SCP-833
評価: +6+x

アイテム番号: SCP-833

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-833はクラス2バイオハザード処理手続きに従って、サイト21において収容されます。予防手段としてサイト21にはカフェテリアが設置されておらず、サイト21に勤務する職員はサイト19から配達される食事のみを食べます。レベル1以上の職員は施設管理者を通じて追加や代替の食事を要求することができます。

全ての現地にいる職員は、強烈な吐き気、下痢、そして筋肉痛がある場合は即座にサイトの医療スタッフに報告するように指示されています。体内への侵入が確定した場合には、被害者には積極的に虫下し薬による治療が行われます。SCP-833の民間での大流行も同様に処理されますが、処置の間民間人は隔離されます。薬による治療が効果的でないと判明した場合は、感染した職員及び民間人を終了させることが許可されています。

説明: SCP-833はトリキネラ属の寄生線形動物であり、人間にのみ寄生します。SCP-833による寄生は軽度の旋毛虫病に似た症状を見せ、たいていは寄生から1週間程度後に腸の不調から始まり筋肉痛、発熱へと続きます。症状は約3週間で収まります。多くの場合、体内への侵入は無自覚です。多くの旋毛虫病と同じように、この病気は汚染された肉を消費することで広がっていきます。SCP-833の高い熱耐性を持ちますが、標準的な殺虫剤はよく効き、特にアルベンダゾールが効果的です。

SCP-833を他の平凡なトリキネラ属と区別するものは、すべての寄生において、一部の少量の虫が中枢神経系にコロニーを形成することです。驚くべきことに、ほとんどの場合このことは神経系に損傷を与えません。残りの幼虫は皮下組織の中に自身を包嚢します。

中枢神経系に包嚢した幼虫は、多くの場合に2つの影響を持つ化合物を分泌します。1つ目は利他主義を著しく増加させます。通常SCP-833の被害者は優しくなり、とりわけより寛大になると言われます。2つ目に被害者は自身の肉体組織が極度に美味しく、栄養があり、純粋なものであるという確信を得ます。利他主義の増加のため、宿主は自身の肉の一部を他人に食べさせることで”手助け”しようとします。

宿主は自己防衛本能を失ってはいないため、通常この衝動を達成するために自身を激しく傷つけることはありません。同様に、カニバリズムに対する社会のタブーの認識を保っているため、秘密裡に行動します。被害者は最終的に屈服する前に、SCP-833により生じた衝動に数度反抗します。

SCP-833は、SCP-███につながりがあると疑われた███████、██にあるカルトへの襲撃の際に財団の注意を集めました。トリキネラ属の未知の種族(後のSCP-833)は生き残ったカルト団員の神経系から発見され、団員はそのとき終了させられました。

補遺833-3: ████/██/██、SCP-833の体内侵入によりどのような精神的な影響があるのかを見るため、暴力的な精神病患者であるとされたD-40023に対してSCP-833を接触させる実験が行われました。激しい寄生の症状から被験者が復帰した時、被験者はD-9182とともにある部屋へ移されました。どちらの被験者もSCP-833の精神的な影響については知らされていません。少しの後、D-40023はいくつかの家具から即席のナイフを作り出し、自分自身の手を薄切りにしはじめ、D-9182に強制的に食べさせようとしました。セキュリティ職員がD-40023を取り押さえるために押し入り、D-40023は暴力的に反応しました。D-40023は終了させられ、抗争の際にD-9182は意図せず殺されました。セキュリティ職員は懲戒処分を受け、オブジェクトクラスはEuclidに昇格されました。

補遺833-16: ████-█████夫人に対するインタビューの抜粋。彼女は推定12年の間SCP-833の宿主になっていたことが判明しており、その間故郷の町である█████ ███、██のほとんどの人々を感染させました。彼女と残りの町の人々はその後標準的な虫下し薬による治療に成功し、クラスB記憶処理が施されました。

抜粋の開始
ウィンストン博士: あなたが行っていたことを、なんであれ間違ったことであったと感じたことはありましたか?
████-█████夫人: いいえ全く。安堵がありました、正直に言いまして。
ウィストン博士: どのようにですか?
████-█████夫人: 人々を助けることはそれ自体私が望んでいたことでした。秘密裡に私自身を与えることによって、私は自分勝手な動機によって行動しているのではないことを知りました。私は自分が本当に善良な人であると知っていました。痛みは知識以外の何物でもありませんでした。
ウィンストン博士: それはあなたが腎臓を提供したのと同じ理由ですか?
████-█████夫人: その通りです。でもそれではいくらか少ない満足感しか得られませんでした。私はそれには人間的な接触が欠けていたのだと思います。あなたも知っているでしょう、焼きたてのブラウニーを見る時に子どもの目が光輝くのを見ることに勝るものはありません。
ウィンストン博士: 奥さん、我々があなたを保護した時にお渡しした書類は読みましたか?
████-█████夫人: 読みました。実際とても興味深いものでした。
ウィンストン博士: それを読んだ後であなたの行動に対して異なる感情を持ちましたか?
████-█████夫人: どうしてそうなるのでしょう?私は今ではよりよい人間です。私は神が神の仕方で歩く方法を私に見せるためにこのような生き物を創造したのだと思います!私はあなたがこの美しさを見ていないことが理解できません。
抜粋の終了

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