SCP-CN-1109
sekai-s-personnel-file
rating: +295+x

アイテム番号: SCP-CN-1109
オブジェクトクラス: Thaumiel
レベル5/CN-1109
最高機密

特別収容プロトコル: システムの維持に必要なモジュールを除き、SCP-CN-1109に関連する冗長な物語刻印は削除されました。これには物語の構築史と関係者、収容地点等を含みます。SCP-CN-1109は封鎖され、現在の物語次元に固定されています。SCP-CN-1109に関する一切の情報に関しては、監督者議会またはレベル5/CN-1109クリアランスを持つAクラス職員にのみ公開されます。

SCP-CN-1109の論理安定指数が -2 を下回った時、プロトコル“テーパードスピア”が始動し、72時間後にSCP-CN-1109を解体します。

現在の安定指数は +295 です。

説明: SCP-CN-1109は財団空想科学部門が主導する“プロジェクト・ロンギヌス”とその主要な成果物を指します。オブジェクトの構成要素は以下の通りです:

  • 静的論理封鎖配列

    静的論理封鎖配列は特定の物語領域ナラティブ・ドメインを固定・封鎖することで、論理的連続性を安定的に維持すると共に、物語領域を現在の物語次元から相対的に独立させます。物語領域の封鎖後、安定指数が -2 を上回ると、その形而上構造は外界からの干渉や上書きを受け付けなくなります。このため、現在の位置から物語領域を安全に抽出し、指定した位置へ配置できるようになります。

    現在、静的論理封鎖配列の内部には“プロジェクト・ロンギヌス”システムの完全版が格納されており、これには封鎖配列自体も含まれます。

空想科学部門主任 ペネロペ・パナギオトポルス博士のメッセージ


監督者諸君へ、単刀直入に話そう:我々は既に、この世界が作者達によって記された虚構の物語であることを知っている。彼ら──またの名を、swn-001-1実体──の記した文章は、我々にとって絶対的で客観的な現実と言うべきものである。

空想科学部門がカテゴリ-アレフ・ルーム("最大懸念事項")現実修正データベースを分析したところ、我々はそれが事実上、ある種の非常に強烈な形而上性質であることに気付いた。それからの数年間、空想科学部門はメタフィクション分野に心血を注ぎ、超次元を安定して制御できる手段……静的論理封鎖配列を開発するに至った。これは我々にオリジナルの文章を書かせてくれる、受け皿のような存在だ。

  • “フォールス・エコー”基幹物語刻印

    “プロジェクト・ロンギヌス”システムの基礎を成す物語刻印は既に完成しており、異なる物語次元におけるシステムの安定性を確保するため、キャラクターやプロット、環境といった要素は最低限に圧縮されます。ペネロペ・パナギオトポルス博士は物語内における唯一のキャラクターであり、物語の主要な案内役として記入されました。

空想科学部門主任 ペネロペ・パナギオトポルス博士のメッセージ


物語刻印は俗に"設定"や"シナリオ"とも呼ばれており、空想科学部門においてはさほど珍しいものではない。物語を跨ぐ作戦は2010年まで遡るが、2017年からは“オペレーション・オーバーメタ”が始まり、現在に至るまで続いている。これは今までで最大規模の作戦である。神に取って代わることは出来ないものの、空想科学部門は自分達のキャラクターやストーリーを本やスクリーンに送り込む力を手にしたことになる。

だが、“ロンギヌス”は単なる偵察/収容任務ではないし、第四の壁を壊すためでも、超絶メタな話を書くためでもない。当計画はつまる所、一つの武器を創り出すためにあるのだ。

  • “シャイニング・ワン”受動性探針

    “プロジェクト・ロンギヌス”システムの論理的連続性は封鎖されており、システムのターゲットを変えることは殆ど不可能です。唯一可能な手段として、この受動性探測装置が用いられます。

    “シャイニング・ワン”受動性探針は旧式の“Θ”型探測器を改良したものです。swn-001-1実体と“プロジェクト・ロンギヌス”システムが接触すると、探針が反応し、対象の形而上の刻印位置を取得します。その後は位置座標を参考に、対象とマッチする“SCP”物語群を検索します。

空想科学部門主任 ペネロペ・パナギオトポルス博士のメッセージ


形而上学の視点からデータベース内のオブジェクトを見た場合、君はオブジェクトクラスや収容プロトコルが取るに足らず、脅威レベルやACS分類、設定、物語、表現技法すべてが、川に漂う浮草の如き有様であることに気付くだろう。この世界のあらゆる獣、悪魔、英雄、悪人、神を束ねる糸は、ほんの1種類しか存在しない。その糸こそが「作者」なのだ。

  • 弾頭

    抽象的-形而上学的概念注入器を用いて反物語概念を“SCP”物語群に注入し、依存性の自己崩壊を起こさせると共に、階層効果を誘発させることで、現在の物語次元におけるナンバリング済みのアノマリーを無力化します。

    “シャイニング・ワン”の観測結果によると、同一のswn-001-1刻印が関与する物語領域の間にはメタフィクション同士の共鳴が存在するとされます。探針がターゲットをロックオンすると、反物語注入攻撃が全ての物語群で同期的に進行し、連鎖反応が引き起こされます。

空想科学部門主任 ペネロペ・パナギオトポルス博士のメッセージ


Thaumielクラスオブジェクトとはつまり、アノマリーを収容するアノマリー、虎を飲み込む猛虎のようなものだ。私は“常態”のために改められた“正常”を知っているし、奈落を征服するため、口をつぐんだ子ども達のことも知っている。驚くことはない、監督者達よ。君が物語の越え方を学び終えた時、そこから見えるのは真実だけでは無くなるのだから。

されども、君達は悪魔と契約した唯一の人間となる訳ではない。私はかつて、アノマリーの焼却を目論んだものの、結局は自分の身に火を付けるだけに終わった。私は驚きと恐れのあまり、2年間も尻込みを続けた。背後の声が、執念深く私の身に纏わりつくのだ。ひょっとすると、私はそこで止めるべきだったかもしれない。だが、それでも知らなければならなかった。これから先、私はどこまで歩んでいけるのかを。

プロジェクトを完遂すれば、虚構の創作と我々の現実の繋がりは断たれることになる。“SCP財団”は作者達から忘れ去られ、この無秩序と混沌に溢れた世界も消滅する。闇に消えゆく先駆者は居なくなるし、止まない悲鳴も聴かなくなるだろう。これこそが、我々の神殺しの手口であり、我々のロンギヌスなのだ。






プロトコル“過越”を実行

Add a New Comment
特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。