
SCP-CN-1511が出現し始めた際の記録
アイテム番号: SCP-CN-1511
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-CN-1511を収容することはできません。しかし、その発生条件が比較的限定されているため、一般市民との接触機会を減少させることが可能です。透明雨傘や雨ガッパ等の生産を停止し、現存するテント屋根を不透明な素材に交換してください。雨天時には一般市民に可能な限り天窓等の遮光設備を引き上げさせるとともに室内照明を使用させてください。インターネット上でSCP-CN-1511と思われる記録を発見した場合は、「フェイク写真」「地面の反射」「光学現象」等と説明するか記録を削除し、関係者に対して記憶処理を施してください。
説明: SCP-CN-1511は特定の現象であり、この現象と接触した人間のみ観察、記録することが可能です。SCP-CN-1511の発生条件は以下の通りです。
- 該当するエリア内で一時間あたり8mm以下の降水量を伴う降雨現象が発生する。SCP-CN-1511の形成と降雨に関連性はありませんが、この現象は降雪または雹の天候下では発生していません。
- 対象が透明な遮蔽物の下にあり、かつ雨水が透明の遮蔽物に接触できる。この基準に合致する遮蔽物には主に以下のものが含まれます。建築物の透明の屋根、天窓あるいはテント屋根:乗用車及びその他の車両天板の車窓:透明の雨傘の布地部分及びポンチョ、レインコートのつば部分等。これらの透明な遮蔽物を地面に対して垂直にした場合は条件に含まれません。
- 対象が3-5分以上遮蔽物を注視し続けており、かつその他の行動をとっていない。
上記の条件を満たした場合、SCP-CN-1511は発生します。対象は透明な遮蔽物上に不明瞭な靴跡が増加していくのを目撃します。これらは対象付近の通行人が履く靴と一致します。同時に、対象は幻聴を覚え、付近の雨音が明瞭に変化し、異なる媒体に落下する雨粒が起こす異なる音色の違いが明確に変化します。そして全体的に即興ジャズの演奏に類似した音楽を呈していき、同時に周辺の音声は弱まっていきます。靴跡はこの演奏に合わせて移動し、タップダンスを表現、またはリズミカルに往復します。対象は同様に靴が地面や水たまりを踏む音を聞きますが、これは正常な状況下では、同様の靴が地面と接触しても明瞭な音声を発生させることはありません。SCP-CN-1511が発生中、対象はこの現象に注意を向け、作曲やダンスの基礎がなくともメロディーを小さく口ずさんだり小さくて足を動かしたりする傾向があります。対象が任意の音楽を聞いていた場合はその音量は下がらず、雨音と靴跡の移動は音楽の演奏に合わさります。
SCP-CN-1511は雨が止むか「音楽」が 一曲終了すると自動的に非活性化します。対象の視覚と聴覚が外部の刺激、例えば通行人との衝突や携帯電話の振動等に接触した場合も同様に、SCP-CN-1511は終了します。発生条件を満たさない周辺の人物はSCP-CN-1511を観察することはできませんが、発生させた人物の行動を見ることは可能です。