SCP-9599
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by PlaguePJP

アイテム番号: SCP-9599

オブジェクトクラス: Thaumiel

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SCP-9599。

特別収容プロトコル: SCP-9599は財団フロント企業 “グリーンパスターズ(株)” 傘下の屠畜場として稼働させ続ける必要があります。外部への異常性の波及を抑制するため、職員を常駐させ、毎日300頭の動物を処理します。

SCP-9599-1個体群は現地で監視されます。プロトコル・ステュクス-3に則り、可能な限り長期間屠殺すべきではありません。SCP-9599の平時の運営中に生じる全ての死骸は適切に梱包し、就業時間終了時に食肉として発送します。

職員は24ヶ月の派遣期間が完了するまで異動を要請してはいけません。

説明: SCP-9599は、ペンシルベニア州ランカスターにある、鶏肉・豚肉・牛肉の生産に主眼を置いた工場式農場/工業屠畜場、ウォーターハウス加工工場の跡地です。この工場はウォーターハウス合同会社によって運営されていましたが、1972年1月に閉鎖されました。

SCP-9599の閉鎖から数週間以内に、様々な異常現象がランカスターの住民に影響を及ぼし始めました。

  • ペットの不可解な死。多くの場合、暴力的な性質のもの。
  • 広範な不眠症。
  • 深刻な自傷行為の増加。それまで精神衛生上の問題が無かった人々の間で特に顕著だった。
  • 殺人事件の増加。
  • 飢餓による自殺。
  • 人肉食。

この活動の確認後、1972年6月に収容の取り組みが開始されました。長期にわたるSCP-9599内の非活動は、外部における異常現象の発生率と相関関係にあります。これらの影響は工場が稼働していると大幅に軽減され、SCP-9599に収容能力を超える数の動物がいると完全に消失します。

SCP-9599内の動物は、その寿命の間に極端な奇形や超常的な身体特性を発達させる可能性が高く、従ってSCP-9599-1に分類されます。SCP-9599-1はこれらの障害を先天的に有するのではなく、SCP-9599内で生活する結果として、時間経過と共に奇形化していきます。プロトコル・ステュクス-3に則り、SCP-9599-1個体は自然寿命の可能な限り遅い時期になってから屠殺されます。

補遺9599.1: SCP-9599-1個体

対象: SCP-9599-1-012 (ウシ)

奇形: 対象の声帯は胃腸組織と融合した。屠殺前の18時間、継続的に胃を鳴らして呻き続けた。

対象: SCP-9599-1-016 (ブタ)

奇形: 血液がゲル状に変化した。恐らくは酸素が循環しなくなったため、対象は呼吸がほぼ不可能になった。対象は屠殺されるまで7時間生存した。

対象: SCP-9599-1-019 (ウシ)

奇形: 対象は59時間かけて単眼症を発症した。変形の完了後、対象は頭蓋骨の癒合によって脳損傷を負った。12日後に屠殺された。

対象: SCP-9599-1-022 (ニワトリ)

奇形: 膝下の有機組織が全て消失した。対象は屠殺前の19日間、動けない状態だった。

対象: SCP-9599-1-023 (ニワトリ)

奇形: 対象の嘴にウマの成獣の歯が生えた結果、嘴が破損し、頭蓋骨を骨折した。18時間後に屠殺された。

対象: SCP-9599-1-026 (ウシ)

奇形: 対象の体内筋肉組織が、握り拳に類似する高密度の塊を複数形成した。これらの塊は45分おきに順番に収縮した。14日後に屠殺された。

対象: SCP-9599-1-027 (ブタ)

奇形: 対象の皮膚は5日かけて硬直し、石灰化した。屠殺時には、真皮がひと連なりの厚い殻に変化していた。対象はこの間、完全に意識を維持しており、眼球運動で刺激に反応を示した。

対象: SCP-9599-1-031 (ニワトリ)

奇形: 両脚が融合し、ゾウの鼻のような単一の付属肢に変化した。対象はうねるような動きの筋収縮によって移動した。5日後に屠殺された。

対象: SCP-9599-1-035 (ウシ)

奇形: 内臓が生物学的な機能を停止したが、代謝活動を維持し続けた。対象は生命兆候を示さなかったが、26日間にわたって刺激に反応し続けた。27日目に屠殺された。

対象: SCP-9599-1-036 (ブタ)

奇形: 循環器系全体が体外に排出され、対象の体上15cmに浮遊した。対象は生命活動と歩行能力を維持した。16日後に屠殺された。

対象: SCP-9599-1-037 (ウシ)

奇形: 対象は裏返しになった。直ちに屠殺された。

補遺9599.2: インタビュー

SCP-9599への駐留という業務の性質上、職員は限定的な心理ヘルスケアを受けることができます。以下はジェラルド・ハレル工場長とマーリー・ムーニー博士の間でのインタビューです。

書き起こし


«記録開始»

ムーニー: あと、どのくらいですか?

ハレル: 7ヶ月だ。

ムーニー: あなたは大抵の職員よりも長くここに留まっている。逞しさの証ですね。

ハレル: そんなもんは無い。

(沈黙。)

ムーニー: しかし、志願して -

ハレル: 志願者なんかいねえよ。誰一人な。俺はジェリーがぶらんこ往生した後、ほとんど間も置かずにこの役職に押し込まれたんだ。機会すら与えられずに -

ムーニー: その話はしない決まりでしょう。

ハレル: 分かってる。今まで誰にも話さずに耐え続けてきた。

ムーニー: 立場上、それは良いことだと伝えるのが私の役目です。

ハレル: そうかい?

ムーニー: 誰もがここまで続けられるわけではありません。

(ハレルは冷笑する。)

ハレル: 俺たちは世界を養ってる、そうだろ?

ムーニー: 自分の境遇をより良い視点から見る方法は幾つかあります。世界を養うというのは良い展望ですね。

ハレル: ああ、ピクピク痙攣する出来損ないの家畜を、一度に一頭ずつ始末する仕事さ。

ムーニー: どうしてそんなことを言うんですか?

ハレル: 世間はよ、こういうのに伴う代償をあんまり気楽に受け入れすぎてやしねえか。この町の連中のことさ。お前らは“今日も収容違反の無い素晴らしい一日だったなあ”ってな具合で書類をしまい込む。肉は綺麗にパッキングされて出荷される。報告書には金星だ。俺たちが床からどんなもんを削ぎ落とすか、訊ねる奴は誰もいない。

ムーニー: あなたが対処している問題を人々に知ってもらいたいのですか? それが具体的にどうあなたのためになるんです?

ハレル: どうせ誰も気にしねえだろうよ。値上げされたら文句を言うに決まってる。

ムーニー: あなたはここの人々が生き続けるのに貢献しています。

ハレル: ああ。だが、その連中は動かなくなる前の家畜どもを見なくて済む。苦しみを押し付けられている生き物の姿を見なくて済む。

ムーニー: その苦しみは -

ハレル: 屠畜ラインの最後にはな、皮を剥がされた頭を入れる箱があるんだ - ブタ、ウシ、ニワトリ。ジェリーはよく、そこに近付くなと言ってた。それを処分するのは自分の役目だってな。俺は理由を一度も訊ねなかった。知りたくなかったのさ。でも、ジェリーが辞めちまった後、それは俺の仕事になった。あそこの頭には必ず残ってるものがある - 俺たちが綺麗に仕上げてパッキングできないもの。あいつらの目だ。毎日、ラインの端まで歩いていくと、俺が殺したありとあらゆる生き物が見つめ返してくる。俺はゴミみてえにそいつらを捨てる。そしてあいつらは、俺がこういうことをしたんだって知ってる目つきで俺を見ながら流れていくんだよ。

(沈黙。)

ムーニー: 話を続けたいですか?

ハレル: いや、あんまり。

«記録終了»

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