SCP-986-JP
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アイテム番号: SCP-986-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-986-JPは標準的人型収容房にてSCP-986-JP-A、B各個体を個別に収容します。実験及び保管用を確保して残りの個体は無力化を行ってください。新たなSCP-986-JP-A個体の発見報告がなされた場合、回収班にSCP-986-JP-Bを同行させてください。SCP-986-JP-Aの被害者が解放されたのちに、SCP-986-JP-A無力化プロトコルを実行させてください。

説明: SCP-986-JPはワンダーテインメント博士及びその模倣犯と考えられる「博士」により作成されたとみられる複数の人型実体です。

SCP-986-JP-Aは20代後半の男性です。複数の個体が確保されていますが、いずれの個体も人種・母国語等に共通点は存在しません。
一般に言われる喧嘩を行っている人物(以下対象と呼称)同士が半径10m以内に存在する場合、SCP-986-JP-Aは対象の人物に対し喧嘩をやめるよう宣告し、握手やハグ等を行い和解するように命令します。大抵の場合この発言は無視されるか反発を招きますが、SCP-986-JP-Aは意に介せず対象に握手やハグを強制する行動をとります。
SCP-986-JP-Aにより肉体を接触させられた対象同士は、接触箇所が物理的に融合します。融合箇所は神経や筋肉等が同一化しており、時間の経過とともにより融合の深度が大きくなります。大抵の場合に苦痛を訴え、その後臓器移殖時の拒絶反応に極めて似た症状を発します。融合状態の対象に他人が直接接触した場合も同様に融合し、一定数の人物が融合した時点で周囲の人物を引き寄せる特異性を発露させます。影響の範囲および強度は融合した人物の数に比例し、融合の深度も同様に大きくなっていき最終的に[データ削除]。
この間SCP-986-JP-Aはより多くの人物を融合させるために行動し、この行動は[データ削除]まで続けられます。[データ削除]後の行動はそれより前に全個体が一時的あるいは永続的に無力化されたため不明です。関連実験は予想される被害が非常に大きいため凍結されています。

SCP-986-JP-Bは20代後半の女性です。SCP-986-JP-Aと同様に複数の個体が確保されており、人種・母国語等に共通点は存在しません。
能力の活性条件や流れ等はSCP-986-JP-Aとほぼ同一ですが、こちらは対象の立場や考え等を聞いた上でより具体的な和解案を提示し、その解決の証として握手を促すという点が異なります。自発的かあるいはSCP-986-JP-Bによる強制かを問わず、握手を行った対象同士は後述の場合を除きいかなる手段を以ってしても握手を解くことが出来ません。SCP-986-JP-Aと異なり肉体的に融合はしておらず、対象の感覚等は正常の状態です。インタビューでは「接着剤でくっつけられたよう」「握手している部分だけ神経が通っていない感じ」などの証言が得られています。
固定された握手は対象同士の諍いの原因となった事案に対して真に和解できた場合に解除されるとされていますが、心理的な要因が大きくかかわり客観性に欠けるため詳しい条件は不明です。SCP-986-JP-Bが異常性を発揮させない場合も確認されますが、これは最初の握手の時点で和解している場合に発生すると予測されています。握手が長期間解除されない例も確認されており、現在██組の人物がいまだ解除されておらず財団に保護されている状態です。
対象の和解を妨害した人物はSCP-986-JP-Bによっていわゆる正座の姿勢に固定され、彼女からの激しい叱責1等を受けます。この行動は対象が妨害について十分に反省したと判断されるまで続き、対象は叱責が終わるまで正座の状態から動くことが出来ず、衰弱死するまで叱責が続く場合も存在します。

SCP-986-JP-BはSCP-986-JP-Aの特異性により融合した対象に触れることで安全に元の状態へ戻すことが可能です。融合が解除された対象に異常はなく、また融合中に発生した負傷も外的要因によるものでない限り治癒されています。また、SCP-986-JP-Aに対し[編集済み]を行うことでSCP-986-JP-Aの無力化が可能ですが、SCP-986-JP-Bも同時に無力化します。
この特性および後述の発見時期から、SCP-986-JP-BはSCP-986-JP-Aを模倣して作成されたと推測されています。ワンダーテインメント博士が模倣を行った理由は不明です。補遺3及び補遺4を参照してください。

SCP-986-JP-Aは20██年██月にミシガン州███にて初めて発見および回収されました。その1か月後SCP-986-JP-Bがフランス███にてSCP-986-JP-Aとともに発見・回収されました。以降、SCP-986-JP-AおよびSCP-986-JP-Bは同一箇所にて同時に発見・回収される事態が20██年██月まで続きました。20██年██月から現在までSCP-986-JP-AおよびSCP-986-JP-Bの出現は確認されていません。
補遺1及び補遺2の文章から、SCP-986-JP-Aは「博士」製作、SCP-986-JP-Bはワンダーテインメント博士製作と推測されています。

補遺1: SCP-986-JP-Aの右脚に記載された文章

ケンカしてないでみんな仲良くしようよ! "ミスター・いいひと"がそのおてつだいをしてくれるよ!
みんなで一緒に、仲良く楽しもうね!

補遺2: SCP-986-JP-Bの背中に記載された文章

ワーオ!! ワンダーテインメント博士の日本限定版のミスターの秘密コレクションを見つけたみたいだね!
ぜんぶ見つけて日本でもミスター・コレクターになっちゃおう!

01. ミスター・おやすみ(発売未定)
02. ミスター・かおだらけ
03. ミスター・ずぶずぶ
04. ミスター・くらやみ(発売未定)
05. ミスター・にんじゃ(発売未定)
06. ミズ・きみのだいじなひとを(自主回収中)
07. ミスター・ひきさかれる(自主回収中)
08. [判別不能]
09. [判別不能]
10. [判別不能]
EX. ミズ・いいひと

注意: 本製品は非売品であり正規販売の予定はありません。誠に申し訳ありません。また、”ミズ・いいひと”の尊厳・人権を無視した使用をした場合、ワンダーテインメント博士の保証対象外になります。
また、ワンダーテインメント博士の偽物が類似品を販売しているとの情報があります。”ミズ・いいひと”はワンダーテインメント博士オリジナルの製品であると保証するとともに、お客様にはご注意のほどお願いします。

補遺3: 20██年██月██日に██県██市にてSCP-986-JP-B個体のみが回収されました。この個体には通常の個体共通の記述に加え、追加の文章が存在していました。これ以降新しいSCP-986-JP個体の発見例はなく、前回の発見が200█年█月であったことに留意するべきです。

お知らせ


現在、ワンダーテインメント博士は「博士」製造の”ミスター・いいひと”に対し著作権侵害の訴訟を予定しています。付きましてはお客様各位に”ミスター・いいひと”の回収作業及び「博士」に関する情報提供のご協力をお願いいたします。有効な情報をご提供いただいたお客様には金一封及びワンダーテインメント博士がお客様の希望するオーダーメイドの商品をお作り致します。
情報提供は以下の電話番号から行えます。皆様のご協力をお願いいたします。

███-███-████
©ワンダーテインメント博士

補遺4: 20██年██月、ワンダーテインメント博士とみられる人物からSCP-986-JP管理担当責任者に対し電話が掛けられてきました。内容の録音はノイズが走っており聞き取ることは出来ませんでしたが、責任者から正確な内容を得ることが出来ました。
責任者によると、ワンダーテインメント博士は「博士」に関連する情報及び”ミスター・いいひと”の提供を要求してきました。要求は責任者が「自分の一存では決められない」として回答待ちの状態です。また、このとき同時にSCP-986-JP-BがSCP-986-JP-Aを模倣して作成されたこと及び博士に対し非常に高い敵対心を抱いていることが本人の発言より確定しました。模倣の理由については明確な回答を得ることは出来ませんでした。

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