SCP-9100

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⚠️ コンテンツ警告

監査: A12.86.2026

ユーザー: AU-350


こんにちは、監査人様。

委員会はサイト-86軽微異常ユニットでの行動がどのようにして財団緊急資金8億9千万ドルの支出と19億ドルの推定損失に繋がったのか断定するよう要請しています。

レビューのため、関連文書・イベントが収集されています。

どうか遅くともA12公聴会の24時間前までに勧告書をご提出ください。


akron.jpg

オハイオ州アクロン。

特別収容プロトコル

SCP-9100は現在調査中です。現場工作員はアクロンの地元ニュース、ソーシャルメディア、介護施設を監視し、全ての症状を加齢に伴う認知機能の低下および/または心的外傷後ストレス障害によるものとするカバーストーリーを流布します。


説明

SCP-9100は、2014年のアクロン航空機墜落事故直後、オハイオ州アクロンの一部住民に生じた急速な精神状態の悪化の原因と推測される異常現象です。被影響者、主に高齢者は、人生の数十年を「飛ばした」と確信するようになり、その間の記憶を失っています。

  • 失った期間は対象によって異なり、平均35年である。
  • 関連する期間、対象の所在は記録されている。
  • 促された場合、対象は最終的に失った記憶を思い出すことができるが、忠実性は低く一般に"夢"と説明される。
  • 対象のほとんどは自己の外見との乖離を表明し、手、皮膚、歯の状態について軽蔑的なコメントを述べる。
  • SCP-9100被影響者は、うつ病、不安、自傷行為、自殺傾向など、併存する精神疾患が悪化する傾向が著しく高まる。

発見

2014年3月1日、ボーイング737-200型機がアクロン-フルトン空港から上昇中のマクドネル・ダグラスMD-80型機と空中衝突しました。737型機はイーストアクロンに、MD-80型機はグッドイヤーハイツにそれぞれ墜落し、両飛行機に搭乗していた全112名と、地上にいた29名の人々が死亡しました。2機の飛行機の残骸が散乱し、複数の建物に火を点け、著しい物的損害を引き起こしました。

清掃作業中、救急隊員内に潜入していた財団職員は、高齢者が特異な形で災害の影響を受けているという噂に気付きました。報告された症状の極めて高い類似性から、異常現象が疑われました。

SCP-9100の説明に一致する主張をする28名の要注意人物(PoI)が特定されました。全てのPoIは、事故を目撃したり、資産の損失を被ったり、家族を失ったり、落下した破片や付随する火災で直接負傷したなど、航空機事故により個人的な影響を受けていました。SCP-9100関連の主張は、これらのストレス要因の発生直後に開始しました。支援ネットワークの多くは、この変化を突然かつ説明のつかない人格の変容と報告しました。

SCP-9100は大衆への危険が低いと考えられるため、オハイオ州メディナ郡にあるサイト-86の軽微異常ユニットに割り当てられました。

調査更新

2014.4.2: サイト-86はSCP-9100の原因と作用機序を特定し、可能であれば被影響者を治療する・将来的な発生から大衆を守る方法を開発するための調査を開始しました。

[+2日]

2014.4.4: サイト管理官ハリー・タルボットは、研究主任にスチュアート・フィンレイ博士を任命しました。これは、フィンレイ博士がイギリス、ドーバーのサイト-210から異動して最初の担当事例でした。

  • 調査支援のため、フィンレイは統計と超心理学の専門家7名からなるチームを要請しました。
  • フィンレイには次席研究員マリッサ・ヴォー博士が割り当てられました。

[+5日]

2014.4.9 – インタビュー 12/28 – ロンダ・バーンズ (PoI-12)

進行: フィンレイ博士・ヴォー博士

対象: ロンダ・バーンズ (76歳)

<抜粋開始>

バーンズ: フォーク落としたの。

ヴォー: 何のことですか?

バーンズ: フォークがテーブルの下に落ちて、それを拾おうと屈んだの。その時に起きたから - きっとあれが原因ね、理由はわからないけど。

ヴォー: 最初から話してもらった方がいいかもです、その–

バーンズ: [遮って] 夜ご飯食べてたのよ。友達の家で - オーウェン・パーソンズっていうんだけど - 夕飯にね。いたのはアンディ - 私の夫と、オーウェンとローレン - オーウェンの奥さんね - あとオーウェンの子供の……

ヴォー: [遮って] それは大丈夫です奥様、全員の名前はいりません。何が起きたかだけお願いします。

バーンズ: 夕飯を食べ終えて、話してたの…… フットボールについて。私がフォーク落として、それを拾おうと屈んで、その時見上げたら、看護師の服着た男の人が目の前にいたの。夫が死んだって説明してた。私は「そんなわけない、そこに座ってるじゃない」って思ったんだけど。周り見たら、もう夕飯の場所にいないことに気付いたの。ここにいたのよ。

[対象は部屋全体を身振りで示す。]

バーンズ: ここがどこかって聞いたら、答えは…… なんて呼んでたかは覚えてないけど、老人ホームでしょ? 私はしばらくここにいたって言おうとしてた。

ヴォー: はい、あなたはサンライズ・クロッシングに数年おられると伺いました。しかしあなたにとっては、この変化は一瞬だったと?

バーンズ: 一瞬。ピッタリの言葉ね。そう。まるで…… ドアを通り抜けるぐらい。

ヴォー: 奥様、ちょっと注意して考えていただきたいのですが - フォークを掴んだときからここで目覚めたときまでの間で何か覚えていますか?

バーンズ: いえ。私……

[記録上に沈黙。]

バーンズ: えっと、あることはある。夢だった。何か……. 長くて、複雑な夢で…… いくつも顔があった。

[記録上に沈黙、1分以上続く。外の廊下から不明瞭な会話が聞こえる。]

バーンズ: 多分…… 人のことは、覚えてる。あの看護師、夢で見たの覚えてる。だから…… 何、私寝てたの、ずっと?

ヴォー: それを解明しようとしているのです、バーンズさん。

バーンズ: そしたら治してくれるの?

ヴォー: えっと、わた–

バーンズ: [遮って] 治してよ。ここに放っておかないで。ねえ、全部おかしいのよ- 引っ越してきたばかりだったのに。アンディが子供部屋をペイントするって言ってて…… もうおばあさんになってるなんてありえない、そんな- こんなのってないわ。戻らないと。どうやったら戻れるの?

<抜粋終了>

[+1週間]

2014.4.14 – 音声メモ – スチュアート・フィンレイ博士

フィンレイ: 統計と超心理学のチームを要求したところ、タルボットは一人寄越した - 次席の - 研究員を。マリッサ・ヴォー、事実上見習いだ。

ハッ。ここ数年ずうっと、タルボットは未だにおかんむりなんだ。怒りをずっとあったかいままにお世話してたってか。ま。どうかしてんのはあいつの方だ - 今わかった。こんなとこに放り込まれたのはあいつの自己責任だ。

サイト-86。軽微異常。ボロ家。

自分がここにいるのも自分のせいだろうな。トラブル起こして、いつも通り。ま、向こうも俺のこと気にしてくれたみたいで。

もちろん、あいつらは毎回昇進みたいな言い方するんだ。「長年の勤勉な奉仕を鑑みて、あなたは栄転となりました…… なーんもない僻地へ!」

だがよりによってタルボットと同じ糞山にぶち込まれる確率はどれくらいなんだ? 到着したら、相変わらず黒染めの髪とバディ・ホリーみたいな眼鏡つけて満面の笑みをドアにぶつけてきた。や、あの高慢ちきの野郎が関わってるのは間違いないな。

だが重要なのはここだ – ヴォーは質がいい

最初に言ってきたのは – 「どうしてあなたはちびラスプーチンって呼ばれてるんですか?」すがすがしいふてさgallus1だ。

それはぼさぼさの髭と低い背丈のせいだと答えた。

だが、直感は確かだ。今週に14回のインタビューをやって、半分はヴォーが主導した - 押すタイミングと退くタイミングをわかってる。ちっちゃいメモ帳をどこにでも携帯してる - いい傾向だ。

それによく話を聞く。対象の話だけじゃなくて、俺の話も。俺の言葉遣いを気にしやしんし、文句言ったりもしん。アドバイスを求めてきて、いつかみたいになりたいなんて言うんだ。何言ってんだか。

ヴォー: [遠くで] すいません博士 – 呼びました?

フィンレイ: おっ、えぁ - いや大丈夫、ヴォー。今はいい。戻って。

ヴォー: [遠くで] そうします。

[沈黙。]

フィンレイ: [ささやき] ヴォーは超心理学に興味があったのに、俺たちと同じゴミ捨て場に放り込まれた。だが今回の事例はいいかもな - 昇進して、ちゃんとした科学研究して、助けのいる人を助けて - 俺たちの使命だ。

タルボットはヴォーを送ってきたとき何もわかってなかった - あいつらしいひでぇジョークだ。おい、そのジョークでネタにされてんのはお前だよタルボット、このクソヘンマbawbag2め。

[+1週間]

2014.4.23 – 研究 – 要注意人物略歴レビュー

手法: 28名を対象とする縦断的研究で、各対象の"発症日"を記録した。発症日とは、対象が時間スキップを経験し、2014年に「目覚める」こととなったと明確に覚えている最後の日を指す。

主な結果: 人生歴は多岐にわたるが、発症日以降の全ての対象は目立った成功のない、平均的で平凡な人生を過ごしていた。

  • 数十年にわたる雇用期間にも拘らず、全対象は一様に重要な責任や権限のある地位を獲得できず、特定分野で目立った成果を上げることもできなかった。
  • 業績評価(利用可能な場合)には、従順性、時間厳守、目立たないことなどを示す記述が頻繁に含まれていた。
  • 対象は、発症日以降の標準テスト(利用可能な場合)で50%から前後3%以内のスコアを記録した。テストは以下を含む。
    • アイオワ基礎技能テスト (ITBS)
    • 適正試験 (ASVAB, DOT)
    • 軍事パフォーマンス (DD214)
    • SAT、ACT、GEDスコア
    • 大統領体力テスト
  • 2014年の飛行機事故に関する出来事は、対象が発症日を経過して以降最初の顕著にトラウマ的な出来事であった。

28人の人生を見てみると、彼らが如何に目立っていなかったかが目立っている。あらゆる面で平均。妖精のいない白昼夢に囚われたとしたら予想されるくらいの。だが友人や家族は何も奇妙だと気付かなかった。だからこれがどんなものにしろ、些細なものだ。

–F

[+2日]

2014.4.25: ヴォーはアーカイブの調査を完了し、SCP-9100の説明と一致する複数の歴史的事例を特定しました。

  • 1916年5月15日、ウィリアム・ザカリーはアクロンの繁華街のクリスタル・レストランの倒壊を生き延びたものの、後に精神疾患を患い入院しました。医師の記録には、「患者は過去に精神障害の病歴がないにも拘らず、現在を1874年だと信じるという混乱状態を呈している」とあります。
  • 1965年4月11日、オハイオ州ピッツフィールドをF4竜巻が襲い、4名がSCP-9100に一致する症状で精神科に入院しました。その一人、エイドリアン・サンダーランドは、ウィリアム・ザカリーの孫娘でした。
  • 1991年2月18日、アクロン・ビーコン・ジャーナル紙の報道によると、アクロンの高齢者の自殺率は全国平均の約10倍でした。

[+3日]

2014.4.28: フィンレイとヴォーは、要注意人物は人生の大部分が未解明のアノマリーの影響下にあり、心理的ストレス(建物の倒壊、竜巻、飛行機事故を取り巻く出来事)が何らかの形で彼らを解放したという仮説を立てました。

  • 研究目的は、(そのような人物が存在するならば)依然としてこの影響下にある一般人(推測的にSCP-9100-Aに指定)の特定・研究へと改訂されました。

[+5日]

2014.5.3 – 音声メモ – スチュアート・フィンレイ博士

フィンレイ: 昨日、ヴォーが参ってしまった。最後のPoIインタビュー - 高齢女性、サマンサ・モリス - が離れなくなってしまった。

それを隠そうとしていたが、メモを取るのをやめてたし、手は震えてた。インタビューが終わるとすぐに、それをトイレにぶつけた。30分後に出てきた。気持ちを辛うじて保ってる状態だった。その状態でいるのにイラついてて、自分自身とか何もかもにキレてた。

きっと良くなると信じたい。

俺のミスだ。こんなケースのインタビューを一度にやり過ぎた。駆け出しのころはこたえるもんだ…… ある時から、急に平気になる。

ヴォーもレスキュー組3だとわかった - 尚更きついよな。

カウンセリングに送った。平気なふりして拒否しようとして、俺みたいな「古いロボット」になりたいって言った。ハッ!

俺はこんな風に言った、「どうやって俺が30年も生き延びてこられたと思う? カウンセリングすんだよ。自分のこときっちり対処して、戻ってきてちゃんと仕事して、絶対個人的なものにしない」って。

感情に流されたら何も解決できない。

ヴォーは納得したらしい。回ってるcannyけど、まだわんぱbairnだな。4

だけど肝心なのは - まずヴォーがインタビューをちゃんと終わらせたことだ。モリス夫人に感謝を言って、メモを集めて、道具を詰めて、見えなくなるのをしっかり待ってから気をおかしくした。

この娘はとんだビックリもんだよ。

[+1週間]

[+2日]

2014.5.12: タルボット管理官はSCP-9100の研究ステータスを終了–未解明に変更しました。

  • ヴォーはフィンレイのチームの常任メンバーとして割り当てられ、両者はサイト-86でその他のアクティブな調査を継続しました。

[+5ヶ月]

2014.10.17: フィンレイとヴォーは、エッカート博士が主導する低級霊的アノマリーのサイト外セミナーに出席しました。

  • ヴォーは既に自身の専門能力開発手当を使い果たしていたため、フィンレイがヴォーの費用を自身の手当で賄いました。
  • セミナーでは、デンマーク、ヴェドベックのボーゲバッケン墓地でエッカートのチームが遭遇したような、極めて微弱な霊的実体を検出可能な超スペクトログラフィーの新たな方法について説明されました。

[+3ヶ月]

2015.1.19 – 音声メモ – スチュアート・フィンレイ博士

フィンレイ: ヴォーはやっと暇を取った。どこかビーチでも見つけるものかと思ってた。

俺はまた馬鹿だった - ヴォーはサイトを出やしんかった。アーカイブでSCP-9100の何かを探してるのを見つけた。放ってはおけやしん。

見つかる限りの授業に俺を引きずり回すだけじゃ全く足りなかった。非典型悪魔共鳴顕現について再講義を受ける羽目になるとも思いやしんかったが、こうなっている。またサマンサ・モリスがどうとかこうとか、ずっと。

俺は、簡単な事案に集中して、少しでも成果を披露して主任になれるまでタルボットか誰かに取り入って、ここから出ていくようにって言った。5

だけどヴォーも俺と同じだ。あいつにもチャンスはありやしん。

とはいえ、職務に戻った今、ヴォーには時間を与えて調査させている - あいつのケースワークは俺が処理する。もし俺なら、既に知ってるファイルをもう一度見てみると伝えた。古いデータも、新しい目で見れば新しい物語がある。

あいつはもうすぐ– [振り返って] 待った、それ何だ?

ヴォー: [遠くで] 申請フォームです、監視の。

フィンレイ: ダメダメ、それはサイト資金から出てんだ - それじゃ俺のケツは拭けん - こっち使え。

[紙のこすれる音]

ヴォー: [遠くで] 赤い紙ですか? これは差し迫った収容違反用ですよ。

フィンレイ: や、うん、そういうのチェックしないだろあいつら。違反申請は全体資金から出てる - タルボットはちいとも気にしない。なんたって今じゃ全部赤字なんだから。

監査人への注記: このように違反申請書を利用することは標準的な手順ではありません。

[+2週間]

2015.2.2 – 研究 – 遡及的レビュー

目的: 1体以上のSCP-9100-Aを特定する。

手法: 既存の事例データのレビュー。

主な結果: 関連情報が浮上:

  • SCP-9100は少なくとも1874年から存在しており、オハイオ州以外で事例は特定されていない。
  • SCP-9100の影響を受けた少なくとも2名には関連があったが、ほとんどは関連がない。
  • 全てのPoIが発症日を特定された - 生まれた時点で発症していた例はなく、発症日と特定の年齢との相関はなかった。
  • 対象全員が発症の瞬間を明瞭に思い出した - 説明された場面で唯一一貫していた詳細は、最低でも一名、他人が存在していたことである。

仮説: SCP-9100は人間の間で、未知の手段でウイルスのように伝染する。発症の瞬間は、SCP-9100が対象に伝染した瞬間を示す。


改訂版目的: PoIの証言で名前が挙がった存命の全人物を特定し、監視を通してSCP-9100を示唆する特異な振る舞いがないか確認する。

主な結果:

  • 29名のPoIの証言から50名の名前が挙がった。
  • うち12名は存命であり、監視された。
  • うち1名のオーウェン・パーソンズ(65歳)は、異常なほどに一貫した行動を示すことが観察された。
    • パーソンズ氏は少なくとも5日間毎朝、ハイランドスクエアの自宅を午前9時14分に出発し、歩いて地元のパン屋に向かい、正確に午前9時59分に到着した。

2015.2.2: ヴォーの研究に基づき、フィンレイはパーソンズ氏を一時的に拘束して詳細な試験を実施するため、緊急違反申請書に署名しました。

監査人への注記: 証拠によると、フィンレイはこの申請を隠匿するため、一時的にタルボット管理官の承認印を不正に流用しました。この承認印は管理官オフィスに安全に保管されているべきものでした。

  • 試験前にパーソンズ氏が除染される(すなわち、SCP-9100の影響が解消される)リスクを低減するため、フィンレイは彼を最小限のストレスで収容しなければならないと判断しました。
  • フィンレイは標準プロトコルを無視して、フィールドエージェントではなく彼とヴォーがパーソンズ氏を回収するよう申請書に明記しました。記載された理由は、「台無しにしないように」というものでした。
  • 従順化薬剤は認知機能やパフォーマンスに悪影響を与えるため不適切でした。
  • フィンレイとヴォーは監視データを検証し、潜在的な影響力を特定しました。

[+2日]

2015.2.4: フィンレイとヴォーは、パーソンズ氏が購読していたナショナルジオグラフィックの社員を装ってパーソンズ氏の自宅を訪問しました。

  • 彼らはパーソンズ氏に、一連の身体・精神テストに合格すれば、NASAの宇宙飛行士と共に国際宇宙ステーションへ旅行できる機会を与えられる購読者コンテストに当選したと伝えました。偽装された証拠のいくつかが提示されました。
  • パーソンズ氏は大喜びし、促されずとも宇宙旅行への興味について長々と語り、サイト-86へ帰還する研究員らに進んで同行しました。
2015.2.4 – 実験 – オーウェン・パーソンズ (PoI 30) 試験

目的: PoI 30が異常な特徴を有するか判断する。

手法: 身体的、精神的/行動的テスト、超科学・オカルトスクリーニングからなる包括的試験

主な結果:

身体評価

  • 血液検査や神経画像検査(fMRI、MEG)含む標準的な精密検査では目立った点はなかった。
  • 異常スクリーニング(ヒューム、アキヴァ、EVE、TRE、超スペクトログラフィー)では目立った点はなかった。

精神的/行動的評価

  • 対象は標準化された適正及び知能検査で平均よりもわずかに高い成績 (p₅₂) を、認知抵抗値で低い値 (0.5) を獲得した。
  • 対象はテストへの回答(WAIS-R、WCST、IGT、CANTAB)であり得ないほどの一貫性を示し、基準となる科目が変動したり、練習や疲労の効果が表れていたにも拘らず、繰り返し同じスコアを獲得した。
  • 歩行分析、バランステスト、微細運動技能試験もあり得ないほどの一貫性を示した。
  • 対象のメンセム指数6非常に低く (15)、意識発達の遅れまたは深い睡眠を示している。
  • 対象はFA12-B個人自発性テストで非常に低い (9) スコアを獲得したが、これは通常従順化薬剤の投与後にのみ見られる値である。

結論
対象はパフォーマンスにおいて統計的にあり得ないほどの一貫性を示した。それ以外には異常現象を示す兆候は検出されなかった。

ナショナルジオグラフィックとかなんとかは過剰だった。彼の自発性スコアは地を這っている - 優しく頼めば、崖からでも飛び降りるだろう。

彼の評価基準は不自然だが、何が原因かはわからない。ヴォーは何か考えがあるようだが。

-F

[+1日]

2015.2.5 – 実験 – オーウェン・パーソンズの超スペクトログラフィー

目的: SCP-9100現象が低級霊的憑依に起因するかどうかを判断する。

手法: エッカート=メンデルメソッドを利用した超スペクトログラフィー (PSG) イメージング (EMPSG)

主な結果:

scpbrain.jpg

オーウェン・パーソンズのEMPSG

  • パーソンズ氏の脳のEMPSG画像では、パーソンズ氏の本来の脳活動と重なる極めて微弱な霊的活動が明らかになった。
  • 霊的活動のパターンは人間の意識と一致しており、これは人間霊に憑依された事例に典型的である。
  • したがって、SCP-9100は低級霊的実体であると判断された。これら霊体の非典型的な行動パターンについてはまだ説明ができていない。
  • この結果に基づき、オーウェン・パーソンズはSCP-9100-A1に再指定された。

見つけたぞ、この野郎が。こいつが人を超自然的に平凡にしてる元凶だ。彼らは…… 史上最低に退屈な幽霊に取り憑かれて、なぁんにもできなくさせられてる。こんなのは初めてだろう。

だがこれ以上をやる予算がない - タルボットはパーソンズがラボにいると知ったらビビリちらかすだろう。解放して監視を続けよう。

-F

2015.2.5: オーウェン・パーソンズは記憶処理7を施されて自宅に返還され、定期的な監視を受けることとなりました。

[+1ヶ月]

[+1週間]

2015.3.10: タルボットは管理官はヴォーと1:1の指導セッションを開始しました。目的は、超心理学と行動異常に関する補足知識を提供することで、同部門における地位を確保するという彼女の野望を加速させることです。

[+6日]

2015.3.16: タルボット管理官はSCP-9100の調査ステータスを未解明-進行中に更新しました。

  • フィンレイのチームには、主任研究員のダニエル・バカルーバ博士含む、追加の資金と人員が割り当てられました。
  • タルボット管理官が提出しフィンレイが共同署名した動議1066-86-Aが承認されました。この動議により、SCP-9100の調査はサイト-86内に維持され、研究を続行することが許可されました。
2015.3.16 – 音声メモ – スチュアート・フィンレイ博士

フィンレイ: タルボットが風向きを変えた。昨日まで帳簿から外したがってたのに、今日は保存したがってる。

何か狙いがあるに違いない。それはそれでいい - 少なくとも仕事はちゃんと行われてると確かめられる。

やっと本物のチームを手に入れて、神のみぞ知ると思ってた期間を経て本格的に動けるようになった。治療法を見つけて、実際に人を助けられるチャンスの半ばまで来ている。驚いた。

バカルーバはいい奴だ - 去年はこいつと数件一緒に働いた。でもここまで来れたのはヴォーのおかげだ。あいつには相応のものが与えられるようにしたい。

文書を更新中…… こいつがどう拡散するかわかるまでは、Keterと呼ぶことになる。8

次は実地試験で様子を見よう。それから伝染テスト。それにはDクラス9が必要になるが…… うんざりする仕事になるに決まってる。生意気な奴らで、こっちの言ったこと聞きやしない。

[+1日]

2015.3.17: タルボット管理官は、フィンレイが違反申請書を不適切に利用して無許可でのSCP-9100の研究を行ったことに気付きました。

  • フィンレイは、適切な手順に従わなかったことに加え、研究活動の不開示に関連する3件の軽微な容疑で公的処分を受けました。
  • タルボットは自身の承認印が侵害されたことを報告しなかったため、フィンレイはその罪では処罰を受けませんでした。

[+3日]

2015.3.20: SCP-9100における取り組みにより、ヴォーは表彰を受け、上級研究員に昇進しました。

[+1日]

2015.3.21: ヴォーはタルボット管理官との1:1の指導セッションの中止を選択しました。

[+1ヶ月]

2015.4.22: フィンレイのチームは、EMPSGイメージング装置を利用して、アクロン住民の調査を主導しました。

  • アクロン都市圏のATM、スーパーマーケットのセルフサービスチェックアウト機、様々なファストフード店のドライブスルーメニューに装置が設置されました。
  • SCP-9100の症例は830件確認されました。更に712件それらしき事例が検出されましたが、画像の鮮明さの問題から確証は得られず、疑われる罹患者数は計1,542名でした。
  • SCP-9100に汚染されたうちの14名(SCP-9100-A2~A15)は、更なる研究のためサイト-86のKeterクラス収容施設に収容されました。
  • 記憶処理薬と鎮静剤を研究対象者の慎重な選定と組み合わせることで、収容中に誤って対象を除染するリスクを効果的に低減しました。
  • 一般大衆に残存するSCP-9100-Aには、定期的な遠隔監視が割り当てられました。

[+2ヶ月]

2015.6.22 – 実験 – SCP-9100伝染

目的: SCP-9100の伝染を観察し、基準を決定する。

手法: SCP-9100-AはDクラス職員と共に試験チャンバーに配置された。参加者は、姿勢や視線を調整したり、沈黙を保つ/自由に発言するなど、様々な課題を行うよう指示された。

伝染が発生したか判断するため、EMPSGイメージングが用いられた。

結果: 117回の試験で伝染は9回観察され、元の宿主と標的の人物の両方がSCP-9100に感染した。

観察された全ての伝染において、

  • 元の宿主は最低5年間感染していた(記録された最長は8年間)。
    • ここから、SCP-9100には伝染可能になるまで"在胎期間"があると示唆される。
  • 伝染した人物は注意を払っていなかった。
    • 脳イメージングは、心の散漫や空想に関連するデフォルトモードネットワークの活性化を示している。
  • 参加者はアイコンタクトを行った。

伝染が発生したことを示す視覚的・聴覚的な手掛かりはなく、EMPSGイメージングのみがSCP-9100を検出できる。

3ヶ月経っても使えるデータはほとんどない。Dクラスはグダグダだし、施設もゴミだ - 試験用の予算も未だに全然足りない。

バカルーバの新しい仲間たちも手探り状態だ。半分を自分でやらなきゃならなかった。

それでも、何か書き留めるのに充分なだけはある。

-F

DMN.jpg

デフォルトモードネットワーク。

2015.6.22: フィンレイは、必要に応じて新たなSCP-9100-A実例を生み出す手順(9100-DOVERに指定)を正式決定しました。この手順により、実験対象の迅速な供給が可能となりました。

  • タルボット管理官は後にこの手順を9100-TAPSに再指定しました。

[+5日]

2015.6.27: タルボット管理官は、レベル4機密構想であるプロジェクト・デイドリームを策定しました。

  • プロジェクト・デイドリームの告知覚書が不明な情報源からサイト-86職員に漏洩し、機密指定は後にレベル2に引き下げられました。

監査人への注記: 収集された証拠は、漏洩元がフィンレイ博士であったことを示しています。

[+2日]

2015.6.29 – 覚書 – プロジェクト・デイドリーム

From: サイト管理官ハロルド・タルボット
To: サイト-86研究スタッフ

スタッフ諸君、

SCP-9100について得られたデータの徹底的な検討の後、私はプロジェクト・デイドリームを策定した。これは革新的な革新的な人的資源管理ツールであり、財団の運営における真のパラダイムシフトである。

端的に言えば、SCP-9100はDクラスプログラムやその他の未熟なサポートスタッフの慢性的な非効率性に対処する、前例のない機会を提供してくれる。

デイドリームは、行動やパフォーマンスに対するアプローチを変革し、回復した記憶の忠実性が低いお陰で情報セキュリティにおける記憶処理への依存度を抑えられる。

職場での紛争や暴力事件、脱走の試みがなく、全員の安全を守るプロトコルや手順を揺るぎなく遵守する財団を想像してみてほしい。

さあ、共に築き上げよう。

目の前の道は容易くはないだろう。知るべきことはたくさんある。信頼できる除染手順を定義せねばならないし、SCP-9100感染を制御する方法も学ばねばならない。

運営陣も本プロジェクトへの期待を分かち合っており、新たな資金が利用可能となった。我々は支出を惜しまない。

何よりも、これをわかってほしい。サイト-86は、ヒューマンエラーという弱点から解放された新たな時代 - 新たな財団の先駆けとなったサイトとして記憶されることになるだろう。

ハリー・タルボット

2015.6.29 – 音声メモ – スチュアート・フィンレイ博士

フィンレイ: テッテレー。タルボットがSCP-9100をここにそのままにしてたのは新しいプロジェクトのためだったんだな。こりゃめでてーな。

頭おかしいだろ。こいつを使ってあーだこーだしたいみたいだが、俺たちは未だにどういう原理なのか知ってやしんのだぞ。幽霊説も穴だらけだ - 何でこの幽霊はこんなに弱い? 何でそれでも、人に憑依できるくらいには強い? それからどうやって"幽霊"は繁殖すんだ?

このままじゃこんな問題絶対解決できねぇぞ。

ヴォーはメモ見てかなりいぐねいてたscunnered10。だけど今のところはそれに従うことにするらしい。何故かって? なんだか、どうやらタルボットはヴォーに、デイドリームが上手くいったら大衆の除染費用出すと断言したらしい - 断言、な。

ヴォーはまだあいつのでたらめに気付けやしん。未だにあの件からあいつを上司だと思ってんだ。だがあいつは毛皮のコートだけでニッカーズを履いてやしん。11

自分の名前が載せられる輝かしいプロジェクトが欲しいだけなんだ。軽ーく褒めてもらって、SCODA12でもかっさらいたいのか。

そしたらあいつはいいとこまで這い戻れて、自分で落っこちたこの穴から抜け出せる、と。

まあその穴にいるのは俺も同じだ、タルボット。名前広めるだけのために仕事を台無しにするような真似はさせんぞ。

[+2日]

2015.7.1: O4評議会の公聴会で、フィンレイのデイドリームに対する反対意見が記録されました。

  • フィンレイは、KeterクラスSCPを新たなプロジェクトに利用することのリスクの高さを強調し、信頼できる収容方法がまだ見つかっていないことを指摘しました。
  • フィンレイ博士はその後、非プロフェッショナル的口調や個人攻撃的な内容のために譴責を受けました。
  • しかしながら、O4評議会はSCP-9100のオブジェクトクラスがKeterであることを理由にデイドリームの中止を決議しました。

[+2週間]

2015.7.17: 北東分類委員会は、SCP-9100の感染経路が完全に理解されたため、SCP-9100のKeterからEuclidへの再分類に6-3で賛成票を投じました。

  • フィンレイの事後調査により、SCP-9100ファイルの一部の情報、特に伝染基準の実験が事務上の誤りにより公聴会から省略されていることが判明しました。

[+2日]

2015.7.19 – 音声メモ – スチュアート・フィンレイ博士

フィンレイ: 事務上の誤り、事務上の誤りね。ここはプロの集まった組織なのか、それとも愉快なコント会場か。

いつも同じ、あいつは裏がモロ見えだ。公聴会でバカみたいな笑顔浮かべやがって。

あいつがまだ仕事にありつけてること、あろうことかサイト管理官なこと…… それが一番の事務上の誤りだよ。

[+1日]

2015.7.20: Keter分類に関する懸念が解消されたため、デイドリームは再開されました。

  • フィンレイは研究責任者としての権限の下、迅速な再分類審問を要求するフォーム-ECB01を直ちに提出しました。

[+1週間]

2015.7.27: 部門の最新情報会議で、タルボットはSCP-9100-Aをサイト-86のKeter収容施設から低セキュリティのEuclid施設に移送させることを発表しました。

  • この件に関して、フィンレイの強い反対意見が再度記録されました。

[+6日]

2015.8.2: SCP-9100-Aの移送中、フィンレイは一連の非プロフェッショナル的発言をし、上級管理職にふさわしくない行動をとり、移送の妨害を試みました。移送が完了するまで、彼は警備員に拘束されました。

  • フィンレイはその行動で譴責を受けました。違反の深刻さと、以前の譴責から、フィンレイは研究責任者の任を解かれ、主任研究員に戻されました。
  • 以前フィンレイへの報告担当者であったダニエル・バカルーバが、SCP-9100の研究責任者に任命されました。

[+1日]

2015.8.3: フィンレイの要請した迅速な再分類審問は、フィンレイが研究責任者としてそれを要請する権限を失ったために無効化しました。

2015.8.3 – 音声メモ – スチュアート・フィンレイ博士

フィンレイ: まだここにいる。だが、今週は最高だ。

タルボットはデイドリームにご執心だ、データの言ってることなんかガン無視でな。トンネル・ビジョンってやつだ - 執着するとどうなるか、個人的な思いを入れるとどうなるか。好きなだけ恨みを抱えていく - 俺はそんな風に働かない。俺にとっては、あくまでも仕事だ。

ヴォーは俺がちょっと叱られるのを聞いた。そしたら突っ込んできて、すがすがしいまでにかむってradge13、その場ですぐにでもタルボットをはぶりmalky14そうな感じだった。あんな風になったのは見たことない。あいつと、デイドリームと闘うって言った。

俺は言った、「いや、やめとけ。タルボットはドーバーからずっと俺をつけ狙ってるんだから、こんなくだんねぇことにお前が巻き込まれることはありやしん。お前は俺に借りなんてない」ってな。

そしたらヴォーは静かになって、「告白」しなきゃいけないことがあるって言った - まるで俺の犬でも殺しちまったみたいに、実にドラマチックで - そんで、違反申請とパーソンズのことをタルボットに教えたのは自分だって言ったんだ…… 俺に悪いようにそれをあいつが使うとは思ってなかった、申し訳ないって。

俺は返した -「ん、だから?」

ヴォーの顔は - 呆気にとられてたよ。

俺は、「よくやった。上手く動いて、タルボットに気に入られて、昇進もした。それで満足だよ。俺に何が起きようと関係あるか」、って言ってやった。

そしたら、「二度と失望させません - 約束します」って。

意味わかりゃしんな。

「お前のキャリアを気にしろ」、俺は言った。「俺たちは仲良くやってるけど、あくまでも同僚だよ。お前は人を助けたくて、影響力が必要で、が必要だ。そんな品質証明してる時間はない」

つまり- ヴォーが俺たち老害と一緒にこんなゴミ溜めに閉じ込められてるのは本人のせいじゃないってことだ。でも俺はあいつの- 俺じゃなれやしん……

ヴォーはこんなとこに閉じ込められてていい奴じゃない。無駄もいいとこだ。

でもその後、少しして言ってきた。「デイドリームで出た資金をこいつの研究と解決に使えたらどうでしょう? 偶然にでもちゃんと仕事ができるとしたら?」

今度はお前の言うとおりだって俺は言った。

[+2日]

2015.8.5: デイドリーム研究は緩和されたセキュリティプロトコルの下、サイト-86Euclid収容施設で開始されました。主な研究目的は、手順9100-ナペーグに指定される、効果的で信頼できる除染方法を特定することです。

[+2ヶ月]

2015.10.5 – 実験 – ナペーグ #6

目的: 心理的ストレスの代替としての新たな除染方法を特定する。

手法: 対象はマインドフルネス瞑想の技術を教示され、自意識を高めることを目標として12時間瞑想を続けるよう指示された。

主な結果: 全ての対象は落ち着けなさと焦りを報告した。

SCP-9100に効果はなかった。

やってみる価値はあった。だが幽霊はそんなに簡単には振り落とされない。

– F

[+1週間]

2015.10.12 – 実験 – ナペーグ #14

目的: 代替の新たな除染方法を特定する。

手法: 占拠した霊的実体を追い払うため、オカルト悪魔祓い儀式(手順レッド・ピラミッド及び手順アッシュレーン)が実行された。ペンシルベニア農業センターから適切なヤギが提供された。

主な結果: 対象4名が嘔吐し、1名が意識を失ったが、これは儀式の性質によるものと思われる。試験室にSCP-9100と無関係なスペクトルの歪みが発生し、清掃作業チームの介入が必要となった。

SCP-9100に効果はなかった。

監視映像 – サイト-86/研究棟/中庭

<抜粋開始>

[ヴォーは非常口を勢いよく開け、中庭の中央まで歩いてくる。白衣の袖はまくられ、手は肘まで血に染まっている。彼女はしばらく立ち止まって息を切らす。]

[フィンレイが非常口から現れ、後を追ってヴォーの側に立つ。彼の手と前腕も同様に血に染まっている。]

[ヴォーは彼には気付かず、ポケットからメモ帳を取り出して書き込み始める。手は目に見えて震えており、メモ帳は血で汚れていく。]

[フィンレイは白衣のポケットから缶を取り出し、ライターと手巻きタバコらしきものを取り外す。彼はそれに火を点け、静かにそれをヴォーに差し出す。]

[ペンがヴォーの手を滑って地面に落ちる。彼女はフィンレイを見上げ、それから差し出された手を見てから、地面に視線を戻す。]

ヴォー: タバコ吸いませんので…… あなたもそうでしょう。

フィンレイ: や、うん。「これはタバコではないCeci n'est pas une cigarette.15ってな。

[フィンレイは息を吸い、ヴォーの視線と合わせて遠くの壁を見つめる。両者とも数分間動きも話しもしない。]

フィンレイ: だいぶ前に、何で俺が"ちびラスプーチン"って呼ばれてるのか訊いたよな。完全に正直に答えてはありゃしんかった。

[ヴォーは反応しない。]

フィンレイ: 俺はあることを生き延びた…… 多分生き延びるはずなかったやつを。まあ今はどうでもいいな。でもとにかく、生き続けた。自分の仕事をした。自分に言い聞かせた。「俺はここにはいない、こんなこと起こってやしん」、わかるだろ。それから、やるべきことを何であれし続けた。

[ヴォーは反応しない。数分後、フィンレイはヴォーを見やると、ためらってから彼女の背中を軽く叩く。彼は向きを変えて去る。ヴォーの白衣には赤い手形が見える。]

<抜粋終了>

[+3週間]

2015.11.4: 代替の除染アプローチを特定できなかったため、チームの焦点は、SCP-9100-Aに心理的ストレスを誘発する、効果的で信頼でき、繰り返し使用できる方法の特定に遷移しました。

[+5ヶ月]

2016.4.4: ヴォーはサイト-86研究チームにメールを起草しました。

このメールは送信されませんでした。しかしながら、ヴォーは草稿を保存し、A12監査の開示手続き中に提出ました。

[+2日]

2016.4.6: ヴォーはフィンレイによる財団カウンセリングの紹介を受け入れ、2度目の参加となりました。

[+2ヶ月]

2016.6.9 – 実験 – 降霊

目的: SCP-9100実例と直接意思疎通し、そのついの語りを確認する16

手法: オカルト降霊術(手順128-エンドア)を5名のSCP-9100-Aに個別に実施する。

主な結果: 接触に失敗。改訂された仮説は、SCP-9100を引き起こす霊的実体は一貫した意思疎通が不可能なほど弱いというものである。

ヴォーは、霊体が話せないほど弱い理由について説を立てている。こいつらは普通の人生を夢見て亡くなった病気の子供たちの霊で…… この平凡が、その子供たちの考える普通の人生だと。

肺病になったビクトリア朝のわんぱたちが脳をただ乗りしてるってことか。

ま。低強度信号 - 未発達で、劣化しやすい意識であることの説明はつくだろう。それとどっからこの余分な幽霊が来るのかの説明も。"相乗的終の語り" - ヴォーがエッカートから手に入れた知識。幽霊が - 霊体が - 気に入った憑依パターンを見つけると、同じ語りを持ってる他のやつらも引き寄せる。つまり、ただ乗りしてるビクトリアキッズが友達を呼んでるんだ。

アリだとは思う、もしデータが裏付けてるのなら。だが執着しすぎないようにとヴォーに警告した。自説に愛着なんか持つもんじゃない。さもなきゃタルボットみたいになっちまう。

–F

[+4日]

2016.6.13 – 実験 – トリガーワード反応

仮説: SCP-9100実体は意思疎通するには弱すぎるが、それでもキーフレーズに対し測定可能な反応は示す。

手法: SCP-9100-AはEMPSGを通して監視された。脳活動を含む非異常の生体情報も測定された。トリガーワードの可能性がある250種の文言を声に出して読み、いずれかの文言に霊的活動の活発化が見られるかを判断した。

監視映像 – サイト-86/研究棟/試験チャンバーC

<抜粋開始>

[SCP-9100-A30はイメージングチャンバー内に横になっている。収容プロトコルに従い、SCP-9100伝染を防ぐため目隠しをされている。フィンレイは2フィート離れ、クリップボードを読んでいる。]

SCP-9100-A30: それで私がするのは質問に答えるのか–

フィンレイ: 試験中は喋らないでください、あい。私がいくつか言葉言いますんで、返答しなくていいです。

[SCP-9100-A30は聞こえる音であくびをする。]

対象: こりゃあいい雨模様だ。

[記録上に沈黙]

フィンレイ: お宅の作物も元気になりそうで。とりあえず今はじゃかっといてhaud yer wheesht17聞いといてください…… お願いします。

フィンレイ: [クリップボードを読む] 木。

<抜粋終了>

主な結果: 霊的活動の顕著な活発化は、以下のキーワードと関連していた。

  • 母親
  • 幸せ
  • 失った
  • 病気
  • 地雷
2016.6.13 – 音声メモ – スチュアート・フィンレイ博士

フィンレイ: 結局ヴォーの説は正しかったのかもしれない。キーワードの活発化を見ると - 子供と関係ありそう感がすごいな。じゃあ次にどうしたらいいか決め-

ヴォー: [遠くで] 生体情報も反応してました。9100は単に対象の自然な反応に応答してるだけかもしれません。

[沈黙]

フィンレイ: や、そうだな。それは気付いてなかった。

ヴォー: [遠くで] じゃあ…… 対照実験した方がいいですよね?

フィンレイ: あぁそれは…… 賢いな、うん。いつでも確認はいいことだ。

[沈黙]

ヴォー: 大丈夫ですか?

フィンレイ: や。頭が細切れになってるだけだよ。18

[+1日]

2016.6.14 – 実験 – 対照実験

目的: 感染していない対照群で繰り返し前回の試験結果を検証する。

主な結果: 結果は前回の試験と同一であり、霊的活動の微小な活発化は、付随する生体活動の活発化の原因ではなく、結果であることを示した。

フィンレイ: それが人生。時にはこんなこともある。どうしようもない。

-F

[+3週間]

2016.7.8 – 実験 – ナペーグ手法 #32

目的: 除染方法を特定する。

手法: 対象の意識を高めるためエピネフリン注射を行う。

主な結果: 対象1名が注射により医学的合併症を経験し、心停止に至った。

監視映像 – サイト-86/研究棟/観察区

<抜粋開始>

[対象が手術台の上で痙攣する中、緊急医療チーム(EMT)は容態を安定させようとしている。ヴォーは隅に立ち、メモを取っている。]

EMT: モニターに心室細動。胸骨圧迫とバッグマスク換気を開始。パッドを装着して200までチャージ。誰かこのカメラ動かしてもらえるか?

[ヴォーは顔を上げる。]

ヴォー: 超スペクトログラフに触らないでください。対象が死亡した場合アノマリーがどう反応するのか観察しなければ。

<抜粋終了>

対象の蘇生は成功した。この経験のストレスは除染に充分であった。他の対象では、この手順はSCP-9100に効果はなかった。

[+8ヶ月]

2017.3.8: フィンレイのチームは、信頼性が高く人道的なSCP-9100の除染方法を目的とした手順9100-ナペーグを完成させました。

手順817-ナペーグ

ナペーグは、苛烈さに応じて7段階に分けられたSCP-9100の除染手順です。ナペーグは、手順の忠実性と対象の健康を守るため、訓練された研究スタッフのみが実行します。

手順はステージ1から開始し、候補からランダムに選択された方法で実施されます。第一段階で除染に失敗した場合、実行者は次の段階に進み、除染が達成されるまで継続します。

各段階における手法は、対象の心理的ストレス反応を喚起するよう設計されており、交感神経系の反応を介して意識を高め、SCP-9100の影響を無効化することを目的としています。ナペーグは現在100%の成功率を維持していますが、この反応がSCP-9100を無効化する正確な機序は依然として不明です。

特定のナペーグ手法への認知度が高まると、その手法への耐性が高まることが実証されています。そのため、いかなる人物も候補となる手法の全てを認知しないことが不可欠です。現在まで、8名のスタッフにより提供された150以上の手法が承認されています。

場合によっては、ナペーグの存在に関する知識と、意図的に曖昧化されたその手法についての公開文書の組み合わせだけでも、自発的な除染を引き起こすのに充分であるという仮説が立てられています。

除染の成功後、全ての対象は心的外傷後ストレス障害の可能性や深刻度を最小限に抑えるため、厳格な心理的アフターケアを受ける必要があります。

ナペーグ段階

ステージ1 情報ストレスで構成され、対象にとって非常に苦痛となるであろう情報が与えられる。

ステージ2 情報的・感覚的苦痛の増大を伴う。対象には、顕著な精神的ストレスを引き起こすのに充分な感覚刺激(視覚、聴覚、嗅覚)と組み合わされた情報が与えられる。

注: ナペーグの適用中、研究員は、収容されている対象に虚偽を述べることを禁止する倫理規定の条項を一時的に免除される。

ステージ3 長期的な心理的ダメージを避けるのに充分な強度の認識災害情報19の適用を伴う。強度規定により、利用可能な認識災害の数は大きく抑えられる。


注: 対象に極めて大きなリスクが伴うため、ステージ4と5には関連するサイト管理官の明示的な承認が必要である。

ステージ4 物理的な力の適用を含む様々な方法で、対象に身体的ストレスを与える。

ステージ5 心理的操作、長期的剥奪、感覚への攻撃といった方法を組み合わせ、ステージ4で使用されたテクニックを強化する。


注: ステージ6と7にはO4評議会の明示的な承認が必要である。

ステージ6 ステージ5で使用された手法を、異常な道具、物質、効果で増大させ、標準的なユークリッド幾何学や線形時間では不可能な心理的ストレスを与える。

ステージ7 説明なし。


注: これらのアプローチの実証には追加実験が必要である。

[+1ヶ月]

2017.4.11: ナペーグの完成に伴い、プロジェクト・デイドリームは試験展開段階に入り、残りの研究は望まぬ伝染を防ぐ方法の最終決定に焦点が当てられました。

  • アクロン住民のSCP-9100-Aを全員除染する計画、オペレーション・レヴェイユがタルボット管理官により承認され、計画段階に入りました。
  • ヴォーはデイドリームにおける精力的な貢献によって特別表彰を受け、主任研究員に昇進しました。

[+1週間]

2017.4.20: 主任研究員としての権限で、3年前にフィンレイと共にアクロンでインタビューしたSCP-9100要注意人物の偵察の申請書に署名しました。

  • 当初、この申請は資金不足のため却下されましたが、ヴォーはプロジェクト・デイドリームの一環として再提出し、承認を得ました。
  • 28名のPoIのうち、21名が死去していました。検死の結果、死因は自然死(15名)と、様々な手段での自殺(6名)と確認されました。

[+3週間]

2017.5.11: 北東分類委員会の定例会議で、Keter分類を支持するフィンレイの以前の論議が再審査されました。

  • フィンレイとバカルーバは発言の機会を与えられましたが、両者とも辞退しました。
  • Euclid分類を維持する合意が決定されました。

[+2ヶ月]

2017.7.14: フィンレイは、デイドリームへの確固たる献身が特に評価され、行動表彰を受けました。

  • これはフィンレイのキャリアにおける最初の行動表彰でした。

[+3週間]

2017.8.4: ヴォーはその功績を認められ、サイト-20の超心理学部門への異動の招聘を受けました。ヴォーは検討期間の延長を要請し、認められました。

[+3日]

2017.8.7: ヴォーはフィンレイの「らしからぬ」振る舞いについて正式な苦情を提出し、彼が過去1ヶ月に犯した55件の研究関連のミスを説明しました。

監査人への注記: 事務上の誤りにより、この懸念は誤った場所に記録され、A12監査まで発見されませんでした。証拠により、ヴォーが署名のない内部メモの作成者であることが判明しました。このメモは、当時サイト-86の全職員に配布され、正式な苦情が処理されるまでフィンレイとのアイコンタクトを避けるよう勧告していました。

[+2週間]

2017.8.23 – 音声メモ – スチュアート・フィンレイ博士

フィンレイ: ヴォーは、超心理への異動オファーをもらったと言ってきた。

受けろって答えた。俺たちと一緒にブラブラして人生無駄にすんな。もっといいとこにいんのがふさわしい。

だが…… あいつは行ってきて、断ったらしい、もう。

ここに留まることをもう決めてて、ここで本物の仕事ができてるからとか、どうとか。

わかんねぇけど、もっと強く背中押せたのかもしれない。事を荒立てたくなかったんだ。それだけで。

[+2ヶ月]

2017.10.23: ヴォーはデイドリームに配属された研究職員に定期的なPSGスクリーニングを実施するため、緊急違反申請書に署名しました。

[+3日]

2017.10.25: 最初のスキャンで、フィンレイはSCP-9100-Aであることが判明しました。

  • プロトコルに従い、ヴォーは直ちにセクション9-17の非常ボタンを押し、以下の手順を起動しました。
    • サイト全体の3時間にわたる封鎖。
    • 包括的人数調査により、封鎖時サイトにいた職員は74名、その他7名が様々な理由でサイト外にいたことを特定。
    • 収容違反の規模を判定するため、全サイト-86職員のPSGイメージングによるスキャン。
    • サイト外職員はPSGスキャンが完了するまでセキュリティチームにより特定・隔離。
    • バカルーバ及び他3名の若手職員がSCP-9100-Aであると判明。サイト外職員は感染していなかった。
  • 特別な関心対象として、フィンレイはSCP-9100-Bに指定されました。

[+1日]

2017.10.26: 除染の取り組みが開始されました。

  • 影響を受けた職員のうち2名は最初の検出から24時間後の追跡スキャンまでの間に自発的に除染されました。これは突然の収容によるストレスと、手順ナペーグを認識していたことによるものと思われます。
    • 対照的に、警備員の一人は、感染していると伝えられた際にフィンレイが異例に落ち着いた反応を見せたと報告しました。保安職員は、「遅かれ早かれそうなる運命だった」という発言を聞きました。
  • 迅速な除染が緊急で求められたため、タルボット管理官は新たに発見されたSCP-9100-Aの除染をステージ4から、元主任研究員のハキーム・バカルーバから開始するよう命じました。
    • しかし、ヴォーは必要な器具の電気部品の故障を理由にこの命令を実行できず、代わりにステージ1からバカルーバの除染を始め、1時間後、ステージ3で除染に成功しました。
    • 除染の成功後、ヴォーはプロトコルに規定された回復期間を遥かに超える2時間、バカルーバと共にチャンバーに留まりました。
    • その後の点検では、電気部品の故障は一切発見できませんでした。

[+2日]

2017.10.28: 職員4名の除染が完了し、カウンセリングが行われました。

  • バカルーバの除染の非効率性を理由に、タルボット管理官は手順ナペーグの規定を、保安職員が除染手順を実行すべきものと修正しました。
  • 結果として、ヴォーはSCP-9100-Bの除染手順に関与できなくなりました。

[+2日]

2017.10.30 – 実験記録 – SCP-9100-B除染の試み

主な結果:

  • 0830: ステージ1開始
    • 失敗
  • 0845: ステージ2開始
    • 失敗
  • 0915: ステージ3開始
    • 失敗
  • 1015: ステージ4開始
    • 失敗
  • 1045: ステージ5開始
    • 失敗
  • 1130: ステージ6除染要請をO4評議会に提出
    • 承認保留中

結果: SCP-9100-Bは感染したままである。

[+1ヶ月]

2017.11.30: バカルーバは除染成功から1ヶ月もしないうちに、個人的な問題を理由にサイト-86からの異動を要請しました。

  • 異動はタルボット管理官により承認されました。
  • 以前バカルーバに報告を行っていたヴォーは、サイト-86の研究責任者に任命されました。

[+1週間]

2017.12.7: タルボット管理官の発行した違反報告書では、フィンレイが収容違反の発生源として特定されており、いずれかの時点で彼がSCP-9100-Aと偶然に目を合わせたことが原因と推測していました。

ヴォーのメールに返信はありませんでした。

[+2ヶ月]

2018.2.7 – 研究 – 改訂版人口PSG調査

目的: 民間人におけるSCP-9100の蔓延状況を再評価する。

手法: アクロン都市圏及び近隣の都市における民間人の超スペクトログラフィック分析

前回調査における画像鮮明度の問題を避けるため、手法が改訂された。

PSGカメラは検眼/歯科医院、ネイル/ヘアサロン、可能であればトイレの個室の後方の壁に内密に設置された。

結果: 撮影された画像の量と質は劇的に向上した。検出された現存するSCP-9100-Aの総数は15,021名であった。事例の大部分はアクロン(オハイオ州)で確認され、続いてクリーブランド(オハイオ州)、ピッツバーグ(ペンシルベニア州)で、その他の都市圏でも散発的に確認された。

SCP-9100-A感染は孤独、慢性疾患、依存症、失業に相関関係があった。

[+1ヶ月]

2018.3.10 – 覚書 – 人事

サイト-86職員の皆様へ:

  • フィンレイ博士の12年間にわたる財団への満足な貢献
  • SCP-9100-Bの認知/行動テストスコアにおける継続的な(平均的な)熟達度
  • SCP-9100-B除染の非現実性

これらを考慮して、SCP-9100-Bは"研究室技術者"の肩書の下、現職復帰の申し出を受け入れました。

SCP-9100-Bは、SCP-9100の更なる拡散を防ぐために医学的に盲目にされ、新たな役割の実行に必要なアクセシビリティ配慮が与えられます。

SCP-9100-Bのパフォーマンスは四半期ごとに監視・評価され、プロジェクト・デイドリームの最初の試行として機能します。予定外の伝染の無力化は依然として主要な研究の焦点です。

[+1週間]

2018.3.18: SCP-9100-Bの医学的盲目化処置の2日前、ヴォーは評価のため研究を提出しました。

2018.3.18 – 研究 – SCP-9100-B感染レポート

目的: SCP-9100-Bの感染源を特定する。

手法: 100時間以上の監視映像を包括的に調査し、フィンレイのパフォーマンス指標、IDカード入退室時刻、カフェテリアでの購入を相互参照し、これらの統計が平均値になった正確な瞬間を判断する。

主な結果: 分析によると、収容違反が発生したのは、フィンレイがSCP-9100-Aの「こりゃあいい雨模様だ」というフレーズを聞いた瞬間のようであった。

[+1日]

2018.3.19: ヴォーの報告書から、SCP-9100がこれまで未知であった感染媒体を有していることが示されたため、盲目化処置は中止されました。より効果的な伝染抑制方法が見つかるまで、SCP-9100の研究室技術者への再配属は保留されました。

[+1週間]

2018.3.27: 後の調査で、職員4名はそれぞれ異なるSCP-9100-Aから感染していたことが特定されました。

  • 4名全員が異なる文言を用いました。
    • 「仕方がない」
    • 「どうなるかわかりきってる」
    • 「一瞬で過ぎ去っちゃう」
    • 「それが人生だ」
  • 全ての収容違反はEuclid収容施設で発生しました。Keterクラス収容施設はデフォルトで防音が施されています。

[+3週間]

2018.4.17 – 実験 – 伝染媒体

目的: "トリガーフレーズ"伝染媒体と制約を特定する。

手法: 収容されている人物の観察、事例の回顧、Dクラス職員での実験。

主な結果: SCP-9100は2つの異なる伝染媒体を有する: アイコンタクトとトリガーフレーズ。

  • 対象は、感染後すぐにトリガーフレーズを話し始めた。
    • これらの発言はSCP-9100を媒介しなかった。
  • 在胎期間が終了すると、トリガーフレーズの使用頻度は劇的に増加した。
    • この段階では、トリガーフレーズはそれを聞いた注意を払っていない付近の人物にSCP-9100を媒介するようになる。
    • 一度他の人物を感染させると、対象の在胎期間は再度開始すると思われる - トリガーフレーズはそれ以上効果を持たない。
  • SCP-9100-Aの書面による意思疎通(日記など)には発話と同等の頻度でトリガーフレーズが見られたが、書面での生成物はSCP-9100を媒介しない。
  • 特定されたフレーズは"社交的表現"であり、意味的な価値をほとんど伝達しないものの、特に見知らぬ相手や関係の薄い知り合いとの"世間話"において社会的結束を構築する役割を果たす。

[+1週間]

2018.4.24: O4評議会の緊急会議が実施されました。

  • 議論の主題は、フィンレイの除染への抵抗は財団における長い在職期間によるもので、精神的ストレスに非常に耐性があるのではないかという評議会の懸念に当てられました。
    • この資質は財団の上級職全員に共通しているため、フィンレイの除染が失敗し続けていることは、SCP-9100が上級管理職に致命的なリスクを呈していることを示します。
    • 評議会は、SCP-9100-Bの適切な除染方法を見つけることを最優先事項として要求しました。
  • SCP-9100-Bのステージ6及び7除染の要求はO4評議会により却下されました。
    • タルボット管理官は却下理由を説明する個人的なメモをO4評議会から受け取ったものの、事務上の誤りにより紛失したと主張してA12監査にこの文書を提出できませんでした。

[+2日]

2018.4.26: ナペーグステージ1~5における、財団のベテラン職員のための除染アプローチ候補に関する意見を集めるため、部門間の提案依頼書(RFP)が発行されました。

[+2ヶ月]

2018.6.25 – 音声メモ – マリッサ・ヴォー博士

ヴォー: 音声メモを試してみます。フィンレイさんが前に信奉してたので…… 音声メモの中で。考えるのに役立つと言ってました。

全部奇妙な話なんですが。

今日、彼の私物が長期保管庫に移されてたんですが、そこでパーソナルハードドライブ見かけて、頂戴しました。

それで今は私が持ってるわけです - 何十年の仕事の何千のメモを。中央データベースに保存しておくべきものではあるんですが…… 当然彼がそんなことすることもなく。全部整理して提出するには何年もかかりそうですし、それにまだ…… 一つも聴いてる時間ないので。

いっつも部屋に飛び込んできては、手を叩いて、大きく響き渡る声で「よし!」って言ったものです。決して笑顔を見せなかったくせに、彼は人を驚かせるのが大好きでした。

今私は彼の研究室に座ってるんですが、多分まだ、彼がドアをバタンと開けて手を叩いて、何をしろって言ってくるのを待ってるんだと思います。

別に死んではないですし、廊下のすぐ向こうの独房に座ってることは知ってるんですが、どうしてか悪くなるばかりです。

タルボットさんは超心理への異動オファーをまた提示してきました。イエスと言う2度目のチャンス。私はそんな馬鹿正直じゃありません - 私が目の上のたんこぶなんでしょう。でも私は-

[沈黙]

私が9100の扱いに一番適任です。

それに、もうすぐレヴェイユが始まります。フィンレイさんと私が数年間闘ってきたのは - 実際に現場に行って人を治療するためです。ナペーグを民間人に適用するのは楽しい話じゃないですが…… やるべきことをやります。

また現場に出られて嬉しいです。この研究室を出ないと。

[+1週間]

2018.7.2: SCP-9100-Bの除染の取り組みは、成功の見込みがないため中止されました。

  • プロジェクト・デイドリームはSCP-9100-Bの除染が成功するまで無期限に中断されます。デイドリームに割り当てられた予算は凍結されました。
  • 進行中のオペレーション・レヴェイユは資金不足のため中止されました。
2018.7.2 – 研究 – オペレーション・レヴェイユ

目的: 一般社会におけるSCP-9100の根絶。

手法: オペレーション・レヴェイユは、15,021名の既知または疑わしいSCP-9100-A全員を除染する試みである。

手順118-ナペーグの拡張可能な要素は現場での使用のため再利用された。アクセスの容易さと費用対効果を優先してターゲットリストが作成された。

主な結果: 資金が尽きるまでに、民間人156名の除染に成功した。

12名がナペーグに耐性を示し、SCP-9100-Bに限ったものでないことが判明した。

耐性を示した人物は全員、社会的繋がりのほとんどない孤立した生活を送り、様々な精神疾患を併発していた。除染手順の間、これらの対象は通常観察される"目覚め"と対照的に、徐々に反応が小さくなっていった。

耐性を示した人物は定期的な監視下に置かれたが、資金不足のため収容されなかった。

[+2週間]

2018.7.17 – インタビュー – SCP-9100-B

目的: 対象の経験を利用して最適な研究方針を特定する。

注: 以下、既知のトリガーフレーズは強調されている。

<抜粋開始>

[ヴォーはチャンバーに入り、驚いた様子で硬直する。SCP-9100-Bはベッドに横になり、除染時に負った負傷から回復中である。]

[SCP-9100-Bはヴォーに頷き、ベッドの上で身体を起こす。ヴォーは角の机から椅子を引き出し、壁にもたれかかって対象に向かうように座る。彼女はメモに書き込み始め、顔を上げることなく話す。]

ヴォー: 9100-B。あなたはまだ–

SCP-9100-B: [遮って] 研究責任者 – 昇進したんだな。

[ヴォーは動きを止め、それから称号の書かれたIDバッジに気付く。]

ヴォー: 9100-B、あなたはまだSCP-9100に汚染されていることを認識していますか?

SCP-9100-B: とっくに明白だよ、や。でもどうしようもない。遅かれ早かれこうなる運命だ。この仕事だと、引退するか、死ぬか、SCP呼ばわりされるか。まとめて全部来ることもある。仕方ないさ。

ヴォー: 除染手順が効果を発揮していないのは何故だと思いますか?

SCP-9100-B: まあ、試行が足りなかったわけじゃないな。だがどうして上手くいかないのかわからない。それはお前が解決してくれることじゃないか?

[ヴォーは返答せず、書き込み続ける。]

SCP-9100-B: 正直言うと、お前に陽性が出るんじゃないかと思ってた。そういうもんだ、って。けど改めて、いつもそのメモを見てるから。アイコンタクトのリスクはそんなにない。

[SCP-9100-Bはヴォーが書き込み続けるのを見ている。]

SCP-9100-B: 伝えておこう、感心した。誇りに思う、お前が…… プロフェッショナルでいてくれて。最初は、ちょっとふらふらしてたよな。人生ってそんなもんだろ?でも今のお前を見ると。成長した。

[ヴォーは書き込みを止めるが、顔を上げない。]

ヴォー: また異動のオファーをもらいました。超心理学へ。

SCP-9100-B: やっとその時期か。

ヴォー: わかってますよね、受け入れたら、当分…… ここに戻ってこないって。

[SCP-9100-Bは首を横に振る。]

SCP-9100-B: 立派なもんだよ。お前はそのためにずっと働いてきたんだ。必要とする人を助けに行ってこい。こんなゴミ溜めに留まる理由なんかない。

[1分間の沈黙が過ぎ、ヴォーは立ち上がる。]

ヴォー: ありがとうございました、9100-B。これで以上です。

SCP-9100-B: [頷く] もし俺が要るんなら…… 俺の居場所はわかるよな。

[SCP-9100-Bは再びベッドに横になる。ヴォーはチャンバーを出る。]

2018.7.17 – 音声メモ – マリッサ・ヴォー博士

ヴォー: すぐに自分をスキャンしました - 陰性でした。

汚染されていることを恐れていたのか、汚染されたらどうされるのかを恐れていたのか、わかりません。

アイコンタクトの回避は簡単でした。注意をずっと…… いえ。暗算を試してみましたが、ちょっとした気晴らしにしかなりませんでした。彼の音節を数えることにしました。

彼がトリガーフレーズを使う度に、殴られたように感じました。まるで、波の下に私を引きずり込もうとしているかのように、感じました。辛うじて抜け出せました。

どうして私はこんなリスクを冒したんでしょうか? そもそも何でまだここにいるんでしょうか?

彼の言葉は正しかった。この件に執着して、はっきり考えられなくなって。

最初ここに来たとき、私は興奮してました。お母さんとお父さんに起きたことの後で、財団がスーパーヒーローのように思ってました。私もその一員になりたかった、悪夢にさっと舞い降りて人を助けたかった。

もう一度、その時の感覚を抱きたい。

[+3日]

2018.7.20: ヴォーはサイト-20への異動を受け入れ、超心理学部門に主任研究員として加入することとなりました。

  • 続く7年間、SCP-9100に進展はありませんでした。
  • この期間中、ヴォーは月に一度手紙を交換し、SCP-9100-Bとの書面による交流を継続しました。
    • これらの71通の手紙(付録Aにまとめられており、要求に応じて利用可能)の内容は、様々な無関係なプロジェクトに関するものでした。
    • ヴォーはこの交流の目的として、SCP-9100-Bが依然と有している数十年の研究経験に触れ、活用することと述べました。

[+7年]

2025.11.26 – 音声メモ – マリッサ・ヴォー博士

ヴォー: 唐突な話です。タルボットさんはサプライズが大好きなようで。

この件について考えるのは久しぶりです。もう答えが出ないものと受け入れたと思ってました。

メモを振り返ると、この7年間がどこに行ってしまったのかわからなくなります。ここは忙しくて、ある種のルーティーンにはまっていました。彼の手紙は時計のようなものでした - 揺るぎ無く、頼りにできるもの。忘れてしまうもの。

こう言ってどう思われるかはわかっていますが…… 私のオフィスにはEMPSGカメラがあって、毎週その前に立っています。陰性です。毎回陰性です。

それでも、このメモは私の目を覚ましました。忘れて仕事に戻ろうとしても、できない。サイト-20の全部が…… 無関係に感じる。

もし9100-Bを返して、記憶処理すれば、彼はいなくなって、私は - 私たちは、何十年の知識と経験を失うことになります。

言うまでもなく、これは今まで見た中で治療に抵抗を示す感染の最高のケースです。彼がこの問題を解く鍵です。

行動しないと。タルボットさんの考えで動かないと。フィンレイさんが絶対にできなかったことを…… しなかったことを、するんです。

[+1日]

[+4日]

2025.12.1: ヴォーは上級研究員としてサイト-86に再加入しました。

  • タルボットはサイト-86にSCP-9100研究資金を再割り当てしました。SCP-9100-Bと2名のSCP-9100-Aが研究のため留め置かれます。

[+3日]

2025.12.4: タルボット管理官は、デイドリームへの関心を新たにすることを目的として、O5-920とその随行セキュリティ、管理スタッフとO4評議会員数名を同行させた、サイト-86の視察をヴォーが案内するよう手配しました。

  • ヴォーは、この視察中にSCP-9100-Bと2名の-Aのパフォーマンスを徹底的に再試験し、異常の一貫性を実証して潜在的な有用性を強調しました。
2025.12.4 – 実験 – 行動試験

手法: 行動・パフォーマンス指標の定期的な再試験。O5-9と随行員が観察。

主な結果: 3名全員のパフォーマンスは、6ヶ月前の前回試験と比較して平均18%向上した。これは9年間で最初のスコアの顕著な変化である。パフォーマンスは依然として異常に一貫しているが、より高次の基準である。


改訂版目的: 上級管理職の存在が前回試験に影響を与えたか判断する。

手法: 対象は翌日、上級管理職の不在下で試験された。

主な結果: パフォーマンススコアは以前の基準に戻った。


改訂版仮説: 対象のパフォーマンスは、世界平均ではなく周囲の平均と一致する。サイト-86に優秀な職員を入れた場合、周囲の平均は測定可能なほど顕著に向上する。したがって、SCP-9100と感染していない人間の精神との間には何らかの関係が存在する。

[+1週間]

2025.12.11 – 実験 – 新たなフレーズ

目的: SCP-9100-A間で異常な手段(例: テレパシー)で情報が伝達されるか判断する。

手法: 収容された対象は1週間隔離され、その間サイト-86の職員は可能な限り頻繁に「カンガルーは踊れない」というフレーズを使うよう指示された。21

SCP-9100-BとSCP-9100-A34は共にチャンバーに入れられ、自由に会話することを許可された。

主な結果: 両対象は会話中、「カンガルーは踊れない」というフレーズを使用した。SCP-9100-A34は同情の表現として使用したが、SCP-9100-Bは驚きの声として使用した。両者ともこの矛盾には気付かなかった。

裏付けられました。対象の発言はパフォーマンスと同様、周囲の人々の影響を受けています。彼らはテレパシーで繋がっています。

テレパシーには高いメンセムスコア - 極めて高い意識レベル - が必要です。しかしSCP-9100-Aのスコアは極端に低い。どうやっているのでしょう?

余談ですが、SCP-9100-Bの感染前後の発言パターンを分析したところ、スコットランド語の使用が大きく減っていることに気付きました。この説を裏付けています。何故気付かなったんでしょう?

[+1日]

[+3日]

[+4日]

2025.12.19 – 音声メモ – マリッサ・ヴォー博士

ヴォー: 疑っていた通り、スキャンは一致しました。

これでやっと幽霊説は消えました。人間の霊的痕跡が意識に重なり合っていたのです - これまで見ていたものは、活性化したテレパシーのリンクでした。

仮説があります。

低メンセムテレパシーの事例がないかアーカイブを掘り下げていたところ、イギリスの事例が一つ見つかりました。昏睡の患者で、瀕死でしたが、その夢は風向計のように世界全体の意識を反映していました。誰かがそれを使って株式市場の予測をしていたんです。

テレパシーは、他人の脳内で何が起きているか検知するために、強い意識を必要とします。ですがそれは、自分自身の意識が騒々しいからです。真昼間に天文学をするようなものです。

しかし自分の意識が薄くなれば…… 容易に他人を検知したり、影響を受けるようになります。

対象は取り憑かれているのではありません。テレパシーでリンクされているのです…… 誰かと。誰?

[+6日]

2025.12.25 – 音声メモ – マリッサ・ヴォー博士

ヴォー: ログを調べましたが、サラ=アンがサイト-86を訪れた記録も、テレパシー能力者の関与したデイドリーム実験の記録もありませんでした。それに、あったなら覚えているはずです。

[沈黙]

待った。フィンレイさんなら音声メモで全部残してるはずです。

[1時間後に記録が再開する]

1時間かかりましたが、見つけました。フィンレイさんによると、タルボットさんが訪問を主導して、その後でフィンレイさんがファイルを消したそうです。

[30分後に記録が再開する]

フィンレイさんはファイルをちゃんと消してませんでした。長期バックアップアレイにありました。

2017.1.7 (8年前) – 実験 – テレパシー分析

目的: SCP-9100の情報セキュリティリスクを評価する。

<抜粋開始>

タルボット: サラ=アン、来てくれて感謝する。ファイルは読んだか?

マンダリー: そこに何があるのか…… 何がSCP-9100の原因か教えてほしいとのことですよね。

タルボット: できるなら。最低でも、特に上級職員が汚染されたときに、情報セキュリティに危険がないか知る必要がある。9100が何かの監視システムということはあるか?

フィンレイ: ここに読み取ってほしい対象がいる。A-25、こちらはサラ=アンです。ここに来たのは…… まあ、彼女の好きにさせておけばすぐ房に戻れます。

[沈黙]

タルボット: どれくらいかかる?

マンダリー: もうやってます。聞こえてきます、A-25が、しかしかすかで、遠く離れてる。毛布の下。雑音、海、かなり強くて…… これは…… おかしくなりそうです。

タルボット: 雑音? どういう雑音だ? 誰かが聴いてるのか?

マンダリー: いえ、いえ。いつもあるノイズです。あらゆる人が、あらゆる場所で、同時に思考する音。集合意識。海だけど、静かで、背景のハム音のよう。とっくに慣れてます。しかしこれは、彼女の中は…… とてもうるさい。

フィンレイ: どういう種類の幽霊がいるかわかるか?

タルボット: フィンレイ、質問は一度に一つだ。

[沈黙]

マンダリー: これもそうです。彼の音がほとんど聞こえません、雑音が…… 耳をつんざくようで。どういうわけか、近付いてます。動きを感じられます。激流のような。

タルボット: フィンレイについては心配するな。在胎期間が切れるまでまだ遠い。

マンダリー: [ささやき] いえ、そうじゃ- 私にはこれは…… 待って-

[カサカサという音]

タルボット: 落ち着け、大丈夫だ。ほら、座って。水を持ってくる。フィンレイ、A-25をここから出してマンダリーさんに水を持ってきてくれ。

[沈黙]

マンダリー: [落ち着いて] 他に何か手伝えることは?

タルボット: 君の見た限りでは、誰かがこの実体を使って我々を監視しているという可能性はありそうか?

マンダリー: 微妙です。彼らの注意が向いてるのは…… 人じゃないです。一人の人じゃない、ってことです。一人一人全部の人。でもはっきりとは言いにくい。時にはこういうこともあります。勝つことも負けることも。

[沈黙]

タルボット: あぁ、それはまた大した- 今日はこれで以上だ、サラ=アン、ここを出よう。フィンレイ、記録を削除しておくように。わかったか?

フィンレイ: や、ちゃんとやっとくよ。

2025.12.25 – 音声メモ – マリッサ・ヴォー博士

ヴォー: 驚くべきではないのですが、驚いてしまいました。いろいろあってもなお、タルボットさんは見当違いの方向ではありますが、助けてくれようとしてるものだと信じてました。

ですがこれは……

彼はフィンレイさんが感染していることを、何ヶ月も前から知ってて…… それを覆い隠したんです。プロジェクトを守るためにチーム全体を危険にさらした。この情報が研究にどれだけ役立つかを無視して。何年も無駄にした。

そしてフィンレイさんは…… 誘導尋問をした? そんなミスを犯す人じゃありません。馬鹿なことやってる話を聞いても…… まあ、プロフェッショナル的じゃないなとは思いますが。

少なくとも、ファイルをちゃんと削除できるほど有能ではありませんでした。

サラ=アンに対してちょっと予感が - 後で追跡調査しましょう。

他に何が隠蔽されたのか知る必要があります。もう時間がない。

2025.12.25 – インタビュー – SCP-9100-B

目的: 現在の研究目的に関連する対象の事前知識を評価する。

<抜粋開始>

[ヴォーが入室すると、SCP-9100-Bはベッドの上で身体を起こして座っている。]

SCP-9100-B: 戻ってきたな。

[ヴォーは扉の側に立ち、メモを取りながらSCP-9100-Bに話しかける。]

ヴォー: 9100-B。タルボットさんの命令であなたが削除したファイルを見つけました。2017年1月のサラ=アン・マンダリーの訪問です。もうあと数日しか残ってなくて、あなたの…… 情報が要ります。

SCP-9100-B: マリッサ・ヴォーはまだ俺のアドバイスが要るのか? ま、カンガルーは踊れないな。

[ヴォーは手を伸ばして壁にもたれかかる。しばらくして、彼女は直立して続きを言う。]

ヴォー: 彼女から他に何が得られたのか知る必要があります。SCP-9100が集合意識と繋がってることは知ってます。他に気付きはありましたか?

SCP-9100-B: 最近興奮してることはこれで説明がつくだろう。テストチャンバーに戻ってバディのA34とまた肩を並べれたのは嬉しかったよ。あの実験は何を測ってたんだろな? どれくらいの期間-

ヴォー: [遮って] 質問に答えてください、9100。

[SCP-9100-Bは遮られたことに驚いた様子で背筋を伸ばす。]

SCP-9100-B: わかったわかった。お前にも理由があるんだな。覚えてるよ、テレパシー使いの - いい女性だった。あぁ、だいぶ前だな。彼女が来た後、タルボットはこれをやめにして次行こうって言ったんだ。あいつにも…… あいつなりの…… 理由があるんだろうと思った。波風を立てたくなかった。

[ヴォーはしばらく静かに立ち尽くし、それからため息をつく。]

ヴォー: 今回は以上です。ありがとうございました。

SCP-9100-B: 勝つこともあるし、負けることもある。

[ヴォーはチャンバーを出る。]

<抜粋終了>

[+1日]

[+5分]

2025.12.26 – 音声メモ – マリッサ・ヴォー博士

ヴォー: 終わりだ。フィンレイさんのためにもナペーグが上手くいくことを願いますが、どうせ無理なんでしょう。

[扉が開く音。]

チームにファイルをまとめてもらって、保管の準備をします。

[足音。]

このプロジェクトには膨大なファイルがあります。中には何年も見てないのも。

[箱が動かされる音。]

これは一番最初の箱、飛行機事故直後の。

[紙をめくる音。]

戻ってきましたね。これ知ってます。

2014.5.2 (11年前) – インタビュー28/28 – サマンサ・モリス (PoI-28)

進行: フィンレイ博士、ヴォー博士

対象: サマンサ・モリス (80歳)

<抜粋開始>

モリス: ここは年寄り臭い。それにみんな意地悪。

ヴォー: ここで目を覚ます前、最後に覚えていることを教えていただけますか?

モリス: パパと一緒に居間にいた。パパは天気の話をしてた。ここは好きじゃない。

ヴォー: その後、ここで目覚める前に - 起きた出来事を思い出してもらえますか? お子さん、ジョンくんとテレンスくんについてとか、お孫さんについて覚えていることはありますか?

モリス: だから、ここは好きじゃないんだって。家に帰りたい。みんな私のことを"奥様"って呼ぶの、嫌だ。この鏡嫌い。ママはどこ? 何でおばあちゃんみたいになってるの?

ヴォー: わ - ありがとうございました、こ - それは…… 今回はこれで大丈夫だと思います、失礼します。

<記録終了>

2025.12.26 – 音声メモ – マリッサ・ヴォー博士

ヴォー: 変だな…… このインタビュー覚えてる。終わったときのこと覚えてる。

その日、その週のインタビュー全部、終わりない苦しみと…… 孤独の話が、私の中で何かを積もらせていって。そんな積もってるなんてわかってなかった - なんとかやれてると思ってた - 突然あふれ出してくるまでは。

トイレに走った。笑顔を続けて、仮面を貼り付けて、ダムが決壊しないように我慢して。個室に着いたら、鍵もかけずに、地面に崩れ落ちて、泣いて、吐きそうになって。手も震えて、全身が - もう二度と元には戻れない気がした。

外に出たら、フィンレイさんがいた。

彼は…… ハグしたりはしなかったし、肩を叩いたり、そう言ったこともしなかった。ただ…… そこにいた。岩のように。しがみついていられる何かみたいに。彼がそこにいてくれる限り、溺れることはないってわかった。

彼は私を立たせて、カウンセリングに送りました。行かせました。

財団のカウンセリングはセラピーとは全く違います。向こうはなんとかして…… 私の心を強くしようとしました。私を - 大丈夫に - 何を見ても大丈夫なように、仕事に戻れるように。

フィンレイさんみたいに。彼みたいになりたかった。あんなに落ち込んでいれば、普通何をしてでも逃げ出したくなります。それを完全に閉じ込めたい、閉じこもりたいって。

だから彼の言葉をよく聴きました。生き残る道を見つけるために。彼らの顔を見なくていいように、メモを取ることを、あるいはメモを取る振りをすることを、学びました。

きっと効果があったんでしょう。何年も経ってからこの記録を観ていると…… とても遠く感じる。これが自分かどうかさえ怪しい。

でもあの少女は、トイレの床で泣いてた、人を助けるためなら何でもする - 何でも差し出す - 覚悟だったあの少女は…… 今もここにいます。人生で一番誇りに思えることは、彼女のおかげで達成できたんです。

自分の中のその部分を失いたくない。何故私は、失った方がいいなどと納得してしまったんでしょう。

そして、フィンレイさんは他にどうしてしまったんでしょう。

2025.12.26 – 研究 – SCP-9100ケースファイルのメタ分析

目的: 実験アプローチのギャップを特定する。"古いデータも、新しい目で見れば新しい物語がある"。

手法: SCP-9100ケースファイルとスチュアート・フィンレイの個人メモを調査する。サイト管理官の恣意的な時間制限を抑制するため、保管庫の扉をバリケードで塞ぐ。

主な結果:

フィンレイ: […] 俺はあることを生き延びた…… 多分生き延びるはずなかったやつを。[…] 自分に言い聞かせた。「俺はここにはいない、こんなこと起こってやしん」、わかるだろ。[…]

除染手順中、これらの対象は、通常観察される"目覚め"と対照的に、時間と共に反応が小さくなった。

フィンレイさんと他の人とで対処メカニズムが解離していることは間違いありません。ですがどうやったら彼に手が届くんでしょう?

現在まで、8名のスタッフにより提供された150以上の手法が承認されています […]

サイト-86は、除染アプローチ候補に関する意見を集めるため、部門間の提案依頼書(RFP)を発行しました […]

私たちは彼をより強く傷つけられる方法を探し続けました。どれ一つ上手くいきませんでした。

…全員の安全を守るプロトコルや手順を揺るぎなく遵守する財団を想像してみてほしい。[…] ヒューマンエラーという弱点から解放された新たな時代 - 新たな財団の… […]

我々はいつどのようにして、その疑問を自らに抱けるのでしょうか。そもそも、その答えに興味を持っているのでしょうか。

もちろんデイドリームは上層部に好評でした。人間性は混沌とした変数です。

特定されたフレーズは"社交的表現"であり、意味的な価値をほとんど伝達しないものの […] 社会的結束を構築する役割を果たす…

これは手を差し伸べている。何かのつながりを築こうとしている。

マンダリー: 集合意識。海だけど […] 動きを感じられます。激流のような。

対象が集合意識に溺れているなら、彼らは他人を引き込もうとしているのではないのかもしれません。引き出してもらおうと手を伸ばしているのかも……

この娘はとんだビックリもんだよ。

待って、これはいつの?

ヴォーは質がいい。[…] それによく話を聞く。[…] アドバイスを求めてきて、いつかみたいになりたいなんて言うんだ。何言ってんだか。

こんな風に喋るのは聞いたことがありません。

つまり- ヴォーが俺たち老害と一緒にこんなゴミ溜めに閉じ込められてるのは本人のせいじゃないってことだ。でも俺はあいつの- 俺じゃなれやしん……

感情に流されたら何も解決できない。

そんな品質証明してる時間はない。

一つ考えがあります。

これなら、財団が全く試みようともしなかったことに筋が通ります。

– ヴォー

[+1時間]

2025.12.26: サイト-86のインターコムを通して、タルボット管理官はヴォーに、彼のオフィスに直接報告に来るよう命令しました。

  • 10分後、タルボットはヴォーの研究室と文書保管室を捜索するよう警備員に指示しましたが、ヴォーは発見できませんでした。

[+20分]

2025.12.26 – 実験 – 除染

目的: SCP-9100-Bを除染する。

手法: 上手くいくかいかないかはどうでもいい。

[ヴォーは急いで収容チャンバーに入り、扉を閉じる。閉じた扉に向かってしばらく立ち尽くし、落ち着かせようとドア枠に手を当てる。]

[SCP-9100-Bはベッドに座って向かいの壁を見つめており、ヴォーの入室には気付かない。]

[ヴォーは白衣のポケットからメモ帳を取り出し、テーブルの上に投げる。彼女は両手を叩く。]

ヴォー: [大声で] よし!

[手を叩く音がチャンバーに響き渡る。フィンレイは反応しない。]

ヴォー: お話ししますよ、フィンレイさん。

SCP-9100-B: あぁ、そういうもんだ。

[ヴォーは床を見つめながら行ったり来たりし出す。フィンレイは動かない。]

ヴォー: あなたが…… いろいろなことについて間違ってたことに気付きました。

[ヴォーは歩みを止めて返答を待つが、SCP-9100-Bは反応しない。ヴォーは指で秒数を数えている。]

ヴォー: 私は7年サイト-20にいます。向こうではずっと"ちびラスプーチン"の話がされてます。あなたも向こうでは偉人扱いですよ。しかし、昼食時の何気ない一言が心に残りました。「フィンレイとタルボット、あの人たちって殺し合いたいのか馬鹿やりたいのかどっちなんだろう?」って。

SCP-9100-B: ま、男ってのはしょうがないもんだよ。

ヴォー: バカな一言だとは思いますよ。子供っぽい。でも引っかかりました。

[ヴォーは再び歩き始める。]

ヴォー: さっきファイルを掘り返してたら、いくつか目に付くものがありました。

[沈黙。ヴォーは両手で時間を数えながら、歩き続ける。]

ヴォー: あなたがSCP-9100の伝染手順を"ドーバー"と名付けたのは、タルボットさんを挑発したかったからです。書面で反対意見を提出することもできたのに、公聴会でデイドリームを止めるよう言いました。あなたはプロフェッショナルなふりをしていますが、彼と同じくらい子供っぽいライバル関係を楽しんでいます。

SCP-9100-B: 何もできない。それが現実だ。

ヴォー: そこで、タルボットさんの可決した動議を見つけました。SCP-9100を主要異常ユニットに送らず、ここサイト-86に留めるというものでした。ここだと、非常に少ないリソースで、資金で大きなことを解決するのに苦労しました。サイト-86の予算が少ないのは、ここが軽微異常ユニットだからです。このようなものを本来扱う場所じゃありません。タルボットさんは、個人的な計略のためにこのサイトを別物に変えようとしていたんです。

ですがフィンレイさん…… あなたもその動議に署名しましたね。

[沈黙]

SCP-9100-B: 人生はそういう–

ヴォー: [遮って] ここに留めておいたのは、あなたがそれの仕事を続けられるようにするためでした。前に言ってましたよね。「この仕事がちゃんと片付くようにする」って。しかし多分あなたは、タルボットさんと同じように抜け道が欲しかったんでしょう。あなたのキャリアを救う大仕事。ずっと望んでたSCODAを手に入れるチャンス。

あなたたち二人とも、子供っぽいパターンに囚われていると気付きました。お二人とも成長は見られませんね。

[沈黙。SCP-9100-Bはまだ壁を見つめている。]

ヴォー: どうです?

SCP-9100-B: たくさんのつびが…… 玉を…… 作るMany a mickle makes a muckle22

ヴォー: トリガーフレーズですか、フィンレイさん?

[ヴォーは初めてSCP-9100-Bの方を向く。彼女は接近し、彼を調べる。]

ヴォー: うわっ、一体何されたんですか?

[ヴォーはデスクから椅子を引いて、SCP-9100-Bの正面に座り、自分の膝を見下ろす。SCP-9100-Bは反応しない。]

ヴォー: [静かに] ほら、何回も言ってたじゃないですか、何が起きても、「個人的なことにするな」って。

理由はわかります - 財団は冷たい場所です。私たちの感情など知りもしない…… 知りたくないんです。ここで働くために全てを差し出します。家族、友人。超然とした人がいっぱいで、とても…… プロフェッショナルで…… あなたを拷問する方法を百でも千でも思いつくでしょうが、それでも - 真にどうやってあなたに手を差し伸べればいいのか、文字通り想像もできないんです。

あなたがここで30年生きてこれたのは、切り離すことを学んだからです。自分の身体がどうなったかなど気にしなかった。しかしあなたが本当に恐れていたものは誰の目にも明らかで - あまりにはっきりしてました。荒々しい声、無礼さ、それから…… しつこいくらいの悪態の裏に、それはありました。

[ヴォーはSCP-9100-Bの手を取り、それを見下ろす。]

ヴォー: 最初の異動を断ったのは、その時やっていた仕事のせいじゃありません。あなたを盲目化から助けたのは学術的興味からじゃありません。手紙を7年も書いたのは情報が必要だったからじゃありません - アドバイスはほとんど使ってません。

私が出ていったのは、それは…… ずっとあなたが、自分に借りはないって、すぐ忘れてしまうって、私たちはただの…… 同僚だって言ったから、その言葉を信じたから。

あなたは間違ってました

私はあなたの友達です、フィンレイさん、そうじゃない振りをするのは疲れたんです。私を元気づけてくれました。恐ろしい状況でも、仕事を楽しくさせてくれました。研究室で一緒にいれば、自分を疑ったり…… この人生で何をやってるのかって、疑問に思わずにいられたんです。

今の私の半分はあなたのおかげです。いつまでも友達です。あなたがバカになったとしても。私を失望させるようなことがあっても。

「品質証明」は弱点じゃありません、フィンレイさん。生き残る術なんです。

[ヴォーはSCP-9100-Bの手を離し、自分の手を彼の肩に当て、彼の胸を見つめてアイコンタクトを避ける。]

ヴォー: あなたがまだそこにいることはわかってます。怖いことはわかってます。だから、これを離さないでください。私を離さないで。

[ヴォーはSCP-9100-Bに目を合わせる。2人とも動きも、瞬きもしない。]

[互いにアイコンタクトを破らないまま12秒が経つ。]

[フィンレイが先に瞬きする。]

[フィンレイは部屋を見回し、それから自分の着ている収容服を見る。ヴォーは肩から手を離して椅子にもたれかかり、激しく息をする。彼女は目をこする。]

フィンレイ: どれくらい経った?

[ヴォーはため息をつき、微笑む。]

ヴォー: 9年。

[フィンレイは自分の髪に手を滑らせる。]

フィンレイ: マジか。お前、年取ったな。

ヴォー: そっちこそ…… 酷い見た目に。

[フィンレイはヴォーの首からぶら下がっているIDバッジを指さす。]

フィンレイ: 上級研究員……

[フィンレイはIDバッジを手に取る。]

フィンレイ: サイト-86? 何でまだここに、ヴォー……?

[ヴォーはIDバッジを白衣の中に押し込む。]

ヴォー:「トラブル起こして、いつも通り。」終わらせなきゃいけない案件があった、それだけです。

[ヴォーは立ち上がり、部屋をゆっくり歩き回り始める。フィンレイは座り続ける。]

フィンレイ: それで…… 俺は何を見逃した?

ヴォー: 良い振る舞いで表彰されましたよ。タルボットさんから。

フィンレイ: なんだそりゃ、安楽死させてくれた方がマシだったな。

[数秒間、両者とも話さない。]

ヴォー: 目を覚ます前、私の言ったこと、何か聞きました?

フィンレイ: 俺は…… 対象にトリガーワードテストをしてた。あの可哀想なやつを黙らせられなくて…… 次の瞬間にはここにいた、お前と。だから、いや、何言ってたか知らんが、聞いてないと思う。

ただ…… わからんが、何かはあった。みんな言ってたように - 夢みたいに感じた。大切な何か。多分聞いてはないけど…… 感じてたのかもな。

[ヴォーは突然部屋の反対へと歩き、フィンレイを抱きしめる。フィンレイは目を見開いて動きを止め、しばらくしてから抱擁を返す。]

フィンレイ: 大丈夫ですよ、博士。もう全部大丈夫–

[フィンレイは離してほしそうに、ヴォーの背中を軽く叩く。ヴォーはゆっくりとそれに従い、もう一度椅子に座る。]

フィンレイ: それじゃあ、解決できたのか? 9100を、全部わかったのか?

ヴォー: えっと…… もう少し。仕上げがまだたくさん。あなたの助けが要ります - あなたに接続が、まだあるんでしたら。

[ヴォーは立ち上がり、記録制御装置に向かう。]

フィンレイ: つまり、あの老いぼれどもがまだ誰か生きてるかってことか。

<記録終了>

2025.12.26: 超スペクトロスコープイメージングにより、ヴォーとフィンレイの双方でSCP-9100感染の陰性が確認されました。

  • 除染後、フィンレイは包括的財団カウンセリングを提供され、それを受け入れました。
  • ヴォーは手順9100-ナペーグのプロトコルを、「繋がりに基づく誘導的回復」を優先して、トラウマの誘発を第二選択治療としてのみ行うよう改訂しました。

[+2週間]

2026.1.13: O4評議会は、ヴォーの新規の除染方法が研究されるまで、プロジェクト・デイドリームの再開を却下しました。その結果、タルボット管理官はフィンレイとヴォーに、SCP-9100の効果メカニズムを適切に解析するための外部支援を求めることを許可しました。

[+2日]

[+2ヶ月]

2026.3.17 – 音声メモ – マリッサ・ヴォー博士

ヴォー: 苛立たしいことではありますが、フィンレイさんがSCP-9100を他のチームに渡したくなかった理由は理解できます。財団は秘密主義です。プロジェクトを引き渡してしまったら、解決しようがしまいが、答えが二度とわからなくなるかもしれません。好奇心旺盛の精神にとって、それは恐ろしい可能性です。

私のしていたこともフィンレイさんやタルボットさんと同じです。それにしがみつき、ヒーローになろうとした。

でも結局、主役は私たちではありません。大事なのは、助けを必要としている人の方です。

そして今日、ヴェリチェティのチームがやり遂げました。遂に全体像が判明しました。

所見を注記してみます。


2026.3.17 – 研究 – SCP-9100

SCP-9100は影響を受けた対象(SCP-9100-Aに指定)の意識を世界的なメタ認知的集合("精神圏")に組み込ませる、侵食性の思考パターンです。

伝染性のパターン。思考のプリオン病のような。

[…] 意識は身体機能に不可欠ではありませんが、脳の性質に対しては根幹を担います。意識の欠落した健康な脳は、理由は現在不明ながら、絶えず脳の初期化を試みます。[…]

意識は生物学的な目的を果たしませんが、それでも脳は絶えずそれを再起動しようとし続けます。

dendrite.bmp
dendriteanimation.gif
SCP-9100の伝播パターンの可視化。

[…] SCP-9100に感染すると、対象は意識を即座に喪失します。しかし、時間と共に、対象の意識は徐々に集合意識へと深く沈んでいきます。この深度は、ヴェリチェティ=トーランス包摂深度スケール (vt) で測定できます […]

一度落ちると、彼らは集合意識へと深く深く沈み続けます。流砂のように。

[…] 対象の個性が集合へ深く取り込まれるにつれて - プロセスには数年かかります - 脳が意識を取り戻そうとすることによる反射行動が観察されるようになります […] この反射は発話やアイコンタクトの試みとして表れ、哺乳類の潜水反応、睡眠時のジャーキング、死体痙攣のような、その他の自動的行動になぞらえることができます。[…]

ある程度深く沈むと、対象は反射的に助けを求め始めます。

[…] 臨界的包摂深度(対象によって異なるが、0.12~0.20 vtの範囲で観察される)では、これらの反射運動は念動的性質を獲得し、自身を解放することを目的として、最も近傍の意識のある人物(受容者)を一方的な救助の試みに巻き込みます […]

溺れている人が他人の手を掴むように。彼らは自分を引き上げるため、一番近い心を掴むんです……

[…] 緩和要因がなければ、この救助の試みは必ず失敗し、受容者の思考パターンは包摂に必要な臨界点に引き込まれます。[…]

……しかしそれは、もう一人を自分のもとに引きずり込むだけ。

[…] 救助の試みが失敗しても、結果として生じる共拮抗的念動引力により包摂深度が減少し、5~7年間、一時的に反射が抑制されます。(このプロセスはかつて"在胎期間"と呼称されていましたが、これはSCP-9100の機能に対する間違った理解に基づく誤った命名です。)[…]

少しだけ引き出しはしますが、自由になるには足りません。

[…] SCP-9100の伝播を引き起こす反射は、機能する脳に先天的な性質です。生命機能の停止に付随する形以外での抑制はできません。[…]

言い換えれば、対象を殺さずにSCP-9100の拡散を止めることはできません。

[…] 特例的研究により、需要者の意識が充分な単一指向性を持ち、念動的強化として機能する対人的結びつきがある場合、救助の試みが成功することが実証されています。このような場合、両方の対象からSCP-9100の影響が除去されます。

充分に頑張って、心から気にかければ、彼らを引き上げることは可能です。
– ヴォー

2026.3.19: タルボット管理官はSCP-9100のステータスを解明済-終了に変更しました。

[+1ヶ月]

2026.4.23: ヴェリチェティのチームは、改訂されたナペーグ手法を用いて除染活動を主導し、一般大衆からのSCP-9100の根絶に成功しました。

  • ヴェリチェティのチームは、認知科学に飛躍的な成果を上げたため、卓越した献身と功績に対する特別表彰 (SCODA) を授与されました。

[+4日]

2026.4.27: O4評議会はプロジェクト・デイドリームの再開を承認しました。新たな研究の焦点は、意図しない伝播の問題に対する解決策を発見することです。

[+3ヶ月]

2026.7.30 – 音声メモ – マリッサ・ヴォー博士

ヴォー: フィンレイさんは、ようやく退職しました。彼はやり遂げました - ここでは無事に退職できる人はそう多くありません。

キャリアをかけて解決しようとしてきたことが、終わってしまったなんて信じられません。目覚めた人を助けることはできませんでしたが、少なくともまだ眠っていた人を目覚めさせることはできました。

タルボットさんはデイドリームが再び動き出したことを喜んでいますが、ヴェリチェティの結論は固いです - 伝播を防ぐ安全な方法はない。それでも、タルボットさんは永遠に挑み続けるでしょう。自分のパターンに囚われて。私たちみんな同じ。

ようやく時間ができたので、前に気付いた糸口を拾い上げてみることにしました。そしたら、疑念は確信に変わりました。ですから、これをどうしたものか決めねばなりません。

正式な手続きを取れば、タルボットさんはまた闇に葬ってしまうでしょう。しかしサイト-25のバカルーバさんはまだ私に恩義があるはずです。

見ててください、フィンレイさん - 今なら、私だって人脈ってものがありますよ。

この仕事では、やりたいことと正しいことのどちらをするか選ばねばならないことがよくあります。しかし今回は、どちらも同じです。

私にどれだけの代償が降りかかってくるかはわかってますが、気にしません。言われたことをやるだけです。

私のフィンレイさんとの違いは、自分に嘘をつく必要がないってことです - 滅茶苦茶個人的ですね。

[+1日]

2026.7.31: バカルーバはサイト-25指導部に、彼が匿名を主張する情報源から書類を受け取ったと警告しました。

  • 書類には、サラ=アン・マンダリーのサイト-86への訪問の音声記録が添付されていました。
  • また、サイト-49のパフォーマンス指標の包括的分析も含まれており、これらの指標はマンダリーがサイト-86の訪問から帰還した直後に低下し始め、それ以降平均レベル付近で横ばい状態を維持していることが示されていました。
  • サイト-25指導部は直ちに緊急回復作業を開始しました。

[+4日]

2026.8.4: PSGスクリーニングにより、サイト-49のスタッフ848名全員がSCP-9100に感染していたことが判明しました。直ちに除染が開始され、3週間後に無事に完了しました。

[+2週間]

2026.8.21: 世界中の全財団職員を検査するため、オペレーション・クリーンスイープが着手されました。

  • この取り組みにより、2,871件の追加事例が確認され、約8億9千万ドルの費用が掛かりました。
  • SCP-9100が財団内部に急速に拡散したのはサラ=アン・マンダリーの動きによるものであり、彼女のテレパシー能力がその影響を付近の職員に効果的に伝達していました。
  • 2,871名の感染した職員によるパフォーマンス標準の世界的な低下により、少なくとも18件の収容違反が発生し、138名の死と19億ドルの損失に繋がりました。

[+1ヶ月]

2026.9.23: SCP-9100危機への対応として、O5評議会は包括的なA12監査で、SCP-9100、プロジェクト・デイドリーム、運営慣行の事例の評価を行うよう命じました。

  • A12監査は現在進行中です。

[+4日]

2026.9.27 – 覚書 – 人事

サイト-86管理官タルボットの推薦と、長年の勤勉な奉仕に鑑み、マリッサ・ヴォーはネブラスカ州のアーカイブ部門前哨基地に再配属となりました。


ありがとうございました、監査人様。

改めて、委員会はA12公聴会の24時間前までに勧告書を提出するよう要求しています。

ログアウトしています……




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