アイテム番号: SCP-961
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-961は、実験のために使用されていない時はサイト38にて、空の部屋に閉じ込められるか、収納容器に入れられて屋外に置かれるかして保管されます。日照時間の間、SCP-961は、できるだけ長く、日光にさらされる場所に置かれていなければいけません。物体は常時カメラによる観察下に置かれ続けます。SCP-961の表面の影の異常な動きが、直射日光にさらされている際に検出された場合、物体は、屋内へ移され、空いている部屋に保管されます。曇天や悪天候はSCP-961の能力を活性化させないようですが、SCP-961は、日光が最低13時間以上つづかない環境に保持されるべきではありません。季節の変化に応じて、SCP-961を961-βプロトコルによって再配置することも可能です。SCP-961とともに発見された収納容器は、未知の手段により、SCP-961の能力を封じ込めるのに有効であると思われます。空の、完全に閉じた部屋にアーティファクトを置くことは、同様の効果的を持ちます。SCP-961の効果が気付かれずに発動し続けていると推定されます。
屋内で実験する場合、SCP-961の活動サイクルのラスト5分間に、レザック・フーパー短期記憶テストで85点以上の得点をおさめたDクラス4人をSCP-961ともに空の部屋へ置いて下さい。いかなる状況下もSCP-961のサイクルを屋外で完了させる事を許可しません。デジタル時計が収容室内に置かれるべきです。
SCP-961で観測されたイベントが入手可能な記録を否定した場合、直ちに管理研究者O5司令に報告して下さい。
説明: SCP-961は、17世紀後半の英国モデルと様式が似ていますが、職人や以前の所有者の特徴を欠いた、未知の方法で製造された鉄製の日時計です。日時計は、下部に 「ALEXYLVA大学歴史学部」と読める小さなステッカーがあり、縁に沿って伝統的な時計の配置で刻まれたローマ数字以外に刻印はありません。 「Alexylva大学」という機関についての記録は存在しませんが、ステッカーは最近のもののように見えます。
日光にさらされ、適切に配置されているとき、SCP-961は異常特性を持たない標準的な日時計として機能します。しかしながら、日光が存在しない時、暗い染みが中央から出現し、12時を指しているように見えます。影を作っても、染みは日時計の表面に刻印されているように見え、どんな周波数や強度の光によっても払拭できません。染みは日時計の縁に沿って通常の速度、すなわち、一時間ごとに次の数字に達する速度で反時計回りで回り始めます。
染みの回転がXIIへ戻ると、SCP-961はSCP-961が収容された空間に居る誰に対してもその主要な能力を示します。閉じられた部屋にあるなら、部屋の周りは影響を受けません。ドアが完全に閉じられていない場合、収容エリアを可能な限り広く含むように効果が拡大します。SCP-961の能力に屋外へのアクセスを与えることの効果は不明ですが、研究者たちは可能性のあるリスクはすべての可能性のある利得を上回ることに同意しています。
SCP-961の主な効果は、範囲内のすべての人々に影響を与える突然の無意識と鮮やかな幻覚の形をとります。影響を受けるすべての人々は、どんなサイクルの中にも同じ幻覚を経験するでしょう。幻覚は常に過去に起こったイベント、通常、歴史的に重要なものの一つ、の形をとるでしょう。イベントは、そのクライマックスの丁度10分前から再生されます。その効果を体験したDクラス人員によって報告された各イベントの詳細全てが、それらのイベントに関する歴史的な記録と正確に一致しています。いかなる時点でもSCP-961で目撃されたイベントが歴史的な記録から逸脱した事はありません。これはSCP-961とともに回収されたノートをとりわけ奇妙にします。補遺961-2を参照してください。補遺961-2はO5司令の要請によって機密とされました。
多くの幻覚はこれまで記録されていない一つの細部を伴って終わります。近くのある人物が展開されたイベントで重要な役割を果たします。暗殺時なら、彼ら1は暗殺のためにドアのロックを解除したり、目撃者が出ないようにしたりします。戦闘中なら、彼らは反撃を成功させるために分隊や部隊を結集します。SCP-961-1と呼ばれるこの人物は、各テストで容貌と服が変化しました。観察者によって記述された容貌で一貫しているものは、眼窩よりもはるかに大きい(直径約5センチメートルある)のに、目のあるべき場所に位置した空(から)の黒い穴のペアだけです。近くの人々は目につくはずの穴に気付かずに、SCP-961-1と会話します。多くの幻覚の終わりに、SCP-961-1はイベントに関わるのを止めた後、観察者の1人の方へ向き、彼らに話しかけます。他の観察者には、聞きとれない会話が聞こえ、その後幻覚が終了します。観察者は、何を言われたのか覚えおらず、恐怖と混乱の強い感覚だけが残ります。SCP-961-1と話した観察者は、翌月中にやわらぐ急性の睡眠・暗闇・孤独恐怖症にかかります。
補遺961-1:レポートログ
日付 | 観察者の人数 | 概要 |
██/23/0█ | 1 | SCP-961の能力の最初の顕現。サイクルが終了するときに、独りの研究者が収容チャンバー内を掃除していた。その後、ミュージシャンがガールフレンドに心臓を刺されている幻覚の報告がなされた。すべての詳細および概要は、自殺と裁定されていたが、200█年の[編集済み]の死というイベントと合致する。SCP-961の能力の調査が開始される。 |
02/10/0█ | 4 | SCP-961の最初の完全に統制されたテスト。観察者たちは、Our American Cousin2と確認された演劇の上演中の混雑した劇場を見た。観察者たちはメインバルコニーのドアの周りの警備員が気を取られて、路地に導かれ、殴られて意識不明になったのを見た。加害者が他の男をドアへ手引きし始めた時、非常に特徴的な顔貌が初めて察知された。それはSCP-961-1とラベルされた。 |
09/14/1█ | 4 | 観察者は、戦いを、将校のテントの近くに彼ら自身が居るのを見る。司令官は、目に見えない医師3によって彼に与えられた複数の麻薬の影響下にあるように思われる。19世紀の英国とプロイセンの制服に身を包んだ軍隊は守備ラインを突破すると見られている。医師が現れ、SCP-961-1であることが確認される。医師は観察者の1人に話しかける。数フィート離れて、他の観察者の1人がつぶやきを聞く。「どういたしまして」と。 |