by PlaguePJP

SCP-8592の自称部門長、D・パートメントからの電子メールに添付されていた自撮り。
特別収容プロトコル: SCP-8592からの電子メールを受信した職員は、スパムとして報告し、削除してください。SCP-8592はSCiPnetサーバーから取り除けないため、財団の一部として統合されています。SCP-8592に自認する役職を占有させ続けるのが最良の収容措置だと仮定されています。
説明: SCP-8592は未知の存在によって運営される実在しない財団の部門、“部門部門” (The Department Department) です。SCP-8592への言及は2016年4月から公式な財団文書に現れ始めましたが、多数の部門が一緒に掲載されていたため、職員に対して無作為に電子メールを送信し始めた同年12月まで、SCP-8592は適切に矛盾として指摘されませんでした。
SCP-8592は“D・パートメント” (D. Partment) という名の財団職員を自称する実体によって運営されています。この名前の人物が存在した記録はありません。
SCP-8592の出現を引き起こす要因は完全には判明していませんが、本稿執筆時点における唯一明確な出現誘発要因は、クリアランスレベルに関係なく、財団職員が新しい研究プロジェクトに着手することです。出現後のSCP-8592の挙動は一貫したパターンに従います。
- 研究を開始した後、職員は ten.pics|tnemtrap.d#ten.pics|tnemtrap.d からの電子メールを受信します。このメールは、語頭を適切に“The Department Department”と大文字にした“部門部門”の英字表記と、末尾の署名を除けば、文法がほとんどないし全く整っていない乱文です。送信者は職員の研究の取り組みを賛美し、新しい — そしてやはり実在しない — 部門に、研究主任として割り当てます。
- SCP-8592が職員を割り当てる部門は意味を成しません。多くの場合、SCP-8592は研究対象のアノマリーが有する些細な特徴を取り上げて、それに因んだ部門名を付け、あたかもそれが重大な業務か昇進であるように振る舞います。
- 職員のSCiPnetプロフィールと公式文書が改変され、SCP-8592が創作した部門の名称が“担当”セクションに追記されます。
財団が毎月実施するプロジェクトの数が膨大であるためか、SCP-8592の出現は比較的稀であり、新しい公式な研究プロジェクト1000件あたり1回程度の割合で連絡を試みます。以下はメールの例です。
こんにちは兄弟、
こんにちは部門部門にようこそ。私は君に会えてとても幸せです。ここで君が“ジョン”、唾の代わりに口の中で牛乳を作る支離滅裂な男、を研究しているのを見ている。それはとてもハードワークで君は君の周りの誰でもから“グッジョブ”スピーチを得るだけの価値があるね。
我々は良好な職業倫理と研究努力によって君が新しい部門に配属されたのを発表できてとても満足だ。我々は彼が““両性愛者””であってボーイフレンドがいるというジョンの入所ファイルを見た。これは非常にクールでwokeなので私は今まさに目から鱗が落ちたことを約束し君またはジョンが気分を害さないようにするok? 君は研究目的で両性愛者アノマリー部門の主任で今ある。これは君の人生をもっと楽にするためだよ兄弟。大いなる力には大いなる責任が伴うのです。
D・パートメント
部門部門長
補遺 8592.1: SCP-8592が創作した部門
以下はSCP-8592が創作した部門の簡略版リストです。
影響を受けた職員 | 研究対象のアノマリー | 配属先の部門 |
---|---|---|
ランドール・ハウス管理官 | ラスベガスで最近開催されたBMX競技会における、物理的に有り得ないスケートボードトリックの報告及び動画。 | アルコール・タバコ・火器部門 |
ハロルド・ブランク博士 | アメリカを拠点とするレコードレーベルの歴史。この最中にテイラー・スウィフトの簡潔な調査が行われた。 | 白人女性部門 |
O5-4 | O5-13の遺体。身体的外傷や疾患の兆候は見られない。明確な原因が無いにも拘らず、この死体は完全な細胞死状態である。 | マーダー(血塗れ)部門 |
グレッグ・ホームズ博士 | ヒトの言葉を話せる知的なカラス。 | マーダー(綺麗)部門1 |
ヘクター・ヴァルガ博士 | 一部のネコ科動物に発現し、基準値を大幅に超えて寿命を延長させる異常な酵素。 | ガーフィールド部門 |
補遺8592.2: 接触
財団のサイバーセキュリティ環境は堅牢であるため、自動発券キューはSCP-8592からの電子メールをフィルタリングし、削除していました。このため、SCP-8592との接触は一度も試みられていませんでした。当該アノマリーの研究が進むにつれて、SCP-8592との意思疎通を図ることで、より強固な収容プロトコルを策定できる可能性があると判断されました。
SCP-8592の最新の連絡先であるサイト-19の次席研究員、ヴィンセント・キニーはSCP-8592への返信を許可されました。以下はその際のメールのやり取りの内容です。
こんにちは兄弟“ヴィンセント・キニー”、

部門部門へようこそ。我々は今日ここで君と一緒にいられるのが喜ばしい。証明及び何か不安や恐怖があるなら和らげるために私のI'dを添付しとくので今すぐそこで自由に見てください —->
我々は君が時々テレポートするハンバーガー屋台の研究をやっているのをここで見ています。うめぇ! これは重要な人のための非常に重要な業務だ。ハンバーガーにチーズは含まれず牛は邪悪なので、君は親切心から乳糖不耐症部門の部門長に任命されています。おめでとう! これは大いなる栄誉だ。どういたしまして。
D・パートメント
部門部門長
拝啓 パートメント様、
このメールには少々困惑しています。何が起きているのか、もう少し詳しく説明していただけますか?
宜しくお願いします、
ヴィンセント
注目: ヴィニー・キニー
おやおや私は詳しくできますとも。それをこういう風に話すからどうか耳を傾けて遮らないでくださいね。君はハンバーガー屋台を研究していてハンバーガー屋台はハンバーガーを販売する。我々がこの点では同意できることを願うよ兄弟。ハンバーガーは牛肉でできているがチーズバーガーになってしまうのでチーズは入っていない。彼らが名前にチーズと入れたのはその大混乱を一掃するためだ。
仮定の話をします。ジョンという名のイケメンがこのハンバーガー屋台に入って言う、「ハロー、ハンバーガー1個ください。」さて、もしもトムが代わりにチーズバーガーを手に入れたら彼は苦労して稼いだ合衆国ドルを払ったハンバーガーが手に入らなかったので腹を立てるだろうな。更にチーズは乳糖である彼らは科学でそう言っている。付いてきますか? トムに戻ろう。もし彼がハンバーガーの代わりにチーズバーガーを手に入れたならばトムであれもっと言うならば誰でも脳の働く人がそれを我慢するとは思えませんね。乳糖不耐症部門長として君はそれを許容できない。どうかこの件を真摯に受け止めて配属先の部門に着任してくれたまえ。
D・パートメント
部門部門長
パートメント様、
そこまで具体的に言うのであれば、テレポートするハンバーガー屋台部門に私を割り当てる方がまだしも理に適っているのではないでしょうか? “乳糖不耐症部門”は現在着手しているアノマリーと比較すると取るに足らない要素であるように思えます。
敬具、
ヴィンセント
ヴィンセント、
君は親切に寛大にも部門の長という素晴らしい役職を提供されているのに私の顔に唾を吐きかけてこの“テレポートするハンバーガー屋台部門”戯言で私の目に涙をもたらしている。この話を二度と持ち出さないでくれ。どんなビョーキの人間がこんなことを考えついてこのふざけた部門で君の心を蝕んだかを知りたいと思います。
どうか厳粛にこの部門の命名・任命を私率いる部門部門の下で運営されているやはり私率いる命名・任命部門に任せてください。
D・パートメント
部門部門長
パートメント様、
ところで、私は次席研究員として部門部門に参加できないかと考えています。あなたが参入希望者に求める資質を幾つか教えていただけないでしょうか?
敬具、
ヴィンセント
こんにちはヴィンセント、
非常にすまないが君は既に乳糖不耐症部門で非常に多忙みたいですな。君のスケジュールにもっと仕事を入れるのは燃え尽きや精神病棟訪問に繋がることがあり得るので私には酷であるだろう。
どうしても知らなければいけないならば部門部門はとても神聖であり我々は信頼できるかつ次のような人材しか受け付けておりません:
- ナイス
- 見事
- 全般的かつしばしばクールな奴
- 部門が好きであること
- 私の犬と仲良くしてくれる 彼女の名前はデバークメント (Debarkment)
- 最低20年の部門経験を積んでいる
私は乳糖不耐症部門で仕事を始めてこれを真摯に受け止めることを親身に君に助言するぞ。
D・パートメント
部門部門長
パートメント様、
私はそれらの資質を備えているように思います。私は25年にわたって複数の部門を統括してきた経験があり2、犬も好きで、いつも周りの人たちと仲良くしています。もし空席があれば、是非とも私をご検討ください。大いにご協力させていただきます。
敬具、
ヴィンセント
こんにちはヴィンセント、
これを書きながら私は現在君のファイルを見ています。3 私はナンセンスと未熟さが大嫌いだし君がしょうもない汚らわしい嘘つきで文盲なのは明らかだ。君の文書ファイルのどこにも私が親切に寛大にも乳糖不耐症部門に君を配属させる以前にどこかの部門長を務めてたとは書いてない。二度と私に嘘をつかないでメールを送るのを止めてくださいok?
私はこれを書いている一方で君のファイルを読んでいる私はマルチタスクするのがとても上手ですし君がSCP財団でアノマリーの研究とかそういう感じの物事で良い仕事をしているのを見るのは私を幸せにするのだ。君の一番最近の配属先は非常に面白そうだしこの研究配属先で君が調査しているのが何なのかを読んだ覚えは無いので今から読むね。
これはいけない。
さよなら。
D・パートメント
部門部門長
SCP-8592は、キニー研究員が割り当てられたSCP-8592研究プロジェクトを読み、その結果として彼との対話を完全に打ち切ったと思われます。SCP-8592との意思疎通の再開が複数回試みられましたが、いずれも実を結びませんでした。この後、SCP-8592は通常の活動休止期間に入りました。
3週間後、キニーはSCP-8592からまたメールを受信しました。内容は次の通りです。
やぁこんにちはヴィンセント
君にお目にかかれてとても光栄だよ! 我々はここで君が非常に興味深い研究をやっているのを見るので部門部門へようこそ。君は努力と堅忍不抜さを認められるに相応しいとっても強い男です兄弟。私たちは部門部門が君を部門部門部門 (The Department of the Department Department) の部門長に任命していることを報告できて幸せだ。
これは今では君の仕事だありがとうそしてさようなら。どうかくれぐれも上手い具合にやってくれ。グッド・ラック!
ダン・パートメント
失業者部門長
キニー研究員の人事ファイルは更新され、担当セクションに“部門部門部門”及び“部門部門”が追記されました。これ以降、キニー研究員が送信する電子メールに、誤字脱字及び文法ミスの23%の増加が確認されています。