
回収時のSCP-837。
アイテム番号: SCP-837
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-837は気密保持チャンバー内の透明なテラリウムに収容して下さい。収容室には、独立した空気調節機及び圧力開放弁を含む冷却装置を備えている必要があります。食物および水は、SCP-837がアクティブである間、毎日交換して下さい。収容室に入る職員は訓練及び、陸上での軽量化目的で財団エンジニアによって改良されたADS2000大気用ダイビングスーツを装備する必要があります。
担当者が収容室内にいる間に収容室の気圧が45Bar1に達した場合、エアロックとの均一化を可能な限り速やかに行い、担当者がエアロックへ入室した後は直ちに密閉して下さい。
SCPは無力化されており、収容手順を必要としません(無力化記録837を参照)。
説明: SCP-837はスジグロカバマダラ(Danaus genutia)です。このチョウは東南アジアの沿岸部にて回収した後、完全に成長しました。SCP-837が羽を羽ばたかせると、周辺気圧の急激な増加を引き起こします。この圧力変化は、SCPの10×10×82寸法の収容室内において約500Paであると測定されています。チョウによって生じる圧力増加は室内温度の漸進的増加を引き起こす為、空気清浄装置による冷却維持が必要です。
補遺837-1: 初期回収時は、SCP-837は通常の空気調節機が接続されている部屋に収容されていました。SCP-837が長期間に渡り室内のテラリウム内部で飛んでいた時、大気圧の増加に伴い施設外部に嵐が生じました。今後この事態を防止するため、収容手順が変更されました。
補遺837-2: SCP-837は自己再生のライフサイクルを有している事が判明しています。自身の寿命(スジグロカバマダラの通常標本よりも大幅に長い)の終わりに達した時、SCP-837は羽と殻から脱皮し、新たな毛虫として出現します。その後SCP-837は約15分で繭を構築します。この繭の形態を129日間保ち、繭からは本体及び羽の色彩パターンが同一のチョウが現れます。このチョウの形態は78日間保持しています。回収以降、このサイクルを██回に渡り繰り返してきました。
無力化記録837
████年██月█日、空気調節機内の圧力開放弁が故障し、SCP-837が生成した熱及び圧力の空気調節機からの排出が妨げられました。██時██分██秒には収容室内温度は573Kに達し、SCP-837は死亡しました。