SCP-CN-1000
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特別収容プロトコル: 現在のタイムラインでは、複数の基盤技術の研究は未だに完成していないことから、SCP-CN-1000本体に対する抑制策はまだ確立していません。

抑制に向けての準備作業は現在、O5評議会及び世界オカルト連合最高司令部の主導により進行中です。O5評議会はその主要責任を担います。

目下、財団の育成を継続し、SAPプロジェクト製品の収容/抑制作業を指導することが依然として主な課題となっています。現在の作業進捗については、プロジェクトチーム内で照会してください。SCP-CN-1000対策担当職員は、サイト-01Pに常駐しなければなりません。無断に持ち場を離れる/外部と連絡する行為は離反行為とみなされます。

説明: SCP-CN-1000は2300/01/01 00:00(GMT+8)から2300/01/07 23:59(GMT+8)までの168時間の間に発生する異常インシデントの総称です。SCP-CN-1000プロセスが完了した後のタイムラインでどのような状況が起きているかについては、現在は未だに観測できていません。

SCP-CN-1000プロセスは、以下の事象を含みます。

  • 通常の物理法則に反する、精神/物理/生理/ミームに対する操作能力などを有する異常生物の大量発生。
  • 通常の物理法則に反する、精神/物理/生理/ミーム/物語に対する操作能力などを有する異常物品の大量発生。
  • 人間の認識に対する異常かつ大規模な再構築。
  • よく使用される概念に対する異常かつ大規模な改ざん。
  • 一部地域における、物理法則の再構築。
  • 広範囲にわたるフラッシュバック型現実再構築。

既知の4496本のタイムラインにおいて2300/01/01/00:00(GMT+8)以降の時間帯が観測できなくなることから、SCP-CN-1000が全てのタイムラインで無差別に発生すると推測されています。

SCP-CN-1000の異常発生物(以下SCP-CN-1000-1と呼称)は人類文明または個体に対して様々な規模の危害を及ぼします。SCP-CN-1000の発生原因は未だに不明ですが、取得されたタイムラインログでは、SCP-CN-1000は例外なく人類文明に壊滅的な打撃を与えたと記録されています。その結果として、以下の事象がもたらされます。

  • 人類全体の90%が死亡もしくは精神的/物理的/ミーム的/概念的に崩壊/消極的変化。
  • 環境平均ヒューム値が1*10-3Hmよりも低下、もしくは1*1013Hmよりも上昇。
  • ミーム系統の完全なる崩壊。
  • 概念系統の完全なる崩壊。

SCP-CN-1000及びSCP-CN-1000-1の発生パターンは一定しないが、その烈度は人類の技術水準に比例している1と考えられています。SCP-CN-1000プロセスの最中の記録を取得できたタイムラインのうち、382本のタイムラインにおける人類文明が完全にSCP-CN-1000によって滅亡させられたと推測されています。

特別収容補助プロトコル: SCP-CN-1000の対策として、タイムラインβ3-03-ACDA2の生存者(噎鳴-01)により、実験的にSimulative Anomaly Project(SAPプロジェクト)を立ち上げ、庚辰-3“噎鳴ムセビナキ”プロトコルを初歩的に確立しました(以下、プロトコル-噎鳴と呼称)。

SAPプロジェクトの目的は、通常技術を用いてSCP-CN-1000プロセスにおいて発生した一部の異常物品及び異常インシデントを再現することです。当プロジェクトは、庚辰-3“噎鳴”プロトコルの中核的な構成部分です。

プロトコル-噎鳴は主に以下の3つの段階から構成されています。

  • 1. 移植インプラント。SAPを目標タイムラインの各時点に転送する。
  • 2. 介入インターベン。“噎鳴”プロジェクトチームのメンバーを目標タイムラインの各時点に転送し、目標タイムラインを干渉し“正常性維持機関”の発足を誘導する。
  • 3. 指導インストラクト。“噎鳴”プロジェクトチームのメンバーは、目標タイムラインにおける人間社会がSCP-CN-1000に対抗するよう協力すると同時に、プロトコル-噎鳴を確立・実行する。

本タイムラインもプロトコル-噎鳴の実施対象の1つです。O5評議会・世界オカルト連合最高司令部メンバー、及び一部のフィールドエージェントはタイムラインδ8-03-CBB3Fから転送されており、現在は本タイムライン(γ8-03-AACAF)の指揮/指導を担当しています。

現在、プロトコル-噎鳴は合計で382回実行されており、以下は実行記録の抜粋です。

実行回数 実行内容 実行結果 追記
1 非公式的実行。タイムラインγ8-03-ABCAAの生存者が誤って数体のドローンと共にテスト中のタイムマシーンに侵入し、タイムラインα3-03-AADAFの1900年に転送された。 実行担当者は目標時間帯に到達するもコールドスリープから覚醒せず。ドローンが自律的に稼働し、周辺地域の一般人を負傷させたことで異常物品として認識され、超自然的武器を研究する組織が当地で発足した。ドローンは2000/01/23に無力化したため、研究組織が解散。 SCP-CN-1000プロセスが予想通りに発生し、当タイムラインは放棄された。
2 非公式的実行。タイムラインα3-03-AADAFの生存者が技術資料を大量に所持したままタイムラインβ3-03-ACDA2に到達。 実行担当者は目標時間帯に到達すると、すぐさま所持していた技術資料を公開し、世界の発展に拍車をかけた。SCP-CN-1000プロセスが始動する直前に、既に99.8%の人間が電子化された。 SCP-CN-1000プロセスが予想通りに発生し、プロセス中に[データ削除済]したため、電子化された人間はすべて[データ削除済]され、当タイムラインは放棄された。技術の持ち込みはSCP-CN-1000の対応策として不十分であると考えられる。
3 初回公式的実行。タイムラインβ3-03-ACDA2の生存者が技術資料を所持し,タイムラインγ9-03-A2D32に到達、はじめて異常物品の類似物を制作することで人類のSCP-CN-1000に対抗する力を向上させるという理論を提唱した。 130件のSAPが人間社会に投下され、生存者はSCP-CN-1000プロセス始動までのコールドスリープを志願した。 UIUが発足、SCP-CN-1000-1に僅かながら対抗するも圧倒される。当タイムラインは放棄されたが、SAPは対応策として有力視された。
4 実行せず。 タイムラインβ3-03-ACDA2の生存者は当タイムラインでさらなるSAPプロジェクトの開発を行い、同時に庚辰-3“噎鳴”プロトコルの初版を策定した。生存者たちは自らを不死化改造し、「O5評議会」と名乗りはじめる。 当タイムラインは放棄された。
5 数千件のSAPはタイムラインβ3-03-ACDA2よりタイムラインδ3-A7-ABDB2の各特定の年代に転送された。O5評議会は当タイムラインの複数の時点へ進入し、SCP財団の発足を誘導した。 SAPはSCPとして収容され、異常収容理論がはじめて確立した。O5評議会は、23名の予備職員を募集すると同時に、SAP及びプロトコル-噎鳴の詳細化に向けて改訂と見直しを行った。 SCP-CN-1000プロセスが予想通りに発生し、当タイムラインは放棄された。戦闘能力を喪失させられるまで、SCP財団は各主要都市を約30分保護した。
23 より多くのSAPを転送、世界オカルト連合の発足を誘導。 財団が弱体化し、世界オカルト連合に併合された。 SCP-CN-1000プロセスが予想通りに発生し、当タイムラインは放棄された。GOCはSCP-CN-1000-1に対し約3時間ほど善戦するも防衛ラインを破られた。
43 追加で目標タイムラインに数件のSAPを転送。社会発展のプロセスを変更し、宗教を中核に社会と財団の再構築を試みる。 SCP財団の代わりに、深淵の光同修会なる組織が発足。 前タイムラインと比べて目立った進展はなし。SCP-CN-1000プロセスが予想通りに発生し、当タイムラインは放棄された。
85 操作ミスにより、SAP-2301が誤って1950年に転送される。これにより、冷戦が激化の一途を辿った 記録なし。 1952年に予定よりも早く当タイムラインから離脱したため、さらなる記録はなし。
231 壊れた神の教会及びサーキック・カルト系統を移植し、認識災害系SAPをより多く転送。 SCP-CN-1000-1に対して、財団の戦術は明らかに多様性に富んだ。 最初の24時間内で世界各主要都市を守り切ることができたが、当タイムラインはやがて放棄された。
232 さらに異常文化を移植しようとする試行中の操作ミスにより、SAP-3379による被害は予想水準より逸脱。 人類は2121年にほとんど絶滅。 2122年に当タイムラインから離脱したため、さらなる記録はなし。
381 実行中。 実行中。 実行中。

我々は我々の過去を変えることはできないが、彼らの未来を変えることができる。


システム: 新しいメールが(1)件あります。






From:O5-12

評議会に入ったのは、おそらく君のほうが私より500年ほど早いだろう。君が体験したタイムラインも、私より3本くらいは多いはずだ。

そろそろ、終わりにしないか、1。ムセビナキの効果は、もうそれ以上は望めないだろう。

我々が歩んできたこの5本ものタイムラインに、本当に目立った変化はあったのか?たしかに、壊れた神の教会の移植で、我々は大きな一歩を踏み出した。しかしその後は?より多くの要注意団体、より多くの異常宗教、中国歴史の始まりを改変してまで、何が得られたというのか?超自然脅威に対抗するための理論は、ただ虚しく論文が積み上がるだけだった。財団はただ年頃のサキュバスを島に閉じ込め、GOCはただ不死身のトカゲを塩酸漬けにすることしか知らない。この5本のタイムラインで、人類が新しい知見を得られるという期待を抱きながら、我々は何回も収容違反を策動し、そして何回も期待を裏切られた。

財団とGOCを育成していく中で、ムセビナキは何回のCKとXKを引き起こした?我々の手は、既に1回分のSCP-CN-1000よりも多くの人間の血に染まっているのではないか?

我々は「異常に対抗する」という妄想を、終焉が来るまでの300年間の、世界で最も優秀な人材たちに押し付け、あまつさえ闇の中で無駄死にさせた。その闇は他でもない、我々が作り上げたものだ。我々は恐怖政治を扇動し、政府を縛り上げ、この世界に残された最後の富みと資源をより多く消耗することを強要してきた。SAPがなければ、ムセビナキがなければ、財団やGOCがなければ。終焉が来るまで、少なくとも人類は百年の安らぎを得られる。

これが人類の限界だ。381回、95250年。闘争はもう十分だ。この世界を多少なりとも楽にする方法は、まだいくらでもある

流伝を、終わりにしよう。

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