アイテム番号: SCP-946
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-946は5m×5m×5mの窓のない防音の収容室の中央に置かれています。室内の唯一の光源は、SCP-946の真上に設置されたたった一つのスポットライトによるものです。カメラと録音装置は、全てのSCP-946の活動を記録するのを確実にするために常時監視します。最低一人の腕のいい論客は、いつでも呼び出しに備えて待機することになっています。SCP-946-1とSCP-946-2の論戦を聞いて、クリアランスを持たずに財団の機密情報を公表しようとした者は、誰でもAクラス記憶処理を施されます。
説明: SCP-946は2つの椅子が付随した木製のテーブルです。週に2回から4回の予測不能な間隔で、2人の男性(それぞれSCP-946-1とSCP-946-2と呼びます)が現れ、2つの椅子に座ります。それから、SCP-946-1とSCP-946-2はランダムな主題で市民的な議論や討論を行います。議論の話題は、実存主義的概念から些細でありふれた問題までさまざまです。とある状況では、これらの議論は仮定のイベントとそのメリットについてという内容に集中しました。これらの場合、議論の結果が現実に現れます。議論中のいかなる時間でも、外部の観察者が議論に加わることができます。この時新たな椅子が現れ、議論の参加者全員に適したようにテーブルの寸法が変わります。"ゲスト"のうち誰かが人格攻撃論法1や、意図的に間違ったあるいは紛らわしい主張をしたならば、SCP-946-1はその人物を非難します。それでもなお続けるならば、SCP-946-1はその人物はもはやこの議論に必要ではないと述べ、この時点でその人物の椅子が消えます。SCP-946-1と-2にこの議題でさらに話し合おうとするいかなる試みも全て無視されます。
事例946-██(補遺 2参照)の後で、SCP-946-1とSCP-946-2は全知、あるいは、最低でも、議論に関連するだろういかなる知識を有するように思われるのが明らかになりました。
SCP-946-1とSCP-946-2は、肉体的には普通の人間のように見えます。SCP-946-1は背が高く、灰色の短い髪と長いあごひげの黒人男性で、"Harmon"と呼ばれています。SCP-946-2は痩せた禿頭の白人男性で、"Garcian"と呼ばれています。議論の時、二人はイベントのシミュレーションまたは情報の供給の手段として、三次元映像の創造や小さな物体の召喚を行うことができるようです。
補遺 1: ████年07月24日(事件報告書946-12参照)、SCP-946-1とSCP-946-2は、議論の間SCP-946に複数の光源を浴びせないようにして欲しいと要求しました。このイベントでは、複数の光源に浴びせられていると、1つの光源以外全てが消えていきます。SCP-946がどのようにしてこの効果の選択的な特性を成し遂げているかは未知の状態です。この要求の前に、SCP-946はこのふるまいを見せませんでした。質疑に際し、単一光源が"雰囲気を改良する"(“improves the mood”)という結論に議論はたどり着いたと、SCP-946-2は説明しました。
補遺 2: 事件報告書946-██: ████年04月08日、SCP-946-1とSCP-946-2の討論の焦点は、思いがけなく重力の話題へと移りました。議論は、弦理論、[編集済]そして[削除済]といった理論物理学の諸概念への言及を含みました。2人は現代科学ではかろうじて分かっている概念について精通しているようでした。それと同じほど、極秘に分類されている財団のドキュメント(最も顕著なのがSCP-536の実験ログ)という、前もって論証されていない知識についてもまた、2人は精通しているようでした。SCP-946-1は重力の存在について駁撃しており、それと同時にSCP-946-2は考え、彼の主張にコメントしました。議論におよそ14分費やしたあと、当直の研究員である███████博士がSCP-946の格納室に入り、議論に加わりました。質疑の後で、███████博士は彼が単に"潜在的災害を止めている"("stopping a potential disaster")だけだと主張しました。重力なしで、宇宙は全体としてその現在の形態から断絶されるだろうと論じました。SCP-946-1は、将来の形態は容易に優れたものになりえただろうと指摘して反論しました。SCP-946-1と███████博士の論戦は2時間続き、その後SCP-946-2が███████博士に同意して、くじけたSCP-946-1は諦めました。収容手順はこの出来事を考慮して更新されました。Keterへのクラス上げ申請は承認待ちです。