SCP-CN-096
評価: +9+x

アイテム番号: SCP-CN-096

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-CN-096はエリア-CN-10の屋外に保管されるべきであり、如何なる遮蔽物の下、及び建築物内に放置してはなりません。オブジェクトから約20mの地点には標準の監視カメラを設置し、随時これを監視せねばなりません。オブジェクト付近の地面に文字が顕われた場合には、2名のDクラス職員を派遣し標準化学廃液処理方式を用いこれを処理しなければなりません。

オブジェクトを移動させねばならない状況が発生した際には、直接手で触ったり掴んだりすることは極力避けねばなりません。職員が図らずもオブジェクトと接触してしまった場合、即刻オブジェクトを置き、現地で待機し異常効果の消失を待たねばなりません。オブジェクトの異常性質を鑑み、全ての人員がSCP-CN-096の影響を受け、第二段階の対象となった場合には人員の階級をDクラス職員とみなし、対象の終了処分を最優先事項とせねばなりません。

アーカイブ済収容プロトコル:

説明: SCP-CN-096は円筒錠式のドアノブです。先端には明確に人為的にドアから排除された材木の痕跡が見られます。

  • 第一段階: 対象は全ての門、窓から閉鎖状態の同一の門扉の出現を感知します(以下SCP-CN-096-1と呼称)。この段階で対象がSCP-CN-096を放した場合、効果は1~2分ほどで消失します。
  • 第二段階: 対象がSCP-CN-096-1に「接触」した後、下記の異常効果が発現し始めます。対象は自身が接触したSCP-CN-096-1を唯一の出入り可能な門であるとみなし、その他の門扉は対象によってSCP-CN-096-2と感知されます。この段階に入った場合、効果は不可逆的なものとなります。
  • 第三段階: 対象が当該SCP-CN-096-1の「ドアノブ」を「回し」、開け放った後、全身が黒色へと変化し、更に[編集済]の速度で縦横50cmの漢字「停」へと変化します。字からは「来るな」「停まれ」「うせろ」などといった対象の声が常に発せられます。対象が接触したSCP-CN-096-1は[データ削除済]です。第三段階の対象を目撃した人物は重大な不安障害を発症しますが、この間接的な影響はCクラス記憶処理を以て取り除くことが可能です。

対象の説明によると、SCP-CN-096-1はライトグリーンで、一面に黒い虫食い痕が広がった木製の古い門であり、ドアノブは存在しません。扉板には楷書で「不得而入入るよしもなし1」と記されています。SCP-CN-096-1は元々の門のサイズに応じて、自身のサイズを適正なものに変化させているようです。SCP-CN-096-2は門前の小道に出現する大小さまざまな青白く痩せ細った人間の手のひらです。手の表面は「停」という文字で覆われています。

対象とSCP-CN-096-2の距離を近づけようと試みると、対象は暴力的になり一切を顧みずSCP-CN-096-2から逃げ出します。対象の全身を拘束してSCP-CN-096-2付近に移動させた場合、対象に未知の作用力が働き、2mほどの距離まで「投げ」られ、対象の体もしくは装備品の表面に交通標識の「進入禁止」の図案が出現します。

回収レポート: SCP-CN-096は[編集済]地震の後、全壊した四川省[編集済]の民家から発見されました。当該物件は███と言う名の住民のみ居住しており、付近の住民への聞き込みの結果、当該人物が過去███日間にわたって部屋の門から出ていないことが判明し、更に建造物からは異常な大音声と門を開け閉めする音が頻繁に聞こえたことも明らかになりました。

オブジェクト付近で発見された一体の骸骨の右手には何かを掴もうとした動作が認められました。鑑定の結果、骸骨は死後半年以上経過したものであり、いかなる異常性も認められませんでした。当該建築物の玄関と説明におけるSCP-CN-096-1は同一であるようです。建造物の付近には大量の鑑定不可能な茶色の液体が見られ、更に液体の存在した地点には多数の手書きの漢字「停」が見られました。当該建造物の残骸は既に回収され、一部の液体は収集し、その他のものは全て清掃されました。 (建造物の研究に関しては補遺CN-096-Aを参照してください)

事故CN-096: 2017/██/██、SCP-CN-096の収容ルームの壁面に大量の大小さまざまな「停」の字が出現しました。収容ルーム付近の廊下にもこの種の現象が発生し、どの文字からも20デシベルで当該文字の中国語の発音に相当する混合音が発せられていました。鑑定の結果、文字の成分は墨汁に[データ削除済]を加えたものと確認されました。調査の結果、以前にオブジェクトを保管していた建築物及び部屋では全てこの類の現象が発生し、屋外では発生していないことが判明しました。

先日の異常についてですが、どうしてこれまで気づかれなかったのでしょうか。現状では原因が判明していないため、収容プロトコルの更新及びオブジェクトクラスのEuclidへの変更を提議します。 — 元博士

承認。 — ██, エリア-CN-10管理者

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。