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アイテム番号: SCP-948
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-948はエリア-IE05内に収容されます。民間のキャンパス内に存在する財団の教育研究センターの標準的な隠蔽および記憶処理手順の範囲以外に、このエリアには特別な予防措置は必要ありません。
SCP-948に対しては定期的に医療検査が行われ、少なくとも月に一度は血液検査が行われます。可能であればこれらの検査はエリア-IE05内で行い、SCP-948に話す自由を与えることに注力してください。
エリア-IE05のすべてのスタッフおよび研究者は毎日劇場の外に掲示されるタイムシートを使用してピタゴラスシアターに自由に出入りできます。SCP-948が常に監視されるために管理者が割り当てられ、いかなる人物もオブジェクトに過度な時間を費やすことがないよう監視してください。
SCP-948には、必要に応じてチョーク、マーカーなどの用具を提供してください。これらも監督者の責任で行い、サイトの小口資金から年間最大200ユーロの払い戻しを受けることが可能です。
説明: SCP-948はダブリンのメーター病院の元外科医であるシェーマス・オー・ターヘルです。SCP-948は1984年7月4日からダブリン大学トリニティ・カレッジのピタゴラスシアターでさまざまな医学科目について継続的に講義を行っています。SCP-948は異常な治癒効果を示しており、講義室に紹介された身体障害者は、関連する医療処置について話すと治癒するという異常な治癒効果を示しています。この治癒効果は伝統医学ほどの効果はないようですが、併用により改善がみられる可能性があります。1SCP-948は精通していない怪我や病気に対しては治癒効果を発揮しません。2015/01/01より、SCP-948が現代医学を常に最新の状態で把握できるように教科書と医学論文の目録がSCP-948に提供され始め、これによりSCP-948の治癒能力が著しく向上しました。2
SCP-948は少量かつ二次的な鎮静効果も示します-講義中のシアター内に入った多くの人々は、以前の状態に関係なく爽快感と安心感を覚えると報告します。この効果に長時間さらされると短期のめまいや細かい運動能力に関する問題を引き起こすこともあります。これらの影響は一般的にオブジェクトへの12〜15時間の連続曝露後にのみ現れるため、無視できると見なされます。
SCP-948は極度の衰弱と睡眠不足の身体的兆候を示しますが、飲食や睡眠を必要としないようであり、提供された場合は講義を中断させたくないと通常は拒否します。3 SCP-948は講義室から追い出されるか講義が妨げられると非常に攻撃的になり、しばしば拘束が必要になります。 SCP-948は他のすべての意思疎通の面で友好的なことが証明されており、彼の講義を妨げない限り医療処置は議論なしで進めることが許可されています。
発見: SCP-948は彼の講義の3日目に財団の注意を惹きました。当時これは長期間講義の世界記録の試みと考えられていました。建物には誰もおらず、アノマリーが講義を行った5日間に疲労困憊が原因で倒れたというニュースが広まりました。当時2つの財団教育センターが大学内に既に配置されていたため、学部の変更の交渉は比較的円滑に行われ、現在は常設のエリア-IE5がオブジェクトを中心として設置されました。
補遺 2013/05/07: エリアIE5で最近雇用された研究者であるエレノア・ブリッジ博士は、SCP-948の鎮静効果に耐性があることが判明しました。ブリッジ博士はSCP-948の協力とオブジェクトの一般的なQoLを目的として、SCP-948との親密な関係を構築する専任監督者として任命されました。
会話記録の抜粋:
記録2015/01/05 20:59 - 21:06
SCP-948: お構いする時間は本当にないよ、エレノア。この講義でこのトピックをやり終える必要があるからね。
ブリッジ博士: 出かける前にこれらの本を差しあげたかっただけです。彼らがたった今この本を持たせたんです。基礎的な医療ものですが、最新でないものあるかもしれまんせよね?あなたが望むものは何でも持ってきますよ、理由があれば。
SCP-948: お気遣いにはもちろん感謝するが、エレノア、持ってくるのは講義が終わるまで待っていて欲しかったね。
ブリッジ博士: 私には終わりは見えません、シェーマス。私ってひどいですよね、いつも早退しようとして。私は最悪の生徒だわ!
SCP-948: エレノア!そんな冗談を言ってはいけません。君は素晴らしい生徒だ!
SCP-948は冗談っぽくささやく
SCP-948: 君はむしろ私のお気に入りの一人だ。
ブリッジ博士: ああ、ありがとう。それは…それが知れて本当によかったです。
記録2015/04/03 07:13 - 07:
SCP-948: エレノア、また遅刻ですか!
ブリッジ博士: 知っているでしょう、シェーマス。いつも寝泊りしてるんです。何か大事なことを見落としていませんか?
SCP-948: ああ、いろいろと。聞いてくれ、先日君がくれた教科書を読んでいたんだ!医学が進歩はなんて素晴らしいんだ!私は最初はその多くを拒絶していたが、今では単なる時代遅れになっていることに気付いたんだ-現代科学について自分が勉強してからかなり時間が経ったようだね。
ブリッジ博士: そんなに受け入れていてうれしいです。
SCP-948: 私はかつて非常に心が狭かったが、医学は人生において常に新しいアイデアに開かれていることを教えてくれるんだ。仲間がいたんだ-キリアンについて話したことがあったかな?
ブリッジ博士: ありません。
SCP-948: 素晴らしい外科医。素晴らしい男。彼はいつも物事に対してとても開放的だった!新しいアイデア、経験。私にたくさん教えてくれた。エレノア、私は思うんだ、教師としてはまったく役立たずだと、この講義をもっと討論のようなものにしたらどうかな?私たちは互いに学びあうことができると信じている。君とここにいる他の生徒たちはね。
ブリッジ博士: あなたの講義ですよ、シェーマス。上層部は気にしないと思います。
SCP-948: ああ、そうだな。君の"上層部"。続けて彼らに知らせてくれ。たぶん今回彼らは私を引っ張り出さないだろう。
SCP-948は手で包帯をなでる
ブリッジ博士: あなた自身の健康のためですよ、シェーマス。私たちはただ-
SCP-948: どうか、どうか、私を説得しようとしないでくれ。私は焦って行動していたんだ、物事に根中して。頑固な老人、私の講義を終える準備が全くできていないんだ。お願いだ、ただ… 君は彼らと一緒にならいでくれ、どうか。さあ席に着いてくれ。
備考: 記録によると1961年から1980年の間にメーター病院でSCP-948とともに勤務していたキリアン・マクブライドが確認されています。 SCP-948との彼の親密な関係は彼らの研修の早い時期から指導者によって注目され、1980年にマクブライドがボルチモアのジョンズ・ホプキンス病院で高収入の職を得るためにアメリカに移り住んだ後も、彼らが連絡を取り合った形跡があります。
記録2015/5/29 16:13 - 16:25
SCP-948: ああ!エレノア、もう帰るんですか?
ブリッジ博士: 知ってるでしょう、シェーマス。いつも早退しようとしていることを。私は…しばらく留守にします。私-
SCP-948: その前に、私は君に聞きたいことがあったんだ。講義にはあまり関係ないが、エレノア…
ブリッジ博士: はい?
SCP-948: えぇっと、DSM-54を読んでいて、その、同性愛の項目を見つけることができなかった。おそらく別の名前になったのかね? 「性別違和症候群」がとうとう追加されたのを見つけんだ。少なくとも私の意見では、これはむしろ改善だと言わざるを得ないね。
ブリッジ博士: ええと、まあ、それを精神疾患とみなすことはやや遅れていると考えられていたんですかね?ゲイであれバイであれ、何であれ問題は何もありません。単なる文化的な偏見です。多くの人々はそれが実際には違和感と同じであるべきだと考えています。えぇと、国民投票について知っていますか?あの「はい 」のピンをつけている人のことを?それはすべての性別で結婚の平等を合法化するためのものです。先週可決されました。
SCP-948: そうか。そうか、私は、それが考える限りでは素晴らしい一歩だと思うんだ!本当に素晴らしい!私の友人、キリアン、彼は喜んだだろうに。彼、彼はそうだった。ゲイだったんだ。私たちは…彼は喜んだだろうに。
ブリッジ博士: あなたは彼について話したことがありませんよね。
SCP-948: キリアンは活動家だったんだ、物事がかなり悲惨だったときのね。ええ…まあ、それは良い時ではなかったが、キリアンは勇気を出して声を上げたんだ。私には決してできなかった、いつも職を失うことを恐れるあまりね、私はおそらく…
SCP-948は首を振る。
SCP-948: 講義の途中でこんな話をすべきではないな。プロらしくない、申し訳ない。えぇっと、どこまでいったかな?そうだな、OK、最近末期疾患と診断された子供の両親に対するカウンセリングだな。難しいトピックだな…
ブリッジ博士はSCP-948に別れを告げようとしますが、無視されます。少しためらった後、ブリッジ博士はSCP-948に気付かれる前に講義室を後にします。
備考: 財団のアメリカ支部による追跡調査によると、マクブライドは1982年12月にHIV/AIDSの診断を受けてジョン・ホプキンス病院を解雇されています。マクブライドは1984年6月に肺炎で死亡しましたが、財産の大部分をSCP-948に残しています。当時のボルチモアとダブリン間の平均的な配送速度に基づいて、SCP-948は講義を開始する1〜2週間前の6月21日から28日までにマクブライドの死とその相続の報せを受け取っていたと推定されます。
記録2017/12/9 21:03 - 21:55
ブリッジ博士: オー・ターヘル博士、少々お時間大丈夫ですか?
SCP-948: シェーマス。シェーマスと呼んでくれ。
ブリッジ博士: 私-シェーマス-個人的なことを聞いてよろしいですか?
SCP-948: 医学的な病気のことかな、エレノア?君はたいていかなり健康だよ、少なくとも私の知る限りではね。
ブリッジ博士: 健康的なものだと思います。普通ならこんなことは聞きませんが、ただ自分でどうこうするもううんざりしました。
SCP-948: 気軽に言ってくれ。宣誓はしないけれど、誰にも言わないと約束しよう。君の話を聞く人は誰もいないよ、誓ってもいい!
ブリッジ博士: ここでは記録されているって知っていますよね?
SCP-948: あぁ、えぇっと、すっかり忘れていた、そうだったな。拍子抜けしたよ。とにかく、エレノア、どんな問題でも喜んで手伝うよ。
ブリッジ博士: なぜ私があなたに割り当てられたか知っていますか、シェーマス?
SCP-948: 私たちがうまくいったからだと思っていたよ。
ブリッジ博士: でも、元々は。私たちが正式に会う前は、私はあなたの講義を見学しただけでした。
SCP-948: えぇっと、いや、君が私に割り当てられているなんて最初からは知らなかったよ。
ブリッジ博士: それは私が経験していないからです…えぇっと、あぁ、私のファイルには"SCP-948の鎮静効果に耐性がある"と書いてありますが、それが本当に意味しているのは、私がここに立ち入っても幸せもぼんやりとした気持ちもまったく感じないという意味なんです。なぜなら私は…
ブリッジ博士は手首を擦りながら、少し間を置く。
ブリッジ博士: 私は幸せではないんです、シェーマス。自分が幸せになれるかどうかわかわからないんです。
SCP-948: エレノア、それは…それはひどいな。しかし、君がここから離れる前に、えぇっと、そして君が早まる前に話してくれてうれしいよ。
ブリッジ博士: 私は、いえ、すでにしてしまいました。昨年私は自殺しようとしたんです。だから私はしばらくいなかったんです。気づいていないと思いますが。
SCP-948: エレノア、なんということだ。本当に何と言ったらわからないよ。
ブリッジ博士: それは、えぇ、はい。私もです、正直に言うと。私はただ…
SCP-948: お願いだ、エレノア、私に何ができる?
ブリッジ博士: 私を治してくれますか?
SCP-948はしばらく返答しない。メガネを取り外してゆっくり拭き、掛けなおす。
SCP-948: エレノア、君が求めていること…君は人々を「治す」ことはできない、そんな方法では。
ブリッジ博士: しかし、あなたはほかの人は治しました。見たことがあります。話したり、講義したりするだけで。骨が治り、皮膚はつながり、巨大な傷跡は…なくなりました。 1日研究した後で、がんの子供を治しました!だからあなたは私を治すことができますよね?できるはずなんです。
SCP-948はひどく困惑しているように見える
SCP-948: エレノア、君が言ったことは不可能だ。医学とはそういうものではないんだよ。
ブリッジ博士: でも、あなたがやったことは見ました!なにか読んだり、カメラで見たりせずに、実際に人に触れずに治療しているところを見たんです!見て、うつ病と脳化学に関する本を鞄に入れて持ってきました。あなたはただ-
SCP-948: 止めなさい!君が主張することは….君が嘘をついているか、君の病んだ心によるいくらかの、いくらかの曲解だ。あなたの狂気を私に押しつけないで、私に協力してくれ。
ブリッジ博士は泣き始める。
SCP-948: 私は医学者だ、エレノア、そして科学者だ!私の人生で誰もそんな、そんな驚くべき嘘をついた人はいなかった。見直したもんだよ。
ブリッジ博士: 私が本当のことを言っているって想像できないんですか?あなたがこれまで夢にも思わないくらいの科学のき-奇跡があるんですよ?あなたは32年間も講義し続けているんですよ、シェーマス!休みなしで! ど-どうやってきたのか不思議に思ったことはないんですか?
SCP-948: ばかなことを言わないでください、私は止めることはできないだ!荷物をまとめて私の知らない世界に出ていきなさい。なにもない世界…見てごらん、私は今ここにいて教えている、それがすべてだ。すべてなんだ。君は世界で生きていくという意味を知らないんだ。自分が認められない世界、自分が忌々しい犯罪者にされる世界、彼が、彼が…
SCP-948はブリッジ博士の隣に腰掛ける。
SCP-948: 彼がいない世界を。
長い沈黙。約4分後、SCP-948は口を開いて話そうとしますが、何も言わずに閉じます。 9分間の沈黙の後に会話が再開されます。
SCP-948: さっきひどかったな、エレノア。あんな風に突っかかってくるなんて思いもしなかった。あんな言い方をして本当に申し訳なかった。実際、私は自分自身を疑っていました…まぁ、何十年もの間ね。君が経験したことは…私自身も経験してきたことなんだ。現実を否定し、逃げ道を探そうとする。
SCP-948は手をエレノアの手の上に置く。
SCP-948: エレノア…あなたが私に求めていることは、うまくいかないだろう。怒りや心の傷は筋肉や腱を治すようにはいかないんだ。君に必要なのはセラピスト、この老いぼれよりも最新の知識を取り入れた人だ。
ブリッジ博士: 私は、実はセラピストにみ-診てもらってるんです。そうしなければな-ならなかったので、私は働くことをゆ-許されました。アディレーに。 か-彼女は素晴らしいけど、ものすごくも-も-もどかしいんです。 二歩進んだら…
SCP-948: 一歩下がるんだね?
ブリッジ博士は鼻をすすって袖で鼻を拭う。
ブリッジ博士: えぇ。
SCP-948: その表現は理解したことがないな、率直に言って。結局は、一歩一歩前進することになってないかね?
ブリッジ博士は返答しない。
SCP-948: 私は君の痛みを魔法で取り除くことはできないんだ、エレノア。しかし私は話すことができる。私はいつもここにいるよ。
SCP-948は含み笑いをする。
SCP-948: 逃げることはできないんだ、本当に。私はひどい仕事中毒なんだ。
ブリッジ博士は泣きじゃくりながら弱弱しく笑う。
ブリッジ博士: 私ってひ-ひどいですよね?い-いつも早退しようとして。
SCP-948: これこれ、エレノア。そんな冗談を言ってはいけないよ。君は私のお気に入りの一人だからね。