アイテム番号: SCP-943
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-943は高セキュリティ収容金庫内の頑丈な鍵付き箱の中に保管され、レベル2以上の職員にのみアクセス可能です。尋問の目的で、レベル1職員はSCP-943へのアクセスを要求することができますが、その要求はレベル2職員により許可されなければならず、SCP-943を持ち出す人間は日付、日時、使用場所、SCP-943の完全性を保つための適切な保護手段について記録しなければなりません。これに失敗すると、関連したすべての職員の勤務記録が即座に調査の対象となり、怠慢であると認められた者に降格や終了処分などのペナルティが課されます。
説明: SCP-943は未知の金属でできたバンドであり、スライド機構を通じて直径5cmから直径38cmまでのどの位置にも合わせることができます。バンドにはその外表面に沿って英語で次の文が彫られています: "その正義は水のように流れるかもしれない"。人間の被験者の腕につけられた時、そのデバイスは視覚的、聴覚的、そして触覚的な幻覚を互い違いのパターンで誘発するようです。全ての場合に、幻覚は何らかの形で被験者に関連している出来事であるようです。常に、被験者は自身が攻撃者として関連しており、誘発された幻覚の中で、被験者は被害者の役割を引き受けます。全ての記録された幻覚は争いのものであり、実験記録943-1から実験記録943-3に文書化されています。
補遺: それぞれの実験において、被験者は監禁される原因となった犯罪について繰り返し思い出すように準備され、記録の始まる前にそのことが心の一番前にあるようにされています。
実験記録943-1
被験者D-39393は財団のカバー外車の従業員の時、複数の着服事件で有罪となっています。
ハイデン博士: D-39393、ブレスレットをつけて下さい。
D-39393: あなたは私をそうさせることができないはずだ!私は██████████████████████████████の市民だぞ!
ハイデン博士: 事実、D-39393、我々にはできるのです、あなたの雇用契約の項目に従って。お分かりの通り、初めのページの大きな数字のためにあなたが決して読んでいないところです。
D-39393: [不明瞭に喋る] あ、あ、それがなんだって言うんだ!とにかく出来ないはずだ!私は人間だぞ、あなたが使う牛じゃないんだ!
ハイデン博士: 私はあなたが家畜でないことに気付いています。さあブレスレットをつけて下さい、そうすればあなたが借りている$██,███,███の返済が始まります。
D-39393: あなたは絶対に何も証明していない!どれも証明することが出来ない!
ハイデン博士: D-39393、もしあなたが拒み続けるのでしたら、鎮静剤が打たれブレスレットがつけられます。さあブレスレットをつけて下さい。
D-39393: 馬鹿野郎!そんなことは出来ない、そんなことは出-
[この時点で、財団のセキュリティ職員がD-39393をスタンバトンで無効化し、近くの椅子に縛り付け、SCP-943を腕につける前にD-39393の意思が回復するのを待った。]
ハイデン博士: あなたの実験の参加による返済額は協力を拒否したため10%引かれました、███████さん。今後拒否することはより厳しい削減に従う結果となります。さてどのように感じるか教えてください。
D-39393: あ…何も感じない、本当に。腕についているブレスレットは、今…結局一体何なんだこれは?
ハイデン博士: ただ続けて下さい、███████さん。
D-39393: 少し…緊張してきたみたいだ。いや、そこまででもない…全く、これは何なんだ?
ハイデン博士: その調子です、続けて下さい。
[被験者は過度に汗をかいており、心拍数が上昇しました。]
D-39393: 私はとても、とても滅茶苦茶だ…[D-39393は穏やかにすすり泣き始める]
[D-39393はおよそ5分から5分半の間この様を続ける]
D-39393: ああ、男… 男… [D-39393はやや元気になる] 待て - しーっ、これが聞こえるか? 畜生…
ハイデン博士: 何が聞こえましたか、D-39393?
D-39393: …ああ、声だ…本当にかすかな、でも、それを聞こうとしている
ハイデン博士: 続けて下さい、███████さん
D-39393: 分かってる、分かってる…おい、どういうことだ?まるで俺が仕事に戻ったように聞こえる…ただたくさんのノイズだ。
ハイデン博士: 被験者は彼に話しかけてくる声から自身に話す対象を変えたようである。
[およそ3分が過ぎ、再び声が大きくなるまで被験者は口早く無為にぶつぶつと呟く。]
D-39393: ああ…いや、俺は予算を見ていな…あ!すまない、そこに君がいたのを見ていなかった…君は私に元帳を見せてくれないか? なるほど、分かった…あ、いや、何が起こるか私は知らなかった… ああ、もちろん知らなかったよ。違う、違う、それは私じゃない!それがどこに行ったかなんて私は知らない!
ハイデン博士: ███████さん、私の声が聞こえますか? もしもし?
D-39393: 待ってくれ、それは私じゃない!…何?監督者(the Overseers)に言いつけただって? 私が?
ハイデン博士: 記録のための注 - D-39393は彼がD-クラス職員となる以前に就いていた地位を考慮すると、O-5レベル職員の存在に気付いていないはずである。
D-39393: [彼の声は金切り声になっていく] 違う、私は全くこれに関係していない時に、監督者に我々が█████████████████████に失敗していることを伝えてはいない。君がやったんだ!どこかの馬鹿な会計ミスのために私はKeterの餌になったりしないぞ!彼らがそうする前にそれが一体どこに行ったのかを見つけ出さないといけない!
ハイデン博士: 記録を終了する、被験者は明らかに幻覚パターンの全ての3ステージを見せている。
D-39393は彼の負債が無くなるまで財団の管理下に置かれます…事件943-1は財団に対する負債の内、$███,███を消しましたが、10%よりも少ないものです。
レベル4職員のみ閲覧可: 被験者D-39393はこの実験のんかで)-5レベル職員の知識を示したため財団従業員から解任させることが出来ず、監禁に繋がった事件に非倫理的傾向があるとしてマークされています。現在推奨されている解放方法は終了です。
実験記録943-2
被験者D-14454は7才の子供に対する性的暴行と殺人で有罪判決を受けています。
ハイデン博士: D-14454、ブレスレットをつけて下さい。
D-14454: やだね、俺はそうする必要がない。独房に戻してくれ、俺は弁護士に会いたい。
ハイデン博士: 弁護士のような高級品はあなたには買えません、D-14454。ブレスレットをつけるか、さもなければ財団のセキュリティ職員により終了させられます。私はあなたの記録を確認しましたが、信じてください: 私は躊躇いません。
D-14454: お前 - お前はなぜ俺がここにいるのか知っているのか?
ハイデン博士: ええ、私は正確にあなたが何であるのかを知っています。
D-14454: お、お前はやつらに言うんじゃない、やつらは俺を殺す。
ハイデン博士: それは私の特権です、D-14454。ブレスレットをつけてください。
D-14454: わ…わかった。ただやつらには言わないでくれ、いいな?
[D-14454はブレスレットをつける]
D-14454: [著しく柔らかくなる] 俺は怖い、博士…
ハイデン博士: 被験者を拘束して下さい。
[セキュリティスタッフは格闘しD-14454を席に押さえつけ、そこに縛り付ける]
D-14454: 何なんだ!出て行け!俺に触るんじゃない!俺に触るな!助けてくれ!何で誰も助けてくれない?!
[セキュリティ職員が後ろへ下がる、D-14454は息を切らす]
D-14454: 違う、違う、違う…違う、違う、違う、違う、違う、違う、違う…違う…
ハイデン博士: どうしました、D-14454?
D-14454: 俺は知らない!
[D-14454は泣き始める]
D-14454: 俺はただ..ただ何か…何か俺を捕まえるものがあるのを知っている!
ハイデン博士: 詳しく説明して下さい、D-14454。
D-14454: しーっ。しーーっ、それが俺を見つける!俺は…それが聞こえると思う!
[D-14454は彼の席に丸まり、可能な限り鋼のフレームに自身を深く押し付ける]
D-14454: [ささやき声] 博士、ここから出してくれ、頼む、頼む…
ハイデン博士: 実験は完了していません、D-14454。続けます。
D-14454: しーーっ!
[4分経過]
D-14454: 近づいてきた、ここから逃げないといけない!俺達は-
[D-14454の目が広がり少しの間話すのを止める]
D-14454: それは俺の声を聞いた!それは俺の声を聞いた!それは俺の声を聞いた!
[D-14454は椅子の拘束具に対してもがき始める]
D-14454: それは俺を見ることができる!
ハイデン博士: D-14454、何が見えますか?'それ'とは何ですか?
D-14454: それが俺を捕まえた!止めろ!止めろ、止めろ、止めろ、や-
[この時点でD-14454は心筋梗塞のために死亡し、コミュニケーションは止みました。]
実験記録943-3
被験者D-31415は第二級殺人で有罪判決を受けています。
ハイデン博士: ブレスレットです、D-31415。
D-31415: これか?
[D-31415はブレスレットを持ち上げ、調べる]
D-31415: …"その正義は水のように流れるかもしれない"… ふーん。本気か、博士?俺をこれの実験被験者に使おうっていうのか?
ハイデン博士: そうです、D-31415。ブレスレットをつけて下さい、そうしないと我々がつけます。
D-31415: なんでもいいさ。それは俺の責任じゃなかった、おれは自由な人間のはずなんだ。あんたに俺は無実だと伝えたはずだ。
ハイデン博士: ええ、そう言いました、D-31415。さあブレスレットをつけて下さい。
[D-31415はブレスレットを身に着け、用意された席に座る。セキュリティ職員が椅子に彼を縛り付ける。]
ハイデン博士: 気分はどうですか?
D-31415: 1分前と変わらないな。
ハイデン博士: その時はどういう気分でした?
D-31415: ここにいることの怒り…恐れも。
ハイデン博士: いいでしょう。何か変わったことがあれば私達に伝えてください。
[3分経過]
ハイデン博士: D-31415、協力は任意ではないことを思い出させましょう。
D-31415: 何も変わってないんだ!俺は本当に居心地の悪い椅子に縛り付けられて、あんたがこれを俺の腕につけさせて、そしてこれは最低だ!俺に何と言ってほしいんだ?
ハイデン博士: …それだけです、D-31415。
D-31415: それでいいさ。
[8分経過]
ハイデン博士: 新しいことはありませんか、D-31415?
D-31415: 無い!
ハイデン博士: 実験を終了し、D-31415を房へ戻した。
レベル4職員のみ閲覧可: D-31415はあるエージェントが彼の車を緊急徴発しようとした際に、自己防衛でエージェントを殺害した後、財団の勾留下に置かれました。エージェント・███████████はSCP-███の深刻な収容違反が発生し、近くの街にそれが放たれた際、D-31415の車を徴発しようとしました。D-31415はライセンスを受けた火器所有者であり、エージェント・███████████の胸に3発撃ち込み、即座に███を殺しました。D-31415は直後に逮捕され、エージェント・███████████の死体は回収されました。