アイテム番号: SCP-927
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-927を収容する周辺区域は隔離し、民間人の進入を禁止します。SCP-927には常時10名の生物学的収容作業担当職員を配置します。火炎放射機を現場に常備し、周辺の住宅への伝染があった場合に使用することとします。
SCP-927の警戒状態に疑念を持った民間人には、当該区域において放射性物質の漏出による隔離が行われている旨を通知します。民間人の中でそれでも納得しない者がいた場合、該当する民間人を拘留しクラスA記憶処置を実施します。
説明: SCP-927は███████という小さな町にある、老朽化した3階建ての住宅です。SCP-927の内部にはわずかに腐敗した2体の遺体があり、1体は男性、もう1体は女性の遺体です。男性の遺体の頭部および頸部には鈍器による外傷の痕跡があり、また右脚には重度の裂傷が見られます。女性の遺体には絞殺の痕跡があり、また肋骨には鈍器による外傷の痕跡が見られます。
SCP-927のキッチンにあるテーブル上には、気の抜けた炭酸ソーダの入ったグラスが置かれています。同じテーブルにはフルーツ用のボウルがあり、わずかに腐敗したリンゴが1つ入っています。このテーブルの北東方向の角から伸びる脚は折れており、その代わりとして鉄製の棒が釘を使ってぞんざいに取り付けられています。SCP-927のダイニングルームの壁にはわずかに切り裂かれたヒマワリの絵が掛けられています。SCP-927の2階へ続く階段はわずかに損傷しており、3つ目の段は完全に破損しています。SCP-927内部にはシロアリによる被害の痕跡が認められます。
SCP-927の異常性質の原因は未知の微生物であり、これを以下ではSCP-927-1と呼称します。SCP-927-1はSCP-927内部の表層部すべてを侵食しており、また住宅内のあらゆる液体の中にも存在しています。SCP-927-1の侵食により、SCP-927では現状以上の構造的破損が起こらず、またSCP-927内部のあらゆる生物学的組織の腐敗は停止しています。
SCP-927は迅速に増殖し、また当該エリアの複数の住宅を侵食しようとします。住宅の侵食を行うにあたって、SCP-927-1はSCP-927内部の状態を再現しようとします。SCP-927-1は住宅内部の人間も侵食し、通常は心臓を食い破ることで殺害します。SCP-927-1はその後、体系化された動きで遺体を損壊します。
男性の場合は、SCP-927-1は頭部および頸部に鈍器による外傷を再現し、右脚を食い破ることで重度の裂傷を作り出します。女性の場合は、SCP-927-1は絞殺によるものに正確に似せた外傷を引き起こし、また肋骨に鈍器による外傷を作ります。侵食された住宅内にSCP-927よりも多い数の人間が居住している場合、侵食された住宅内の過大な数の遺体はきわめて迅速に、その存在した証拠が残らないほどに分解されます。犠牲者の遺体内部に存在するSCP-927-1は、未知の方法によってそのDNAをSCP-927の対応する遺体と同一のものに変化させます。
SCP-927内部にある炭酸飲料は気が抜け、また果物は一定の状態まで腐敗し、それ以降は完全に腐敗作用が停止します。SCP-927-1は侵食された住宅の内部にあるテーブルの北東の角から伸びる脚を鉄に変換し、またSCP-927のものと同一の釘を生成します。侵食された住宅内にある絵画、肖像画もしくは写真はわずかに切り裂かれたヒマワリの絵画に変換されます。
もしSCP-927-1の侵食を受けた住宅が2階部分を有している場合、階段の3つ目の段は食い破られて崩壊します。SCP-927-1は住宅が侵食されたと言える状態になるまで、壁の中に生きたシロアリを生成します。SCP-927-1は住宅がSCP-927と同様の破損状態になるまで、表層部分を食い破ります。
SCP-927から物体を取り除く行為はこの変換プロセスに何らの影響も与えないようで、SCP-927-1はSCP-927が最初に侵食された時からその状態を「ひな形」として作業を行っているようです。SCP-927-1は熱に弱いことがわかっており、侵食された住宅を処分する際には火炎放射機の使用が推奨されます。