SCP-908
評価: +14+x

アイテム番号: SCP-908

オブジェクトクラス: Safe

SCP-908-New.jpg

珍しい好天時のSCP-908

特別収容プロトコル: SCP-908の各所在地周辺は文書908.2321.AE4Cによって規定された仕様で装備した船舶による有人監視を行って下さい。映像・音声監視機材を小島に配置し、適宜修復・交換を実施して下さい。

説明: SCP-908は部分的に浸水した岩がちの小島です。水面から露出した部分はおよそ長さ30メートル、幅25メートル、高さ22メートルで、花崗岩で構成されています。岩の垂直面には古代ゲエズ文字で銘が刻まれています。侵食されはっきりとは判別できませんが、紀元前4、5世紀にエチオピア人がこの岩を訪れていたことを示しています。水面近くには殷時代の中国で用いられていた甲骨文字に類似した象形文字が刻まれていますが、風化の状況からごく最近、おそらく過去二世紀以内に刻まれた物と推定されています。島は肥料となる海鳥の糞の堆積物で覆われていますが、島内には微生物以外ではコケ類と小さな軟体動物のみが生息しています。

この小島は地理的な異常物であり、同時に何箇所もの異なる場所に存在しています。この小島の同時存在する性質は物理的に接触していたり至近に存在する物質に拡張されます。調査の結果、現時点では次の位置に同時に存在しています。

  • 46.49████S 51.63████E (南西インド洋)
  • 12.01████N 37.18████E (エチオピア、タナ湖)
  • 59.54████N 68.40████W (ケベック州北部、アンガヴァ湾)
  • 48.21████N 144.97████E (オホーツク海、サハリン島近傍)
  • 60.98████N 20.17████E (フィンランド本土より約30km西、ボスニア湾)
  • 47.03████N 90.51████W (ミネソタ州ダルースより約100km北東、スペリオル湖)

小島は同時に、少なくとも一箇所の地上でない場所にも存在しているようです。実験記録を参照下さい。

いかなる時期、日時にどの場所からこの小島に近づこうとも、大気と水の温度、及び周囲の水の塩分濃度は比較的一定のままです。小島はまたたいていの場合霧かもやで覆われており、最高の照明環境においても約40~50mの視界しかありません。日光は予測不可能な間隔で、霞がかった曇りから完全な暗闇まで変化します。

SCP-908 実験記録

参照番号 実験内容
01 (Patel博士) エチオピア本土からボートにより小島に接近する。質量0.8kgの特徴的なメダルを小島で発見する。ケベックからヘリコプターで接近すると、ケベック側の島内でメダルはエチオピア側の小島と同じ場所で発見された。
02 (Patel博士) ケベックからボートで接近する。短波ラジオ送信機を島に置き作動させ、追尾用信号を送信させた。信号の三角測量の結果、概要にて記述された6つの"所在地"が同定された。
03 (Patel博士) エチオピアとウィスコンシンから同時に小島に接近する。それぞれのボートがエチオピアとスペリオル湖の小島"所在地"まで60メートルの地点に接近した時点でボートのクルーはお互いを視認した。
04 (Patel博士) エチオピアとウィスコンシンから小島に同時に接近する。エチオピア側にはエージェント█████が同乗。ボートは島周辺で落ち合い、エージェント█████はウィスコンシン側から来たボートに乗り換える。ボートはそれぞれ来た側へと戻った。エージェント█████には二点間を高速で移動した以外の異常な現象は起こらず。
05 (Patel博士) カムチャッカとケベックから小島に同時に接近する。カムチャッカ側にはエージェント█████がGPS機器を持って同乗。ボートは島周辺で落ち合い、エージェント█████はケベック側から来たボートに乗り換える。この時点ではGPSはオホーツク海周辺の地点を示していた。ボートはそれぞれ元来た側へと戻った。小島の影響を受ける領域を抜けると、エージェント█████の持っているGPS機器は機能を数分間止めた後に、ケベック州周辺の位置を示した。
06 (Patel博士) エチオピアとウィスコンシンから同時にボートで接近する。両ボートとも出発地の港と接続した通信ケーブルを伸ばしている。ボートは小島の20m圏内で落ち合い、通信ケーブルを接続した。ケーブルは通常通り機能し、通常のエチオピア-ウィスコンシン間の有線通信よりもはるかに高速であった。
07 (Garcia博士) カムチャッカ半島からボートで小島に接近する。映像及び音声記録装置を島に設置し、33日間連続で島の状況を監視する。種々の生息地を持つ鳥が時折訪れる以外特筆すべき事象なし。
08 (Garcia博士) ケベック、南アフリカ、エチオピアよりボートで接近する。染料を周囲の水中に投下し、色つきの煙を大気中に放出する。染料と煙の観測により、同時存在現象は小島を中心とした不規則な形の半径約80mの領域に限定されることが示される。
09 (Patel博士) 南アフリカよりボートで接近する。映像及び音声記録装置を小島に設置する。設置後29日目におそらく人間と思われる未確認生物が装置を除去する。エージェント█████が南アフリカよりヘリコプターで接近し、装置の置かれていた場所に果物、翡翠の装飾物、手書きのノートが入ったかごを発見する。手書きのノートはアルメニア文字に類似した文字で書かれているが、既知の単語を含まず判別不能。
10 (Garcia博士) 南アフリカよりボートで接近する。岩のサンプルを掘削により採取する。解析の結果、花崗岩が多分に含まれる事が判明。サンプルを採取した掘削穴は全ての"所在地"からの接近で確認された。
11 (Patel博士) ウィスコンシンからボートにより接近する。映像・音声記録装置、放送機材と6ヶ月分の食料と共にD-2341を小島に残す。実験開始後31日目に小島からの映像放送機材が損傷し信号が途絶える。エージェント█████がウィスコンシンから小島に調査のために近づき、機材が損傷を受けていることと、D-2341が失踪していることを報告した。D-2341の制服の残骸及び血と、既知の生物のどれとも一致しない血のような物質が発見された。
12 (Patel博士) ウィスコンシンからボートにより接近する。ボートは118日間現地に留まった。91日目に特筆すべき事象が発生。長さおよそ4mのカヌーの様な船がボートに接近した。ボートには3、4人の東アジア人のような顔をし、動物の皮に身を包んだ人間と思われる個体が乗っており、彼らは接近すると理解できない言葉を叫んでそのまま離れていった。
13 (Garcia博士) エージェント████と████████がウィスコンシンからボートにより接近。46日目にボートは魚雷による攻撃を受けるが不発。魚雷はナチス時代のドイツ海軍のものだが、近代的誘導システムと駆動系を搭載していた1
14 (Garcia博士) エージェント████と████████がウィスコンシンからボートにより接近。77日目にボートは出自不明の巨大な水棲生物に攻撃され沈没。
特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。