SCP-CN-1976
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アイテム番号: SCP-CN-1976

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-CN-1976はサイト-CN-02のSafeクラスゾーン内にある標準収容ロッカーにて収容されます。SCP-CN-1976へのアクセスにはレベル3以上の職員2名からの書面による許可が必要となります。SCP-CN-1976の文章を読んでいる際、職員は朗読してはなりません。SCP-CN-1976の効果を受けた人間の対象はサイト-CN-02の防音装置付き人型収容チェンバー内で収容されなければなりません。これら対象からの音楽に係る要求は却下されなければなりません。財団は目下要注意団体"失神交響楽"についての調査を進めています。

説明: SCP-CN-1976は1969年版『毛主席語録』の64折判本です。浸水による傷みの痕跡が見られます。本扉には"革命未だ成らず。我はヴァイオリンと共に永久の安らぎに就かん。"と記されています。

人間の対象が本の文章を声を発しながら読むと、一過性脳虚血発作を発症し一時的に意識を失います。意識を取り戻すと、対象は文化大革命期の紅衛兵の制服を身に着けた実体が隣にいるのを知覚します。この実体はSCP-CN-1976の影響を受けている人物だけが知覚できます。当アノマリーの影響下にない人物はCOLLICULUSエーテル共鳴イメージャーを使用すれば観測が可能ですが、実体の活動に干渉する手段は何もありません。影響を受けた対象は実体が『紅衛兵らは大草原にて毛主席と対面す』をヴァイオリンで演奏しながら歌うのを知覚します。対象が実体との接触を試みると、実体は対象の視界から消失しますが、演奏されている音は歌が終わるまで続きます。実体の消失後、音の出どころの特定は必ず失敗に終わります。大抵の対象は楽曲が「至る所から聞こえてきた」と主張します。

楽曲の演奏が終わると、複数枚の印刷された紙片(補遺1を参照)がSCP-CN-1976中に現れます。この時点で、対象は1966年から1976年の間の中華人民共和国の人々の歴史に対する強い興味関心が芽生え、"失神交響楽Syncope Symphony"として知られる団体への参加を主張し、文化大革命時代の人気の音楽について学び始めます。影響を受けた対象による、上記の音楽の演奏に長期に亘って曝露した人間は顔面に深刻な損傷を被り、心室の更なる生成、多指症の発症、頭蓋腔の体積及び重量の増加などの変形、加えて2.4-3.6ギガヘルツの周波数帯で電波の受信と返信を可能とする器官の腹部での生成が起こります。

補遺: SCP-CN-1976に出現した紙片からの抜粋

革命未だ成らず。これら人間を自称する人間ならざるものどもが勝利した。彼奴等はO5-9に協力すると言っていたが、実際には彼を収監している。私達は屈辱に直面した。これら数多の5本指、5本指の足の化け物どもは我等を蹂躙した。本来の人間は彼奴等の足元にいる。私達は敗北した。

解放戦争において、これら戦いは長きに渡って続いていた。群衆の前で、我等は非人間、怪奇にして異常となった。大衆の前に現れるのは出来ず、彼奴等を本来の姿へと戻す術を考える以外に出来る事は無かった。されど私達は完敗した。今や私達は邪悪な勢力、社会の敵と化し、彼奴等の絶え間ない非難を浴びて手ひどい目に遭う一方だった…。

このヴァイオリンを演奏する以外に情熱を抱くものはない。指揮官から新兵に至るまで、私の演奏を聞きたがる。演奏を続けたいが….されど76年は唐山地震にO5-9の死去というように正真正銘の災厄だった。私には最早信念は無い。さらばだ。

私と私のヴァイオリンは黄河にて永遠の眠りに就く。構うものか。正常性は維持されるだろう。

私は水中の死体に見覚えがあるか?
私は水中の死体に見覚えがない。
私は水中の死体に見覚えがある…私は水中の死体に見覚えが無い…私は…
忘れてしまえ、忘れてしまえ、忘れてしまえ、忘れてしまえ、忘れてしまえ…南湖に戻るんだ。

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