SCP-887-JP
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アイテム番号: SCP-887-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-887-JPは標準的人型収容室に収容されています。内部には監視カメラを設置され、24時間体制で監視されます。食事は1日1回、財団所有の養蜂場から採取されたローヤルゼリー50gを配合した特殊飼料が給与されます。いかなる理由があっても、20歳以下のヒトによるSCP-887-JP収容房の半径1km以内への進入は許可されません。もし上記圏内への進入もしくは接触が確認された場合、CTスキャンで脳を検査し、SCP-887-JP-1と判断された場合は下記手順に従って収容されます。

SCP-887-JP-1はSCP-887-JP収容施設から50km離れた隔離施設に収容されています。施設では週5回の義務教育授業が行われます。SCP-887-JP-1には「感染症の治療」というカバーストーリーを与えられ、いかなる理由があっても家族や関係者との面談は許可されません。

現在SCP-887-JPは収容に協力的です。この関係を維持するため、SCP-887-JPへの致傷的な実験は極力避けてください。また、SCP-887-JP-1を追加する実験は全面的に禁止されています。

説明: SCP-887-JPは遺伝子上は昆虫類ハチ目(Hymenoptera)の人型実体です。外見上は10代前半のヒトで、顔は19██年に失踪した████氏(当時12歳、男性)と酷似していますが、外皮を含む肉体の90%は蜜蝋に類似した成分で構成されており、胴体の形状は簡略化されています。体温は平常時摂氏32〜36度で、暑さにはヒトと同程度の耐性を持ちますが、気温20度以下になると急激に衰弱します。

SCP-887-JPは二次性徴前のヒト(以下「対象」)をみつけると、友好的な態度を示して接近します。対象が警戒を解くと、SCP-887-JPは「おまじない」と称して対象の額に口を当て、舌を針状に変形させトレパネーション1を行います。このトレパネーションを受けた対象はSCP-887-JP-1に変化します。SCP-887-JP-1の行動は術前とほぼ変わりませんが、SCP-887-JPに絶対的に服従し、他の対象を呼び寄せて犠牲者を増やそうとする傾向があります。対象が7日以上SCP-887-JPと接触しなかった場合、この効果は消滅します。SCP-887-JP-1の服従効果は永続的であると思われます。SCP-887-JP-1は30日経過すると、反応が緩慢になり、最終的に死亡します。解剖によると、前頭葉を中心に脳が融解し、鼻もしくは耳から何らかの生物が脱出したような形跡が見られます。脱出する様子の録画の試みは失敗していますが、脳に残ったサナギの断片からSCP-887-JPと同種のハチ目の生物と推測されます。現在、死亡前のSCP-887-JP-1の脳を救済する試みは失敗しています。

SCP-887-JPは人類に敵対的ですが、身の安全を重んじる傾向があり、危害から身を守ってくれると判断した相手には友好的です。この性質を利用し、現在の収容手順が確立されました。

補遺: SCP-887-JPは2016年█月██日に発生した███小学校児童・教師の行方不明事件の捜査をしていた警察官2名が失踪したことをきっかけに発見されました。失踪した警察官は、昆虫学者の██ ██氏宅付近で生徒たちを見たという情報をもとに事情聴取へ向かってから連絡が途絶え、警察に潜入していたエージェントが向かったところ、興奮状態のSCP-887-JPとSCP-887-JP-1となった児童18名2に襲撃されました。エージェントは重傷を負いましたが、██氏がSCP-887-JPをなだめ、危害を加えないことを条件に財団に確保されました。その後の調査により、 ██氏宅の地下室から警官2名、教師2名とバス運転手の遺体の一部が発見されました。事件の関係者にはカバーストーリー「不幸なバス転落事故」が適用されました。

事件記録887-JP-1: 2016/██/██ SCP-887-JPの成人対象への特性の実験中、Dクラス職員が[編集済み]を用いてSCP-887-JPへ危害を加えようと試みました。幸い別Dクラス職員によって未遂に終わりましたが、激昂したSCP-887-JPによりDクラス職員1名が死亡、警備員3名が負傷しました。その後、SCP-887-JPは実験室からの離脱を試みたため、鎮静ガスによって無力化されました。このインシデントはSCP-887-JPの収容に影響するものとして、██氏には秘匿されました。

事件記録887-JP-2: 2016/██/██ ██氏のインタビュー中、財団保有の養護施設に保護されていたSCP-887-JP-1群と未知の成人男性██名がサイト-██を襲撃、複数のオブジェクトの収容違反が発生しました。この混乱に乗じて██氏がSCP-887-JPの収容房に侵入しましたが、逃亡前に機動部隊により包囲しました。交渉を試みたところ、SCP-887-JPは██氏の口から舌と臓器を[編集済み]。その後SCP-887-JPは鎮静化し、清掃のため臨時収容房へ移送されました。██氏はその場で死亡が確認されました。確保されたSCP-887-JP-1の全個体は死亡し、解剖の結果、前頭葉の約80%は液化しており、襲撃時点で治療不可能な状態だったと判明しました。未知の成人群は確保されましたが、尋問を行なっても全個体が「女王のために」とだけ証言し、拒食もしくは自傷行為により死亡しました。死体は解剖用の一個体を除き、全て焼却処分されました。

事件887-JP-2以降、SCP-887-JPは職員に危害を加える様子もなく、新たなSCP-887-JP-1の報告例もありません。しかし、それは敵対性を失ったことと同義ではなく、事件記録887-JP-2のような事態が再発しないとも言い切れません。██氏の疑問もあります。何のためにSCP-887-JPは彼を殺害したのでしょうか。彼は本当に、偶然、SCP-887-JPを発見したのでしょうか。今となっては証明する術もありませんが、彼の言動には不審な点が多いです。 ──五月雨博士

補遺: 事件887-JP-2以降、SCP-887-JP収容房付近でハチの目撃報告が急増しました。ハチは主に排気口を出入りしており、女王バチがいないにも関わらず営巣を試みる群れも確認されています。採集されたハチとSCP-887-JPの関係性は調査中です。

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