SCP-934
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アイテム番号: SCP-934

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 化学物質による汚染を装い、SCP-934の周囲半径5kmに収容エリア934-1を設けます。その境界上に武装した偽装警備部隊を常駐させ、エリア内へ立ち入ろうとするまたはSCP-934へ接近しようとした民間人は拘束し尋問を行わなければなりません。

説明: SCP-934は[データ削除済]近郊の低地にある故█████博士所有の私有地内に建てられた灯台です。█████博士は科学者として知られていましたが、自身の「偉大な実験」での必要性を理由として、もっとも近い水域まで65キロメートルも離れた内陸部にあるにも関わらず、自身の所有していた土地に私財を投じ稼動する灯台を建設しました。

SCP-934は、19██/██/██前後に起きた█████博士の失踪を受け、彼が[データ削除済]に関与していたことを理由に行われた、財団のエージェントによる█████博士の資産の定例調査時に発見されました。後述の事案-0で調査チーム全員を失ったことをうけて一帯は封鎖され、現在の収容手順が確立されました。

SCP-934の周囲は7日毎に濃霧に覆われ、SCP-934とレッド・ゾーンとして知られているその周辺半径2キロの地所の視界を遮ります。この間、SCP-934は活性化し類似した構造の灯台と同様の強力な光線を投射します。この霧は特異な性質を持っていると推測されており、全ての電子機器は動作が不安定になるかもしくは故障し、さらに無線信号を遮断します。それに加え、霧の発生周期中にレッド・ゾーンに立ち入った人員は全て消息不明となっています。SCP-934の霧の発生周期は約24時間持続し、霧が消散する直前に灯台の機能を喪失します。

補遺934-01: 事案-0(最初期調査記録)

█████博士の失踪を受け、彼の私有地と資産の調査および可能な限り [削除済]を確保することを目的とした5名の財団職員で構成したチームが派遣されました。無線通信記録の抜粋を下記に示します:

0645 L

T1-Lead: こちらLead、現場へ到着した。周囲に何者かがいる兆候はない。

本部: 了解。任務を続行してくれ。

ドアの開く音。

T1-Lead: 本部、邸宅内に入った。ここはまるで昨日掃除したように片付けられている。

本部: Lead、そんなはずはない。 邸宅は1ヶ月間監視下におかれていたが、誰か出入りをした形跡はなかっ-

T1-Lead: 本部、本部、今何者かが明かりを点けた!

本部: ありえない、そこに明かりを点ける動力はないはずだ。 チーム1、武器の使用を許可する、繰り返す、現時点より武器の使用を許可する。

T1-Lead: 了解、本部。各自の判断で武器を使用する。

装填され、使用準備を整える武器の音。

0653 L

T1-Lead: 本部、Leadだ。ダイニングルームにまだ温かそうな食事が用意されている。 数えてみたが9-いや、10人分ある。暖炉も火が入れられている。我々は邸宅やその周囲では誰の姿も見ていない。

0711 L

本部: 本部からチーム1へ、君たちの作戦は現時点で中止とする。ポイントBより脱出してくれ、後続部隊は1時間以内に到着する予定だ。

T1-Lead: 了解、本部。待て、なにか[雑音]のようなものが漂ってきた。

本部: もう一度言ってくれ、 Lead?

T1-Lead: [雑音] なにか霧のような [雑音] 本部?

本部: Lead、そちらの無線の調子が悪いようだ。

T1-Lead: [雑音]が動いている、繰り返す、 [雑音]が

本部: チーム1、脱出しろ!聞こえるか?

T1-Lead: [雑音]

本部: チーム1、聞こえるか? チーム1?

記録終了 (通信断絶) - 0712 L

チーム1との通信が失われてから約24時間後、霧は消散し後続の部隊が派遣されました。チーム2は、チーム1が報告した内容と矛盾する極度に荒廃した状態の邸宅と灯台を発見しました。邸宅の徹底した捜索により、2階の空室の中央で丁寧に折りたたまれ積み重ねられたチーム1の隊員達の衣服および装備を発見しました。全ての電子機器のバッテリーは完全に消耗していた上、記録メディアやメモリーカードには何も記録されていませんでした。

チーム2の隊員達はエリアを離れた後も数日間にわたってかすかなざわめきや雑音を耳にしたと報告していますが、チーム2の灯台の捜索では、壊れた灯台の設備と何もない部屋以外を見出すことはできませんでした。

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