SCP-837-JP

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頭部が脱落した直後のSCP-837-JP。

アイテム番号: SCP-837-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-837-JPはサイト-8141内の、耐熱・不燃性の床材を使用した収容室に収容します。損傷と予期せぬ収容違反を防ぐため、専用の台において横に寝かせた状態でSCP-837-JPは拘束されます。台にはSCP-837-JPの頸部に相当する位置を切り抜き穴を開け、その下には耐熱性の円柱容器を設置します。定期的に頸部からの分泌物を回収し、凝固剤を加えて冷却後OPREmpr-000031の定める標準処理プロトコルに従い適切に廃棄して下さい。

SCP-837-JPの拘束が解かれた状態でその頭部が脱落した場合、速やかに胴体部は捕獲され、耐熱性の全身装備を身につけた職員により頭部と接着されます。このプロセスが長時間実行不可能であると見なされる場合、収容区画に配備された冷却装置を最大出力で起動して下さい。

説明: SCP-837-JPは、切断により頭部を欠落した一体の雄の鶏(Gallus gallus domesticus)です。SCP-837-JPの頭部と胴体は根元の部分で完全に切り離されており、頸部に施された太さ2mmの綿糸を用いた縫合によって再度それらが乱雑に接続されています。しかしながら、SCP-837-JPがこの切断により出血及び思考・運動能力を喪失する様子はこれまで確認されていません。

SCP-837-JPの頭部切断面からは絶えず分泌物が下部方向へ流出しています。この分泌物はアブラナ由来の油とフューゼル油を主成分としており、平均温度は180℃です。この高温のため、SCP-837-JPの胴体部は羽毛が焼け焦げ、皮膚は重度の火傷を負っています。SCP-837-JPはこれに起因すると推測される苦痛を表明しますが、例外的にその頭部は高温の影響を受けていないようであり、あらゆる反応を示すことがありません。

SCP-837-JPの頭部は不定期に脱落します。これは多くの場合SCP-837-JPが頭部を執拗に打ち振る、もしくは収容房の内壁などに衝突させることで頸部の縫合が緩むためであり、脱落後SCP-837-JPの胴体部は積極的に頭部から離れた地点へと移動することを試みます。

脱落したSCP-837-JPの頭部から流出する分泌物の量は、脱落からの経過時間に比例して指数関数的に増大します。この特異性はSCP-837-JPの頭部と胴体を接着させることにより停止します。この接着の際両切断面から綿糸が出現し、それによって頸部の縫合が自動的に再度施される様子が確認されますが、その原理は不明瞭です。

頭部を欠落しているという点からは不可解なことに、SCP-837-JPは外部からの聴覚情報に対する反応を示し、それを言語的呼びかけとして理解している様子を見せます。この際SCP-837-JPが応答に用いるのは切断により損傷している声帯ではなく、脚や翼を用いた動作です。財団職員による数度の訓練を経て、SCP-837-JPは現在打鍵型の文字出力装置を用いた意思疎通を行うことが可能となっています。

補遺: 以下はSCP-837-JPへのインタビュー記録です。

インタビュー記録837-JP

Record 19██/██/██


回答者: SCP-837-JP(以下対象)

質問者: エージェント・アオ(以下AA)

序: 質問はAAによる音声での呼びかけにより行われ、返答は対象がアルファベット表記の鍵盤(対象の分泌物に対し耐久性のある素材で構成)を脚で打鍵することで実施された。


[記録開始]

AA: インタビューを開始する。SCP-837-JP、聞こえるか。

対象: [「Y」を何度か打鍵、「YES」の意を示す]

AA: 良し。まず始めに貴方の起源、つまり、何故そのような姿になったのかを教えてほしい。

対象: 罰。[約15秒間、オブジェクトが脚で頭部を掻く仕草をする。オブジェクトは苦痛を示している] 騙した。

AA: 騙した、とは?

対象: 光の他に、希望を見出した。元よりそれが永久の闇の中をさまよう者共の救いであり、我ら僧の義なる(Righteous)ものであった。だがその信仰は、彼の地ではもはや捨てるべき、忌むべきものであった。

AA: そして罰せられたと?

対象: 「Y」。明るみになった時、彼らは私を捕らえて、こう言った。"我等の赫赫たる栄光を拒み、なお退廃の宵闇へ臨むのなら、いっそ夜目の利かぬ鳥にでもなれば良い"と。[頸部からの分泌物が増加する。オブジェクトはさらに苦痛を示す] ある者がそれに続けた、"朝を渇望する雄鳥がふさわしい。それが永遠に光耀に浴せられぬ断頭の盲であるならば、なおさら堪えられぬ罰となろう"と。

[ここで対象から休憩を希望する意が示される。約5分間の沈黙]

対象: 私は放たれた。苦痛に膝を屈しながら、大路を彷徨った。この身に刻まれたエッテリフト(Etarift: 詳細不明)の徴が明白であったので、誰もが私に石と汚物を投げつけ、罵声を浴びせた。その中には、私が救おうとしていた者たちの声があった。

AA: そうして、現在の姿に?

対象: 幸福な過去が忘れられぬまま進んだ。いつしか、光の届かぬ闇と氷に。[対象の頸部から漏れる分泌物の量、油温が共に上昇。頸部以外の羽毛の一部が黒く焦げ始める] しかし信じた彼らでさえも、私の穢された魂を癒やさなかった。脳裏の黒い影男が嘲る、"ああ、なんと無為なことよ"と。私は未だ受罰の罪人であり、忘れ去られるものではなかった。[数秒の沈黙] 故に私は、跳んだ(Leap)。

AA: 跳ぶ?どこへだ。

対象: 未だ見ぬ、新たなる天地。もはや雄鳥の私は飛べぬ故に、跳んだ。加速で私の肉は砕け、細かな粒子となり、それらがなお加速した。柔らかな手が私を引きよせる感覚があった。光より早くなお疾く、魂は星の外殻を突き抜けた。そして今、私はここに。

AA: そうして自由になったと。

対象: [「N」を打鍵、「No」の意を示す] 感じた。跳びて突き抜けたるあの時。後方の穴から、白い数本の光条が。条は細糸のようにうねり、私に絡みついた。今も魂は縛られ、憎悪が私を苛んでいるのを感じる。支配(Ruler)は常に、私に罰を。

AA: 細糸とは、その頭を縫い止めている糸のことか?

対象: [数秒の沈黙] これが頭に見えるのか。

AA: ああ、鶏の頭に。

[対象は頭部を連続で「N」キーに打ち付ける。縫合が緩む。対象の頸部から漏れる分泌物の量、油温、共に急激な上昇を確認]

AA: 落ち着けSCP-837-JP![記録用カメラへ向かって] インタビューを終了、冷却装置を!

対象: これがもはや、私にとっての最後の光。支配は、私の真上に [冷却装置が作動、対象は拘束される]

[対象の頭部が僅かに口角を吊り上げる]

[記録終了]


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