アイテム番号: SCP-912
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-912は研究ユニット██の標準収容セルに保管すること。セルの扉は対損傷レーティング3A以上でなければなりません。SCP-912に直接物理的に接触することは危険な反応を引き起こす恐れがありますので、認可された試験手順の一環でない限り避けるべきです。
SCP-912に関与する全ての研究者はブリーフィングSCP-912-002A (“SCP-912の安全な取り扱い方”)とSCP-912-002B (“SCP-912による「逮捕」行動への対処法”)を受けなければなりません。SCP-912による「逮捕」が発生した場合、研究者は抵抗は最低限にとどめ、██市警の制服を着用した同僚による救助を待ってください。
火器もしくは近距離射撃演習場の使用を伴う実験を行う場合、予定ルート上の障害の排除とスケジュールの衝突回避のために少なくとも24時間前にDr ███████からの許可を得る必要があります。
説明: SCP-912は警察支給のボディアーマー、衣服、装備品によって構成され、集合して独自に移動・行動する能力を持った単一の実体を形成します。この能力を獲得する方法やそれに至った手段はまだ特定されていません。SCP-912を構成する各要素は20██/██(大体の取得日)現在に██市警のSWATが着用している標準仕様品に一致します。制服部分はあたかも身長185cm(6フィート1インチ)の男性もしくは女性が着用しているかのように宙に浮きますが、そのような着用者の存在は検知されません。SCP-912はコミュニケーションをとろうとする試みに対して直接反応することはありませんが、██市警の警官の制服を着用した人物が英語で出す簡単な命令に従います。
SCP-912は以下によって構成されています:
- ダークグレイの██市警防弾ヘルメット、顔面保護用透明バイザー付き1つ。
- 不明な製造者による黒のノーメックス®繊維製戦闘用バラクラバ帽1つ。
- ███████アーマー社製の██市警用████████タクティカルボディアーマー1セット。SWATのインシグニアが前後に印刷されている。
- 弾薬/手榴弾/その他保管用ポーチ複数を含む。(SCP-912は検査に抵抗するが、全て空のように見える。)
- ポーチの一つに"PlastiCuff"拘束具が入っている1。これは「逮捕」が行われたかどうかに関わらず常に入っているように見える。
- ███████アーマー社製の黒の膝当て1対。
- ███████アーマー社製の黒の肘当て1対。
- 不明な製造者による█████-███鋼製足先保護具付き戦闘靴1対。
- ███アーマー社製の黒の戦闘手袋1対。
- 不明な製造者による中型拳銃向けピストルホルスター、閉じて固定されている。
- 53cm(21インチ)伸縮式鋼鉄製警棒1つ。握りはテクスチャード加工されたグリップを有し硬質プラスチック製と思われる。
通常の状態では、SCP-912はSCP-912-002AおよびSCP-912-002Bに基づいて取り扱われていれば生命・安全への脅威や逃亡のリスクは一切生じさせないと評価されています。
██市警の制服を着用した人物に「<対象>を逮捕せよ」と命令された場合、あるいはその視界内に武装した個人ないし集団を捕らえた場合、SCP-912は「逮捕」行動を開始します。SCP-912は対象の武器を取り上げて地面に押さえつけ、腕を背後に回してPlastiCuffで拘束しようとします。この「逮捕」行動において振るわれる力は██市警SWATガイドラインおよび法定手順を大幅に超過しています。人体の物理的な限界に対する明らかな認識不足または無関心のために、SCP-912は逮捕した相手の首、肩、腕を傷つけることがよくあります。「逮捕」されそうになった者が抵抗を示すと、SCP-912はそれに応じて相手が抵抗を止めるまで加える力を増します。
SCP-912はそれ自体、あるいは██市警の制服を着用した人物に対する威嚇的・敵対的な行動を感知すると攻撃を行います。SCP-912は自身の伸縮式鋼鉄製警棒を展開し、最も近くにいる武装した対象に平均時速5kmで接近します。SCP-912が攻撃範囲に入る前に対象が武器を捨てて威嚇的な行動を止めた場合は、通常の「逮捕」行動が開始されます。対象が敵対行動を開始したり、SCP-912が攻撃範囲に入っても武器を握ったままだった場合は、SCP-912は対象の頭や上腕に強烈な打撃を加えます。この攻撃は対象が意識を失うまで(最大で意識を失ってから1分間)続きます。武装した対象が全て鎮圧されると、通常通り「逮捕」行動が行われます。
SCP-912は以下のものを武器と認識し、視認し次第攻撃行動を開始します: 火器、刃の付いた武器(長さ10cm(4インチ)以上のキッチンナイフを含む)、警棒・棍棒ないし類似の鈍器、テーザー銃・催涙スプレー、[編集済み]、ジョイ・ブザー2
SCP-912は以下の物品が「威嚇的」に使用された場合攻撃行動を開始します: 電動および手動工具、結び目を作った縄、鎖、メリケンサック、スポーツ用品(例:野球バット、ゴルフクラブ)、クリップボード
SCP-912は██市警の制服を着た人物にのみ自身が「逮捕」した者を自分の前から連れ去ることを許します。適切な制服を着ていれば武装の有無に関わらずSCP-912に拘束されることはありませんが、同じ██市警の服を着た相手に物理的な危害を与えた場合は別です。SCP-912は██市警の制服を着た人物が制服を着ていない犠牲者に敵対行動を行っても反応を示さず、██市警の制服を着ていない人物同士の敵対行動にも反応しません。負傷者が出ても出なくても同様です。
試験結果要約: SCP-912の脅威/反応行動 (20██/██/██)
試験: 切断工具を搭載した遠隔操作ビークル(シリアルナンバー25168162)が装置を起動してD-3117(椅子に拘束)に接近。
結果: 無反応。試験は切断工具がD-3117の喉から1.5cmに接近したところで終了させた。
コメント: SCP-912は遠隔操作ビークルを脅威と見なさないか、Dクラスがどうなろうと気にしないかのどちらかだ。衛生的な場所で行うよう試験手順を改訂した。試験: 切断工具を搭載した遠隔操作ビークル(シリアルナンバー25168162)が装置を起動してD-3117(同じ椅子に拘束)に接近。今回D-3117は██市警の制服を着用。
結果: SCP-912は切断工具が対象から2フィート3に接近したところで遠隔操作ビークルを攻撃。遠隔操作ビークルが操作によって停止させられ、D-3117から「下がれ」という命令が出されるまで攻撃は続いた。
コメント: SCP-912は脅威が非人間型であってもその行動パターンを変えているようには見えない。試験: D-3073(Dクラスの制服着用)にD-3075(Dクラスの制服着用)を攻撃するふりをするよう命令した。
結果: 無反応。
コメント: D-3073が誤ってD-3075をまともに殴って鼻血を出させたが、それでもSCP-912は完全に無関心であるように見えた。試験: D-3073(██市警の制服着用)にD-3075(Dクラスの制服着用)を攻撃するふりをするよう命令した。
結果: 無反応。
コメント: 取得時の報告に示された証拠に基づいて推測したとおりだった。試験: D-3073(Dクラスの制服着用)にD-3075(██市警の制服着用)を攻撃するふりをするよう命令した。
結果: SCP-912はD-3073が意識を失うまで伸縮警棒で攻撃し、その後対象を拘束した。D-3073は顎を骨折した可能性があったため病院へ搬送した。
コメント: 試験の主要部分はほとんど予想通りに進行した。しかしながら、D-3073がそれ以上傷付けられるのを防ごうとD-3075が介入を試み、偶然SCP-912の左腕があるべき空間に右手を入れてしまった。D-3075は即座にSCP-912に攻撃され、伸縮警棒とブーツで死ぬまで殴打された。SCP-912は相手がどんな服を着ているかに関わらずその構成品によって形成される内部空間への侵入は許容しないようだ。試験: D-3118(30cm(12インチ)のナイフで武装)とD-3119(拳銃で武装)にD-3126を攻撃するよう命令した。D-3119には接触の前に武器を捨てるよう命令した。
結果: SCP-912は武器が取り出されると同時にDクラス被験者に向かって移動。当初、武器を捨てるまではD-3119に注意を集中していた。D-3119が武器を捨てると同時にSCP-912はD-3118の方を攻撃し、暴力的に武装解除した。D-3118の右手と右前腕は骨折した可能性がある。右の人差し指は格闘中に切断された。D-3119は当初SCP-912による「逮捕」に抵抗しようとし、拘束の過程で両肩を脱臼させられた。試験は中断しDクラス人員は医療措置のために退去させた。
コメント: SCP-912は白兵用の武器より銃の方を重要視する。脅威度の序列をより詳しく知ることは可能だが、そのためにDクラス人員の不必要な損耗を招く可能性がある。
SWAT式の戦闘環境におけるSCP-912の試験が現在行われています。エージェント █████、██████████、████はかつてSWATチームに在籍した経験を有しており、Dr ███████に代わって適切なシナリオを用意しようとしています。