以下はSCP-954-JPの異常性解明を目的として行われた実験記録の抜粋です。
実験記録954-JP-1
日付: 20██/10/█
実験場所: 標準低脅威度実験室(3m×3m×3m)
実験方法: SCP-954-JPに水を注ぎ活性化させた状態で電動サイコロ振り機を用いて一般的な6面サイコロを1個振る。
結果: 10000回試行を行ったところ下記の表の通りになった。
サイコロの目 |
回数 |
確率 |
1 |
1667 |
16.67% |
2 |
1666 |
16.66% |
3 |
1667 |
16.67% |
4 |
1667 |
16.67% |
5 |
1667 |
16.67% |
6 |
1666 |
16.66% |
計 |
10000 |
100% |
分析: 確率通りの結果になった。特筆すべき点は、サイコロを6回振るごとに事象が起きた回数がすべて等しくなったことだ。-柄西博士
実験記録954-JP-2
日付: 20██/10/█
実験場所: 標準低脅威度実験室(3m×3m×3m)
実験方法: SCP-954-JPに水を注ぎ活性化させた状態で電動サイコロ振り機を用いて細工した6面サイコロを1個振る。サイコロは比重の異なる材質を使用しており1の面が出やすくなっている。
結果: 10000回試行を行ったところ下記の表の通りになった。
サイコロの目 |
回数 |
確率 |
1 |
10000 |
100% |
2 |
0 |
0% |
3 |
0 |
0% |
4 |
0 |
0% |
5 |
0 |
0% |
6 |
0 |
0% |
計 |
10000 |
100% |
分析: 異常な結果となった。実験中、サイコロの挙動に不自然な点は見られなかった。 -柄西博士
実験記録954-JP-3
日付: 20██/10/█
実験場所: 大規模実験室(30m×25m×12m)
実験方法: 実験室の1角でSCP-954-JPを活性化し、残りの3角で実験記録954-JP-1および実験記録954-JP-2と同じ試行をする。
結果: 3角で実験記録954-JP-1および実験記録954-JP-2と同等の結果になった。
分析: SCP-954-JPの有効範囲は少なくとも39mはあるようだ。 -柄西博士
実験記録954-JP-4
日付: 20██/10/██
実験場所: 屋外
実験方法: SCP-954-JPから1~10m離れた地点で実験記録954-JP-1および実験記録954-JP-2と同じ試行をする。
結果: すべての実験で非異常性の結果となった(詳細な表は添付用紙を参照)。
分析: 屋外ではSCP-954-JPの影響はないようだ。 -柄西博士
実験記録954-JP-5
日付: 20██/10/██
対象: D-954-JP-1
実験場所: 標準低脅威度実験室(3m×3m×3m)
実験方法: D-954-JP-1を用いて実験記録954-JP-1および実験記録954-JP-2と同じ試行をする。
結果: それぞれ下記の表の通りになった。
実験記録954-JP-1と同じ試行
サイコロの目 |
回数 |
確率 |
1 |
1667 |
16.67% |
2 |
1667 |
16.67% |
3 |
1667 |
16.67% |
4 |
1666 |
16.66% |
5 |
1666 |
16.66% |
6 |
1667 |
16.67% |
計 |
10000 |
100% |
実験記録954-JP-2と同じ試行
サイコロの目 |
回数 |
確率 |
1 |
10000 |
100% |
2 |
0 |
0% |
3 |
0 |
0% |
4 |
0 |
0% |
5 |
0 |
0% |
6 |
0 |
0% |
計 |
10000 |
100% |
分析: 電動サイコロ振り機を用いた実験と同等の結果になった。機械に干渉する性質ではないと確認できた。また実験に参加したDクラスへの影響もないようだ。Cクラス以上の職員による実験を許可する。 -柄西博士
実験記録954-JP-10
日付: 20██/11/█
対象: 長戸研究員、Agt.坂和
実験場所: 標準低脅威度実験室(3m×3m×3m)
実験方法: 将棋
結果: 異常は見られなかった。
分析: 思考には影響しないようです。 -長戸研究員
実験記録954-JP-13
日付: 20██/11/█
対象: 長戸研究員、Agt.坂和、佐藤研究員、鈴木研究補佐
実験場所: 標準低脅威度実験室(3m×3m×3m)
実験方法: トランプ1組を用いたポーカー(ファイブ・カード・ドロー)
結果: すべてノーペアとなった。
分析: カードを引く確率が操作されているのか、役ができる確率が操作されているのか現時点では断定できません。しかし後者の場合は対象の意識を読み取っている可能性があります。 -長戸研究員
実験記録954-JP-15
日付: 20██/11/██
対象: 長戸研究員、佐藤研究員、鈴木研究補佐
実験場所: 標準低脅威度実験室(3m×3m×3m)
実験方法: トランプの山の順番を事前に記録し、実験記録954-JP-13と同じ試行をする。
結果: 実験記録954-JP-13と同じ結果となった。カードの順番は記録したものと明らかに異なっていた。
分析: なんらかの現実改変もしくは情報災害の可能性が考えられます。またSCP-954-JPが対象の意識を読み取っているという仮定は正しいと見て良いでしょう。 -長戸研究員
実験記録954-JP-16
日付: 20██/11/██
対象: 長戸研究員、佐藤研究員、鈴木研究補佐
実験方法: トランプ1組を用いた神経衰弱。事前にカードの種類と場所を記録しておく。
補足: 記録は対情報災害措置を施した用紙、および電子端末に記録された。また室内にカント計数機を設置しヒューム値の変化を記録した。
結果: 1枚目は「ハートのA」であった。2枚目は「スペードのA」があった場所をめくったが、そのカードは「スペードのK」に変わっていた。また元々「スペードのK」があった場所は「スペードのA」に変化していた。カメラの映像記録にも異常はなく、カント計数機の値も変動していなかった。
分析: 現実改変および情報災害ではないようです。しかしSCP-954-JPが対象の思考を読み取っているのは確定的です。 -長戸研究員
追記: 実験後、インシデント954-JP-1が発生しました。詳細はインシデント記録954-JP-1を参照してください。