アイテム番号: SCP-954
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-954はサイト██の生息空間-27に収容されています。収容チャンバーからの内部/外部への音漏れがないように生息空間-27は防音材で覆われる必要があります。SCP-954を用いた実験はレベル2クリアランスを必要とし、実験手順をSCP-954の研究管理者である███████博士に提出する必要があります。
説明: SCP-954は別名をリオグランデサエズリガエルというEleutherodactylus cystignathoides campiに似た種のカエルです。Eleutherodactylus cystignathoides campiとは違い、SCP-954の鳴き声はヒトの可聴域に含まれません。SCP-954の異常な特性は、他の生物の前で鳴き声をあげたときに見られます。
SCP-954の鳴き声は脳の側頭頭頂接合部を刺激することで、人間の被験者に軽微な幻覚作用をもたらします。これはSCP-954が獲物を捕まえる方法の偶然の副産物であり、SCP-954の鳴き声の振動がこの影響の原因だと仮説が立てられています。
このケースでは、鳴き声は「シャドー・ピープル」と呼ばれる現象を引き起こします。「シャドー・ピープル」効果は、視野の周辺部にぼんやりとした影が見え、焦点を合わせようとすると素早く視野の範囲外に逃げていく現象と説明されます。はっきりとした発生源や他のSCPが原因でない幽霊の目撃例の多くがこの現象に起因するのではないかと考えられています。
SCP-954の効果は様々な昆虫の動きを不規則にし、それらを混乱させるために使われることが観察されています。ヒトのような複雑な脳を持たない彼らにどのように影響しているのかははっきりと分かっていません。その影響を受けると、多くの飛行中の昆虫は地面に落ち、地を這う昆虫は多くの場合動きを止めます。まれなケースでは、それらは[データ削除済]。これを説明するために様々な仮説が立てられましたが、昆虫の移動法に関わるモーター蛋白質を鳴き声が妨害しているとする説が最も信憑性が高いものです。SCP-954がどのようにこの特性を獲得したのかは分かっていません。SCP-954は北米の大部分とヨーロッパとアジアの一部で見られるため、種の発達にそれぞれ違いがあるのが普通ですが、それらは[修正済]
SCP-954は現時点では生物の死に関与しているとは考えられていません。多くの被験者は鳴き声に曝されると少なくとも2時間以上方向感覚を喪失することが報告されています。
補遺1: ████年██月██日、SCP-954の鳴き声が人間に聞こえるようになったことが観測されました。この現象は███████博士がSCP-954への日課の給餌の際に発見しました。この出来事の際、███████博士はとても気分が悪くなり、後に頭痛も起こったと報告しています。鳴き声がこの状態になった際、いくつかのSCP-954標本が発声組織の破裂により死亡しました。
実験後に███████博士が医務課で精密検査を受けたところ、周囲の器官へのダメージを軽減するように側頭頭頂接合部が肥大化していることが明らかになりました。SCP-954の実験はすぐに中止され、野生で発見されたすべてのSCP-954は機動部隊オメガ-87”フロッグ・ウォッチ”がすぐに回収することとなりました。部隊の装備や回収手順に関する説明は文書SCP-954-C/R-01を参照してください。
███████博士の手記:
私は現段階ではSCP-954が危険だとは考えていない。他の捕食性生物のように、それらは環境に適応しようとしたのだろう。しかし他の捕食性生物とは違いSCP-954の適応は速く、せいぜい一世代の間に行われているようだ。これはとても興味深いことで、さらなる研究が必要だ。しかし、収容・実験手順が更新されない限り、全ての実験は危険性が評価されるまで中止されている。給餌はクラスD職員を使って継続させている。