SCP-8306

評価: +8+x

アイテム番号: 8306
レベル2
収容クラス:
keter
副次クラス:
runs red
撹乱クラス:
Dark
リスククラス:
Notice

foremanfile1.jpg

SCP-8306、サイト-898敷地内で撮影。


特別収容プロトコル: これまでのところ、SCP-8306を収容する試みは失敗に終わっています。しかし、実体は既に財団職員が確保しているレッドブルック鉱山及びサイト-898から出ることを望まないまたは不可能です。結果として、SCP-8306はこれらのエリア内の自由な立ち入りが許可されています。1

サイト-898職員は、夜間にブラインドを閉じることを推奨されます。

説明: SCP-8306は、SCP-8987から出現した最初期のRUNS REDアノマリーであると考えられており、鉱山で回収された文書におけるそれに関する報告や言及は1963年に遡ります。これはSCP-8987の活性化イベントがレッドブルック鉱山の操業に影響を及ぼし始めたのと同時期です。2

SCP-8306は標準的な60歳ほどの人間男性に類似し、通常1960年代の鉱山労働者に典型的な服装を着用しており、多くの場合関連する器具を携行しています。3目と口は空虚で大きく開いており、青白い肌を有します。多くの場合、SCP-8306には泥と石炭の粉塵がこびりついています。

SCP-8306の正確な異常能力の実際の範囲は不明ですが、一貫して自身の意志で顕現・消失する能力を示しています。SCP-8306を物理的な障壁で妨害することができないために、これを主な理由として収容の試みは放棄されました。

SCP-8306は知性を示す既知の唯一のRUNS REDアノマリーです。予測不可能ではあるものの、友好的で善意を示すように見え、人間の言葉を話すことが可能です。実体は名前を有していると明言したことはなく、「職長」とだけ自称し、サイト-898ではこの肩書が口語的に用いられています。数名の職員はSCP-8306と親交があるものの、真の性質への理解が欠如しているため、職員はその周囲では慎重になるよう警告されています。

更に、SCP-8306は黒肺塵症に似た症状を示しているようであり、職員はその呼吸と頻繁な咳を、「湿っていてガラガラとしている」あるいは「喘息のようだ」と表現しています。これらの特徴的な音、及び口笛を吹く習慣が、SCP-8306の存在を識別するために頻繁に用いられています。いかなる状況においても、職員は口笛を吹き返してはなりません。


ミランダ主任、SCP-8306に関する過去の報告や目撃例をこのファイルに添付していただけますか? 私のセクターではこのアノマリーの調査を開始しており、イーデン管理官はその行動や、それが我々と共にいる動機について解明することを望んでいます。

- フェイト・ハーグローブズ博士、未確認動物指揮

いいですよ。報告書は少し整理されておらず、多くが私のデスクに散らばっていますが、探しているものは見つけられるかもしれません。

頑張ってください。

- ゾーイ・ミランダ主任、セキュリティ・収容主任


補遺8306.1: 添付文書、要求に応じ。

サイト-898の建設は、正直に言って、順調ではなかった。公式にはサイトの建設は先週の時点で「完成」とされていたが、完了とは程遠い状況だった。主な構造は警戒と監視が緩んでいる隙にMC&D4に襲撃される懸念から急ピッチで進められた。そもそもこの場所は、私の第一候補ではなかった。

MC&Dの小さな企業城下町を我々のものに造り替えた。あぁ、皮肉なことは認めるが、無駄は禁物だし、出したくなかった。スタッフを住ませる家が必要だったんだが、ちょうど過剰な小屋が既に存在していた。少なくとも、新たな友人は気にしていないようだ。彼が建設現場の外れに潜んでいるのを見たり、ランタンを従えて敷地内をうろつきながら口笛を吹いているのを聞いたりしたが、心配になるような遭遇は何も起きなかった。

しかし最大の難関は、財団がアパラチアの奥地に大規模な電力機構を用意してくれそうにはないことだ。送電線網がなく、建設は全て人力とオイルカーボンのみで行われた。フル稼働後の電力供給をいかに最大効率化するか、決定権は私の手に委ねられている。そこでスタッフの会議を招集し、アイデアを募ることにした。

これについて一番人気を得た案は、赤い小川レッドブルックを使うというものだった。鉱山ではなくて、炭層湿地から向こうの谷の崖に流れ出る支流を水力発電に使うというものだ。建造が成功すれば、流れ込み式システムによって完全に自給自足できるようになり、ここから大きな恩恵が得られるだろう。

ただヒラード博士は、サイトの足元に眠る豊富な資源、つまり石炭を燃料として使うことを提案した。私自身も一瞬考えた選択肢だった。

そして翌朝、ヒラードは枕に死んだカナリアを見つけた。

私は凶兆を一笑に付すほど愚かな人間ではないので、そのメッセージを心に留めておいた。

— ジュリアン・イーデン管理官、サイト-898建設レポート、1966/07/13

抜粋済SCP-8306セキュリティレポート (1967-1968)
日付 報告職員 遭遇の説明
1967/02/15 アルフレッド・リン隊長 夜中にSCP-8306が小屋の扉をノックしたと報告した。彼は応えなかった。
1967/05/05 エージェント ルディ・ウェラー 非番の散歩中、エージェント・ウェラーはレッドブルックの側に座っているSCP-8306に遭遇した。5エージェントによると、実体は「光を持っているか?」と訊ねた。この要求を却下すると、SCP-8306は消失した。
1967/07/30 ヘレン・ギブス博士 夕暮れ時、小屋に戻っている途中、ギブス博士は周囲の森が異常に静まり返っていると報告した。彼女は木々の端に立ってこちらを見つめているSCP-8306を発見した。
1967/08/22 フランシス・ヒラード博士 小屋の床下から苦しげな息遣いが聞こえたと主張した。
1967/10/06 サラ・リンジー博士 SCP-8987地震観測所内の職員は、SCP-8987の洞窟で、木の根元に座って口笛を吹いているSCP-8306を発見した。数日後、現場にいた全員が医師に軽い咳を報告した。
1967/12/13 エージェント グレン・バード 警備巡回中、エージェント・バードは鉱山の奥深くで爆発のような音を聞いたと報告した。この活動は他の職員に検知されず、聞かれることもなかった。調査したところ、エージェント・バードは、トンネルの端で動かずに掘削孔の多数開いた壁を向いているSCP-8306を発見した。

セキュリティレポート8306、1970/6/20、セス・ミランダ博士

真夜中を少し過ぎたころ、それは始まった。重たいブーツが松葉や草を踏みしめる音で目が覚めた。今では、外で誰かが歩く音を聞くのは珍しくない。遅くまで働いて、暗闇の中帰路に就く。でも、彼らは懐中電灯を持っている。窓の外に現れた光はそれではなかった。橙金色の、揺らめく炎だった。

私たちは皆、夜は小屋のブラインドを閉めておく。森はこちらを覗き見ているし、私は遅くに目覚めたら8306の空虚な顔が見つめていた、なんて目に遭う不幸な一人にはなりたくない。

でも好奇心が勝ってしまった。私はカーテンを開けた。

8306は町を歩いていた。彼は向こう側の列を歩いていたため、小屋の隙間を過ぎて道の端にぶつかり、こっちを向いたときに初めて彼を見た。そこから光は更に明るくなり、彼は家の間を歩いてきた。影はますます妙になっていった。

彼のランタンが灯ると、そこには人々がいた。私たちの誰でもないけれど、ベランダには確かに人がいた。ロッキングチェアの上に腰かけて、扉の前に立って、草と泥の上に座って。彼らは彼が歩くのを見つめていた。

私はその場に座って、見物人たちを見ながら、異様に静かなことに気付いた。鳥の声も風もなく、他の小屋からも物音一つない。鉱山の向こう側のドアが勢いよく開いて、誰かが出てきて、その場に立ってただ見つめ始めたのを見た。誰かは見えなかった。それがここの誰かだったのかどうかも。

考える気は起きなかったから、視線を戻して8306と揺れるランタンを見つめた。彼は一度だけ立ち止まり、頭を影の方に向けた。そちらに帽子を傾けてから、重い足取りを再開した。

その時、静寂が破られた。彼が歌い始めた。

今、ナイトスタンドにテープレコーダーを置いている。時々鳥の鳴き声を録音するのが好きで、寝るのに役立つ。それでこの途中でそれを手探りで見つけて、電源を入れた。音質は最良ではないけれど、このレポートに追加した。

いつの間にか火が消えていたんだと思う。瞬きしたら光はなくなっていた。城下町は何もなく、誰もいなかった。

けれども、8306の音は聞こえた。彼は口笛を吹きながら、夜の中へ奇妙な音を跡に残していった。6

サイト-898の職員文化は、敷地内のSCP-8306の長期的な存在により、迷信や伝統の形で影響を受けています。数年にわたるサイト職員へのアンケート調査では、SCP-8306を積極的に恐れる者と、興味や好奇心をを持って捉える者とに分かれています。

新規職員、転入職員、訪問者は滞在初夜、小屋の窓枠の外側に小さな物体をSCP-8306への「贈り物」として置くことを推奨されます。物体が他者から指定されることはありませんが、多くの人物は小さな装飾品、輝く石、道具などを置きます。

通常、これらの提供物は朝にはなくなっています。

これらの贈り物は、新規職員にSCP-8306の存在を慣れさせるのと同時に、サイトの敷地内で新人に歓迎されているとSCP-8306に示す効果があると考えられています。前者の成功率は、夜間にSCP-8306を窓に引き寄せることの潜在的な心理的影響のため不明瞭ですが、後者については実体本人から肯定的に述べられています。

また、複数の物体を提示された場合、SCP-8306は一つのみを回収します。ランプオイル、音叉、頁岩、塩水タフィーを好みます。

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1968/6/23に撮影された画像。

全職員が従っているわけではないものの、サイト-898で発生したSCP-8306に関する迷信に基づく行為は以下を含みます。

  • 夕暮れ時は窓のブラインドを閉める。
  • 木々の中から咳が聞こえたら必ず「お大事にbless you」または「お気になさらず'scuse you」と言う。
  • 夜間に口笛を吹くことを避ける。7
  • レッドブルック鉱山入口にある、左側の木の支柱を2回叩いてから入る。
  • レッドブルック鉱山入口にある、左側の木の支柱を2回叩いてから出る。
  • 前述の通り、善意から窓枠に贈り物を置く。


アーカイブ済記録
記録日: 1975/03/02
関係人物: アティカス・ルーン博士8


ビデオカメラは数秒間下を向いているが、ルーン博士の指から滑り落ちて森の床に落下し、地面に打ち付けられる。彼がそれを拾い直すと同時に、足を引きずる音が聞こえる。SCP-8306の靴だけが見える。

ルーン博士: うわっ! 失礼、お—

彼は数歩後退し、SCP-8306の顔以外の全身を映し出す。

ルーン博士: 何か妨害しようとかの気は全然なかった。腰抜かしちゃって。

SCP-8306は小川のほとりの大きな石の上に座っているようである。弱弱しく笑う。

SCP-8306: あぁ、全く大丈夫。驚かせる気はなかった。

ルーン博士: 進行方向はちゃんと見ときゃよかったな。たまにゃ謙虚にならなな。 [緊張したように笑う] でも嬉しいよ。そうしてなきゃあんたとぶつかることもなかった。

SCP-8306は漫然と首を傾け、一瞬カメラの視界に顔を下ろす。

SCP-8306: ふん、嬉しい? 初めての感想だな。

ルーン博士: ハッ、だろうさ。 [冷笑する] サイトの半分が、山の上から下まであんたが悪霊だのなんだのって中傷して震えあがってら。他人の言葉信じんのも飽きてきたところ。

SCP-8306: 確かに神経過敏になってるのはそうだが、とはいえここじゃ少しくらい注意しておいた方が身のためだ。一部、他よりも敏感になってるのがいるってだけだ。

ルーン博士: 実にその通り。ここの奴らの一部は明らかに自分が何に参加してここにやってきたのかわかってない。 [目をむいて、ため息をつく。] 他に初めてのことは?

SCP-8306: ハッ! 1日1儲けできるようになったことかな。いずれにせよこんな丘なんかで随分くつろげるようになったみたいだな、えぇ? 山のど真ん中に道具設置しちゃったりなんなりして。

ルーン博士はためらうように見える。彼は足を動かす。

ルーン博士: あんたにとって…… 俺たちがここにいるこたぁ問題か?

SCP-8306: ヘン。 [はねのけるように手を振る] あんたらの同族と同じ道を歩まない限りはどうでもいい。

ルーン博士: マーシャル・カーター&ダークのことか?

SCP-8306: 奴らはこの丘に持ち込んだ地獄なんざなんにも気にしない。無煙炭アンスラサイトの畏敬すべき命令以外なんにも気にしないんだ。

SCP-8306は胸元にガラガラとため息を漏らす。

SCP-8306: あんたたちがどんなカードを持ち込んでプレイし続けるかは、時間が教えてくれる。

ルーン博士: [顔をしかめる] 鉱山を作った奴らの話はもういい。奴らが人々に何をしてきたかは見た。

SCP-8306は首を傾け、ルーン博士を見つめる。

SCP-8306: 話のネタを持ってるみたいだな。

記録上に沈黙。

ルーン博士は再び足を引きずるように見える。息を吸い、それから吐く。SCP-8306は前のめりになる。

SCP-8306: 俺もそうなんだよ。

記録が終了する。9

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