってるが、なんにも分かっちゃいない。つまるところ、俺にとって大事なのはピンが倒れるかどうかなんだ。

エージェント ベルモンテ: 率直に言おうか?

ロス: いいとも。

エージェント ベルモンテ: 君がここの人々の評価ほど優秀であるはずがない。君の業績は天文学的な、要するに、生涯に一度あるかないかどころか絶対にあり得ないものなんだぞ。数字を見れば -

ロス: 数字なんかどうだっていいんだ。よく聞け -

エージェント ベルモンテ: 君は誤解してる -

ロス: 君が言いたいことははっきり分かってる。俺にどんなことができるべきかをわざわざ説教しに来たのか? 俺は自分のボウリングの実力をちゃんと理解してるし、神に誓って正当にプレイしてきた。

エージェント ベルモンテ: そうか、だが私はそんな話には乗らない。我々は何百人ものボウラーの統計データを調べてみたが、その中で君だけが外れ値だと言い張るのか? あり得ないんだよ、ある可能性を除いては…

ロス: 成程、そういうことか。お綺麗なスーツでめかし込んで訪ねてきた理由は、俺をペテン師呼ばわりするためだったんだな?

エージェント ベルモンテ: 君に自覚があるかどうか知らないがね、ペテン師は同じことを何度も繰り返し言いがちなんだ -

ロス: こんな美しいゲームに泥を塗るような真似ができるわけないじゃないか。ここまで来られたのは、俺が淡々と努力を積んできたおかげだ。ボウリング場に足を運んで、昼も夜もひたすら投げまくったから、今の俺がいるんだ。

エージェント ベルモンテ: 自分の方がどういうわけかPBAツアーの選手たちよりも上手いだなんて、私が鵜吞みにすると本気で思っているのか? 最も競争の激しいパターンでボウリングに取り組み、ゲームのあらゆる側面を真に理解している選手たちよりも? 君はそんなにも優秀だと言うのか、え?

ロス: それを証明するゲームの記録がある! 俺は何十年もかけて腕を磨いた。もし何人かの若い“プロ選手”が俺より上手く球を転がせないってんなら、それは俺じゃなくてそいつらの問題だ。

エージェント ベルモンテ: 与太話は止めてどうやったのか教えろ、ロス。

ロス: どうせならアールと呼んでほしかったね! 君が俺の言葉に耳を貸さないなら、敬意の欠片も示す気がないなら、これで終わりにしよう。純粋に根性だけで何かを極めるってのを理解できない生意気な野郎と話すつもりはないぜ。

エージェント ベルモンテ: 安心してくれ、私にも幾つか極めた技術はあるんだよ、ロスさん…


補遺SCP-8285-B: 収容の取り組み

その業績が全くあり得ないものであったため、SCP-8285には高度な現実改変能力があったと結論付けられました。当初、SCP-8285が既に引退しているために収容措置は不要と見做されていましたが、エージェント ベルモンテの請願を受けて、以下の収容プロトコルが実行されました。

アマチュア時代のSCP-8285の活躍を証明する目撃者が多数存在したため、これらの証言を覆すことは不可欠でした。また、SCP-8285の業績が公表されてヴェールへの潜在的な脅威となるのを防ぐために、記憶処理薬の使用は推奨されたのみならず、必須でもありました。

SCP-8285がボウラーとしてのキャリア全体を通して不正行為を行っていたという内容の報告書が公表されました。既存のゲーム記録には異議が唱えられるか、SCP-8285の業績の不当性を裏付けるように改竄されました。SCP-8285は運動能力に著しく欠けており、本人が主張するような高度なボウリング技能を発揮できたはずがないという事実は改めて強調されました。

報告書の発表後、SCP-8285は地元のボウリング場からの永久追放処分を受け、数十年にわたる地域社会への奉仕に対して授与された“ブレアズヴィル貢献町民賞”をはじめとする複数の賞が撤回されました。

SCP-8285本人への積極的な収容措置は依然として不要と判断されています。SCP-8285は隠遁生活を送っていたため、ヴェールへの脅威となる可能性は最小限であり、社会的地位が失墜したために地元住民らへの影響力も大きく減退しています。かつてSCP-8285の経歴を証言した人物らは、現在ではSCP-8285が不正にボウリングをしていたと確信しており、SCP-8285との交際を拒否しています。

SCP-8285は自分にかけられた疑惑を否定し、新たに導入された記憶・記録の信憑性に反論し続けていますが、これまでのところ評判を回復できておらず、むしろブレアズヴィル自治体内での自らの社会的地位を積極的に貶める結果に終わっています。

補遺SCP-8285-C: 事件報告 2005/09/17

2005年9月17日の夜、SCP-8285はブレアズヴィル・ボウリング・アレイに強行侵入しました。建物内にはまだジェイソン・トループがいましたが、SCP-8285に気付いたのは、彼がボウリングを始めた後でした。トループが対峙した際、SCP-8285は町民全員が間違っているのを証明してみせると述べました。トループは地元警察に通報した後、事態を収拾しようと試みました。

SCP-8285は自らのゲーム状況を録画していました。この間、SCP-8285はストライクを一度も達成せず、多数のフレームが無効または“0”ポイントとなり、更には試合中に体調が悪化し、膝を捻挫し、股関節を脱臼しました。

SCP-8285はその後、病院に搬送され、同夜中に退院しました。SCP-8285は自宅へ連れ戻され、休息するように指示されました。警察には被害届が提出されたものの、トループは告訴を拒否しました。

補遺SCP-8285-D: 謝状

ロス家の遺族の皆様へ、

アール・ロス氏 ( ✞ 2006/02/08) のご逝去にお悔やみ申し上げますと共に、ロス氏の初期のボウリングキャリアにおいて不正が横行していたとする調査報道について正式にお詫び申し上げます。

当該の報告書は、当社の最新の調査基準に照らして、もはや公表されるべき内容とは見做されません。
しかしながら、調査担当者は公表当時のデューディリジェンスに関する当社のガイドラインの範囲内で行動していたことを、どうかご承知おきください。従って懲戒処分は下されません。

報告書の誤りについて詳述する公共広告を近日中に掲載する予定です。
このような事態を招いてしまい、誠に申し訳ございません。

ブレアズヴィル競技監修誌Blairsville Sports Curated Press

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