クレジット
翻訳責任者: Tetsu1
翻訳年: 2025
著作権者: PlaguePJP
原題: The Graveyard Shift
作成年: 2025
初訳時参照リビジョン: 4
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-9590
by PlaguePJP
SCP-9590。
特別収容プロトコル: SCP-9590は遠隔監視及び現場管理人により、24時間体制での財団による監視下にあります。更なる情報は説明を参照してください。
説明: SCP-9590はペンシルベニア州ポッツビルの南方30 kmに位置する、放棄されたローズヒル墓地です。
SCP-9590-AはSCP-9590内の120の墓場1とその埋蔵物です。各SCP-9590-Aには、棺に直接下がっている紐に取り付けられた、酸化した銅製の墓鐘が伴っています。全ての墓石に刻印はなく、大きさ、形状、構成は異なるものの異常性はありません。地中レーダーにより、各墓場に空の棺が一つずつあることが確認されました。
ドワイト・オコンネル博士。
毎晩00:00から04:00の間、墓鐘の一つが鳴ります。鐘の音を聞いた際は、駐留職員は直ちに以下の手順を実行しなければなりません。
- 墓場を特定する(全SCP-9590-Aには1から120まで番号が付けられている)。
- 付随する棺を掘り起こす。
- 棺が空であることを確認し、SCP-9590ファイルにこの観察を記録する。
- 棺を埋め直し、墓場をできる限り元の外見まで回復させる。
- 鐘の音が停止したことを確認する。鐘が鳴り続ける場合、手順を繰り返す。
補遺9590.1: 研究メモ
Waldo.aicは様々なソーシャルメディアプラットフォームからデータを収集した際にSCP-9590を発見しました。当初は虚偽と考えられていましたが、サイト-17の収容部隊がSCP-9590の異常活動を確認し、再埋葬手順を構築して現場を確保しました。その後、SCP-9590は財団による実験的な部分退職スキーム2の候補として選出されました。ドワイト・オコンネル博士が主任研究員に任命され、一人での仕事に必要な道具や設備が提供されました。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月10日、03:23
ようやく収容部門が建ててくれた小屋に落ち着けた。かなり暖かい。特にこの天気もあって。
40分ほど前に最初の鐘が鳴った。あれは確か、あー、ちょっと待った — そう、16だ。16番目の墓石が鳴った。そうなることは知っていたが、それでも相当に不気味だった。ここいらのものが空だと収容部門に何度叩き込まれようと、自分が不運にも何かを見つけてしまうかもしれないという考えに囚われてしまっている。
土と泥以外には棺はほぼ触れられていないようだ。外側に傷や摩耗らしきものはない。既に開けたが、中は何もなかった。やはり触れられていないようだ。今埋め直している。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月11日、01:46
今日もおはよう。最初に鳴り出したのは30分ほど前だ。墓地の真ん中まで歩いていったから少し時間がかかった。奇妙にも、そいつはまた同じ棺だった、どういうわけか。16。あり得ない確率ではない — 文字通り120分の1だ — それにしても。収容部門がくれた道具を上手く使えるようになった。滑車は目を見張るものがあった。特に腰に優しい。
とはいえ、棺を掘り起こしてみたら、外側は赤黒いマホガニー色のままで、真新しいままで、空のままだった。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月12日、02:02
おはよう!
このような孤独な仕事をするのも久しぶりだ — 自分のプロジェクトを一切協力なしにやるのは30年ほどぶりか。サイト-17の混沌からしたらいい気分転換だ。軽くテストはしてみてるが、あまり無理はしたくない。鐘を30分くらい鳴らしっぱなしにしてみて、今やっと動いたところ。音を追うというのも少しばかり楽しいゲームだ。30秒に1回ほど鳴るからそれほど難しくはない。とりわけこんな真夜中ともなると。それでも、何もない空気がこんなに音を吸い込んでしまうとは驚きだ。
こっちの方に音が大きく— あぁ、また16だ。実に妙だ。
よし、チェックはした。空。元に戻す。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月12日、03:17
スタートボタンを押し忘れていた。丸ごとテープに撮れてなかった。また16だった — 棺が。掘り起こしたが昨日と全く同じ。空っぽ。
このプログラムを受け入れると、実に物事を大局的に見るようになった。単独ミッションに臨むと、最初のオリエンテーションで言われたあの恐怖の物語を思い出してくる。毎日あの話のことを考えていた — 研究室に足を踏み入れるたびに、アノマリーを動かすたびに。私はまだ鮮明な悪夢や森に現れる恐怖と出会ったことはないが、今のがそれのように思える。
これだ— あー。うん。空の棺。また明日。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月13日、00:53
また16。空の棺。いつもと同じ。
あまり不便はかけたくないが、これを聞いている人がいれば誰か教えてほしい。いつもの如くRAISAの若手だとは思うが。文通相手が欲しいわけじゃない。相手がわかれば便利というだけだ。必要とあればアドバイスだってしてやれる。
それだけ。空なことを確認。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月14日、02:44
16。空。埋め直した。
誰か聞いてないのか?
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月15日、03:06
16。空。
迷惑をかけようとしてるんじゃない、ただ誰が聞いてるのか知りたい。どうも。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月16日、01:31
空。16。
誰か?
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月17日、00:43
空。16。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月18日、01:59
記録を忘れてた。午前1時頃あった。16。空。じゃあ。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月19日、03:27
空。16。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月20日、00:58
16、そしてなんとなんと、空だった。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月21日、02:36
私が終わりに向かっているのは理解している。自分は新進気鋭でもないし、これから先「貢献」することもないだろう。ただ私はこの組織に数多くの時間と労力を注ぎ込んだ — 一緒に働く人が傷ついたり死んだりしないようにたくさんの血と汗を流した。このテープを管理する立場にもそれは当てはまる。
君が生きているのは、君自身含む私たち全員の働きのおかげだ。頭から余計な腕が生えてこないのは誰かがそうならないようにしてくれたからで、君も仲間の研究員のためにそうしなければならない。別に敬意を示せとかいう老害ではないが、でも…… ほら。適切なことを言えるように名前と、できれば役職も教えてほしい。
16で、空。おやすみ。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月21日、19:03
[不適切な発言を削除済]
検閲が発動したかな。まだ手動でレビューしてるなら他のテープを聞いた後に連絡してほしい。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月22日、01:48
自動化されただろうか。
16。空。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月23日、00:36
16。空。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月23日、00:36
16。空。
25日までに返事が来なければやめる。
ドワイト・オコンネル主任研究員
2021年1月24日、03:42
16。空。
まだ何もない。さようなら。
補遺9590.2: インシデント9590.1
2025年1月25日、予想されたSCP-9590イベントが開始しました。現在の手順に従い、ドワイト・オコンネル主任研究員は直ちに鳴っている棺に接近し、それを掘り起こし、空であることを確認して埋め直すはずでした。しかしそうではなく以下のインシデントが発生し、研究現場の監視カメラに記録されました。
タイムライン
«記録開始»
[02:51]: SCP-9590-A16が鳴り始める。
[02:56]: オコンネル研究員は宿舎を出て、墓地を向いて玄関先に座る。プロトコルに従い、研究員は聴覚刺激から5分以内に捜索手順を開始して15分以内に発見しなければならない。
[03:01]: SCP-9590-A16は鳴り続ける。作業は試みられない。
[03:21]: 鐘の音が続く。オコンネルは座ったままで、SCP-9590-A16を一目見るためだけに立ち上がった後、元の位置に戻る。表情は読み取れない。
[03:34]: オコンネルはコートから音声レコーダーを取り出し、観察の記録を開始する。
[03:36]: 突然音量が増大し彼を妨害する。身をこわばらせてから立ち上がる。
[03:40]: SCP-9590-A17が活性化してSCP-9590-A16と共鳴する。
[03:45]: SCP-9590-A19、-A18、-A20も素早く続けて鳴る。オコンネルはレコーダーを落とし、共鳴の中心に向かい始める。
[03:46]: SCP-9590-A16から棺2個分の半径内にある追加の12実例が同時に活性化する。鐘は僅かにずれて不協和音を形成し、追加で14実例が騒音に加わる。
[03:47]: 追加で33実例が活性化する。騒音は混沌とした、構造化されていない不快音へとエスカレートする。オコンネルは耳を押さえ、よろめきながら宿舎へと退く。彼は音を立てて扉を閉める。共鳴の下で地面が震えているように見える。
[03:48]: 全SCP-9590-Aが活性化する。13個の鐘が土から外れて伏せるように倒れ、鳴ろうとするかのようにうごめき続ける。周囲の植物に振動が見て取れる。
[03:49]: オコンネルの宿舎の窓が1枚割れる。
[03:50]: セキュリティシステムの音声が劣化して雑音となる。カメラ映像は不規則に揺れ、フレーム上にブロックノイズが現れる。
[03:51]: 音量が増大する。2枚目の窓が内側に割れる。いくつかの鐘は目に見えて歪んでおり、打鐘の音は機械的に可能な速度を超えている。少なくとも2つの鐘は胴部が破砕し始めている。
[03:52]: オコンネルが中屈みの姿勢で現れる。片手は頭に当て、もう片手は音声レコーダーを手探りしている。彼はボタンをいじりながら、受信機に向かって支離滅裂に叫ぶ。彼は監視カメラに目を向ける。両腕を上げて合図を送ると、突然SCP-9590の方を向く。彼は一瞬硬直し、中へ逃げ戻ると再び扉を閉める。
[03:52]: カメラ映像が暗転する。鐘は鳴り続ける。素早い打撃音は、鐘の轟音の下でほとんど聞こえない。
[03:53]: かすかに何かの砕ける音が聞こえる。
[04:00]: カメラ映像が再開する。鐘の音は全て停止している。オコンネルの宿舎の扉は半開きになっている。目に見える全てのSCP-9590-Aは不活性であり、元の位置と状態に回復している。
«記録終了»
このインシデントの後、火急鎮静部門が当ファイルの以降の担当を引き継ぎました。その後、彼らは独自の調査を開始し、以下の結論に達しました。
オコンネル研究員は、インシデントの計画的な性質、財団への不満の表明、監視遮断を引き起こす方法を知っていたこと、緊急収容サービスに連絡がなかったことから、意図的にSCP-9590業務を妨害したことは明白です。オコンネル住居で発見された彼の所持品は全て証拠として保管されています。
当インシデントは任務放棄と分類されました。
当インシデントを受け、イーサン・マクブライド博士がSCP-9590プロジェクトの主任研究員として配属されました。
イーサン・マクブライド主任研究員
2021年1月26日、03:05
SCP-9590収容プロジェクトの最初の登録です。棺を掘り起こし、空であることを確認し、今は埋め直しの最中です。
[余分な音声は除去済]
あっ、忘れる前に、私はSCP-9590-A17を掘り起こして埋め直しました。おやすみなさい、皆さん。



