アイテム番号: SCP-865
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-865は弾薬を抜かれた状態でサイト73の機密記録保管室の銃器棚に保管されます。SCP-865は実験時以外はトリガーロックが掛けられ、使用不可のタグが付けられ、緊急時に配備されないようになっています。
20██年██月██日より、SCP-865の実験射撃はクラスD職員のみの手によって、クラスD職員のみに向けて行われます。実験中他の人員はSCP-865の射程範囲にいてはなりません。実験に関わるクラスD職員には爆弾付きの首輪が付けられ、指示に従わなかったり反抗した場合には即時抹殺する旨が伝えられます。
実験の前後に、SCP-865は銃器の整備に熟練した職員の手で分解清掃の後組み立て直されます。実験の被験者は、持続的な心理的効果を確認するために監視され、また事後報告を求められます。
説明: SCP-865は製作者不明の自動拳銃です。外見は1996年以降に製造されたシグ・ザウアーP226に類似していますが、一切の識別マークは見られません。SCP-865はこのタイプの通常の拳銃同様に分解、清掃、組立ができます。いくつかの電子回路やマイクロプロセッサがSCP-865のグリップに埋め込まれていますが、その目的は現在のところ分かっていません。
SCP-865にはP226に対応する弾薬を装填することができ、また通常弾倉も延長弾倉も使えます。発砲すると、SCP-865はサプレッサーで弱められたような発砲音を出し、薬莢が銃の側面から排莢されます。しかし、弾頭は銃口から出て来ません。ハイスピードカメラによる分析によると、銃口からは火薬と蒸気しか出ていないことが判明しました。発砲した際に弾頭がどこへ行くのか確かめる試みは今のところ成果が出ていません。
虚空、無生物、人間以外の動物へ向けてSCP-865を発砲しても、何も異常な現象は発生しません。人間に向けて発砲すると、標的はあたかもSCP-865に狙われた位置に激しい痛みを感じたかのような反応を示します。そして、狙われた部位にかつて事故で深刻な怪我を負ったことを主張し、まるでその記憶が本物であるかのように、半身不随や四肢の切断、感染症や脳へのダメージがあるように振舞います。被験者を診断した結果、SCP-865に狙われた部位の物理的な変化は全く見られませんでした。現在、SCP-865の実験による死亡者は1人も出ていません。また、自身に向けて撃っても、火薬の燃えカスによる火傷を除いて、SCP-865はなんの効果も示しません。
SCP-865は20██年██月██日、マーシャル・カーター&ダーク株式会社のフロント企業が所有する倉庫への強制捜査の際に財団が入手しました。SCP-865はガラス製のディスプレイケースに、以下の広告と見られる文書と共に保管されているところを発見されました。
17年に及ぶ研究開発の結果、MCD-226-BPDは特に部下に配慮する紳士のため、究極の非殺傷的規律を提供します。この手作りかつカスタムメイドの装置から発射されるすべての弾丸は7.3キロサド(kilosades)の精神的苦痛をターゲットに与え、法的に不利になるような銃創、あざ、火傷跡を100%与えません。MCD-226-BPDはこのタイプの銃に使えるいかなる弾もご使用することができますが、我々の提供するカスタムメイドMCD-BPD弾薬(アイテム#2301943-581-3, 別売)をご使用していただければ、薬莢の処理にも困りません。また、幅広いカスタムオプションがご利用頂けます。弊社のお客様満足スペシャリストに、貴方のやりかたぴったりのモデルをご相談ください。
現在、SCP-865が試作品なのか、それとも他の物が既に開発されマーシャル&カーター&ダークの手で流通しているのかは不明です。