SCP-8601
評価: +4+x
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アイテム番号: 8601
レベル2
収容クラス:
keter
副次クラス:
none
撹乱クラス:
keneq
リスククラス:
critical

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北緯0度、東経0度 - ヌル島

特別収容手続Special Containment Procedures: 出現イベントの目撃を防ぐため、SCP-8601の周囲240海里 (444.48km) における民間の航空交通と周囲60海里 (111.12km) における船舶交通は、現在ICAO1の方針により禁止されています。範囲内への許可されていない侵入は、ギニア湾の海事および航空監視組織のエージェントによって阻止されます。SCP-8601に関する公開情報は、1つのブイの存在のみに制限されます。

SCP-8601から堆積する残骸を収集・散布するために、毎月サントメから遠征隊が派遣されます。残骸は追加の研究なしに深海に封じ込められます。さらなる交叉イベントを防ぐため、財団職員2、乗物、試験装備は250mの安全距離を超えて近付かないでください。

付録Aには、実験を中止して人員を避難させ、対津波措置を準備しなければならない警告期間が記載されています。高エネルギー異常部門は注目すべき異常現象をMADレベル組織に通知し、その後広報部門および地震監視組織は、大規模カバーストーリーPR-8601-2 (“地震”) を実行します。

利用可能の一般的なコンピュータシステム、および財団の特殊用途のコンピュータシステムは、可能な限り付録Bの要件に従うように改修される必要があります。

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SCP-8601-1の出現

説明: SCP-8601 (口語的に「ヌル島」と呼称される) は、本初子午線と赤道が交差する北緯0度、東経0度、高度0m地点の海上において、ランダムな物体 (SCP-8601-1実例) が異常な出現をする現象です。SCP-8601-1実例の出現は平均海面3において瞬間的4に出現します。実例は廃品からハイテク機器まで非常に多様であり、大気、海洋、以前に出現した実例との同時交叉、および95%の事例で98℃~677℃の範囲にあるそれ自体の高温によって、ほとんど常時、完全に変形または破壊されます。

出現はランダムですが、識別可能なパターンを伴っています。SCP-8601-1実例それぞれの出現元と考えられる国家を分類すると、現地の就業時間に出現するものがそうでないものより38%多く、また現地の週末および休日中に出現するものはそうでないものより58%少ないという結果でした。付録Aには、大量の実例が同時に出現し、高収量イベントを引き起こす稀な事例が列挙されています。平均して1日あたり1012回の出現イベントが発生し、1日に出現する総質量は平均して90Mgになります。実例のさらなる研究、およびその発生源と変位の特定は、RCT-Δtの方針によって禁止されています。

回収されたSCP-8601-1実例 (抜粋)
日付 物品 注記
1970年9月17日 ハイネケン社のビール瓶 大部分は溶けていますが、オランダ語のラベルは部分的に判読できます。
1970年11月6日 冷蔵庫・車 沈没した調査船から回収した映像記録には、冷蔵庫が出現した2ミリ秒後に車が出現して、重なり合った物体が融合し、調査船に直接発射された高エネルギーイベントが観測されています。このイベントに応じて、収容手続が改訂されました。
1971年4月3日 イランの1972年のカレンダー 多少焼けています。注: すでに購入可能です。
1972年1月5日 デジタルコンピュータ設備 過剰量のトランジスタのために破壊されていました。
1973年4月9日 1972年製造 ジープ CJ‑5 4.2L直列6気筒エンジン 4速マニュアルトランスミッション 大破。財団のシリアルナンバーが回収され、行方不明であった車両のものと一致しました。
1973年8月5日 カリフォルニア州のナンバープレート「NULL」 未発行。駐車違反切符はいずれも未払いでした。
1974年5月5日 1975年のブンデスリーガ名鑑 偽造品
1977年2月25日 キエフ級航空母艦 溶融。ソ連共産党およびソ連海軍はいずれも、そのような艦船が行方不明になってはいないと主張しています。
1977年6月22日 10階建てのアパートメント マレーシアが起源であると考えられています。
1978年3月2日 SCP-████ [データ削除済]
1979年12月28日 死体 焼却。モルダヴィア系と考えられています。

発見: 1970年1月1日 00:00:00 (UTC)、財団の衛星はギニア湾の北緯0度、東経0度地点の近くで1.2×1014Jの爆発を検知しました。分析により、この爆発は熱核爆発によるものではないと示されました。問い合わせに対して合衆国大統領、およびソ連共産党書記長はいずれも責任を認めなかったため、これは異常イベントであると判断されました。その後、いくつかの出現イベントの観察の後に、SCP-8601が指定されました。破壊された物品類が海底に大規模に堆積していることを財団の研究者が発見し、試験が開始されました。

補遺1980-01-06: 1980年1月6日 00:00:00 (UTC)、財団の衛星はSCP-8601で9.3×1012Jの爆発を検出しました。NATOとWTOへは即時の通知がなされました。研究チームは行方不明になり、西アフリカの海岸線はその後に続いた津波によって破壊されました。大規模カバーストーリーPR-8601-2が発動し、また収容手続が調整されました。SCP-8601の残骸は主に車両の部品であると判定されました。

補遺1999-08-22: 数年にわたって予測可能な振る舞いが続き、高収量イベントの説明が付けられなかったために、封じ込めを優先して試験は停止されていました。しかし、1999年8月1日 23:59:47 (UTC) に3.2×1013Jの爆発が発生しました。研究者は、1980年1月6日と1999年8月22日が当時の新技術である全地球測位システム (GPS) の元期と一致し、1970年1月1日も多くのOSで使用されている元期と一致していることに言及しました。

補遺2000-01-01: 1999年12月31日12:00:00 (UTC) から24時間にわたり、現在使用されている世界中の標準時におよそ一致する形で1時間 / 30分 / 15分おきに7.6×1012 ~ 1.6×1013Jの爆発が繰り返されました。特別収容手続が付録Aの警告期間とともに修正されました。

補遺2019-04-07: 予測された通り、GPSの3回目の元期である2019年4月7日 23:59:42 (UTC) に、4.2×1013Jの爆発が発生し、津波被害を回避するための対策が成功しました。

補遺2020-04-17: 稀品と幻想の研究のための王立財団 (HMFSCP) のアーカイブから以下の情報が発見されました。

王立財団は北緯0度、東経0度の地点に新しい島が存在していることを、1900年初頭に帰還した探検家の報告によって認識した。報告はこの島は1899年後半には存在していなかったと主張しており、また通常ではない物質を島から回収した。研究チームが当該の島に派遣され、それが破壊された用途不明の金属物で主に構成されていることが判明した。異常現象のありふれた性質とその所在が遠隔地であることから、研究活動は優先されなかった。

研究チームは1902年に再訪しようとしたが、その位置を特定することができなかった。サントメの現地住民への質問によると、1901年12月13日 (金) に非常に破壊的な津波が発生し、ギニア湾を横切っていたことが判明した。津波は1900年の大晦日にも発生していたと報告があり、当初、島はそれによって発生した可能性がある。

RCT-Δtより通達

SCP-8601-1実例に関するさらなる研究はこれによりRCT-Δtに制限されています。収容は引き続き高エネルギー異常部門の管轄下にあります。

付録A - 警告期間:

日時 理由
2036-02-07 06:28:16 UTC NTP (Network Time Protocol) 時刻のオーバーフロー
2038-01-19 03:14:08 UTC 1970年からの秒数が31ビット桁をオーバーフローする (2038年問題)
2038-11-21 00:00:19 TAI5 3回目のGPS週番号ロールオーバー6
2099-12-31 12:00:00 UTC 2100年問題
2106-02-07 06:28:16 UTC 1970年からの秒数が32ビット桁をオーバーフローする (2106年問題)
9999-12-31 12:00:00 UTC 10000年問題

付録B - コンピュータシステム要件:

O5評議会は、32ビット整数値で時間を取り扱うコンピュータシステムの世界的かつ即時的な廃止、2または4桁のみとしない完全な年数の使用、全てのプロトコルおよびファイルフォーマットに関する、予期される宇宙の寿命内にオーバーフローすることのない64ビットの時刻システムへの更新をこれにより義務付けています。さらなる高収量イベントの発生を防ぐため、新しい元期は採用されません。非値はゼロないし特定の数値を使用せず、明示的なnull、undefined、あるいは初期化されていない別の型の値で代用されるべきです。このアノマリーをSCP-000に再指定するというさらなる諧謔的humorousな提案は考慮の余地なく却下され、非値とゼロとを適切に区別するためのSCP-8601の重要な教訓を学んでいないものとして譴責されます。


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