SCP-990-JP
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アイテム番号: SCP-990-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-990-JPは高強度人型オブジェクト収容室に収容します。Dクラス職員以外の直接接触は禁止します。食事は流動食を与えて下さい。SCP-990-JP-aの回収に成功した際は、独立したオブジェクトとして取り扱います。

説明: SCP-990-JPは装甲服に身を包んでいると思われる人型の実体です。装甲服(SCP-990-JP-aとします)は未知の技術と素材でできており、脱がせるための試みは成功していません。試料片の回収に成功したため、破壊は理論上可能と思われます。

対象は"特装救命士トリアージ・レッド"と名乗り、財団に対しては極めて敵対的です。対象は[編集済]の現場で救助活動を妨害しているところを、財団の機動部隊によって拘束されました。初期収容段階では高い身体能力と脅威度の高い武装が確認されましたが、現在は機能していない可能性があります。以下に確認された事例を表記します。

現象 説明
救助された一般人に、SCP-990-JPに対する熱狂的な好意が発生。 薬物投与によるミーム災害と判明。薬物の回収は失敗。
一般的な成人男性のおよそ3.5倍の走力・跳躍力。 "ソニックドライブ"と呼称しているのを記録。SCP-990-JP-aの機能と思われます。現在は機能していない可能性があります。
致死濃度の二酸化炭素を放出するファン2基。SCP-990-JP-aの両肩に内蔵。 "フレイムキャンセラー"と呼称しているのを記録。財団が外部タンクを回収したため、現在は使用不能と考えられます。
ワイヤーアンカーを射出する装置2基。SCP-990-JP-aの両腕に内蔵。 "ソリッドシューター"と呼称しているのを記録。初期収容時にワイヤーを切断、アンカー部を回収しました。特異性はありません。
極めて精度の高い複合センサー。SCP-990-JP-aの頭部に内蔵。 "ハイパーサーチ"と呼称しているのを記録。作動時に発生する電磁波は現在観測されていません。
生命維持装置と思われる装備。設置個所不明。 収容から█日後に対象が食事を要求したため、現在は機能していないと思われます。

財団はSCP-990-JPに対して複数回インタビューを試みました。

インタビュー記録006 - 日付2014/██/██

対象: SCP-990-JP

インタビュアー: エージェント・マオ

付記: 収容違反防止のため、インタビューは映像通信によって行われました。

<録音開始>

エージェント・マオ: こんにちは、SCP-990-JP。

SCP-990-JP: 俺はそんな名前じゃない。特装救命士トリアージ・レッドだ!

エージェント・マオ: 失礼しました。あなたの本名を教えてくれませんか。

SCP-990-JP: 俺の名はトリアージ・レッド! 俺のスーツを修理して、ここから今すぐ解放しろ!

エージェント・マオ: 質問を変えます。あなたの所属組織について、もう一度詳しく教えて下さい。

SCP-990-JP: 我々は"Hyper Electric Rescue Organization"、略して"超電救助隊HERO"だ! 俺を監禁しても、すぐに仲間が救助に来るぞ!

エージェント・マオ: あなたは[編集済]のとき、その組織の任務であの場にいたのですか?

SCP-990-JP: そうだ! 我々は人命を救助し、人々を守る! お前たちとは違う!

エージェント・マオ: 人命を守ると言いますが、あなたの使用した二酸化炭素散布器……

SCP-990-JP: "フレイムキャンセラー"だ! CO2チャージャーを返せ!

エージェント・マオ: あれは救助の手段としては不適切ではありませんか? 現場にいた消防士に任せた方が良かったのでは?

SCP-990-JP: フレイムキャンセラーは彼らの放水消火とは異なり、一瞬で炎を消す! 間に合わない正義など正義ではない! だから早く直せ!

エージェント・マオ: しかし二酸化炭素の濃度が高くなると、消えるのは火だけではありません。人体にも有害です。

SCP-990-JP: そんな心配は無用だ! お前たちも聞いただろう、助かった人たちの感謝の声を!

エージェント・マオ: 確かに[編集済]の負傷者の大半は、あなたによって救助されました。そのことについては感謝しています。

SCP-990-JP: ようやくわかったか! 俺たちは正義のヒーローだ! いずれ仲間が俺を必ず救助に来る! きっとだ!

エージェント・マオ: では、こちらの画像を見て下さい。

(モニタに[編集済]が表示される)

SCP-990-JP: まさかお前たち、この子を人質に取ったのか!? 卑劣な!

エージェント・マオ: それは不可能です。この子は既に死亡していますので。

SCP-990-JP: なんだと?

エージェント・マオ: 二酸化炭素は空気より重いので、低い場所に溜まります。背の高い大人は平気でも……。

SCP-990-JP: 黙れ!

エージェント・マオ: 救助のためにあなたは人命を奪いました。救命士としても、ヒーローとしても失格だとは思いませんか?

SCP-990-JP: 違う! より多くの人を救うためには、他に方法がなかったからだ! それは正義だ!

エージェント・マオ: この子とその遺族が、それで納得してくれると思いますか?

SCP-990-JP: 卑劣だぞ! 俺の正義を試そうというのか!

エージェント・マオ: 私はあなたの答えを聞きたいだけです。

SCP-990-JP: お前たちに正義を問う資格はない! ここから出せ!

エージェント・マオ: 私の質問に答えて下さい。

SCP-990-JP: 俺はヒーローだ!

エージェント・マオ: インタビューを終了します。

<録音終了>

終了報告書: 対象はこのインタビュー以降、一切の会話に応じなくなりました。

補遺: 2015年7月8日現在、対象は不定期に同じ発言を繰り返しています。

音声記録156 - 日付2015/07/08

対象: SCP-990-JP

<録音開始>

SCP-990-JP: 俺はヒーローだ。俺はヒーローだ。俺は……。

<録音終了>

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